2026-06-01から1ヶ月間の記事一覧
192話 皇宮の使者がオデットを訪れた理由は? 戦時中ということもあり 儀礼は簡素化されました。 皇室の馬車は、 決められた時間に合わせて タウンハウスの前に到着しました。 歩みを止めた通行人たちは、 好奇の眼差しで その光景を見つめました。 準備を終…
137話 イアンがローラに歌を歌っていると、ローラが目を開けました。 「ローラ?」 イアンは興奮し、息を切らしながら ベッドに駆け寄りました。 彼はローラの肩を掴み、 病人と顔を近づけて見つめ合いました。 気がつきましたか? 私が誰だか分かりますか?…
191話 オデットは海軍省で翻訳のボランティアをしています。 近いうちに、北海で 大規模な総攻撃作戦が展開される予定。 翻訳しながら集めた断片的な情報を まとめたオデットは、 そう結論を下しました。 北部連合は、 利用可能なすべての艦隊を トロサに集…
136話 ローラとイアンは再会しましたが、ローラは熱を出しています。 自分に失望したのか。 もう、自分が嫌いになったのか。 手紙に書いてあったように、 海峡を渡って 自分から逃げるつもりなのか。 どうか、そうしないで欲しい。 もし、そうしたら、自分は…
190話 オデットはロスバインを離れました。 夜明けの街を走って来る 新聞配達員の足音が聞こえて来ました。 玄関をうろうろしていたオデットは 急いでドアを開けて外へ出ました。 頬が真っ赤に凍りついた少年は、 今日も元気な挨拶と共に 新聞を渡しました。…
135話 ジョン・アシュトンは、イアンに対する卑劣な嫉妬心を打ち明けています。 彼は生まれながらにして気品がある。 8代続く家門の嫡子。 パブリックスクールと ケンブリッジという 典型的なエリートコースを歩んだ 教養あるジェントリ。 自分の故郷で尊敬…
189話 オデットは今日もバスティアンに手紙を書いていますが・・・ 便箋の上を動いていた ペン先の音が止みました。 オデットは、 物思いに沈んだ目で バスティアンに書いた手紙を 見つめました。 盛りを過ぎた夏の夜は 虫の鳴き声に満ちていました。 変わり…
134話 一秒たりとも躊躇わないローティス嬢を見たローラは・・・ ローラは、 彼女がすごいと思う反面、 呆れてしまうような複雑な気持ちで 力なくフフッと笑いました。 炎のようなローティス嬢。 自由な鳥のようなハイド嬢。 そうね、二人なら決して躊躇しな…
188話 フラフラしていたオデットが座り込んだところへ、マクシミンがやって来ました。 暑い天気のせいだと思う。 少し休めば良くなるので 心配しないでと言うと、 意識を取り戻したオデットが 顔を上げました。 まだ顔色は青白かったものの、 幸いにも 危機…
133話 想像を絶するハイド嬢の小説の内容は? 小説の主人公は25歳の女性で、 出版社で事務を担当するタイピスト。 見た目は平凡だけれど、 いつも旅とロマンを夢見る 愛らしい女性。 彼女の前にある日、 一人の女性が現れる。 彼女は、 長い間行方不明のまま…
187話 ベルクとロビタとの間に戦争が勃発しました。 「総員、戦闘配置!」 艦長が下した戦闘配置命令は 瞬く間に戦艦全体へと 行き渡りました。 待機していたレイバエル号の 乗組員たちは、一糸乱れぬ動きで 戦闘位置へと移動しました。 艦橋の甲板に出たバ…
132話 ローラのおかげでハイド嬢の人生は変わりました。 ハイド嬢は、こんなに美しい街で 以前なら想像もできなかった額の お金を稼ぎながら、 充実した日々を過ごしていました。 それだけではありませんでした。 彼女は小説を書いていました。 狭いタウンハ…
186話 バスティアンは指揮官として、トロサ諸島に出航しました。 トロサ諸島には、 すでに戦雲が立ち込めていました。 本島にある北海艦隊の官舎には 民間人への退避命令が下されました。 将校の家族は全員、本土行きの輸送船に 乗らなければなりませんでし…