50話 智彦は、ジェイミーに会えて、運が良かったと言いました。
その猫は
去年、死んでしまったけれど、
その子供たちを、
ジェイミーが育てていると
智彦は、話しました。
その写真を見せてもらい、
可愛いと言う麗奈。
智彦は、今度一緒に
見に行こうと誘いました。
智彦と麗奈は、
テレビを観ていましたが、
彼は、そろそろ寝る時間だと
言いました。
焦る麗奈。
智彦は、麗奈が先に
シャワーを浴びるかと尋ねました。
ところが、
シャワールームはガラス張りで
外から、中が丸見えでした。
自分がシャワーを浴びている
姿を想像した麗奈は、
絶対にダメだと思いました。
麗奈が何も言わないので、
智彦は、
自分が先に入ろうかと
尋ねました。
麗奈は、ダメだと答えました。
すると、智彦は
一緒に浴びようということなのかと
聞いて来たので、
麗奈は、慌てて彼の口を塞ぎましたが
力が強すぎて、
彼は後ろに倒れてしまい、
麗奈と智彦の顔が接近しました。
これは、どういう意味なのかと
尋ねる智彦。
意味なんてないと答える麗奈。
自分は分かる気がすると言う智彦。
しかし、
麗奈は、何が分かるというのかと
文句を言うと、
彼に布団をかけて、
覗き見をしないようにと
命令しました。
暑いと文句を言う智彦。
布団から脱出した智彦は、
何を覗き見するのかと尋ねました。
恥ずかしくて、答えられない麗奈。
智彦は、暑いのは自分なのに、
麗奈の方が顔が熱くなっていると
指摘し、風邪でも引いたのかと
尋ねました。
麗奈は、心の中で、
智彦が自分をからかうからだと
答えました。
智彦は、
自分が先にシャワーを浴びると告げ、
もしかして、覗く気かと
麗奈に尋ねました。
そんなわけないと、
麗奈は答えました。
すると、智彦は、
「これを見ろ」と言って、
リモコンでシャワールームの目隠しを
作動させました。
呆然とする麗奈。
知らなかったかと尋ねる智彦。
わざと自分のことをからかったと
怒る麗奈。
からかっていない。
ボタンを押す暇も与えず、
自分を押し倒したのは麗奈だと
非難する智彦。
そして、智彦は
覗き見するなという言葉を残し
シャワーを浴びに行きました。
ベッドは一つしかありませんでした。
智彦は、
真ん中に細長いクッションを置くと
この線を越えたら、
全て自分のものだと宣言しました。
幼稚過ぎるのではと言う麗奈。
しかし、麗奈は
智彦が床で寝るのも、
ソファーで寝るのも嫌がるので
こうするしかないと、
智彦は言いました。
そして、ベッドの中に入ると
越えて来ないようにと忠告しました。
そして、心の中で、
越えてきたら麗奈は自分のものだと
呟きました。
麗奈もベッドの中に入り
境界線を越えないように、
縮こまりました。
そして、智彦は電気を消しました。
布団の中で、
ドキドキする麗奈。
彼女が動くと、ビクッとする智彦。
彼も心臓がドキドキしました。
麗奈は寝返りを打つと、
手が境界線を越えて、
智彦の肩に当たりました。
境界線を越えていると
注意する智彦。謝る麗奈。
智彦は、起き上がると、
境界線を越えたら、
自分のものだよなと尋ねました。
麗奈は心臓がドキドキしました。
51話 麗奈は、分かったので手を出してと言いました。
彼女は、手ぐらいは
握らせてあげると言いました。
すると、智彦は、恋人つなぎで、
麗奈の手を握りました。
麗奈はドギマギしながら、
なぜ、恋人つなぎなのかと
尋ねました。
智彦は、これからもずっと、
この手を離さないという意味だと
答えました。
笑わせないでと言う麗奈。
智彦は、そろそろ麗奈の話を
聞かせて欲しいと頼みました。
麗奈は、面白くないと言いましたが
智彦は、彼女は元々、
つまらない人だから大丈夫だと
言いました。
怒る麗奈に智彦は
冗談だと言いました。
智彦は、
麗奈の幼い頃のことを尋ねると、
彼女は、普通の子供だった。
ふざけて怒られたり、
スケッチブックを盗んで、
罰として立たされたと答えました。
智彦は、
なぜスケッチブックを盗んだのかと
尋ねました。
麗奈は答えをはぐらかしました。
逆に麗奈が、
智彦の子供の頃のことを尋ねました。
彼は、今と同じ。
勤勉で先生や両親の言うことを
きちんと聞いて、
友達と仲良く過ごしたと答えました。
嘘ではないかと尋ねる麗奈。
本当だと答える智彦。
麗奈は信じると言いました。
麗奈は智彦に
幸せだったかと尋ねました。
彼は、
幸せだった思い出もあると
答えました。
麗奈は、
「そうなんだ、良かった。」と
言うと、眠ってしまいました。
麗奈は寝ている姿もきれいだと
智彦は呟きました。
智彦は、天気がいいからと言って
麗奈を散歩に誘いました。
彼女は、周りは海だらけなのに、
海が嫌いな智彦は、
大丈夫なのかと尋ねました。
彼は、それを認めながらも
麗奈が手をつないでくれたら
耐えられる気がすると
答えました。
散歩は言い訳ではないかと
尋ねる麗奈。
否定する智彦。
彼は、離島まで来たので、
天気のいい日に、
外に出ないのは
もったいないと言いました。
麗奈は、
自分たちは新婚旅行中だし、
ここには知り合いもいない。
それに、とてもいい天気だと思い
散歩に行くことに決めました。
すぐに出かけようと
嬉しそうに言う智彦。
しかし、砂浜を
楽しそうに歩く麗奈と比べて
智彦は、
自分なら耐えられると念じながら、
深呼吸をして歩いていました。
やはり、智彦は大丈夫でないと
思った麗奈は、
手をつなげば耐えられるのならと
言って、
彼に手を差し出しました。
智彦は、散歩に来た甲斐があると
喜びました。
ところが、智彦は手を出した時に
手首の日付を
麗奈に見られるのを恐れ、
袖口を伸ばしました。
麗奈は、
手をつなぐのが嫌なのかと
尋ねましたが、
智彦は麗奈の手をぎゅっと握り
この手を離さないと言いました。
2人は手をつないで、
海岸を散歩しました。
浅井健は、
壁に掛かっている絵を見ながら
これで全て揃った。
麗奈のおかげで、
父親の最後の作品まで手に入れたと
呟きました。
彼の机の上には、
浅井健と書かれた
スケッチブックがありました。
それは、子供の頃、麗奈が
自分たちは友達だからと言って
健にプレゼントしたものでした。
麗奈は、健に
自分の味方になってと頼みましたが
彼は、最初から彼女の味方だったと
呟きました。
そして、彼の手首にも、
20211120の刻印がありました。
麗奈が子供の頃、
盗んだというスケッチブックは
浅井健が
持っているものなのでしょうか。
麗奈と浅井健は
どこで一緒だったのか。
それだけ仲が良かったのなら、
なぜ、麗奈は
浅井健のことを覚えていないのか。
なぜ、浅井健もあの日に
死んでしまったのか謎ですが、
麗奈と智彦の愛の進展とともに
謎が明らかになることを
期待したいと思います。