185話 残りの2人は誰なのでしょうか?
◇何をすべきか◇
ロテシュ子爵は
考え事をしながら
廊下を歩いていきました。
ソビエシュは
残りの2人を助けたいか?
とロテシュ子爵に尋ねました。
彼はルベティの居場所を
教えてくれたので
そのうちの1人は
ルベティだと思いました。
もう一人は不確実だけれども
ロテシュ子爵の妻であることを
彼は望みました。
アレンも助けたいと思いましたが
自分の命が助かったとしても
アレンは無理だと思いました。
ロテシュ子爵は死の恐怖で
足に力が入らなくなり
廊下に座り込んでしまいました。
するとパルアン侯爵が
彼を見下ろして
嘲り笑うように
声をかけました。
ロテシュ子爵は
パルアン侯爵の
世の中は本当に面白い。
の言葉にかっとなりました。
そして、パルアン侯爵は
ラスタ皇后を助けて
ナビエ皇后を追い出すくらい
ロテシュ子爵は頭が良いので
この難関を乗り越えられるだろう。
と皮肉を言いました。
その言葉に反論した
ロテシュ子爵に
パルアン侯爵は
これから何をするか
大いに期待しています。
と言いました。
ロテシュ子爵は
その言葉の意味を
考えました。
◇赤ちゃんへの教育◇
ナビエの
何をしているかの質問に対し
ハインリは
何を言っているんですか?
と言い逃れをして
本を抱えたままベッドから降りて
ドアの所まで行き
逃げようとしたので
ナビエは、彼に戻ってくるように
命じました。
すると、ハインリは
可愛らしい態度で戻って来たので
ナビエはわざとしかめっ面をして
冷たい声で
ハインリを叱ると
彼は、ナビエの横に座りました。
そして、ナビエは
ハインリから本を受け取ると
中身を確認しました。
戦争描写の多い小説を
自分のお腹に当てて
読んでいたなんて!
ナビエは腕を組んで
ハインリを見つめると
彼は笑いながら
勇猛な子が生まれて欲しくて
その本を読んでいたと
言い訳をしました。
そして、夢に出て来た赤ちゃん鳥は
弱々しかったから
早期教育を・・
と言うとナビエは
夢に出て来た赤ちゃん鳥は
とても愛らしくて
おとなしかった。
戦争小説を
読んであげてもいいけれど
全部読む必要はない。
戦争の悲惨さは
後で教えれば良い。
と言いました。
そして、悪いことをすれば
お父さんも罰を受けることを
お腹の赤ちゃんに教えると
言って
ハインリに寝室から
出て行くように命じました。
◇母のお仕置き◇
執務室の近くの庭の階段に座り
夜勤をしていたマッケナの所へ
落ち込んでいるハインリが
近づいてきたので
マッケナは面白がると
ハインリは彼を睨みつけましたが
マッケナは気にしませんでした。
ハインリは
お腹の赤ちゃんに
戦争一代記を読んでいることが
ナビエにばれて
寝室から追い出されたことを
マッケナに打ち明けました。
ハインリは
赤ちゃんだって
人を刺すと血が出ることを
学ぶ必要がある。
と言うと
マッケナは
その思想は危険です。
自分も
ハインリを追い出す力が欲しい。
と言いました。
ハインリは、自分は
5歳の時から剣で遊んだと
反論すると、マッケナは
そのせいで、
王妃にお尻を叩かれて
家出したことは
覚えていないのか?
とハインリに尋ねました。
鳥の姿で家出したハインリを
同じく鳥の姿で追いかけた
先王がハインリの首をくわえて
連れ戻すと
その鳥が先王とハインリであることを
知らない宮殿の人たちが
鳥も家庭教育をするんだと
面白がっていた。
と話すと、ハインリは
マッケナを睨みつけました。
ナビエは、その様子を
遠くから微笑ましく
眺めていました。
2人は喧嘩をしているように
見えるけれども
ハインリが本当に
怒っていないことを
ナビエは分かっていました。
そして、ハインリも
ナビエが
ひどく怒っていないことを
知っていたし
今のナビエが
自分に素直に話をしてくれることを
嬉しく思い
ニンマリしました。
その顔を見たマッケナは
ハインリに
変態
と言った後
書類を抱えて逃げていきました。
娘の面影を求めて
宮殿に来ていた
ジュメンシア老公爵は
ハインリとマッケナの
楽しそうな様子を見て
胸が痛みました。
自分の娘は死んで
冷たい地下で
横たわっているのに・・・
ジュメンシア老公爵は
自分が死ぬことになっても
娘を死なせた、あの敵を
苦しめてやる、と誓いました
◇ロテシュ子爵の覚悟◇
ロテシュ子爵は
ソビエシュの気が変わる前に
首都から遠く離れた自分の領地に
ルベティを非難させようと思い
何日も馬を乗り継いで
ソビエシュの教えてくれた場所へ
ルベティを迎えに行きました。
ルベティと再会した
ロテシュ子爵は
彼女が無事なのを見て
涙を流しました。
ルベティは父親に
ラスタが自分を
殺そうとした。
皇帝が助けてくれなければ
どうなっていたかわからない
と話すと
ロテシュ子爵は
ラスタが奴隷出身であることを
自分たちが知っているので
ラスタは口封じのため
ルベティを攻撃したと
言いました。
ルベティは、
ラスタが奴隷だったことを
明らかにしようと
父親に訴えましたが
彼は、首を振りました。
外での騒ぎを知らず
まだラスタが幸せに
暮らしていると思った
ルベティは
父親の返事に腹を立てましたが
ロテシュ子爵は
自分は悪い人間だ。
ラスタの産んだ姫が
アレンの子供になってしまった。
と言いました。
ルベティは
ラスタの娘がなぜアレンの子供なのか
意味が分かりませんでした。
しかし、ロテシュ子爵は
自分とアレンは
ソビエシュの標的となり
もう助からないと
思っていたので
ルベティと
ロテシュ子爵夫人だけでも
助けるために
彼は、ラスタの妊娠した子が
アレンの血筋だと知っていたと
言いました。
ルベティは、
父の言葉を信じませんでしたが
ロテシュ子爵は
自分とアレンは死ぬから
ルベティに
領地に戻り
彼女が領主になるように
命じました。
そして、自分のしたことの
責任を取るので
ルベティはすぐに
領地に戻り
母親の面倒を見るように
命じました。
ルベティは泣きながら
父の言葉に反対しましたが
ロテシュ子爵の決心は
変わりませんでした。
そして、誰かに
父と兄ことを聞かれたら
仲が悪くて
ろくに話もしなかったと
答えるように命じました。
ロテシュ子爵は姫が
アレンの子供だと
信じていませんでした。
ラスタが浮気をして
できた子を
皇帝の子供だと主張していたけれど
自分の立場が悪くなったので
昔のことで復讐するために
アレンを引き入れたと
思っていました。
そして、ラスタは
ルベティを殺そうとしていました。
ロテシュ子爵は
ラスタを一緒に地獄へ
連れて行くつもりでした。
ハインリは子供への愛情のため
血なまぐさい本を読み
マッケナとハインリの間には
愛情があるので
互いに何を言っても
許されるし
ジュメンシア老公爵が
ハインリを恨むのも
娘への愛情のため
そして、ロテシュ子爵の
家族への愛のため
ラスタに復讐をする。
それぞれの愛の形を見て
今のラスタは
誰からも愛情を受けていないと
思いました。
(ソビエシュもかも)
ハインリが家出をした時の話は
覚えておくと、
良いかもです(今のところは謎で)