自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち ネタバレ 先読み 原作173話 あらすじ とうとう地下城に入り込んだギルゴール

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173話 邪悪な存在に触れると色が黒くなって割れてしまうという石をラティルが持ったところ・・・

◇偶然であって欲しい◇

一瞬、ラティルと大神官の息が

止まりました。

ラティルは手のひらの上を見ると

石は細かい砂になり

イヤリングの耳にかける部分だけが

残っていました。

 

大神官は、この石のことを

何て説明したんだっけ。

頭の中がグルグル回って

めまいがしましたが、

ラティルは、

 

これ、弱すぎる。

 

と過度に明るい声で言い訳をしました。

ずっと静かにしていた大神官は

その言葉に気づくと、笑いながら

 

ほら、でたらめですよ。

 

と言いました。

 

ラティルは、

手のひらを下ろすことも、

砂を払うこともできず、

大神官を見ました。

こんな時は、相手の本音を聞きたいのに

このわがままな能力は

サーナット卿の本音を聞かせるのが

精一杯だったのか、

大神官の心の声は

聞こえてきませんでした。

 

大神官は、

ラティルの手のひらの上の

粉になった石をじっと見ていて、

ラティルの視線を感じると

目を上げました。

そして、彼女と目が合うと

瞳に温かい笑みを浮かべ、

 

黒く変わっていません。

伝説によれば、黒く変わって

壊れるそうだから。

 

と言って、

ラティルを安心させました。

確かにラティルの手のひらの上の粉に

黒く変わった部分は全くなく、

黄色を帯びた粒子が

砂のように見えました。

ラティルは、安堵して

 

そうだよね?

これは弱いんだよね?

私、本当にびっくりした。

 

と、わざと笑い出すと、

大神官も一緒にケラケラ笑い、

自分も一瞬驚いて、

何と言えばいいのか

一生懸命考えていたと言いました。

 

ラティルは手を振って

粉を払い落とすと、

イヤリングの金具の部分だけ

大神官に渡しました。

彼がそれを受取った瞬間、

ラティルは彼の反対側の耳を見て、

あれも、「邪悪な存在」が触れると

黒くなって壊れる石だよねと

考えましたが、

急用があると言って、

すぐに背を向けました。

大神官が、

もう片方のイヤリングを寄こして、

もう一度試せばいいと、

言うのではないかと思い

恐かったからでした。

 

もちろん、

ラティル自身は邪悪な存在ではないし、

そのイヤリングを握っても

今度は何の変化も怒らないだろう。

先ほども壊れたけれど

黒くはならなかったし。

でも、また壊れたらどうしよう。

耳元で、レアンの笑い声が

聞こえるようでした。

ラティルは拳を握りしめました。

 

違うよ。

黒く変わっていなかったじゃない。

本当に役に立つ物なら、

大神官があらかじめ差し出していた。

ただの偶然だよ。

 

と自分自身を納得させながらも、

なぜ大神官は、

もう片方のイヤリングも試せと

言わなかったのかと

心の奥底で微かな声が囁いていました。

◇百花の疑い◇

ラティルが行ってしまうと、

百花は大神官に近づき、

彼女との話が

うまく行かなかったのかと尋ねました。

ぼんやりと立っていた大神官は

彼の方へ身体を向けました。

 

2人だけで話ができるように、

わざと離れていたと言う百花は

期待に満ちた目で大神官を見ました。

彼とラティルの距離が、

少しでも近くなっただろうかと

尋ねるような目つきでした。

 

大神官は、ラティルに

誕生日プレゼントに何が欲しいか

聞いたのだけど、

と言いかけながら口ごもると、

急に空を見上げて、

 

澄んでいる!

 

と叫びました。

 

百花は、愛らしい犬を

眺めているかのように

大神官を見て笑うと、

彼とラティルがイヤリングの話を

していたのではないかと尋ね、

彼の片方のイヤリングが

なくなっていることを

指摘しました。

 

大神官は耳を触ると、

 

あれ、落としちゃった?

 

と驚いたように呟きましたが

にっこり笑う百花を見て、

彼が何かを見たことに

気づいた大神官は、

ラティルにイヤリングを見せて、

このようなデザインで

イヤリングを作ったらどうかと

聞いているうちに、

過って踏み潰してしまったと

嘘をつきました。

そして、その証拠として、

大神官はしっかりした腕の筋肉を

見せびらかしました。

 

百花は眉をひそめたものの、

これ以上、

大神官を困らせたくなくて、

 

大神官は強いから。

 

と言って

適当に話を合わせました。

 

大神官は胸を突き出して、

嬉しそうに「そうだね」と答えると

百花の肩越しに、聖騎士たちが

遠く離れた所に

集まって来たのを見ると

彼らが調査するのを手伝うと言って

そちらへ歩いて行きました。

 

百花は彼に付いて行く代わりに

しばらく元の位置に立ったまま

首を傾げて、

石で作ったイヤリングを

踏み潰したことを訝しく思いました。

◇誕生日◇

地下城の図書館で、アナッチャは

古代語に関する本と

古代語を覚える本を両脇に並べて、

黒魔術に関する本を読んでいましたが

2時間かけても、先へ進まなくなると

彼女は本を閉じて、

調理場へ向かいました。

数日後は息子の誕生日。

人里離れた場所にいるので、

トゥーラが皇子だった時のように

派手なパーティを開いたり、

豪華なプレゼントはあげられないけれど

誕生日のケーキは

食べさせてあげたいと思いました。

しかし、料理に慣れていないので

あれこれやってもうまくいかず、

アナッチャは椅子に座り込みました。

 

ラティルは全国民から

誕生日を祝ってもらえるのに

トゥーラは暗い地下城の中で

ケーキ1つも食べられないのが

悲しくなりました。

その時、アナッチャは、

「誕生日」の言葉に

引っかかるものを感じました。

 

アナッチャは

地下城へやって来てから、

対抗者はロードと誕生日が同じで

対抗者が生まれる日は

予言で分かることを知りました。

そして、ロードと対抗者の

果てしない戦いが続いているので

ロード側で予言の日付をすり替え、

わざわざ誕生日をごまかし、

対抗者側を撹乱させたこともあると

聞きました。

しかし、変則的なことはあっても、

原則は原則でした。

 

トゥーラがロードだと

聞いているけれど、

トゥーラとラティルの誕生日は同じ。

それは偶然だけれど、

トゥーラ自身が心配しているように

彼がロードでなかったら、

ラティルがロードの可能性も

あるのだろうか?

 

アナッチャが考えに耽っていると、

彼女がもたれていたテーブルが

大きく揺れました。

アナッチャは調理室を出て、

どうしたのかと尋ねると、

背の高さが彼女の腰くらいまでの

8本足の怪物が、

 

あいつが、また来た。

 

と答えました。

アナッチャは、

「あいつ」が誰なのか

すぐに分かりませんでしたが、

再び、壁が揺れると、

あの白い髪の男だということに

気がつきました。

彼女は、慌ててトゥーラを探しました。

◇お前は誰?◇

今度は逃げないと

固く決心したトゥーラは

キツネの仮面が自分を気絶させて

避難させる前に、移動しました。

途中でウサギの仮面とすれ違った時に

声をかけられましたが、

トゥーラは返事をせずに、

急いで望楼に上がりました。

ところが、そこへ到着する前に

トゥーラは誰かに脇腹を強く打たれて

少しの間、意識を失いました。

気がついたら、彼は石の山の間に

転がっていました。

 

トゥラーは体を起こしました。

打ち砕かれた城壁がアーチ形になり

その下に、

ギルゴールが立っていました。

遠くから見た時も

狂っていると思った彼は、

目の前で見ると、

さらに鳥肌が立ちました。

白目と瞳孔が区別できないほど

真っ赤な瞳、

舌を出して唇をペロペロ舐める姿に

トゥーラは背筋がぞっとして、

座ったまま後ろに

よろよろと這って行きました。

 

その姿を

じっと見下ろしていたギルゴールは

両腕を広げて、

 

私のドミス、

ついにまた会えたね。

 

と言って、笑いました。

 

トゥーラの上半身を支えていた腕が

ブルブル震え始め、

彼は急いで後退しました。

ギルゴールの目が

本当に怖いと思いました。

しかしギルゴールが口笛を吹きながら

一歩一歩近づいてくると、

トゥーラは本能的に

目元に熱が上がって来て、

このままではいけないと

思いました。

 

トゥーラは必死で精神力を振り絞り

踊りながら近づいてくる相手が

油断していると思ったので、

自分が出せる最高の力を足に注いで

ギルゴールに飛びかかりました。

 

あっという間に、

彼の握った剣が

ギルゴールの首筋に届き

剣が首に触れた瞬間、

トゥーラは

 

やった!

 

と喜びましたが、

その瞬間、彼は訳が分からないまま

地面を転がり、

冷たくてひりひりする石を

両頬に感じました。

何事か気づく前に、

彼は強い力に引かれて、

もがきました。

気がついたら、目の前に

ギルゴールの顔がありました。

彼の真っ赤な目を見ると、

トゥーラの恐怖は大きくなりました。

確かにギルゴールの首に

剣が触れたのに、

どうして彼に捕まっているのか

理解できませんでした。

 

ギルゴールの唇が

トゥーラの首筋に近づきました。

氷のような息が首筋にかかると

彼は背筋がぞっとしました。

断頭台で首を切られた時の

感覚を思い出し、

トゥーラの顔はぐしゃぐしゃになり

目から涙がこぼれました。

 

すぐそばから、

 

ドミスゥ

 

と満足感に満ちた声が聞こえました。

その瞬間、トゥーラは

再び、石の山の上を転がっていました。

苦痛よりも恐怖に襲われ、

彼は口を開きました。

目の前にいるギルゴールの横に、

彼の身体がありました。

 

ギルゴールは

トゥーラの髪の毛をつかんで持ち上げ、

自分と目が合うようにしました。

そして、彼の目の前に

赤い瞳を突き付けたまま、

呆れた顔で、

 

お前は誰だ?

 

と抗議しました。

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サイコパスのギルゴールが

本領を発揮したと

いうところでしょうか。

爆破専門魔法使いや

トゥーラへの仕打ちは

本当に恐ろしいものがあります。

自分の目的のためなら

手段を選ばない、

猟奇的なギルゴールを見ていると

「再婚承認を要求します」の

エンジェルを思い出します。

彼は、人間ですが

やっていることは

大差ないように思います。

エンジェルが

ナビエ様に勝てないように

ギルゴールも、ラティルには

勝てない展開になるといいなと

思います。

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