自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち ネタバレ 原作90話 マンガ 98話、99話 あらすじ 大混乱のパーティ会場

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90話 突然、パーティ会場に怪物が現れました。

 

ラティルは、

夢か現実なのか分からない状態で、

一度死んだトゥーラを

見たことがありましたが、

知らない人が見れば、

死から蘇ったことが分からないくらい

生きている時と

大差はありませんでした。

さらに彼は、

ウサギの仮面と話している時に、

母親の心配までしていました。

 

ところが、今、

斧を持って入って来た女性は、

生気のない肌、

血色のない真っ白な唇をしていて

誰が見ても、

死から目覚めた人でした。

そして、瞳は焦点が定まらず、

過度に大きくなっていて、

恐がりの人であれば

悲鳴を上げるほど陰惨でした。

実際に、

その女性が入って来た窓際からは、

あらゆる悲鳴が聞こえて来て、

そこに立っていた人たちは

慌てて窓から逃げようとして、

自分たち同士でぶつかり合い、

転んでいる状態でした。

 

そのような中、

護衛や侍女に押されて

窓から離れていたアイニが

突然大きな声で

 

レドロ!

 

と叫びました。

 

その声を皮切りに

侍女たちも、

「レドロさん!」ですと

息を殺して言い合いました。

 

斧を持った女性は

不気味は外見とは裏腹に

じっと立ったまま

周囲を見回していると、

逃げ出した人々も

しばらく立ち止まり

その恐ろしい死者の姿を

しっかりと観察し始めました。

 

レドロさんは、

この前、

亡くなったじゃないですか?

 

葬儀で遺体が消えませんでしたか?

 

と四方から、ひそひそ話す声が

聞こえてきました。

その女性は、カリセンで有名な

貴族の令嬢のようでした。

ラティルも、アイニ皇后が

一番親しくしていた侍女が

亡くなった後、遺体が消え

アイニ皇后はヘウン皇子が

侍女を食べたと思っているという話を

思い出しました。

その侍女が、あの女性のようでした。

 

ラティルは、あの令嬢も

トゥーラやヘウンのように、

亡くなった後、

復活したのかと思いましたが、

やはりおかしいと思いました。

トゥーラを見たのは

夢か現実かわからなかったので

例外としても、

ヘウンは口を開けて飛びつく前は

普通の人に見えました。

それなのに、どうしてあの女性は

あんなに状態が悪いのか。

 

その時、

死者の近くに立っていた貴族が、

恐ろしい外見とは裏腹に、

中へ入って来てからは

微動だにしない死者を見て、

以前と同じだろうと期待したのか、

用心深く、「レドロさん?」と

声をかけました。

しかし、声をかけるや否や

のっそり立っていた死者は

斧を右から左へ素早く振り回しました。

 

話しかけた人は、

危うく斧を避けて転びましたが、

斧が触れた肩から血が出ると、

その匂いを嗅いだ死者は

興奮して暴れ出しました。

 

捕まえて!

殺せ!

生け捕りにして!

 

死者が斧であらゆる物を壊し始めると

近くで様子を見ていた騎士たちは

慌てて走って行きました。

しかし、彼らは、

相次いで変更される命令に、

一糸乱れない対応ができませんでした。

あの動く死者を

消えた貴族の遺体と見るべきか

恐ろしい怪物と見るべきか、

見当がつかなかったからでした。

 

その間、斧を持った死者は

最も近くにいた騎士を

上から打ちつけ、

彼が防御している間に斧を置くと、

彼の首筋を嚙みちぎりました。

 

ケガをした騎士が首をつかんで

身をすくめると、

騎士たちは、

生け捕りにしている場合ではないと

気がついたのか、

威嚇的で鋭い攻撃を始めました。

怪物でも、相手は1人なので、

ほどなくして騎士たちは

死者を制圧しました。

 

その光景を

じっと見ていたラティルは、

声を潜めて、

 

あれはゾンビだよね?

 

とカルレインに聞きました。

 

彼は、

騎士たちが死者に猿轡をはめ、

両手足をしっかりつかむ姿を見ながら、

「そうだと思う」と答え、

屍鬼の見た目は

人間と区別がつきにくい

と付け加えました。

 

ヘウンがあの令嬢を

ゾンビにしたのかと聞くと、

カルレインは、

そうかもしれないと答えました。

 

ラティルは固唾を飲み、

ゾンビから目を離すと、

カルレインの方へゆっくりと

目を向けました。そして、

 

私が調べたところでは

ゾンビは感染性がある。

 

と言った途端、

空を切り裂くような悲鳴が

聞こえてきました。

ラティルがそちらを見ると、

先程、斧を持ったゾンビに

追いかけられていた

貴族のカップルの男性の方が

アイニの近くにいて、

口を開けて彼女に

飛びかかろうとしていました。

女性貴族は、

信じられないという表情で

先ほどまで、甘い言葉を囁き合い、

一緒に危機を乗り越えた恋人を

見ていました。

しかし、男性貴族が

アイニに襲いかかる前に、

早いスピードで飛んできた剣が、

男性貴族の額に刺さりました。

剣に当たった男性貴族は

床に倒れ、手を動かしていると

アイニは目を大きく開いて

その光景を見下ろしていました。

近づいてきたヒュアツィンテが

大丈夫かと尋ねましたが、

アイニは質問されただけで

身震いして、壁に手を突きました。

 

大丈夫のようだと

結論を下したヒュアツィンテは

ゾンビに刺さっている剣を抜いて、

前後を見回しながら、

眉を潜めました。

ヒュアツィンテの鞘に

剣が入っていないのを見て

ラティルは、剣を投げたのが

ヒュアツィンテだと気づいて

ほっとしましたが、すぐに

貴族女性もケガをしていないか

確認するように、

感染、伝染と叫びました。

 

ラティルの叫び声に、

アイニの様子を見に行った貴族たちが

どんどん後ろに下がりました。

アイニの侍女たちも、

足の力が抜けたアイニを

引きずり出すように、

後ろに連れて行きました。

警備に当たっている数人の近衛兵は

貴族女性に近づきましたが、

彼女は、窓ガラスが割れた時に、

破片が額に当たっただけで、

ケガはしていないと言いました。

 

すると、今後はとんでもない方向から

悲鳴が上がりました。

人々は、再び別の方向へ移動し、

ラティルもそちらを見ました。

 

感染している・・・

 

最初、レドロを捕まえるために

駆けつけて来た騎士たちのうち、

ケガをした2人の騎士の瞳が

レドロのように変わり、

彼らの治療をしていた医師と

彼らの止血をしていた同僚の騎士を

噛みちぎりました。

四方から悲鳴が上がったものの、

人々はホールの外へ

脱出できる環境ではありませんでした。

扉の所には、

ヒュアツィンテが

剣を額に投げて殺した

貴族のゾンビ男が倒れているし

窓際では、

ゾンビに変わりつつある騎士2人が

同僚の騎士たちと戦っていました。

しかもレドロは、

あちこち血が飛散っているドレスを着て

外から入ってきました。

その血が、

自分がゾンビになった時に

飛散った血なら、まだ良かったけれど

外で使用人たちを食らいながら

飛散った血なら、

今、外がどうなっているか、

誰もわからない状況でした。

 

ラティルは状況を見守りながら

「武器」と小さく呟きました。

ラティルを守るかのように

半歩前に立っていたカルレインは、

振り返りました。

 

ラティルが、

武器が必要だと言うと、

カルレインは

武器に使えそうなものがあるか

周囲を見回しました。

しかし、パーティに出席する時に

武器を持ってくる人は稀でした。

とりあえず、ラティルは

バターナイフを袖の中に入れながら

状況を再確認しました。

 

ゾンビになった騎士が2人いて、

彼らに攻撃された騎士と医師を、

もしもの場合に備えて

縛っておくために

騎士たちがほとんど、

そちらに集まっていました。

幸い、額を剣で刺された

貴族のゾンビ男は、

それ以上、暴れることなく

おとなしく横になっていました。

本人の言葉通り、

女性貴族は感染していないのか

ゾンビに変わる兆しは

ありませんでしたが、

彼女に近寄った近衛兵たちは

万が一に備えて、

その場を離れませんでした。

 

状況が一段落すると

ヒュアツィンテが

ラティルの方を見ました。

ラティルは、彼と目が合いました。

彼女は口の形で

「大丈夫?」と言うために

少し口を動かしましたが

言い終わる瞬間、

突然、ヒュアツィンテが

目を大きく開いたので、

ラティルは不安を感じ、

本能的に身体を横に動かしました。

 

ラティルは床をゴロゴロ転がり

楽士の置いて行った演奏台に

ぶつかりました。

バイオリンと楽譜が

顔の上に落ちてくるのを手で防ぎ

自分が立っていた方を見ると、

レドロとカルレインが戦っていました。

騎士たちが

レドロを捕まえていましたが、

彼らの間でも大騒ぎになったので、

逃してしまったようでした。

幸いカルレインは

顔で傭兵王になったわけではないので

2-3回、攻撃をかわしただけで、

レドロは身動きできなくなりました。

 

名前を知らない老婦人が、

どこから持ってきたのか、

頑丈な鎖を

カルレインに手渡したので、

彼は、それでレドロを縛り上げました。

そしてラティルに近づくと、

彼女は、騎士たちを指差しながら、

自分はいいから、

他の人たちを助けてと頼みました。

カルレインは、

お嬢様のそばにいると言いましたが、

ラティルは、

カルレインが前に出た方が役に立つ、

自分は外側を見る。

できれば人々は

外へ出した方がいいと思う、

と言いました。

レドロを制圧しようとした

騎士の方は

ゾンビが2人から5人に増えていました。

これ以上、広がらないように

取り囲んで防御しているものの、

その一方で、自分たちの間で

感染が広がっているようでした。

 

ラティルは再び

ヒュアツィンテを見ました。

彼も、忙しく命令していましたが、

何と言っているか聞こえませんでした。

 

カルレインは、

ラティルを置いて行くのが

気になるようでしたが、

しばらく考えた後、

意外と素直に頷きました。

 

まともに戦えば

お嬢様の方が

もっと強いでしょうから。

 

と言うカルレインに、

ラティルは、

 

それは違うけれど、

とにかく、早く行くように。

 

と急かしました。

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カルレインがそちらへ行き、

あっという間に

数倍の助けになっていく中、

ラティルは窓際へ走って行き、

レドロがこちらへ来る時に、

他の人を感染させていないか

確認するために、

窓の外を見ました。

誰もいないようなので、

窓を開けようとしましたが、

はめ殺し窓でした。

だから、人々は出て行かずに

ここにいるんだと

ラティルは納得しました。

 

この窓を割って外へ出ても、

ゾンビが歩き回っていたら、

再び、ここへ戻らなければならない。

けれども、窓を割れば

ゾンビの出入り口が増えてしまう。

ラティルは仕方なく

扉の方へ向かいました。

そちらへ行けば、

ヒュアツィンテが危ないと言って

止めそうだけれど、

他の窓を割るよりは

その方がいいと思いました。

 

しかし、

ラティルが扉の外へ出ようとすると

やはりヒュアツィンテが止めました。

状況が収まるまで

出ない方がいいと言う

ヒュアツィンテに

ラティルは、

 

外を見るつもりだ。

そちらが危険でなければ、

人々を追い出さなければならない。

 

と言いました。

しかし、ヒュアツィンテは

その指示はすでに出されていて

近衛騎士たちが

外へ出ていると告げました。

そんな中、近くにいた貴族たちは、

ラティルとヒュアツィンテに

視線を向けました。

 

ラティルは、床に倒れている

男性貴族を見ました。

その死体は、レドロほど、

死者の感じが強くなかったので、

奇異なほど大きくなった瞳孔を除けば

異質的ではありませんでした。

 

ラティルはヒュアツィンテに

武器を一つ欲しいと頼もうとした時に

遠くない所から

 

あの怪物がまたここに。

 

と心の声が聞こえてきたので、

頭を上げました。

自分を怪物と呼ぶ、その声の主は

ヘウン皇子でした。

 

ラティルは、

ヒュアツィンテのそばにいた騎士の

剣を抜いて、

前に走り出ました。

剣を奪われた騎士は驚いて

「捕まえて!」と叫びましたが、

ラティルはドアを蹴飛ばし、

声が聞こえた方に向かって、

まっすぐ剣を振り回していました、

予想通り、

そこで状況を見守っていたヘウンは

ラティルが現れると、

目を見開き、横に避けました。

なぜかは分からないけれど

ヘウンは今回も

ラティルを恐れる目で見ていました。

 

彼女は、虚勢を張るのを兼ねて

ヘウンに向かって微笑みました。

 

また会ったね。

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人間は窮地に陥った時に

本性が現れると思います。

おそらく、

パーティ会場にいた貴族たちの中には

自分だけは助かりたくて、

我先に逃げようとした人が

いるのではないかと思います。

一方、騎士たちは、自分の任務を

忠実に果たそうとしていたと思います。

ラティルは

正体を隠しているとはいえ

他国の皇帝ですし、

外国人の立場なので

何もしなくても

咎められることはなかったはず。

それなのに、

誰かを助けようと

必死になっているのは

彼女に

騎士の精神が染みついているのと、

皇帝として

国民を守る義務があることを

知っているから、

他国の民でも

助けようとしたのではないかと

思いました。

ベルサイユのばらのオスカルのように

剣を手にしたラティルは、

とてもかっこいいと思います。

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