212話 ナビエの素晴らしい?演技にみんなの反応は・・・
◇魔法を学ぶために◇
ハインリは、
抱腹絶倒していました。
ナビエは、自分の演技について
意見を求めると
カフメン大公は目をそらし
マスタスは、
平民が皆、ごろつきのように
話すわけではないと
言いました。
ナビエは、
普通に話しているだけで
貴族に見えると
カフメン大公に言われたからと
言い訳をすると
侍女たちは納得しましたが
依然としてハインリは
お腹を抱えて笑っているので
ナビエは彼に近づき、
ハインリの前の石を蹴ると
ようやく、彼の笑いが止まりました。
ハインリは、なぜナビエが
平民の真似をしていたか尋ねたので
彼女は、貴族が嫌いな
カフメン大公の友人から
魔法を学ぶためだと答えました。
ハインリは、
そこまでやる必要があるのかと
心配しましたが
ナビエは、与えられた力を
上手に使いたいと言うと
ハインリは、とりあえず
認めてくれました。
そして、ハインリは
クイーンが平民の真似をしても
誰も騙されないと言って
別の提案をしようとしたところ
騎士が、ソビエシュの来訪を
告げに来ました。
ハインリは、
お客さんを迎えに行かなければと
ナビエに告げると
彼女は、ハインリの
不安な気持ちを察し
具合が悪いので休むと
仮病を使い、部屋に戻りました。
◇名画伯?ナビエ◇
部屋へ戻ると、侍女たちは
ナビエが仮病を使ったと
分かっているにもかかわらず
彼女の体調を気遣ってくれました。
ナビエは、身体は大丈夫だけれど
精神的に疲れていました。
今は、ソビエシュを
避けることができたけれど
半月の間ずっと
そうするわけにもいかないと
思いました。
そして、いくらナビエが
大丈夫、ハインリだけと言っても
ハインリは不安がるだろうと
思いました。
ナビエは
イーゼルとスケッチブックと
鉛筆を持ってくるように
ローズに頼みました。
以前、ナビエは
ハインリの誕生日プレゼントに
ダンスの絵を描きましたが
ハインリに笑われたので
名誉挽回を兼ねて、再び
絵をプレゼントすることにしました。
何の絵を描くのかと
侍女たちに聞かれたので
ナビエは、
ハインリの不安な気持ちを
解消するために
「死ぬ瞬間まであなたと一緒」
というタイトルで描くと
話しました。
タイトルがかっこいい
ロマンチックと言って
侍女たちが期待する中
ナビエは、
スケッチブックの上に
墓と指輪を2つ描きました。
侍女たちは、
褒め過ぎと言っていいほど
ナビエの絵を称賛してくれました。
ナビエは絵を
額縁に入れるつもりだと言うと
宝石を付けると良いかもと
侍女が助言しました。
ナビエは、ローズと
ジュベール伯爵夫人と共に
額縁を飾りに別室へ行っている間
マスタスは、ナビエの絵を見て
私は、あなたを殺します、
に見える。
墓がリアルすぎると言いました。
ローラも、
自分も絵がちょっと怖い。
でも、皇帝陛下と皇后陛下の間で
通じるものがあるのでしょうと
言いました。
◇絵の解釈◇
その時刻、ハインリは
ソビエシュとの短い時間
会話をしただけなのに
気分が悪くなった上に
気力もなくなり
マッケナと口論する気も
起きませんでした。
ハインリは、
ソビエシュの様子がおかしい。
前はそうではなかったのに
今は、目がキラキラしていると
マッケナに言いました。
マッケナは、
ソビエシュの様子を思い出しながら
特におかしいところはなかった
と思いました。
その時、マスタスが
ナビエからのプレゼントと言って
布で覆われた額縁を
ハインリに渡しました。
ハインリは、期待に満ちて
布をめくりましたが
すぐに、布を被せて
これは、本当にナビエからの
プレゼントなのかと
マスタスに確認しました。
彼女は頷き、挨拶をして
出て行きました。
ハインリは、絵の意味をどう思うか
マッケナに尋ねました。
絵の背景は墓地で
中心にリアルな墓が描かれていて
半分土が掘られている中に
棺桶が見え、
その上に、結婚指輪が2つ
重ねて置かれている絵を見て
マッケナは
ソビエシュ皇帝が来たので
頑張りなさい。
このお墓の主はあなたです。
上手く振る舞えなければ
お墓に葬ります・・・
ではなくて、
上手に振る舞えなければ
自分たちの結婚は
墓に葬られるではないかと言いました。
ハインリは
それは違うときっぱり言うと
少し離れた場所で
その話を聞いていた宰相が
自分は芸術に造詣が深いと言って
結婚指輪は夫婦
墓は疲弊した心理を表し
皇后陛下は結婚生活に
問題があると思っている。
だから、
自分を楽しませてくださいという
意味で、この絵を贈ってきたと
解釈しました。
2人の突拍子もない解釈を聞いて
イライラしたハインリは
2人に出て行くように合図しました。
ハインリは、
直接言いにくいことを
ナビエが絵で表現したのかと
不安になりました。
◇ソビエシュとの再会◇
ナビエは、
絵を受け取ったハインリが
夕食の時
どんなことを言ってくれるか
楽しみにしていました。
ところがハインリが来る前に
ナビエの副官がやって来ると、
急いで魔法使いたちを
ヨルンに行かせるために
皇后の助けが必要だと
ソビエシュ皇帝が主張していると
ナビエに伝えました。
ナビエは、
あえて自分を呼ぶ必要はないと
思いましたが
半月の間、ソビエシュを
避けるわけにもいかないので
ソビエシュとハインリのいる
夜の間へ向かいました。
ナビエは、扉の前で深呼吸をして
夜の部屋へ入ると
ハインリとソビエシュが立ち上がり
ナビエの方を向きました。
ナビエはソビエシュに
挨拶をしようとして
彼と目が合った瞬間
ナビエが見たのは
何か驚くべきことを発見して
完全に
魂が抜けてしまった人の姿でした。
人は同じものを見ても、聞いても
それに対する感じ方や
抱くイメージは違います。
だから、相手に何かを伝える時に
きちんと自分の意図していることを
伝えないといけないのですが
ナビエ様は、抽象的な絵で
自分の気持ちを
ハインリに伝えたことで
かえって彼を不安にさせてしまいました。
絵ではなく、
直接、言葉で言ってあげれば
変に誤解されることも
なかったのでしょうけれど
絵で自分の気持ちを
伝えようと頑張るナビエ様は
可愛いと思いました。