30話 美紗は部長と共に、麗奈と友也の結婚式会場に現れました。
美しくて、
キラキラしている美紗に、
お祝いの言葉を言われて
友也はボーッとなりましたが、
部長にお祝いの言葉を言われて
我に返りました。
会社の同僚に、
こんな美人がいることを
どうして隠していたのかと
彼の友人は、友也に文句を言った後、
美紗に自己紹介をして、
彼女の名前を聞きました。
ところが、それが
以前、友也が
地味だと言っていた女と
同じ名前だったので、
友人は、念のため美紗に
神戸美紗という名前の人が
会社に2人いるのかと確認しました。
美紗は自分1人だと答えると、
部長と共に、
他の場所へ移りました。
友人は、友也が
神戸美紗は、とても地味で
部長は堅物眼鏡だと話していた。
恥ずかしいから、
紹介できないと言っていたけれど
取られるのが怖くて
合わせなかったのかと非難しました。
友也は、
元々自分のものだった美紗を
失ったことを後悔しました。
プライズルームでは
以前の美紗と同じように、
麗奈が1人で寂しそうに
ポツンと座っていました。
彼女は美紗が来たのを見て
微笑んだものの、
心の中で、
随分とめかしこんでいる美紗は
新婦にでもなったつもりなのかと
悪口を言っていました。
遅れて来た美紗に、麗奈は
美紗にブーケを
受け取ってもらいたかったので
彼女が来なかったら、
どうしようと思っていたと
話しました。
そして、自分は綺麗かと
尋ねる麗奈に、美紗は、
とても似合っていると答え、
友也の母親が
勝手に選んだドレスを、
今度は麗奈が着ている。
自分の結婚式で、麗奈は
どんな気持ちで
ブーケを受取ったのかと
考えていました。
美紗が気落ちしないように、
そばに付いていてやれと
三田に言われた悠斗が
結婚式会場に来ていましたが
部長に睨まれたので、
一足遅かったとぼやきました。
美紗は、
自分を心配してくれた悠斗に
お礼を言った後、
友也と別れてからのことだから
気にしていないと言いました。
それを聞いた悠斗は、
相変わらず、美紗を
カッコいいと思いました。
そして、彼は、
三田と他の２人も結婚式に来ることと、
彼女たちは、新郎が
美紗の元婚約者だということを
自分が教えた。
彼女たちは、食事目当てに
来ると言っていたと話しましたが、
美紗は、彼女たちの性格から
他にも何かするのではないかと
思いました。
案の定、彼女たちは、
人々に陰口を叩かれるような
クラブファッションで
やって来ました。
美紗は、彼女たちが来るなら
一緒に来たのにと言いましたが、
三田は、
美紗は知らん振りをして
優雅に座っているように。
自分たちは新郎新婦を
見物しに来ただけ。
麗奈と友也が
２人して裏切るなんて
信じられないと言いました。
以前の美紗には、
麗奈と友也しかいなかったけれど
今は、この二人が仲良く、
地獄への道を歩むことを
祝福するとともに、
彼らに味わわせられた
自分の苦しみを味わえばいいと
彼らを呪いました。
カメラマンに
新婦の友人かと聞かれた
三田たちは、
ただの友達ではなく遊び友達だ。
毎晩、クラブで踊って、
男を引っかけていたと答えました。
招待していないのに、
やってきた３人を
麗奈は苦々しく思い、
友也は彼女たちを呼んだ麗奈に
腹を立てていました。
ブーケトスの時間になりましたが、
恥ずかしい思いをさせられた麗奈は、
顔面にブーケを
投げつけてやりたいと思いました。
ブーケを受取った美紗は、
お祝いの言葉を述べました。
その美紗を見て、
ぼーっとなっている友也に
麗奈は気分が悪くなりました。
結婚式の前に、麗奈は三田から、
友達が捨てたゴミを
拾えておめでとうと
言われましたが、
麗奈は、拾ったのではない。
自分が奪った、自分が勝ったのだと
友也とキスをしながら考えました。
麗奈は、
不幸な家庭に育ったので、
幸せな家庭に育った美紗を
羨ましく思い、
美紗に気づかれないように、
彼女を不幸に陥れようと
していたのだと思います。
一度は見事に成功したけれど、
麗奈の思惑に気づいた美紗は、
今度は黙っていません。
美紗が手に入れるはずだった幸せを、
奪ったつもりで
悦に入っている麗奈ですが、
それは美紗が仕組んだことに、
気づいていないですし、
彼女は、美紗の結婚生活が
どれだけ不幸だったか
知らないと思います。
それなのに、自分が勝ったと
喜んでいる麗奈を哀れに思います。
そして、美紗には、
復讐することだけにとらわれないで
幸せな人生を
歩んで欲しいと思います。
