バスティアン-ネタバレ ノベル 111話~120話
120話 オデットとバスティアンは、カルスバルへやって来ました。 よりによって、あの部屋でした。 オデットは困った顔で ホテルの客室を見つめました。 家具や装飾品はもちろん、 窓の向こうに広がるシュルター川や カルスバルの街並みの風景まで、 全てが2…
119話 オデットはマクシミンに連れて行ってもらったラッツで、彼の目の前で倒れてしまいました。 最初に目に入ったのは 見慣れない天井でした。 午後の日差しが、 装飾を最小限に抑えた ライトグレーの天井を染めていました。 天蓋から垂れ下がった レースの…
118話 オデットは妊娠したようです。 マクシミンは、 体の具合が悪そうで心配だと これ以上、 我慢できなくなった言葉を 慎重にオデットに伝えました。 秋の花が満開の庭で走り回る アルマと子犬を見つめていたオデットは ようやく彼に視線を向けました。 パ…
117話 以前、サンドリンの画家の恋人は、フランツの作業室にオデットの絵があることをサンドリンに教えましたが・・・ フランツ・クラウヴィッツの アトリエは、フレベ大通りの近くの 高級住宅街にありました。 窓の前に近づいたサンドリンは、 興味深々とい…
116話 オデットはハンガーストライキをしています。 真夜中に食卓が用意されました。 オデットは天蓋の柱にもたれかかり そのとんでもない光景を見ました。 侍従が暖炉の前にテーブルを移すと 待機中のメイドが テーブルクロスを敷きました。 カートで運ばれ…
115話 その後、テオドラは・・・ 「確かなの?」 テオドラ・クラウヴィッツは 呆れたように笑いながら 聞き返しました。 モリーが、おばを通じて伝えた バスティアンの近況は 予想をはるかに超えていました。 帰国したら真っ先に オデットを片づけると 思っ…
114話 オデットはサンルームでピアノを弾いています。 最後の音の残響が サンルームを満たした日差しの中に 消えて行きました。 オデットは、ほっと一息ついて 鍵盤から手を離しました。 一生懸命練習していた頃には 及ばないけれど、 それでも、この程度な…
113話 オデットはバスティアンから逃げたがっています。 スピードを上げて走っている馬車が ラッツの中心部に差し掛かりました。 窓の外を通り過ぎる フレベ大通りの風景を見たオデットは 安堵の笑みを浮かべた顔で トリエ伯爵夫人に向き合って お礼を言いま…
112話 オデットは浴室で、冷たいシャワーの水を浴びていました。 くわえていたタバコを 指の間にはさんだバスティアンは、 不幸を楽しむ趣味は 相変わらずのようだと、 先に口を開きました。 オデットは赤く充血した目で じっと彼を睨みつけました。 夜が更…
111話 オデットはバスティアンの思い通りにさせないつもりでいます。 オデットは途方に暮れて テーブルを見下ろしました。 小切手と紙幣、硬貨。 そして自分の分の貴重品まで 持っている全てを集めましたが、 その金額は みすぼらしいものでした。 この2年間…