自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 303話 ネタバレ 先読み 原作 世界で一番偉いのはタッシール

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303話 ラティルは、ヘイレンが言ったことは本当なのかと、タッシールに尋ねましたが・・・

◇誉め言葉◇

タッシールは、いつものように

目が細く曲がるように笑いながら

そんなことはない。

ただ少し話をしただけだと

軽く答えました。


タッシールの侍従は

悔しそうに頬を膨らませましたが

主人が違うと言っているのに

自分は本当だと言えないので

ずっと目を伏せていました。

 

ラティルは、

ヘイレンとタッシールを

交互に見ながら2人のそばに近づき、

ベンチに座ると、タッシールに

正直に話していい。

タッシールもラナムンも

皆、自分の側室なので、

1人が別のもう1人を

無視させることはできない。

本当に、ラナムンは

タッシールが商人だと言って、

たくさん無視したのかと尋ねました。

「たくさん」と言ったのは、

ラナムンが基本的に、

皆を常に無視するからでした。

ラナムンは、

弱くて権力のない人だけでなく、

強くて権力の高い人も

同じように無視していました。

 

しかし、タッシールは

今度も平然と笑い飛ばし、

本当に違うので、

心配しなくてもいいと、

ラティルを安心させました。

彼女は、それでも

何か言おうとしましたが、

タッシールは、

ラティルはカリセンのことで

頭を痛めていると思うので、

そこに気を使うべきだ。

側室が何人もいるのに、

皇帝はそんなことまで気にするのかと

尋ねました。


タッシールの声は

思いやりというよりは、

本当に「ふっ」と吹けば

さっと飛んでしまうほど軽く、

ラティルを楽にしてくれました。

それがありがたくて、

ラティルは訳もなく心の片隅が

ジーンとしました。

 

初めて会った時は、

悪口を言われたので、

性格が良くないと思いましたが、

タッシールは本当に優しいと

思いました。

もっとも、彼は暗殺者なので、

優しいのではなく、

深い思いやりがあるということなのだと

思い直しました。

 

ラティルは、

こんなことを気にかけてくれるのは

タッシールしかいないと

お礼を言いました。

彼は、満腹のキツネのように

笑いました。

 

少し湿った夜風が吹いてきて、

サーナット卿が結んでくれた

毛先が、訳もなく

馬の尻尾のように揺れました。

タッシールは、

少しだらしない髪留めを見て、

自分で髪を結んだのか。

紐が変にねじれていると、

笑いながら尋ねました。

ラティルは、それを否定し、

サーナット卿が縛ってくれたと

答えました。

タッシールは、

 

ああ、サーナット卿。

 

と、妙に笑いの混じった

話し方をしたので、

これは、

言うまでもなかったかもしれないと

思いました。

サーナット卿は、ただ良かれと思って

髪を結んでくれただけだけれど、

側室のタッシールからすれば、

とんでもない男の名前が出てきたと

思うかもしれませんでした。

 

ラティルは少し後悔していると、

タッシールは横向きに座り、

彼女の髪をしっかりとつかむと、

解けそうなので、

自分が結び直すと言いました。

きちんと縛られているようだけどと

ラティルは怪しみながらも、

頭を少し回すと、

タッシールは髪の毛をほどいて

手を鉤のようにして

ラティルの頭皮を優しく掻きました。

 

夜中に急に

タッシールに髪を預けていたら

少し照れくさくなり、

ラティルは、訳もなく

拳で膝を叩いては擦ることを

繰り返しました。

タッシールは、

ラティルの髪をかき集め続けながら

先ほど、

心配そうな顔をしていたけれど 

カリセンのことで

悩んでいるのかと尋ねました。

 

ラティルは、髪の毛の間から

カサカサいう音を聞きながら、

「うんうん」と

生返事をしていましたが、

後になって、質問されていたことに

気がつきました。

タッシールの手が

思ったより柔らかくて心地よく、

少し恥ずかしくもあったので、

しばらく意識が飛んでいたようでした。


後ろから低い笑い声がし、

タッシールは再びラティルに

カリセンのことで何か悩んでいるのかと

尋ねました。

 

ラティルは、

大したことではないと

答えようとしましたが、

躊躇しました。

そして、しばらく考えた後、

実は悩んでいる。

もしかしたらダガ公爵は

人間ではないかもしれないと

少し遠回しに打ち明けました。

かなり驚いたのか、

髪の毛を触っていた

タッシールの手がぎくりとしました。

 

彼は、本当なのかと尋ねました。

ラティルは、自分の推測なので

違うかもしれないけれど、

そういうことだと答えました。

 

タッシールは、

本当ならカリセンの立場が困ると

言いました。

ラティルは、

だから一度確認したいけれど、

そのためには、

ゲスターにダガ公爵を

見てもらう必要があると言いました。

タッシールは、

ここでなぜ、

ゲスターの名前が出てくるのか

分からないようでした。

 

彼は髪の毛をしっかり集めて

引っ張って紐でくるくる巻くので

ラティルはボールのように、

頭を動かさなければなりませんでした。

サーナット卿は、髪をまとめて

適当に結んだようだったけれど

タッシールはしっかり結んでいるので、

どこで習ったのかと思いました。

 

タッシールは、

ゲスターがダガ公爵を見たら

人間でないと分かるのかと

尋ねました。

ラティルは、

ゲスターは魔法の勉強をしているので

分かると答えました。

タッシールは、

それならば、アカデミーに

魔法使いがたくさんいると

助言しましたが、ラティルは

機密事項なので、

人には分からないようにする

必要があると答えました。

 

ゲスターを信じているようだと

タッシールに指摘されると、

ラティルは、

ゲスターは優しくて素直なので、

信じない理由はないと答えました。

彼が黒魔術師だと知って

少し驚いたけれど、

黒魔術を使うゲスターになっただけで

他におかしくなったところもないし

彼は狐の仮面の姿でも、

ゲスターの本来の姿でも、

とにかくずっと自分を

助けてくれたと思いました。

タッシールは、

もう一度、低い声で笑うと、

ゲスターは優しいし、面白いし

自分もゲスターが好きだと

言いました。

ラティルはタッシールに

ゲスターと親しいみたいだと尋ねると

彼は、もちろんだと答えました。

 

ラティルは、

とにかく、ゲスターをダガ公爵に

会わせなければいけないけれど、

今、カリセンとタリウムの仲が

少し微妙なので、

その方法がよく思い浮かばないと

悩みを打ち明けました。

大神官が、

ヒュアツィンテに会えない状況で、

食餌鬼になったダガ公爵が

タリウムの側室であり

宰相の息子に会おうとするだろうか。

たくさんの刃を立てて

四方を警戒していると思うと、

改めて、ため息が出ました。

 

すると、タッシールが

出来上がったと声をかけました。

タッシールは、

ラティルの髪を丁寧に結び終えると、

再び振り向いて笑いました。

ラティルは、

タッシールが結んだ髪に

手を触れました。

侍女たちが縛ってくれたのと

同じくらいきれいに縛られていました。

 

ラティルは、

タッシールは絵も上手だけれど、

髪も上手に結べると褒めました。

タッシールは、大抵のものは

上手な方だと返事をしました。

彼女は横を見て、彼と目が合うと

にっこり笑いました。

別に意図したわけではなく、

自然に出た笑いでした。

 

タッシールのことを、

麻薬商みたいだと言って

よくからかったりするし、

彼は、少し危ない仕事をしている

印象ではあるけれど、

とにかく彼は感心するほど

ハンサムな顔をしていました。

薄暗い月明かりの下でも

彼の目鼻立ちははっきりしていて

陰影すら、彼の雰囲気を

生かしていました。

暗いせいで、クマがよく

見えないからかもしれませんが、

今日に限って、

少しほのかな魅力も感じられ、

彼が、

もっとよく見えたりもしました。

ラティルは、

しきりに上がる頬骨を下ろすために

両手で頬をこすっていると、

額に水滴が落ちて来たので、

空を見ました。

 

錯覚だろうか。

まさか鳥が、通りすがりに

おしっこをしたのではないだろうと

考えていると、

また水滴が頬の上に落ちました。

ラティルはそれを拭く前に、

タッシールが、

手で水滴を拭き取ると、

雨が降りそうだと言いました。

その言葉が終わるや否や、

ぽつんと落ちる水滴の数が

目に見えて多くなったので、

ラティルは彼の手を取り、

回廊の屋根の下に案内しました。

ラティルは、

雨がもっと激しくなる前に

早く入るように。

滑るからと指示しました。

 

回廊につながっている道を

まっすぐ行くと、

普段の道よりは遠くなっても

ハーレムまで行くことはできるので、

雨に降られませんでした。

しかし回廊には屋根があるだけで、

壁がなく、雨が降ると、

床が湿っぽくなりました。

回廊の床はすべて滑らかな石なので、

こんな夜は滑りやすくなり、

ラティルはそれを心配していました。


タッシールは「そうします」と言って

笑って頷きました。

ラティルは、

彼を見送るために立ち上がると、

彼が先に行くのを待ちました。

しかし、タッシールは

しばらく何かを考えている様子で、

むしろラティルの方に近づき、

腰を少し下げました。

耳元に彼の口が近づくと、

ラティルは鳥肌が立ち、

体をびくびくさせました。

頬にキスするのかと思いましたが、

そうではなく、彼は、

商人たちはわざと

「敵を装った味方」を

置くこともあると囁きました。

ラティルは、

くすぐったい気持ちに

なっていましたが、

突然商人の話が出て来たので、

目を丸くしました。

 

タッシールは、

人から見ると仲が悪そうだけれど、

実は同じ利益を追求する人たちのこと。

商団にも、

そういう商団がいくつかあると

説明しました。

ラティルは、

いくつあるのか尋ねると、

タッシールは、

そのうちの1つが、ダガ公爵家

定期的に商品を提供していると

答えました。

突拍子もない商人の話に

ラティルは、

きょとんとしていましたが、

ダガ公爵家の話が出ると、

ラティルは驚いて、

タッシールを見ました。

彼がすでに顔を近づけていたので

あっという間に、お互いの頬が、

ひどく近づきました。

少し間違って動いただけで、

唇や鼻がぶつかる距離でした。

 

タッシールは、ラティルが望めば、

ゲスターの正体がばれないように、

そこに彼が入れるよう手配すると

言いました。

こんなことがあり得るのか!

ラティルは嬉しくて、

タッシールをぎゅっと抱きしめ、

 

君は本当に最高だ、タッシール。

君が最高だ。

 

と褒めまくりました。

タッシールは、

もっと褒めて欲しいと要求しました。

ラティルは、

 

タッシールが最高。 君が最高。

世界で一番偉い男!

 

と褒めました。

タッシールは、

さらに誉め言葉を要求したので、

ラティルはくすくす笑いながら

彼の顔を両手で包み込みましたが、

あまりにも近すぎる距離に驚き、

石のように固まってしまいました。

目の前にある彼の顔は

一瞬心臓が落ちそうなくらい、

ぞっとしました。

 

ラティルは、

恥ずかしそうに手を下ろすと、

タッシールはラティルの額に

自分の唇を軽く押し当て、

お褒めの言葉をいただいたと

言いました。

◇扉の後ろ◇

ラティルがタッシールと

話している間、その場にいるのを

避けていたサーナット卿は

ラティルが、

機嫌の良い顔で戻って来ると、

しばらく落ち着かない目で彼女を見て、

目が合うことを恐れて、

素早く視線を下げながら、

タッシールがラティルを

笑わせたようだと言いました。

ラティルは、

タッシールは自分を

愛しているわけではないけれど、

むしろ、それが自分を

より楽にしているようだと

話しました。

そして、タッシールは頭もいいし、

共に相談しながら、

歩いて行ける人のようだ。

実際、私的な感情を除けば、

タッシールは側室より

皇配にふさわしい人だと

言いました。

 

ラティルの言葉に

サーナット卿は平気なふりをして

彼は、暗殺者だけれどと

指摘しました。

確かに暗殺者ではあるし、

しかも暗殺集団の頭であるけれど

実は暗殺集団に偽装した

別の集団ではないかと思いました。

ラティルがぎこちなく笑うと、

サーナット卿はすぐに謝りました。

ラティルは手を振って

階段を上り続けました。

サーナット卿には

話しませんでしたが、

ラティルはタッシールが、

他の側室に関して、

自分にあれこれ言わない点も、

皇配にふさわしいと思いました。

今は皇配がいなくて、

ラティルも

側室同士の葛藤を望んでいるため、

ハーレム内で起こっていることに

神経を尖らせていましたが、

後に皇配ができたら、

小さな事件は、

彼自身で調整する必要がありました。

義務ではないけれど、

そうした方が管理しやすいからでした。

その一方で、

身分の高い側室が怒って

他の問題を起こさないように、

宥めたり、

問題を取り除かないといけないけれど

ラティルが見たところ、

今の側室の中で、

そのようなことができそうなのは

タッシールだけでした。

 

ゲスターはとてもおとなしいし、

カルレインは他の側室を

放置するだろうし、

クラインは自分が前に出て、

全員、捕まえそうだし、

ラナムンは全員追い出しそう。

大神官は優しすぎて流されそう。

ギルゴールとメラディムは

分類が違うので例外。

 

部屋の中に入ったラティルは、

ゲスターを

ダガ公爵に会わせることについて

行く先が明るくなったので、

嬉しくなり、軽い気持ちで

鼻歌を歌いました。

しかし、部屋の中について行けずに

立っているサーナット卿には、

閉まっている扉越しに

聞こえてくる歌声が、

あまりにも辛く感じました。

いつまでも、自分は

この扉の後ろに

いなければなりませんでした。

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ようやく、ラティルが

皇配に一番ふさわしいのは

タッシールだと

気づいてくれて嬉しいです。

今のところ、側室の中で

ラティルが一番好きなのは

カルレインのような気がしますが

皇配に必要な資質を

備えているのは誰か、

個人的な感情抜きで、

冷静に判断するのも、

皇帝の果たすべき役目だと思います。

タッシールが皇配になるための

最大の関門は、

彼が平民であることですが、

タッシール以外に皇配になるのに

ふさわしい人がいなければ、

身分など、どうにでもできることだと

思います。

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