742話の要約 ラナムンと大神官は、レアンの側近がウロウロしているのを発見しました。
レアンの側近は、
茂みの中に身体の半分を隠しながら
宮殿の窓の一つを眺めていました。
ラナムンとザイシンも
同じ方向を見ると、
日が差しているため
誰なのかはわかりませんが、
窓の向こうに、
ソファーに座っている人がいました。
ザイシンは側近に
近づこうとしましたが、
ラナムンがそれを制止しました。
そのまま5分ほど待っていると、
側近は胸から石を取り出し、
窓めがけて激しく投げつけたので
窓は粉々になりました。
その石から煙が出ているのを見て、
ラナムンは鼻を覆い、
側近に向かって走ろうとする
ザイシンを呼び止めました。
数人が煙に近づいて来ましたが、
ラナムンは、レアンの側近が
煙の真ん中に立っているのを見て、
その煙が毒でないことを悟り、
手を下ろしました。
側近は先程の人々と同様、
物音を聞いて
走ってきたかのような行動を
取りました。
煙に近づいた貴族の一人が
レアンの側近に腕を掴まれ、
驚きました。
彼は、亡き皇帝の秘密の側近の一人で
ラティルに謁見を求めていた
シィレン伯爵でした。
彼は物音を聞き、
煙を見て驚いたので、
外へ出て来たのでした。
レアンの側近は、
煙に毒性がないことを説明した後、
皇帝に何を伝えたいのかと尋ね、
そんなことをすれば、
彼の身が危うくなると警告しました。
伯爵は、亡くなった皇帝が
タリウムを危険にさらすわけには
いかなかったので、
彼が決断しなければならなかったことを
ラティルに説明したいだけだと
話しました。
そして、皇帝は、
多くの人々を救った
英雄となったのだから、
先皇帝の見解は間違っていたことを
考えるべき時だとも説明しました。
レアンの側近は、
レアンが再び
ラティルの憎しみを買わないよう、
自分たちは無理をしないで、
ラティルの反応に備えるべきだと
説明しました。
結局、伯爵は、
ラティルに真実を話すことを考え直し
2日後に、再びレアンの側近に
会うことに同意すると、
握手をして、
二人は別々の方向へ進みました。
その様子を見ていた
ラナムンとザイシンは、
一人がラティルの元へ行って
彼らが見たことを全て話し、
もう一人は、シィレン伯爵の後を
追うことにしました。
ザイシンは、
クラインの人形のことがあった後で、
ラティルと顔を合わせたくなかったので
伯爵を追いかけることにしました。
ラナムンがラティルの執務室に入ると
ラティルは、
千切れた人形を見て怒るクラインを
想像していました。
彼女のすぐそばに、
サーナット卿がいました。
ラナムンは彼女に
何が起こったかを話しました。
ラティルは、謁見を延期した伯爵を
呼び戻すよう秘書たちに命じました。
父の秘密の部下たちが、
レアンではなく
自分を支持してくれそうなことに
興奮したラティルは、
クラインが
癇癪を起こすだろうけれど
千切れた陛下2を
どうすることもできないので
それについて、
気にするのを止めました。
サーナット卿が部屋を出て
扉を閉めると同時に、
ラナムンも部屋を出て、
二人は同じ方向に歩いて行きました。
サーナット卿はラナムンに
自分の後を付いて来るのかと
尋ねましたが、ラナムンは否定し、
ラティルのために
食事を取りに行くと答えました。
実はサーナット卿も、
同じことをしようとしていたので
気分が悪くなりましたが、
サーナット卿は、
自分が食べ物を取りに行くので、
ラナムンは部屋に戻れと言いました。
彼は同意して
ラティルの元に戻りました。
ラナムンが部屋に入った途端、
ラティルは興奮気味に彼に近づき
事がうまくいくと思うかと
尋ねたので、ラナムンは、
ラティルの父のことで、
彼女を慰めるために
言おうと思っていたことを
すべて忘れてしまいました。
ラティルは、
ラナムンの髪を撫で始めましたが、
その時、彼の告白を思い出し、
彼の髪を撫でるのをやめ、
落ち着かなくなりました。
ラナムンは咳払いをして
ラティルの手を取り、
皇帝とのことがどうなったか
心配だったけれど、
うまくいってよかったと告げました。
ラティルは、
ラナムンの手を叩きましたが、
彼はラティルの耳が赤いことに
気づきました。
ラナムンは、大事な話があっても
ラティルを見た途端、
何を話そうとしたか
忘れてしまうことを、
不思議に思いました。
一方、ラティルは、
恋愛に才能があるとすれば、
ラナムンは絶対に才能がないと
思いました。
そして、ラティルが、
ラナムンの顔は武器であり詐欺師だと
考えていることを、
彼は知りませんでした。
部屋に戻って来たサーナット卿は
2人の雰囲気に気まずくなりながら
お茶と食べ物を
ラティルに渡しました。
彼は、
一人分しか持って来なかったので
ラティルは、
サーナット卿とラナムンは
どうするのかと尋ねました。
サーナット卿は、
お腹がいっぱいと答えましたが、
ラナムンは、2人の間に割り込み
お腹が空いていると言いました。
ラティルは、ラナムンのために
何か食べるものを取ってきてと
サーナット卿に頼み、
彼とラナムンの間で
起こりつつあることに
気づかないふりをして、
自分の皿に食べ物を取り分けました。
そして、熱い紅茶を飲んでいると、
秘書が慌てた様子で入ってきて、
シィレン伯爵が毒殺されたことを
ラティルに伝えました。
ラティルは驚いて
紅茶のカップを落としましたが、
サーナット卿はすぐに
それをつかんだので、
秘書は、その反射神経に感心しました。
ラティルは、
誰が伯爵を毒殺したか
分かっているのかと尋ねると、
秘書は、分かっていないけれど
最後に大神官が、
伯爵の近くで目撃されているので、
捜査官が彼を連行したと答えました。
ラティルは、
最後にザイシンと伯爵が一緒にいたと
誰が言ったのかと尋ねると、秘書は、
宮殿の外でザイシンが伯爵と
話しているのを見た目撃者が何人もいて
彼が去った瞬間に
伯爵は倒れてしまったと説明しました。
ラティルは、ザイシンが
連れて行かれた場所に駆けつけ、
ラナムンとサーナット卿も
後に続きました。
ラナムンはラティルに、
もしかしたらレアンの側近が、
この背後にいるのではないかと
告げました。
元々、ザイシンが、
あの出来事について、ラティルに
知らせるはずだったけれど
直前になって、
自分に変更になったので
ザイシンがこんなことをするとは
思えないと言いました。
ラティルは分かっていると返事をし
善良過ぎるザイシンが、
そんなことをするはずがないと
言いました。
ラティルは、
これはレアンが計画したのではなく
自分たちを裏切った伯爵を
始末したかった側近の
仕業かもしれない。
それを、ラナムンとザイシンが
偶然、見てしまったと考えました。
警察署に着いたラティルは
鉄格子のある部屋で
ザイシンを見かけると、
彼は必死で鉄格子が壊れそうなほど
強く握りしめながら
自分はやっていないと訴えました。
ラティルは、彼を信じていると言って
安心させました。
ザイシンは、
ラティルと二人だけで話したいと
頼みましたが、捜査官は、
それは無理だと返事をしました。
ラティルは、
もし父の他の秘密の部下が、
事件のことを知って、
全て自分の仕業だと信じたら
どうしようと考えたものの、
考えるのを止め、
ザイシンを落ち着かせ、
鉄格子を壊させないことに
専念しました。
その時、ラティルは、
ザイシンが片手に
紙を持っているのを見たので
ラティルはそれと取ると、
トイレに駆け込んで読み、
「ザイシン!」と叫びました。
神を愛し、
神に仕える善良な大神官が
人を亡き者にするなんて
あり得ないのに、
伯爵と最後に会ったのが
大神官だからといって
彼を疑うなんてひどすぎます。
大神官を陥れたレアンの側近に
天罰が下ることを願います。