外伝40話 ヨンヨン(ドラコ)に結婚できないと言われたラリでしたが・・・
◇結婚できない理由◇
ラリが誕生日に着る
ドレスを選ぶために
侍女たちはデザイナーを数人呼び
忙しく話している間、
彼女は話に入らず
膨れっ面をして
アルバムをめくっていました。
それに気づいた侍女の一人が
ラリに退屈なのかと尋ねましたが
彼女は首を振りました。
ラリは、退屈なのではなく
うっとおしいだけでした。
ラリの沈鬱な様子を察した侍女は
デザイナーたちを帰し
ラリと一番親しい侍女は
ラリが落ち込んでいる理由を
尋ねました。
ラリは、
ヨンヨンは自分のことを好きなのに
結婚したくないと言っていることが
理解できないと
素直に答えました。
ラリは深刻に悩んでいるけれど
傍から見ると
子供の初恋のようで可愛く
侍女たちは目配せして笑いました。
ラリは、
ヨンヨンが自分のことを
好きだと言ったのは
お世辞かもしれないと
言いました。
侍女の誰かが
龍はお世辞を言わないかもしれないし
元々、人間とあまり結婚しないから
何か理由があって断ったのではと
アドバイスしました。
ラリは、
力が、何とかかんとか言っていた、
でも、それは誤解だ。
と言いました。
ラリが首を垂れると
薄い金髪がカーテンのように
顔を隠しました。
その間から、
膨れ上がった唇だけ見えると
それがまた可愛くて
侍女たちは笑いました。
その時、ラリは頭を振り上げて
そうすればいい!
と叫びました。
彼女は、マッケナに
龍と結婚をする方法を
聞きに行くと言いました。
ラリは自分の考えに満足して
ぱっと立ち上がると
侍女が彼女を捕まえる間もなく
懸命に廊下を走って行きました。
◇龍と結婚する方法◇
半分ほど廊下を走ったところで
ラリは、
体面を気にしていなかったことに
気付きました。
ラリはしばらく立ち止まって
もじもじしていましたが
マッケナは忙しくて
1日中、宮殿の中を歩いているし
気が急いていて
今さらゆっくり
歩く気になれませんでした。
体面は後で準備すればいい!
ラリは再び走り始め、
運よく宰相官邸で
マッケナに会うことができました。
休憩中なのか
マッケナはドルシに
膝枕をしてもらっていました。
ラリが現れると
マッケナはあっという間に
立ち上がりました。
彼は恥ずかしがっていましたが
ラリは父親と母親が
くっついているのを
何度も見たことがあるので
気にすることなく
ドルシに挨拶をした後
マッケナはどうして
ドルシと結婚をしたのか
ドルシはどうして
マッケナと結婚をしたのか
2人に尋ねました。
ラリの下心が丸見えで
それが可愛いと
マッケナは思いましたが
心の中で
教えません。
と言いました。
マッケナは小さな皇女を
本当に愛しく思っていましたが
息子の嫁にはできないと
思っていました。
ハインリはナビエのために
戦争を放棄しましたが
ラリはドラコのために
戦争を放棄できるだろうかと
マッケナは考えていました。
ドラコがラリと結婚をすれば
彼はラリのために
自分が望まない所に
力を使う可能性が高くなり、
そのことで
ドラコが1人で苦しむのを
マッケナは嫌だと思いました。
人々はドラコのことを
偉大な龍と呼ぶけれど
マッケナにとっては
幼い息子でした。
しかし、ドルシは
考えが違ったようで
私がおもちゃ屋へ行った。
と話し始めました。
◇おもちゃ屋で◇
マッケナはドルシの口を
塞ごうとしましたが
ドルシはマッケナを軽く押さえつけ
話を続けました。
ラリとカイが、まだ赤ちゃんの頃、
マッケナは虫人形3号を作るために
材料を買いに行きました。
カイは輝く物が好きなので
ピカピカの虫人形を作ろうと思い
様々な種類の毛糸が積んである棚を
隈なく探しながら
キラキラする毛糸を取り出し
カゴに入れていると
誰かが店の中へ入って来ました。
マッケナはすぐに振り返ることなく
虫人形の中に
音を出る装置を入れたら
ラリとカイが怖がるかなと
考えていました。
そして、身体を回した瞬間
マッケナは
赤毛で金色の瞳の
猛暑のような女性を見つけて
はっとしました。
マッケナが固まっていたので
女性は眉を吊り上げました。
彼は反射的に
今日もおむつを持っているかと
確認したくなりました。
ポケットの中を
探りたいけれど
女性に変な風に見られそうで
それができませんでした。
しかし、女性は
マッケナの横を通り過ぎ
ちらっと彼を見ただけでした。
マッケナは、絶対に
その女性と二度と関わらないと
思いました。
マッケナは、
ピコッと音の出る装置のある売り場へ
行きました。
すると、あの女性が
ピコッと音のする装置で
遊んでいました。
女性は眉をひそめて
何で追いかけてくるんだ。
と言いました。
女性は、以前、
厄介なことをしていた人間への
脅しを思い出し
頭を取ってやろうか。
と思いました。
マッケナは慌てて手を振り
虫人形3号の
材料を買いに来ました。
と言って、ポケットから
虫人形2号を取り出し
女性に見せました。
彼女は、
前はおむつ、今度は人形。
と呟いたので
彼女は自分のことを、
また変な風に
考えていることに
マッケナは気づきました。
女性は
変な人。
と舌打ちをして出て行きました。
私は本当に変な人でない。
マッケナは涙を流し
虫人形を抱きながら
むなしく立っていました。
店の主人は
マッケナ卿は
いつも振られるね。
と言いました。
◇変な人ではない◇
夕方、マッケナは
虫人形の型紙を布の上に置き
線を引いている時に
あの女性だって
おもちゃ屋へ来ていたのに
私が
ポケットにおむつではなく
虫人形を入れていたことが
どうしておかしいのか。
と悔しい思いをしました。
しばらくして、マッケナは
自分が絶対に
変な人ではないことを説明し
ステキな姿で会い、
自分がどれだけ有能で
カッコいい鳥か
見せることにしました。
マッケナは何日もおもちゃ屋に
通いましたが
女性に会えませんでした。
おもちゃ屋の主人は、
マッケナが、よく店に来るのは
人形をたくさん作るせいか
それとも、赤毛の女性のせいかと
尋ねました。
マッケナは
彼女に説明したくて・・・
と答えている時、
マッケナの後ろに
猛暑のような女性が立っていて
マッケナと目が合うと
何の説明?
と尋ねました。
マッケナは縮み上がりました。
女性本人に会うと
何も考えられなくなって
しまいました。
店の主人が
仕事をしている振りをしながら
2人の話を聞いているので
緊張感が高まりました。
マッケナは女性に説明をせず
恋人はいますか?
と尋ねました。
マッケナの説明を
心待ちにしていた店の主人は
目を丸くして顔を背けました。
女性も首を傾げました。
マッケナも、自分の口を
叩きたいと思いました。
意外にも女性は
恋人はいないけれど
気に入ったオスはいると
素直に答えました。
男ではなくオスという言葉に
こっそり見守っていた
店員たちは
口をぽかんと開けました。
戸惑う店員たちと裏腹に
名実共に青い鳥のオスである
マッケナは安心しました。
マッケナは
そのオスのどこが
気に入っていますか?
と尋ねました。
それを聞いていた店員たちは
そんなことを
聞いている場合ではない。
オスという言葉に
気を付けないと。
と言ったので、
マッケナは、しまったと思い
困った顔をしました。
マッケナが何かおかしいと
気付いてくれたようで
店員たちは安心した顔をしました。
意外にも、女性は今回も
クールな点、ベタベタしない点、
目に留まらない点、
よく逃げる点。
と質問に答えました。
良く逃げると聞いて
店の主人はアヒルの人形で
自分の口を塞ぎました。
あの女は変だと
マッケナに叫びたい気持ちで
いっぱいでした。
けれども、マッケナは
女性の発言を
クールでもなく、ベタベタして、
目にもよく見えて私を追いかける。
と解釈したので、
女性は仏頂面になりました。
女性は持っていたキューブを置くと
後ろも振り向かずに出て行きました。
ドアが閉まる音がするや否や
肩を落としたマッケナに
店の主人は
あの女性は絶対にいけません。
ああいうところに
関心を持ってはいけません。
と言いました。
◇水龍の攻略方法◇
あいつが、そんなことを
言ったのか?
マッケナの話を
じっと聞いていたドルシは
目を白黒させたので
マッケナは思い出話を
止めました。
店主は、まだ同じ場所で
商売をしていて
繁盛していました。
怒ったドルシが
そこへ行って
乱暴を働くわけには
いきませんでした。
マッケナは、
あそこは私たちの
思い出の場所です。
と言って、
ドルシの手を握りました。
ラリは、2人が
どうやって結婚したか
尋ねたのに
喧嘩したことばかり話していたので
龍と結婚をするには
一度喧嘩をしなければいけないのか
何回喧嘩をすればいいのか
尋ねましたが
マッケナは手を振り
ここまでしか教えないと
言いました。
ラリが何か言おうとすると
後ろでノックする音が聞こえました。
振り返るとヨンヨンがいました。
ヨンヨンの前で
駄々をこねている姿を
見せたくないし
ヨンヨンを捕まえる方法を
探していることが知られたら
きっと邪魔されると思い
ラリはマッケナとドルシに
絶対に秘密ですと合図をし
席を立ちました。
けれども、ラリは
2人が喧嘩した後、
どうして結婚したのか
気になって仕方ありませんでした。
ラリは廊下を走り回りながら
考えました。
マッケナ叔父様は
意外に口が重いので
水龍様を攻略しよう。
水龍様の心を変えた
お母さまの宝石ダムのような物を
探さないと。
水龍は一般的な宝石を
たくさん持っているので
珍しい物が売られている闇市で
ラリは、水龍へのプレゼントを
探すことにしました。
◇派手なマント◇
数日前、
衝撃的な事実を知った
モテを慰めるために
ケルドレックは彼女を
東大帝国へ
連れて行くことにしましたが
その前に、ソビエシュが
双子の皇子と皇女に贈ろうとして
盗まれた宝石を探すために
闇市を訪れました。
世界で一番高いという宝石が
本当にここに流れて来たのかと
尋ねるモテに
ケルドレックは
今、競売に出しても
買い手がいないから
ここへは出てこない。
ここへ来たのは
犯人を知っているからだと
言いました。
ケルドレックはモテに
一番安全な所で
待つように言いました。
モテは競売場の
後部座席に座りました。
まだ競売は始まっていないので
モテは周りの人を
きょろきょろ見回しました。
ほとんどの人が
顔を隠している中、
モテは派手なマントに
目を留めました。
ラリとカイのために
手作りのおもちゃを作る
マッケナは
2人のことを
とても愛しているのだと
思います。
マッケナがドルシに
膝枕をしてもらっているなんて
想像がつきませんが
この時のドルシは
女性の姿なのでしょうね。
ラリは母親と父親が
くっついている姿を
何度も見たことがあるなんて
ナビエとハインリは
子供が大きくなっても
ラブラブで
それを隠そうとしないのですね。
子供にとって
両親の仲が良いことは
良いことだと思います。