720話の要約 カリセンのスパイがいることに気づいたクラインは、ラティルに知らせようとしましたが・・・
クラインはスパイのことを
ラティルに伝えなければならないと
主張しましたが、
アクシアンはそれを引き止めました。
2人は数分間、格闘した後、
アクシアンはクラインに、
スパイが狙っているのは
ラティルではなく
クラインかもしれない。
数週間前に、クラインは
宰相から手紙を受け取り、
カリセンとタリウムの間で
紛争が起きた場合、
どちらにつくか聞かれたけれど
クラインは、まだ返事をしていない。
もしも、
スパイが狙っているのがクラインで、
彼がラティルに
「カリセンの人間を見た」と言えば、
宰相はクラインがタリウムの味方だと
考えるかもしれないと話しました。
しかし、クラインは、
ラティルがスパイに気づき
自分が黙っていたことがバレたら
自分がカリセンの味方だと
思うかもしれないと言い返しました。
アクシアンは、クラインに
休暇を取ることを提案しました。
そして、戻って来た時に、
なぜスパイがそこにいるのか、
事情を説明できるだろうと
話しました。
クラインはそれを承諾し、
ラティルの元へ戻りました。
ラティルが、
カリセンとミロの間で
起きていることについての
報告書を読んでいるところへ
クラインが戻って来ました。
ラティルは彼を出迎え、
どうしたのかと尋ね、
彼を抱きしめました。
いつもならラティルの抱擁に
感情的な反応を示すクラインが
そうしないので、
ラティルは、彼が病気なのか、
気分が悪いのかと尋ねました。
クラインは首を横に振りましたが、
その態度は変わりませんでした。
ラティルは、
クラインにしつこく返事を求め
何か問題があるのなら
助けられると言いました。
クラインは、
ラティルと兄の仲が悪化していると
聞いたので、
心配していると答えました。
ラティルは再びクラインを抱きしめ、
ヒュアツィンテとは派生的な問題で
言い争いになっているけれど、
何も心配することはないと
告げました。
クラインはラティルに
休暇が欲しいと言ったので、
ラティルは驚きましたが、
タッシールが、
予想外のことが起こることもあると
言っていたのを思い出しました。
彼女は、クラインに
カリセンに行きたいのかと
尋ねましたが、クラインは否定し、
別のどこかに行きたいと答えました。
ラティルは、行き先を知りたいと
しつこく尋ねると、クラインは、
ディジェットへ行くと答えました。
ディジェットは、タリウムから
一番遠い国なので、
ラティルは遠すぎると思い、
自分から逃げるための
口実かもしれないと思い始め、
クラインに遠すぎると言いました。
しかし、クラインは
そこは母親のいる国だと話しました。
ラティルは考えた後、
3ヶ月の休暇を与えると告げました。
最初は少なすぎるのではないかと
思いましたが、
クラインの反応は良好でした。
その後、彼は立ち去りました。
アクシアンはクラインに、
どこへ行くのか、
なぜ行くのかと尋ねました。
バニルは、
クラインの親族がディジェットにいると
話しました。
しかし、クラインは
ディジェットではなく、
隣のアドマルへ行くと告げました。
驚いたアクシアンとバニルは
口をあんぐりと開けました。
アドマルは、
はるか昔に消滅した国の都市で、
呪われていると噂されている
廃墟と化した場所で、
冒険者たちの事故が絶えない、
危険な所でした。
しかし、クラインは
アクシアンとバニルの説得に
屈しなかったので、
彼らは互いに顔を見合わせ、
悲しい表情をしました。
クラインは、
これだけ古い街であるアドマルには
先代のロードに関する情報があり、
それらを収集することで、
かつてのロードたちが、
怪物とは何の関係もないことを
証明したいと考えていました。
ラティルは執務室で
クラインと彼の休暇について
考えていました。
一緒にいたサーナット卿は
心配そうに彼女を見て、
なぜクラインが休暇を取ることを
そんなに心配しているのかと
尋ねました。
ラティルは、クラインが
彼の心を整理することを恐れていると
答えました。
サーナット卿は、
ラティルの心をつかむには、
檻から脱出する必要があると思う。
ラティルは鳥かごの中を鳥を
見ようとさえしないからと
話しました。
ラティルは、
自分の鳥が逃げたら、
探すのは当然だと返事をすると、
震えているサーナット卿を見て、
彼は自分の檻に
入ったことはないのだから、
気にしないようにと言いました。
サーナット卿は、
そんなに気になるなら、
一緒に行ったらどうかと
提案しました。
すると、ラティルは、
きっとそうなると答えました。
一緒に行くのかと、
サーナット卿は驚くと、
ラティルはタッシールと話したことを
思い出しながら頷きました。
タッシールはレアンを「許した」後、
再び彼が自分を倒そうとしないか
確かめるために、
一時的に皇帝の座を離れ、
何らかの旅に出るべきだと
言っていたからでした。
サーナット卿は、
クラインの行く先が遠いと
指摘しましたが、
ラティルはゲスターに頼んで
テレポートしてもらえばいい、
クラインとゲスターで出かけるのも
いいだろうと言いながら
横目でサーナット卿の反応を
見ました。
彼は沈痛な表情を浮かべました。
ラティルは、
レアンを試すことができる一方で
クラインを驚かせることができるので
これは良い計画だと思いました。
その日の午後、ラティルは、
ヘウンに会いに行くことにしました。
クラインが目的地に着くまでに
時間がかかるので、
それまでに、ヘウンの問題を
先に片付ける必要があると
思ったからでした。
レアンの側近は、
ラティルがアナッチャを訪ねたことを
伝えたので、レアンは驚きました。
あれほどまでに彼女を憎んでいたのに
なぜそんなことをするのだろうと
怪訝に思いました。
側近とレアンは話をしている中で、
ある広場に、
トゥーラが現れたという噂や、
ヘウン皇子が、
死んだ後に現れたという話題が
出ました。
レアンは料理を見ながら、
物思いに耽っていましたが、
立ち上がりました。
側近が、どこに行くのかと尋ねると、
レアンは、アナッチャにも
会いに行かねばならないと答えました。
ラティルが、
ハーレムにいる側室を顧みないことを
鳥かごの鳥に例えて、
サーナット卿は
皮肉を言いましたけれど
見事に、皮肉で言い返したラティル。
相手の気持ちを考えずに、
言いたい放題、言っているせいなのか
2人の会話を読んでいると、
あまり気分が良くないのですが、
タッシールは、
真面目な話をしている時は、
相手の感情を害さないように
言葉を選んでいるし、
ラティルをからかう時は
彼女を怒らせる時もあるけれど
彼女の欠点を
非難するわけではないので、
読んでいて、楽しかったりします。
クラインは、
自己主張が強いけれど、
ラティルがロードであることを
知っていても、
彼女へ純愛を捧げているので
ラティルはクラインを
そばに置いておきたいのだと思います。