自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち ネタバレ 原作 52話 あらすじ マンガ 61話~ 62話 鳥になって空を飛ぶラティル

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52話 大神官は、すすり泣きながら何を話すのでしょうか・・

◇足を滑らせた◇

大神官は、日の光に目がくらみ

足を滑らせたと話しました。

 

ラティルは、その言葉を信じられず

眉間に皺を寄せました。

大神官は

足を踏み外すことがないわけでは

ないけれど、

彼のように修練を積んだ人が

足を踏み外して、

大けがをしたことが

信じられませんでした。

 

2階や3階の窓からでも、

準備して飛び下りれば

大きなケガをしないけれど、

誰かに押されれば

低い場所から落ちても、

大ケガをすることが

あるのではないか。

大神官が階段から落ちて、

これだけのケガをしたのは、

明かに誰かが押したのだと

ラティルは確信していました。

しかし、

本人があのように言っているのに、

そんなはずはないと言って、

みんなを引き留めるわけには

いきませんでした。

 

ラティルは、もう一度

確かなのかと尋ねましたが、

大神官は、

 

はい。

 

と答えました。

 

ラティルは、仕方なく頷き、

これからは気を付けるようにと

忠告しました。

けれども、彼の話を

本当に信じているわけでは

ありませんでした。

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◇仲良し3人組?◇

大神官の言葉を信じないのは、

ラティルだけではありませんでした。

大神官が目覚めるのを確認してからの

帰り道、

タッシールは、

わざとゲスターの後ろに忍び寄り、

 

おとなしいお坊ちゃま。

もしかして、

お坊ちゃまの仕業なの?

 

と尋ねたので、ゲスターは

眉間に皺を寄せて

タッシールを見つめました。

彼は、大神官の部屋を指差しました。

タッシールは、ゲスターが、

彼を押したのではないかと

露骨に聞いていました。

 

ゲスターは、

そんなはずはないと

落ち着いて答えた後、

次に誰かがタッシールを押したら、

それは自分が押したのだと思うと

怒りを込めて言いました。

 

タッシールはにやりと笑いながら

ゲスターの肩に腕をかけ、

おとなしいお坊ちゃまは

トゲトゲしなくても

十分可愛いと言って、

露骨にゲスターを

イライラさせました。

 

ゲスターは、

誰が可愛がって欲しいと頼んだのかと

聞き返すと、

タッシールは目で笑いながら、

 

純粋過ぎると、魅力がないと思って、

こうしているんじゃないの?

 

と尋ねました。

 

とんでもない言葉に

ゲスターが何か言おうとした瞬間、

近くで人の気配がしたので、

彼は口をつぐみました。

姿を現したのはクラインでした。

彼は、2人がお似合いだと

傲慢に言いました。

 

タッシールは、

クラインとゲスターが

一戦交えるのではないかと

目を輝かせて期待しましたが、

クラインは

にっこり笑うだけでした。

そして、ゲスターが反論する前に

クラインは、

 

2人で手をつないで

ハーレムを離れればいい。

次に押されて首が折れるのは

お前たち2人になるかもしれないから。

 

と心のこもった暴言を吐きました。

しかし、

クラインはタッシールの方を見ながら

顔をしかめました。

タッシールの部下が出した噂のおかげで

彼がラティルに、

クラインの肩を持つように話したことを

今になって、思い出したからでした。

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彼は二の足を踏んでいましたが、

顎を上げながら、

 

こっちに来い、タッシール。

そうすれば、首が折れないよ。

俺と行こう。

 

と言葉を変えました。

 

そもそも、タッシールが

ゲスターの後をついて来て、

ベラベラ喋っていただけで

2人は連れ合いでも何でも

ありませんでした。

それなのに、

クラインはタッシールに、

チームにならないかと

誘っているので

ゲスターは何だか気分が悪くなり

顔をしかめました。

タッシールがクラインの方へ

行ってしまったら、

じっとしている自分が

不意打ちを食らうような

気がしました。

 

ゲスターは

タッシールを見つめながら、

ウサギのように目を開き、

 

タッシールさんは、

私と話をしていたのでは

ありませんか?

 

と呟きました。

 

タッシールにとって、

この状況は

ただ面白いだけでした。

彼はにやにやしながら、

クラインとゲスターを交互に見て

 

それでは3人で遊びましょうか?

 

と提案し、

片方の腕はクラインと、

もう片方の腕はゲスターと組んで

2人の間に挟まると、

クラインとゲスターは

同時に不愉快な顔をしました。

ゲスターは素早く、

表情管理をしましたが、

クラインの表情は

怒ったペルシャ猫と

区別がつかないほどでした。

しかし、後ろ姿だけでは、

3人の表情が見えないので、

遅れて大神官の部屋から出て来た

ラティルは、

その姿を見て感嘆しました。

 

彼女はサーナット卿に、

 

意外と、

あの3人は仲良しなんですね。

 

と言いましたが、

彼は首を傾げました。

もっとも、あの3人が

喧嘩しようが、親しかろうが

自分には関係なかったので、

 

クライン様とゲスター様は

ずっと

戦っていらっしゃいましたが、

喧嘩両成敗になったようですね。

 

と適当に返事をしました。

ラティルは、

その通りだと言いました。

 

サーナット卿は、

ラティルと自分が

彼らと別の方向へ行くように、

 

3人が

仲良くなろうとしているので

訳もなく割り込まない方が

いいと思います。

私たちは、

こちらへ行きましょう、陛下。

 

と提案しました。

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◇大神官のロマン◇

深夜、

ラティルは先送りしていた

業務を終えると

大神官の状態を確認するために

静かにハーレムを訪れました。

 

彼の部屋の前に

立たせておいた護衛は、

ラティルが

黙ってやって来ると驚き、

奥に知らせようとしましたが、

彼女は大神官が

寝ていると思ったので、

首を振って護衛を止めました。

 

ラティルは静かに扉を開くと、

虫と鳥の鳴き声しか聞こえない

静かな部屋に、

扉を開ける音と歩く音が響きました。

寝室と廊下の間の中廊下に座り、

居眠りをしていた就業司祭は、

ラティルが入って来ると、

驚いて飛び起きました。

 

大神官の様子を聞くと、

おそらく今は、休んでいて、

身体は大分良くなっているとのこと。

 

寝ている大神官を

起こさない方がいいと思った

ラティルは帰ろうとすると、

 

起きています、陛下。

どうぞお入りください。

 

と奥から大神官の声が

聞こえてきました。

随行司祭の言う通り、

大神官の声は、

昼間聞いた時よりも元気そうでした。

それに、声がかすれていないので

今起きたばかりでもなさそうでした。

 

ラティルは寝室の中へ入りましたが、

大神官の身体は

大分良くなったどころでは

ありませんでした。

彼は、筋トレ中で、

逆立ちをして、

片腕で腕立伏せをしていました。

 

慌てたラティルが駆け付け、

何をしているのかと尋ねると、

大神官は運動中だと答えました。

 

ラティルは、

そんなことはわかっている。

階段から落ちて、

あちこち粉々になった人が

そのようにしているから

聞いていると言って、

大神官の手足を包んだ筋肉を見ると、

彼は、にっこりと笑いながら、

もう治ったと返事をしました。

 

そんなことができるの?

 

ラティルは大神官を

じろじろ見ていると、

彼は、以前、

自分が大神官であることを

証明するために

ラティルに見せた光を

再び手の上に浮かべて見せて、

即死でなければ、

自分で癒すことができると

告げました。

 

折れた骨も治療できるのかと

ラティルが尋ねると、

大神官は「はい」と答えました。

 

それなら、早くやってと

ラティルは文句を言いましたが、

大神官は、

階段から落ちるや否や、

人が集まって来て、

自分のそばを離れなかったので

治療する暇がなかった、

宮医も来てしまったしと

言い訳をしました。

ラティルは納得して頷くと、

大神官は腕を曲げて

固い筋肉を自慢しながら、

すぐ直ったら人が変に思うので、

しばらくは

ケガをした振りをするつもりだと

告げました。

 

荒唐無稽ではあるけれど、

手足が折れて苦しんでいるよりは

ましでした。

ラティルはベッドを指差し、

それでも無理をして運動しないで、

ベッドに横になるように言うと、

彼女は宙に浮かびました。

自分が完全に治っていることを

証明するために、

大神官がラティルを宙に持ち上げ、

グルグル回しました。

 

ラティルは、止めてと叫びました。

 

私たちの皇女は

鳥よりも高く飛ぶんだ!

 

非常に幼い頃、

父親がラティルを高く持ち上げて

叫んでいた声を思い出しました。

 

ビューン、

ラティルが飛んで行きます。

 

けれども、大きくなってから、

自分をこのように持ち上げた人は

初めてだったので、

ラティルは降ろしてと叫びました。

大神官は優しく

ラティルをベッドの上に

降ろしてくれました。

 

元気でしょう?

 

と自慢する大神官の言葉に

ラティルは耳を傾ける代わりに

 

あなたには、

ロマンティックな雰囲気が

全くないの?

この年で鳥になるなんて。

ラティルが鳥になるなんて、

これをやらなければいけないの?

 

とブツブツ文句を言いました。

 

両手で包み込むのではなく、

おぶるのでもなく

一体、世の中に、

誰が薪割りをするように

恋人を持ち上げるのか、

もちろん偽の恋人ではあるけれど。

 

そんなことを

ラティルが考えていると、

ロマンがないと言われたのが

嫌だったのか、

大神官は上着を引き裂きながら、

自分のロマンは、

この中にあると叫びました。

 

瞬く間に目の前に現れた

彫刻のような胸の筋肉に、

ラティルは片手で

頭を覆いました。

 

彼女は、そのロマンを

元に戻すように言いました。

大神官は

 

ステキではないですか?

 

と尋ねましたが、

ラティルは答える代わりに、

タンスを指さしました。

大神官は肩を落として

タンスの方へ歩いて行きました。

 

彼が上着を着替えるのを見て、

ラティルはため息をつきました。

大神官は、本当に変わった人でした。

VVIP相手の

カジノディーラーをするほど

俗世間に浸っていると同時に、

ある面では、

世俗とかけ離れて暮らした人の

純粋さが目につきました。

ゲスターのように、

照れ臭さと

恥ずかしさが多いのではなく、

世俗に不慣れなために

現れる純粋さが。

 

大神官は服を着ると

ラティルの隣に座りました。

彼女は、

大神官が引き裂いた服を指して、

あれは片づけないのかと尋ねると、

彼は、後でクーベルが片付けると

平然と答えました。

クーベルは、

中廊下で居眠りをしていた

修行司祭のことかと思い、

ラティルは頷きました。

そして、彼女が

ずっと気になっていたこと、

大神官が、

本当に1人で転んだかどうか

再び尋ねました。

 

大神官は、

 

信じられませんか?

 

と尋ねました。

 

ラティルは、いくら考えても

信じられないと答えました。

そして、彼女が彼の頑丈で

張り裂けそうな筋肉を見ると、

大神官は、にやりと笑い、

実は誰かが自分を押したと、

先程とは違う返事をしました。

 

ラティルは、大神官が

素直に告白すると思ったと言って

舌打ちしました。

あれほど素晴らしくて丈夫な

身体をしているのに、

階段が長くて急なわけでもないのに、

1人で足を踏み外したからといって、

あれほどケガをするはずはないと

ラティルは思っていました。

 

ラティルは、

なぜ嘘をついたのか尋ねました。

大神官は、誰が押したのか

きちんと見られなかったからだと

答えました。

ラティルは、大神官の返答に

驚きました。

 

彼は、

 

誰が犯人かわからないまま、

このような話をすれば、

関係ない人が

疑われるかもしれません。

それはできません。

悔しいでしょうから。

 

と話しました。

ラティルは、大神官の

優し過ぎる発言に

口をパクパクさせました。

 

彼女は、大神官に

 

本当に大神官なのね?

 

と確認すると、

 

まだ、信じて

いらっしゃいませんでしたか?

 

と聞かれました。

 

ラティルは、信じていたけれど、

改めて驚いたと答えると、

大神官は軽く笑いました。

ラティルは、

そのすがすがしい笑顔を見て

一緒に笑いました。

傲慢でムカつくけれど

素直で可愛いクラインとは

また違う意味で変わった男でした。

しかし、いきなり大神官の表情が

暗くなったので、

ラティルもつられて

表情を固くしました。

 

ラティルは、

急に身体が痛くなったのかと

大神官に尋ねると、

彼は、自分を押した人は

普通の人ではないと答えました。

 

ラティルは、

大神官を押しのけるくらいだから

とても強い人だろうと言いました。

普通の人が大神官を押したら、

彼が押されるのではなく、

押した人が跳ね返って来るからでした。

 

しかし大神官は首を振り、

そういう意味ではなく、

自分を押した人が一瞬、

とても邪悪な気を噴出した、

人の気と言うには暗過ぎたと

話しました。

ラティルの表情が真剣になりました。

 

内部に敵が隠れていると思ったけれど、

その敵は人間ではないのだろうか?

それとも、黒魔術師?

 

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◇夫婦のような2人◇

大神官とラティルは、

その邪悪な気を出したのが誰であれ、

屍鬼や吸血鬼ではないだろうと

結論を出しました。

 

ゾンビは太陽の下で

活動できるけれど、

外見で人間でないことがわかるし

屍鬼と吸血鬼は

人間のように見えるけれど、

太陽の下で活動ができないからでした。

 

しかし、宮殿には

夜だけ働く人がいないことと、

大神官は太陽が照りつける中

襲われたので、

もし邪悪な者がいるとしたら

黒魔術師の可能性が

高いと思いました。

 

その翌日、

ラティルは大神官を車椅子に乗せて

自ら押しながら、

ハーレムの庭を

くまなく歩き回りました。

彼を押した人から受けた邪悪な気と

正確に同じではなくても、

似たような気を出している人を

探すためでした。

 

大神官は

 

鳥の鳴き声が耳障りではないですか?

こうしていると、

私たちは本当の夫婦みたいですね。

 

と話しかけると、ラティルは

 

怪しい人から探します。

 

と返事をしました。

 

どのくらい、

そのようにしていたのか

大神官がどこかを見つめ、

指差しして

 

陛下、あの方!

 

と叫びました。

 

ラティルは、

大神官が指差しした方向を見て

驚きました。

そこにはラナムンがいました。

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タッシールとクラインと

ゲスターが3人でくっついて

歩いている姿を想像して、

笑ってしまいました。

 

おそらく子供の頃から

神殿の中で純粋培養されて

俗世のことを知らなかった大神官は

カジノディーラーをしていた時の経験が

常識だと考えているのかもしれません。

胸をはだけて、私のロマンと言ったのも

誰かが、そのようにしたのを

見たことがあるのかも。

身体を鍛えているのも

自分を守るために、やりなさいと

最初に誰かに言われたからなのかも

しれません。

大神官は、

子供の心を持ったまま大人になった

純粋な人だと思います。

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