240話 双子を産んだナビエの日常は?
◇赤ちゃんへの期待◇
ナビエは、
赤ちゃんは何歳から話をし、
何歳から歩くことができるかと
ジュベール伯爵夫人に
質問をすると、彼女は
赤ちゃんによって異なるけれど
今すぐではない、と答えました。
ナビエは、早く赤ちゃんが
お父様、お母様と
呼ぶのを聞きたい、
同じ服を着た2人が
手をつないで、
よちよち歩くのを見たいと
思っていると
皇女様が皇子様を
何度も叩くと
ローラの叫び声が聞こえました。
ナビエは、2人が手をつなぐのは
難しいかなと思いました。
2人が並んでいると、
とても可愛いので
一緒に寝かせていましたが
ナビエはラリ(皇女)を
別のゆりかごに寝かせました。
ローラは、心配そうな声で
皇女の性格が
コシャールに似たらどうしようと
ナビエに話していると
ちょうどコシャールが
やって来ました。
コシャールは、子供たちを
とても可愛がり
時々やって来ては
子供たちを眺めていたり
まだ着られない服を
たくさん買ってきたりしましたが
今回は、
顔が尋常ではありませんでした。
ナビエは侍女たちに席を外してもらうと
コシャールは
月大陸連合が他の国々を集めて
東大帝国と西大帝国を
制圧しようとしているのは本当かと
ナビエに尋ねました。
彼女は、
そのような気配はあるけれど
大丈夫と兄に答えましたが
コシャールは、
他の国々が連合首長を中心に
団結すれば、相手をするのが
大変になると言いました。
ナビエは心配しないようと
言いましたが
コシャールは不安そうなまま
部屋を出て行きました。
◇コシャールの決意◇
侍女たちが戻ってきましたが
マスタスがいませんでした。
コシャールが連れて行ったとのこと。
コシャールに呼ばれて
ドキドキしていたマスタスに
彼は
この間、自分が好きだと言ったことは
すべて忘れてと頼みました。
突然、そんなことを言われて
訳がわからないマスタスは
涙をこぼしました。
コシャールは
マスタスのせいではない、
自分がシャーレット姫と結婚すれば
西大帝国が孤立しない。
マスタスさんは完璧だから
自分を責めないでと言いました。
コシャールと別れた後
マスタスは岩にひれ伏して
泣きました。
自分が王女に生まれなかったことを
悲しく思いました。
◇シャーレット姫のとまどい◇
一方、コシャールから
プロポーズされたシャーレット姫は
とまどいました。
政略結婚をするなら
最も美しい人を選びたかったので
コシャールにプロポーズしたものの
元々、氷の美男子よりも
セクシーな美男子が好きな
シャーレット姫は
コシャールと同じくらい美しく
彼よりもセクシーで
自分を心から愛してくれている
カフメン大公が現れると
コシャールとの縁談が
壊れることを願っていました。
けれども、カフメン大公より
身分は劣るけれども
西大帝国の皇后の実兄で
東大帝国最高の名門の後継者で
ハインリが信頼する
初代、金の騎士であるコシャールと
結婚する方が
自分の国のためになると思い
シャーレット姫はコシャールの
プロポーズを承諾して
指輪を受け取りました。
◇決意◇
その同時刻
ハインリはエルギ公爵からの手紙を
読み終えていました。
手紙には
東大帝国と西大帝国を潰したいという
月大陸連合の魂胆について
書かれていました。
ハインリは地上から15mほどの高さの
絶壁にいました。
前方に生い茂った草が
ハインリを隠してくれていました。
下に見える民家の下のどこかに
ハインリは魔石を隠していましたが
その周りを第4騎士団が
ウロウロしていました。
騎士を排除するのは簡単だけれども
これを繰り返せば
魔力減少現象の証拠を
すべて回収できていないことを
第4騎士団の団長が
知ることになります。
しかし、事態は非常に
追い込まれた状況なので
無理をしてでも、早く
回収するしかありませんでした。
エルギ公爵は
相談したいことがあるので
西大帝国へ来ると
手紙に書かれていました。
ハインリは、
エルギ公爵が来る前に
すべて魔石を回収しようと思い
仮面を付けて飛び出して行きました。
◇赤ちゃん鳥の世話◇
赤ちゃんが生まれる前も
ハインリが留守をする時は
虚しさを感じましたが
赤ちゃんが生まれてからは
それが、もっとひどくなりました。
出産後、ハインリは初めて
外泊しました。
彼は行きたがらなかったけれども
すぐに魔石を回収しないと
いけなかったので
仕方がありませんでした。
ハインリは、
赤ちゃんたちが
小鳥に変わるようにする方法
鳥でいるべき最短時間
鳥になった時に食べる物を
ナビエに教えた後
クイーンになり
子供たちを抱きしめ
人間に戻ると、ナビエを抱きしめ
これを20回程繰り返して
飛んで行きました。
ナビエは
ハインリが帰ってくるまで
赤ちゃん鳥たちの面倒を
しっかりみると、決心しましたが・・
人間の赤ちゃんの時は
おとなしい子供たちが
小鳥になると、
カイがラリの足を口に入れたり
ラリがカイの頭を叩いたり
カイが巣から出ようとしたり
喧嘩したり、
大声でピィピィ鳴くので
ナビエは疲れ果てて
ベッドに倒れ込みました。
すると、扇状に広がった
ナビエの髪の上に
小鳥たちが乗り
グルーミングし始めました。
ナビエは、可愛いと
呟きました。
グルーミングを終えたカイは
ナビエの頭に自分の頭を当てて
うつ伏せになりました。
それを見ていたラリも
同じことをしました。
これでは、お母様が
立ち上がれないと抗議したものの
ナビエは髪の毛を
赤ちゃん鳥たちに譲って
目を閉じました。
小鳥たちが人間に戻るのを待ち
ナビエは子供たちを
ゆりかごに寝かせました。
◇カラスの知らせ◇
侍女たちと楽しく話していると
窓の外で
カラスがこちらを見ながら
変な羽ばたき方をしていました。
ナビエは鳥一族かもしれないと思い
侍女たちに赤ちゃんを預けて
寝室へ行き、窓を開けると
カラスが中へ入って来ました。
カラスは丁寧にお辞儀をした後
あたりを見回し
ソファーの後ろへ行きました。
そして、
ハインリ陛下が
夜に魔石を回収すると言って
出かけたけれども連絡が取れないと
ナビエに伝えました。
自分の蒔いた種とはいえ
出産したばかりの妻と
生まれたばかりの
赤ちゃんを置いて
魔石の回収に行くのは
後ろ髪を引かれる
思いだったのではと思います。
子供たちとナビエ様を交互に
何度も抱きしめるシーンに
涙が出てきてしまいました。
こんなにステキな
夫と父親になったのだから
浮気者のハインリの汚名は
払拭されましたね。