174話 ソビエシュはがラスタの父親を片づけてくれたことを知ったラスタは・・・
◇親子検査の前に◇
ソビエシュが実父を
片付けてくれたので
ラスタは、イスクア子爵夫妻に
出て行ってもらうことにしました。
ラスタが事情を話すと
2人は涙ながらに
承知してくれました。
娘を探すと言って
お金を要求する以外
彼らは実父よりましでした。
ラスタは、実父と彼らに用意した
お金の両方を2人に渡しました。
そして、
助けが必要ならいつでも呼んでという
2人に対して
エベリーが死ぬか消えない限り
彼らを呼ぶことはないと
思いました。
今、自分たちが消えると怪しまれるので
適当な時期に帰ると
彼らはラスタに告げました。
◇娘の絵の隣の前妻の絵◇
ソビエシュを訪ねたラスタを
彼は寝室に招き入れました。
ラスタは寝室に入った途端
壁にかかっている
大きな2つの額縁を見て
驚いて口をパクパクさせました。
もう1枚はナビエの肖像画でした。
今のソビエシュの妻は自分なのに
他の男の妻となっている女の絵を
皇女と一緒に寝室に飾っていることに
ラスタは、
はらわたが煮えくり返るくらい
腹が立ちました。
ラスタは恨めしそうに
ソビエシュを見ましたが
彼の表情は変わりませんでした。
鳥かごの鳥は、
悲鳴を上げていました。
ラスタは、ソビエシュが
自分の父親を殺したのか
聞こうと思っていました。
彼が、それを認めて
そのことで、彼が少しでも
罪悪感を抱いていたら
ラスタは、ソビエシュに
お礼を言うつもりでした。
以前より、仲は良くないけれど
いつも自分を支えてくれるのは
ソビエシュだと
伝えたかったのですが
寝室にかかっている
ナビエの絵を見たラスタは、
自信がなくなりました。
自分はソビエシュに
愛されているという前提が
崩れると
何もかも滅茶苦茶になると
思いました。
ラスタは、ソビエシュに
自分を愛しているか尋ねました。
そして、罠にかかったのが
自分でなくても
側室にしたのか尋ねました。
ソビエシュは眉間にしわを寄せ
妙な目つきでラスタを見つめましたが
返事はしませんでした。
ラスタは、親子検査を受けると
ソビエシュに伝えました。
◇わが子の拉致◇
ラスタが親子検査を受けると
言い出したので
皇女は皇女でないかもという疑惑は
下火になってきました。
貴族だけでなく平民も
ラスタの受ける親子検査に
関心がありました。
しかし、
ハインリの誕生日が間近に迫り
西大帝国に
外国の貴賓が集まる中
東大帝国の皇室がガタガタの状態で
ハインリの
誕生パーティーに出席をすれば、
笑いものになるので
親子検査は
ハインリの誕生日の後まで
先延ばしになりました。
そのおかげで、イスクア子爵夫妻も
慌てて、
出ていく必要がなくなりました。
人々が騒ぐのはわかっていましたが
ラスタはエルギ公爵を訪ね
アレンの子のアンを拉致して
東大帝国ではなく
少し遠い国の
子供を欲しがっている家へ
預けて欲しいとお願いしました。
遠い国と聞いて
エルギ公爵は眉をしかめました。
そして、ラスタの、
お礼は何でもするからの言葉に
彼は、
莫大なお金を貸したり
お願いを聞いたのは
自分たちの間に
友情があったからやったこと。
だからお金の催促はしないけれども
港のことは残念だと言いました。
ラスタは、今の状況では
港をあげるどころではないと
言うと、
エルギ公爵は、
今後、事態が収まったら
港をくれるという念書を
一つ書いてもらえないかと
ラスタに頼みました。
◇何を贈ろうか?◇
ソビエシュからのプレゼントは
ハインリに任せたし
彼が東大帝国と
戦争する心配がなくなると
ナビエは、ハインリの誕生日に
何を贈ろうか悩みました。
母親以外の人たちにも
意見を聞きましたが
役に立ちませんでした。
ナビエの父親は、
彼の誕生日に
ナビエの母親自ら作った特製料理が
好きだったと彼が話すと、
ナビエは父親に、
涙が止まらなくて
何と言ったらわからないと
言いました。
父親は、その言葉の意味が
理解できませんでした。
実は母親が作った特製料理はシェフが作ったので・・・
ニアンは、恋人に
セクシーな下着を
プレゼントしたことがあると
言いました。
彼女は、
彼がセクシーな下着を着れば
自分は楽しい。
自分が楽しければ相手も楽しいと
言ったので、ナビエはしばらく
ランドレ子爵と
目を合わせられないと思いました。
けれども、ナビエは
ニアンの意見が
一番気に入りました。
けれども、皇后の威厳は
保つ必要があると
ナビエは思いました。
マッケナにも
意見を求めようとしたところ
彼の方からナビエの所へ
やって来ました。
マッケナは
ハインリが一番嬉しい時に
踊るダンスがあるけれども
それを一緒に踊ってあげれば喜ぶと
言いました。
ナビエの妊娠が確定した時
ハインリがクイーンの姿になって
踊ってくれたけれども
あれは、
鳥の姿で踊るから可愛いんだと思い
ナビエはため息をつきました。
それからマッケナは、
何か思い出したように
「しまった」と言って、
自分の頭を叩くと、
東大帝国の使者を全員調べた結果
ナビエの言う通り
折れた車輪から一番遠い所に
座っていた人が犯人だと
ナビエに伝えました。
ナビエは、
ラスタが指示したことかと
思いましたが
マッケナが教えてくれた犯人は
意外な人でした。
ソビエシュの
ラスタに対する気持ちは
冷めてしまっているけれども
今の時点では
まだ少し愛情が残っていて
愛していないと
はっきり言えなかったのかなと
思いました。
とうとうラスタは
エルギ公爵に港をあげると
一筆書いてしまいました。
ラスタの罪が
また一つ増えてしまいました。