721話、722話の要約 レアンもアナッチャに会いに行くことにしました。
◇721話◇
ラティルは、
トゥーラの屋敷を訪ねました。
彼は、
今度は彼女が護衛を付けすに、
一人で来たことに気づきました。
早速、ラティルは、
ヘウンを元に戻すために、
彼の首を渡してほしいと頼みました。
最初は不審に思った
トゥーラでしたが、
ラティルは、彼を助けることに
興味がなさそうに装うことで
彼を説得しました。
実は、ラティルは内心、
やってみたいと思っていました。
自分の能力を発揮するための
練習が必要だし、
そうすることで、
「心を読む」能力も
容易に習得できるのではないかと
期待していたからでした。
ラティルはヘウンの首を使って
練習していると、
誰かが屋敷の扉を叩いて
アナッチャの名前を叫びました。
トゥーラは、ラティルの側室が
母親の身分に敬意を払うことなく
彼女を呼んでいると思い、
怒りました。
ラティルはヘウンの頭を抱えて
2階に上がりました。
トゥーラは、窓越しに、
叫んでいるのは
レアンに連れられて来た
彼の従者であることを
確認しました。
アナッチャは、
暗闇の中で、自分の後ろに隠れるよう
トゥーラに合図しました。
彼女は、ラティルとは別の意味で
レアンを不愉快に感じていたことを
思い出しながら、ドアを開けました。
レアンは挨拶に来ただけだと説明し、
テーブルの2つの椅子の位置
(トゥーラとラティルが
座っていた場所)が、
ずれていることを、
すぐに指摘しました。
そして、彼は断りもなく、
その場所を調べ始め
ここは「二人暮らしの家のようだ」と
意見を述べました。
アナッチャは、
そんなことはどうでもいいはずだと
答えましたが、レアンは、
トゥーラが死んだ後に、
彼を見たことがあると告げました。
そして、2人は少し言い争った後、
レアンは2階に上がりました。
アナッチャは、
ラティルがヘウンを連れて
2階に逃げたことを思い出し、
とても不安になりましたが、
レアンの従者が、
彼女の行く手を阻みました。
レアンがクローゼットを開けると、
そこにラティルが座っていました。
ラティルは、彼が何か言う前に、
彼が母親の敵に会いに来たことを批判し
彼を突き飛ばすと、
屋敷を飛び出しました。
レアンは彼女の名を叫びながら、
後を追いかけました。
トゥーラがクローゼットを開けると、
床下にヘウンがいるのを
発見しました。
彼は、ラティルが自分を隠すために
床板を割ったと説明しました。
トゥーラは、ラティルが
レアンではなく、
自分を支持してくれたことに、
驚きました。
レアンの側近は、
ラティルとのトラブルを避けるよう
勧めましたが、レアンは
彼女と接触するために、
これら全てをやっていると
説明しました。
突然、側近はある女性に気づき、
以前、レアンが
ぶつかった人ではないかと尋ねました。
ラティルは、なぜレアンが
アナッチャに会いに行ったのか
不思議に思いながら執務室に戻ると、
扉の所で、カルドンが
泣きながらラティルを待っていました。
◇722話◇
ラティルは、
カルドンの心配そうな様子を見て、
事態が急を要することを
理解しました。
カルドンは、誰にも知らせずに
至急、ラティルの所へ行くよう
ラナムンから言われたことを伝え、
ラティルは急いで
ラナムンの部屋に向かいました。
中に入ると、
一面血の臭いが漂っていました。
レアンは、
窓から空を見ている
髪の短い女性に気づきました。
彼は側近に、
そこにいるように指示すると、
レアンはゆっくりと女性に近づき、
何を見ているのかと尋ねました。
女性は、まだ悲しげな表情で
空を見ていましたが、
首を横に振りました。
彼女はレアンが誰なのか、
知らないようでした。
レアンは何を見ているのかと
しつこく彼女に尋ねと、
女は答えず、彼を見ると、
背を向けて走り去りました。
レアンの側近が近づいてきて、
あの女はやはり失礼な奴だ、
彼女の正体を調べて欲しいかと
尋ねましたが、
レアンは首を振って歩き出しました。
ラティルがラナムンの部屋に入ると、
ベッドの脇に
大神官がいるのが見えました。
すぐに二人の元へ行くと、
ラナムンが意識を失い、
真っ青な顔で横たわっているのが
見えました。
ラティルは彼を呼び、額に手を当て
何があったのかと尋ねました。
カルドンは、
姫のせいだと答えました。
ラナムンが、誤って
フローラの頭を扉の枠に
ぶつけてしまい、
いつもと違い、刃が手ではなく
首に出たと説明しました。
ラティルは背筋が凍る思いがしました。
幸いにも大神官はハーレムにいて、
神殿には行っていませんでした。
カルドンは、
気まずい場面があっても、
ラナムンが
フローラから受けた傷のことは
言いたくなかった。
姫が成長すれば、
状況は改善されると考えていたから。
けれども、今はとても怖いと
怯えました。
ラティルは揺りかごに近づき、
人形と一緒にいる
フローラを観察しました。
ラナムンが毎日ケガをしているのを見て
悔しがるカルドンのことを思い、
自分もフローラに傷つけられたことを
伝えるべきか、悩みましたが、
姫が両親を
傷つけていることを知れば
状況を悪化させかねないため、
伝えるのをやめることにしました。
大神官は、フローラを
自分の部屋に連れて行くことを
提案しましたが、
その時、意識を取り戻したラナムンは
それを断りました。
大神官は、彼に横になるよう求め、
フローラをここに置いておくのは
危険だと言い張りました。
しかし、ラナムンは再び拒否し、
ラティルも、今、フローラが
ラナムンを攻撃したからといって、
今後も彼だけを
攻撃し続ける保証はないと
指摘しました。
ラナムンは、
ラティルの言う通りだ。
他の人に委ねることはできないと
言いました。
3人が話し合う中で、ラティルは
自分がフローラを
連れて行くと言ったので、
ラナムンと大神官は驚いて
彼女を見ました。
ラティルはカルドンに
席を外すよう合図をすると、
彼は退室しました。
ラティルは、
フローラがある程度、
自分をコントロールできるように
なるまで、
彼女を手元に置くと言いました。
自分の方がラナムンより強いので
全てのことに、耐えられると
思ったからでした。
しかし、ラナムンは断り、
大神官は、
フローラは対抗者なので、
ラティルにとっても危険だと
指摘しました。
ラティルは、
一度だけ危害を加えられたことが
あるけれど、
フローラが対抗者の剣を
持っていない以上、自分に対して、
何もできないと返事をしました。
しかし、ラティルは
フローラの刃を作る能力が
対抗者として剣を作ることに
関係しているのではないかと
考え始めましたが、
すぐにその考えを抑え込みました。
ラナムンはそれでも拒否し続け、
以前、剣で腹を刺され、
2か月間、意識不明だったと
話しました。
ラティルは、
今、彼は生きているけれど、
もし何か同じようなことが
起こったら
彼は死んでしまうと言いました。
ラナムンは、
この状況がいかに危険であるか説明し
ラティルを
危険にさらすわけにはいかないと、
主張しました。
しかし、ラティルは、
自分のことは自分でやるし、
自分の責任は自分で取る。
フローラは自分の娘でもあると
主張しましたが、
ラナムンはラティルの考えを
否定し続けました。
彼女は怒りましたが、ラナムンが
怒りを抑えていることに気づき、
その理由がわかりませんでした。
ラティルは、
いい加減にしろと叫ぶと、
大神官とラナムンは沈黙しました。
そして、ラティルはラナムンを見ると
今の私にとって
一番大切なのは姫ではなくあなただ。
と言ったので、
ラナムンは驚きました。
ラティルは、
自分で言っておきながら
その言葉に落ち込みました。
ラティルの言葉を聞いた大神官は、
表情を隠すように頭を下げました。
その時、フローラが泣き出すと、
ラティルは揺りかごに向かい、
フローラを抱き上げると、
以前はこんなに簡単に
抱き上げられなかったけれど
自分は成長したので、
彼女を連れて行くと言いました。
ラナムンは、ラティルの腕が
震えていることを指摘しました。
大神官は、
ラティルが姫を育てるには
時間がないし、現実的でもない。
また姫を放置するのも
とても危険なので、
彼女の部屋の近くに子供部屋を作り、
ラナムンとラティルと自分が交代で、
フローラの面倒を見ることを
提案しました。
ラティルと大神官が部屋を出ると、
入れ替わりにカルドンが入り、
ラナムンのところに直行しました。
彼の表情に、ある種の喜びが
浮かび上がっていることに気づき、
ラティルが何を話したのか、
聞いてみました。
ラナムンはカルドンに、
フローラの部屋を
ラティルの部屋の近くに
作ることが決まったことと、
自分の部屋も、
フローラとラティルの部屋の近くに
持つことになったことを告げました。
カルドンは、
ラナムンが部屋の場所のことで
喜んでいるのだと推測しましたが、
ラナムンは、ラティルに
一番大切な人と言われたことを
喜んでいました。
けれども、ラナムンは、
ラティルがフローラより自分の方が
大切だと言うのを聞いても、
そんなに喜ぶ必要はない。
自分は皇帝の心を掴んで
皇配になるために来たのだから、
ラティルの言葉は、
そんなに影響を与えないはずだと
考えました。
ラティルは、
あまりフローラと
接触していなさそうなので、
フローラよりラナムンの方が
大切だと言ったのは本当だと思いますが
一番と言ったのは、
頑なにラティルが
フローラを連れて行くことに
反対しているラナムンへの
口から出まかせのように思います。
ラナムンが大切だと言ったのは
嘘ではないけれど、
ラティルにとって、
本当に一番大切な人は、
彼女を愛しつつ、
仕事の面でも彼女を支え、
彼女を立てながらも、
的確な助言をする
タッシールのような人ではないかと
思いたいです(私の希望です)
一番大切だと言われて、
後に、ラナムンは、
その言葉に喜ぶ必要はないと
考えましたが、
それを聞いて、
ラティルに逆らうのを止めたのは、
純粋に、その言葉が
嬉しかったのだと思います。
フローラは、
他の人の身体の中に
刃を作る能力があり、
今回、ラナムンの首からそれが出て来て
ラナムンを傷つけたという
ことのようです。
フローラは意図的に
そうしているわけではなさそうです。
自分が死にそうな目になっても
娘の面倒を見ると言い張るラナムンの
父性愛は本物だと思います。