再婚承認を要求します 小説版 第108話をお届けします。ラスタとダンスをしながら話をするという妙案を思いついたナビエでしたが・・・
◇ラスタとのダンス◇
初めは、ナビエを見て
緊張していたラスタでしたが
ナビエからダンスに誘われると
目を丸くしました。
仮面を付けていても
新皇后と前皇后であるのは明らか。
この状況に
周囲の人たちも当惑していました。
ラスタは慌ててはいたものの
ダンスを断るのは避けようと思ったのか
ナビエに手を引かれて
2人は中央に出ました。
楽士が気を利かせてくれて
男女の区別なく、2人の動作が同じ楽曲を
演奏してくれました。
ラスタは、
自分よりダンスがうまいことを
ひけらかして、
自分に勝ちたいと思っているのか
とナビエに言いました。
ラスタの自分勝手な解釈に
ナビエはあきれたものの
無駄なことを話している時間はないので
あなたが上手に踊れば良いでしょ。
と言って、本題に移りました。
ラント男爵と親しくしていて
困ったことがあれば
カルル侯爵に助けを求めること。
カルル侯爵は陛下の部下だけれど
私的な感情に流されない公明正大な人。
国のためなら、手伝ってくれる。
ということは、ラント男爵は感情に流される人なのですね。ラスタが偽親との偽の再会をしていた時に、もらい泣きしていましたっけ。
権力と利得を狙って近づく人がいても
無条件に追い出さなくても良い。
目的が違うだけで、
良い人材がいることもある。
側近に振り回されないこと。
振り回されたとしても、
相手が何を望んでいるか、注視すること。
今日のドレスを選んだ人は遠ざけること。
デザイナーの反対を押し切ってラスタが選んだドレスを批判されてしまいました。
なぜ、こんなことを自分に話しているのかと
混乱しているラスタに
あなたのためでなく、
母国のためにアドバイスをしています。
と言ったナビエを
ラスタは睨みつけましたが
ナビエが、彼女にあげた手形を、
すでに他の人に渡したか尋ねると
彼女の顔は蒼白になり
周りをキョロキョロ見回しました。
しらばっくれるラスタに
ナビエは、
手形を回収できるなら回収すること。
回収できないのであれば
今後は、自分のお金で後援すること。
と忠告しました。
ナビエは、自分のお金が惜しくて
そんなことを言っているのだと
ラスタは思い
鼻先で笑いました。
お金がもったいなかったら、ラスタに手形を残していかないでしょう。
ナビエは、お金のせいで、
彼女が後援していた関係機関に
火の粉が飛ぶことを心配していました。
ラスタに法的な問題が起こっても
それらの機関に問題が生じるわけではないけれども
一度悪評が立ってしまった機関に
寄付する人はいないと
思ったからです。
ナビエは、最悪の状況を防ぐ話はしたので
それ以上、話すのをやめることにしました。
ナビエがあげたお金に問題はありません。
ただ、ラスタはこれまでも
自分の罪を人になすりつけてきたので
ナビエが、これ以上の情報を与えることで
ラスタが、後々、問題が生じた時のために
他の人に責任をなすりつける準備をすることを
心配していました。
その瞬間、ラスタが
お腹が痛いと悲鳴を上げて座り込みました。
お決まりの腹痛・・・
本当に痛いのか、仮病なのか
ナビエは、そんなことを考えながら
お腹を抱えているラスタを見下ろしていると
ソビエシュがラスタに駆け寄り
ラスタを抱き上げました。
ソビエシュの顔は
ナビエがラスタに危害を加えたのではと
疑っている風ではなく
ナビエの顔色をうかがっていました。
以前のソビエシュは、ラスタに何かあると必ずナビエを疑っていましたよね。
ソビエシュがラスタを連れて行ってしまうと
自分が1人になってしまうことを
心配しているのかと
ナビエが考えていると
ハインリが近づいて、ナビエの手を取り
ソビエシュに宮医を呼ぶことを提案しました。
ラスタの様子を見ていると
本当に具合が悪そうなので
ソビエシュは、ラスタを抱きかかえて
出ていきました。
貴族たちは、ナビエを睨みつけましたが
彼女は、他の人の前でラスタと話をして
良かったと思いました。
ラスタのお腹が本当に痛いとしても
ラスタは
ナビエのせいだと言って責めると
思ったからです。
◇手形の問題◇
隠し事がいっぱいあるから、ストレスたまりまくりでしょ。
以前より、冷静に考えられるようになったかな?
ラスタ、性格悪すぎ。
◇エルギ公爵◇
ナビエがソビエシュではなく
ラスタに手形を任せたのは、
私は、こんなに良い皇后なのに
今後、ここに立ち寄ることはほとんどないか
最後になるかもしれないので、
どのくらい歩いたのか
よくわからないエルギ公爵、謎の存在です。
◇帰って来てくれ◇