727話の要約 ラティルはヘウンにアイニを誘き出す手伝いをして欲しいと頼みに来たようです。
ヘウンとトゥーラは
同時に目を見開き、
顔を見合わせました。
トゥーラはラティルに、
納得がいくよう説明しろと
要求しましたが、
ヘウンは、
家族を売るつもりはないと
ラティルに告げました。
彼女は、
アイニはヘウンの家族ではないと
指摘しましたが、トゥーラは
ヘウンにとって、
アイニがどれほど大切な存在か
知っていると話しました。
ヘウンはアイニのために
自分の名誉と命を犠牲にしていました。
ヘウンはラティルに、
他に何かできることはないかと
尋ねました
ラティルは考えた末、
もしアイニが自分を攻撃するために
彼に助けを求めても、
それをすべきではない。
彼女を助けてはいけないと
告げました。
今のは何なのかと、
クラインはバニルに尋ねました。
馬車は止まっていました。
もしかして、御者が
彼らと同じものを見ていて、
それで止まったのかと思いました。
目の前にいる長髪の怪物は、
通り過ぎる時に、周囲を血のように
真っ赤に染めていきました。
クラインは、怪物が
タリウムに向かっていると
指摘すると、
バニルは驚いて叫びました。
そのせいで怪物は
彼らの方を向いてしまいました。
クラインはバニルの口を塞ぎ、
すぐに窓から遠ざけました。
その時、バニルは、
アクシアンと御者が
馬車の外側にいることに気づきました。
怪物は、彼らを見ただろうかと
心配していると、
突然、馬車の周りに影が落ちました。
バニルはこれ以上ないほど
怯えましたが、勇気を振り絞り、
クラインに覆いかぶさりました。
何としてでも、皇子を
守らなければならなかったからでした。
しかし、クラインは、
バニルの腹に拳を命中させ
気絶させました。
ラティルは、自分の部屋で
ヘウンとトゥーラと話したことを考え
眠れなくなりました。
すでにレアンを
アイニの囮にするつもりでしたが、
ヘウンをあてにしても
損はないと思いました。
その時、誰かが扉を叩きました。
ラティルは起き上がり、
自ら扉を開けると、
フローラを抱いた乳母が
立っていました。
彼女はフローラが
30分も泣き止まないけれど
彼女を落ち着かせるものは
何もないと訴えました。
ラティルはフローラを
抱きかかえました。
乳母は赤ん坊の専門家だけれど、
彼女に何が起きているのか
分かりませんでした。
ラティルは、
フローラの額の模様が
いつもと違うことに気づき、
誰かに大神官を呼びに行かせるよう
乳母に指示しました。
フローラはまだ泣いていました。
泣いている間に、
部屋中に刃物が出てきました。
これはどういうことなのかと、
ラティルは考えていると、
カルレインと大神官がやって来て、
ラティルに、大丈夫か、
どうしたのかと尋ねました。
ラティルは
自分は大丈夫だけれど、
なぜフローラが
こんなに泣いているのか、
理解できないと言いました。
大神官は神聖力を送ろうとして
フローラに手を当てましたが、
彼女は泣き止まないので、
大神官は驚いて目を見開きました。
ラティルは乳母に、
自分たちがフローラの面倒を見るので
出て行くようにと告げました。
ラティルは大神官に
どういうことなのかと尋ねると、
彼は分からないと答えました。
困惑した3人は窓に向かいました。
その時、監視塔の鐘が鳴り始めたので
ラティルは、
怪物が来たようだと指摘しました。
その時、彼女は、
とても不気味なものを感じ、
フローラの方に顔を向けると、
彼女は泣き止んでいました。
クラインは、
バニルを馬車の床に寝かせると、
馬車から降りました。
怪物は馬車を直視し、
周りは真っ暗になりました。
御者の口を塞いでいたアクシアンは
クラインを見るなり
悲鳴を上げました。
その瞬間、モンスターの髪が伸び、
そのままアクシアンに
向かってきました。
アクシアンが剣を抜く前に、
クラインは自分の剣で、
その髪を斬りつけました。
怪物は怒号を発しながら
攻撃を続けましたが、クラインは
何とか全ての毛を切り落とした後、
聖水の入った瓶を取り出して
アクシアンに投げつけました。
アクシアンはクラインの剣に
大神官のお守りが
付いていることに気づきました。
御者は、どこかに逃げてしまいました。
アクシアンは、
怯えながらも立ち上がり、
瓶を開けて剣に聖水をかけました。
そして、
アドマルへの道中に現れる怪物は
一匹や二匹ではないだろう。
あの場所はもっと危険だから、
怯えているわけにはいかないと
考えました。
姫が怪物を引き寄せたと、
大神官とカルレインが
同時に話しました。
ラティルは頷きながら、
大神官に姫を渡すと、
素早くパジャマを脱ぎました。
大神官は背を向け、
カルレインは服を手渡しました。
ラティルは、
姫を誰かに預けるよう
大神官に命じました。
扉を開けるとすぐに大神官は
乳母に姫を渡しました。
姫は泣いていませんでしたが、
乳母はこの状況に怯えていました。
ラティルは、
自分が指揮を執るので、
他の者やフローラと一緒に
地下室に避難するよう乳母に命じると
そのまま前進して階段を下り、
カルレインに残りの側室たちを
迎えに行くよう合図すると、
その場から姿を消しました。
大神官はラティルに、
地下室は、
聖水やお守りを備えているので
良好な状態であること。
アニヤドミスとの戦いの時は、
地下室が不完全だったけれど、
避難訓練は続けていたので、
今は問題ないだろうと話しました。
1階に着くと、ラティルは
百花とアニャ、
そして3位の男を見ました。
彼らを
召喚していませんでしたが、
そこにいました。
ラティルは、彼らに
怪物を捕まえるよう指示すると、
先を進みました。
ラティルは、
宮殿の周りの城壁に登ると、
カルレインと他の側室たちが
待っていました。
宮殿の警備兵たちは、
驚きながら彼女を見ていました。
ラティルは、
どこに怪物が現れたのか尋ねると、
警備隊長は、
首都とその周辺の2つの地域から
信号が来ていると教えてくれました。
ラティルは頷き、剣を抜いて
タッシールを見ると、
皆で手分けして、
奴らを追い払い、戻ってくるように。
自分がいない時は、
タッシールの指示を聞くよう
側室たちに指示し、タッシールには
ここから流れを把握して
指示を出すよう命じました。
タッシールは目を見開いて
彼女を見ました。
カルレインは、タッシールを守るよう
侍従に命じたので、
タッシールは静かに
彼の側に移動しました。
メラディムもティトゥに
同じように頼みました。
ラティルは落ち着くと、
驚きの声を上げる兵士たちを後目に
城壁から飛び降りました。
兵士たちが散り散りになる中、
ラティルは、城壁から見える位置まで
走って行きました。
ヘイレンは、タッシールに
ラティルの彼への信頼が
厚いようだと指摘しました。
タッシールは一瞬、
顔をしかめました。
戸惑いを感じたものの、
冷静にならなければいけないと
思いました。
レアンの側近は、
彼に、現在の状況を伝え、
人々は全員、
地下に避難しているけれど、
自分たちも行くべきかと
尋ねました。
レアンは断りました。
そして、わずかに微笑み、
バイオリンを脇に置くと、
自分たちも戦いに参加すべきだと言って
部屋を出ました。
側近も後に続きました。
その後ろを、
彼らに気づかれないよう、
アライグマが付いて行きました。
ラティル、大神官、カルレインは
フローラが怪物を
呼び寄せたと思っていますが、
彼女は、怪物が来ることを察して
それを知らせるために泣いていた。
部屋中に刃物が出て来たのは
怪物から自分を守ろうとした。
そして、監視塔の鐘が鳴り、
皆が怪物が来ることを知ったので
泣き止んだのではないかと
思いましたが、違うでしょうか?
怪物に怯えながらも、身体を張って
クラインを守ろうとしたバニルは
侍従の鏡です。
必死のあまり、クラインの方が
バニルよりはるかに強いことを
忘れてしまっていたのでしょうけれど。
そして、
ひるむことなく怪物と戦った
クラインは、カッコいいです。
今後、彼がたくさん活躍することを
期待します。
サーナット卿でも
他の側室の誰でもなく
タッシールを
司令官に選んだラティル。
ヘイレンが指摘したように、
彼女はタッシールに対し
全幅の信頼を置いているのだと
思います。
ラティルにとって、タッシールは
かけがえのない人に
なりつつあるように思います。
アライグマが、どういう者なのかは
分かりません。