42話 とうとう麗奈は、義母に手をかけてしまいました。
家にいる友也に荷物が届きました。
差出人は麗奈。
何かと思って中身を見ると
麗奈と訳あり女(美紗)が
やり取りしたメールを
印刷したものが入っていました。
ぷるぷる震えている友也の元へ
訳あり女から、
荷物はきちんと届いたか。
初めは、
あの彼女が可哀そうだったけれど・・
これは見過ごせなかったと
メールが来ました。
友也は、あの女が
余計な入れ知恵をしたと思いました。
そして、彼女は
本性を知らせたので、
今後連絡はしないと
メールを寄こしました。
友也は、彼女が麗奈と一緒になって
自分をバカにしていたのか。
2人とも、
頭がおかしいのではないかと
怒りで身体が震えました。
ところが、
「姑が倒れた。
毎日、青筋を立てて怒っていたから
いつか、ああなると思った。
姑が早く死んでくれたらw」
の文章を読んで、
母親は麗奈に
あれだけよくしてやったのに
彼女は頭がおかしい。
恩知らずだ。鳥肌が立つ。
死んでも当然だと思いました。
友也は、母親の分まで
自分が麗奈に罰を与えると決意し、
地獄旅行をしようと呟きました。
友也は車の下に潜り
何か作業をしていました。
そして、
うまくできたか確認した後、
完璧だ、
明日で全て終わりだと呟くと
ニヤリと笑いました。
そして、煙草に火を点けると
顔も見たくない麗奈とも、
うんざりする借金ともおさらば。
事故で妻を亡くしたという同情と
5000万円の保険金だけが
残ると思いました。
友也はライターを
車の座席の方へ投げ、
車に労いの言葉をかけ
別れの挨拶をしました。
座席の上で跳ね返ったライターは
車の床の上に落ちました。
美紗の元へ麗奈から、
明日、旅行へ行く。
義母の看病で
苦労している自分のために
夫が準備してくれたと
メールが来ました。
しかし、美紗は、
自分が送った書類を見た友也が
なぜ、麗奈を旅行へ連れて行くのか
友也は、一体何を考えているのか、
理解できませんでした。
前の人生で、
美紗は友也と結婚して
平野家の嫁としての暮らしを体験し
今回は麗奈が、
それを全て経験しました。
友也は前の人生で、麗奈と遊び
今回も麗奈の友達と遊ぼうとした。
そして、保険金が出たら
すぐに家を契約する。
保険金はいくらなのかと
質問する麗奈に、
友也は5000万円と答えました。
その言葉を思い出し
不安になっている美紗の元へ
メールで訃報通知が
送られてきました。
数時間前、
友也は酒を飲みながら、
ご満悦で
パソコンゲームをしていると
電話がかかってきました。
ゲームを中断された友也は
怒って電話に出ましたが、
相手に怒鳴られました。
電話をかけて来たのは
友也の父親でした。
彼は、母親が死んだので
今すぐ病院へ来いと命令し、
親不孝者だと罵りました。
友也は、
母親は本当に死んでいない。
絶対に違うと思う。
自分が早く行くから
少しだけ待ってくれと願いながら、
車を走らせました。
そして、遅い車に
クラクションを鳴らしながら、
さっさとどけと
悪態をついていた時、
なぜか車のブレーキが
ききませんでした。
友也は不思議に思いましたが、
前の日に、
自分自身で壊したことを
思い出しました。
友也は、
前を走っているトラックに
ぶつかりそうになったので、
慌ててハンドルを切ると、
車は歩道に乗り上げた後、
橋の欄干にぶつかりました。
何がどうなっているのか
分かりませんでしたが、
それでも助かったので
友也は安心しました。
早く母親の所へ行かなければと
思っていると、
足元から火が出ていて、
そのそばにライターがあり、
車は爆発しました。
友也は火だるまになりながら、
車から脱出しました。
助けを求める友也。
そして、彼はそのまま
水の中へ落ちました。
彼は沈みながら、
自分は、
これで死んでしまうのか。
5000万円で新車を買って、
株で大金を稼ぐことを
やり残しているのにと
思いました。
予想外の展開でした。
美紗は、麗奈が死ぬことを
願っていたのに、
友也が死んでしまいました。
この先、お話がどのように
進んでいくのか、
非常に気になります。
友也は、ろくでなしだけれど
母親への愛情だけは
本物のようです。