717話 要約 対怪物部隊に志願したレアンにラティルは会いに行きましたが・・・
レアンはラティルに、
自分は役に立ちたいと思い
志願したのだと告げました。
ラティルは、
レアンを許したといっても、
完全に許した訳ではないので、
対怪物部隊の指揮を
任せることはできないと
返事をしました。
レアンはラティルに、
どうすれば自分を信じてくれるのかと
尋ねました。
ラティルは、
ただ、おとなしくしていればいいと
答えました。
部屋を出ようとして
扉に向かうラティルに
レアンは志願を取り下げると
告げました。
ラティルは頷き、その場を離れました。
ラティルはレアンの部屋を出た後、
何が起こったのか考えながら
宮殿内を歩きました。
レアンはアニャのことを
知らなかったし、
アニャを部隊の指揮官にしようと
思っていることも知らなかったので
レアンは正義感から
部隊に入りたかったのかも
しれませんが、
彼の真意が分からない以上、
信用できませんでした。
一方、レアンの側近たちは
彼女の知らないことや、
父親の部下の秘密など、
すべての出来事を把握していました。
護衛たちに見守られながら、
歩いているうちに、ラティルは、
あることを思いつき、
そのままハーレムへと向かいました。
ハーレムに到着したラティルは、
護衛兵たちがある場所を見て
困惑しているのを見ました。
ラティルは、彼らに
何が起こっているのか尋ね、
そちらを見ると、
メラディムとギルゴールが
拳を交えていました。
護衛兵の前で、
自分の実力を見せたくないのか、
その近くに、
サーナット卿がつっ立っていました。
ラティルは戸惑いながらも、
状況を把握しようとして近づきました。
その時、
ラティルに気づいたサーナット卿が
彼女に近づき、
カルレインに会いに行く途中、
ギルゴールが後ろから蹴ろうとしたが
何とか、かわしたと話しました。
驚いたラティルは、
なぜメラディムとギルゴールが
戦っているのかと尋ねると、
サーナット卿は、
分からない。
自分がギルゴールの蹴りをかわすと、
メラディムが飛びかかってきて、
戦いが始まったと答えました。
ラティルが
メラディムとギルゴールの間に入ると
二人は驚き、争うのをやめました。
ラティルが、どうしたのかと尋ねると
ギルゴールは、
花園からお嬢さんの香りがして
仕方がなかったと答えました。
呆れたラティルは
彼の香りのせいなのかと尋ねると
ギルゴールは「そうだ」と
答えました。
サーナット卿と一緒に過ごしたのは
数日前なのに、
この狂った吸血鬼の鼻は、
どれほど利くのかと
ラティルは不思議に思いました。
クラインは、ハーレムの中から
その様子を眺めていましたが、
ラティルが他の側室たちと
交流しているのを見て、
落ち込んでその場を立ち去りました。
バニルは彼を慰めましたが、
クラインは、
数日前、ラティルに
正式な側室になれと言われたけれど、
彼女は他の男と一緒にいて、
とても幸せそうだと言いました。
数日前、クラインは、
カリセンとタリウムの間で
紛争が起きたら、
どちらかを選ぶようにという手紙を
宰相から受け取っていました。
クラインは色々と考えていましたが、
ラティルは彼に興味がなさそうでした。
アクシアンはクラインに、
ラティルに数日の休養を
求めるよう提案しました。
クラインは、
このタイミングでカリセンに行けば
誤解される可能性があると
答えましたが、アクシアンは
カリセンに行く必要はないと
返事をしました。
クラインは、
ラティルがそれを受け入れるかどうか
疑問に思いましたが、
アクシアンは、
クラインは臨時の側室であり、
好きなようにできるのだから
ラティルは、
受け入れなければならないと
強調しました。
メラディムとギルゴールを
引き離したラティルは、
本来の目的地に行こうと思い、
そちらの方向へ歩き始めましたが、
振り返ると、
サーナット卿とメラディム、
ギルゴールが、
後を付いて来ていました。
ラティルは、彼らに
なぜ付いて来るのか尋ねると、
ギルゴールは、何が問題なのか
分からないという態度で腕を組み、
メラディムは、
自分にも理由があると言って
ギルゴールを見ました。
一方、サーナット卿は
ラティルの騎士だと言いました。
ラティルは、
彼らを追い払おうとしましたが、
うまくいかず、全員を連れて、
ゲスターの部屋に行きました。
ラティルの来訪に
喜ぶゲスターでしたが、
彼女に付いてきた3人を見て
表情が変わりました。
部屋に入ったラティルは、
ゲスターに、
彼女の父である先帝の墓に
一緒に行って欲しいと頼みました。
その場にいた全員が、
驚きの反応を見せました。
メラディムは、
それは、不道徳なことではないかと
尋ねましたが、
ラティルは彼を黙らせ、墓は
死者の家のようなものだと説明しました。
ゲスターは、
そこで何をしたいのか尋ねると、
ギルゴールは不思議そうな顔で、
黒魔術師のすることが全て
墓で歓迎されるとは限らないと
囁きました。
ラティルは、
悪いことをするつもりはない。
ただ父の魂を
呼び出したいだけだと言うと、
皆は彼女を見つめ、
メラディムは再び
ロードは不道徳なのかと言いました。
ラティルは否定し、
父に聞きたいことがあると言い、
ゲスターに、
それが可能かどうか尋ねました。
彼は可能だと答えました。
ラティルは時計を見ると、
夕食の時間になっていました。
人の流れはすぐに少なくなるので、
暗くなったら墓に行こうと
ゲスターに指示しました。
サーナット卿から、
ラティルの石鹸の香りが
するということは、
サーナット卿はラティルの部屋の
お風呂に入り、彼女の石鹸を使った。
ということは・・・
ギルゴールの頭の中で
ラティルとサーナット卿の間に
何が起こったか、
次々と妄想(ではないけれど)が
浮かんできて、嫉妬するあまり、
サーナット卿を
蹴ろうとしたのではないかと思います。
メラディムはギルゴールが嫌いだから
サーナット卿が、
彼に攻撃されるのを見て、
これはチャンスとばかりに
サーナット卿を助けると見せかけて
ギルゴールに戦いを挑んだのかも。
ギルゴールとメラディムが
互角に戦っている中、
サーナット卿が間に入っても
勝てるわけがないし、
彼らに歯が立たない
カッコ悪い近衛騎士団長の姿を
部下たちに見せるわけにもいかない。
だから、サーナット卿は
傍観するしかなかった。
しかも、争うのを止めたと思ったら
3人共、ラティルの後を付いて来る。
ラティルとレアンの駆け引きで
緊張感が張り詰める中、
クスッと笑わせるシーンを織り込む
作者様は、お話を作るのが
本当に上手だと思います。