755話の要約 ギルゴールはアイニを助けました。
ラティルは、
自分の剣とギルゴールを
交互に見ながら、
何をしているのかと叫びました。
ギルゴールが、
アイニを助けたことも
信じられませんでしたが、
突然、現れたことの方が、
より信じ難いことでした。
しかし、ギルゴールは何も答えず、
ラティルの剣を離しませんでした。
彼女は剣の柄から手を離し、
窓際に走りました。
アイニと2人の黒魔術師は、
素早く逃げていました。
ラティルは窓枠に登り、
彼らを追いかける準備をしましたが、
ギルゴールが、
彼女の腕を掴みました。
ラティルは、彼の腕を
振り払おうとしましたが、
逃れることはできませんでした。
ラティルは、
何をしているんだとギルゴールを怒り
彼の手の中から、
自分の腕を力一杯引っ張りました。
ラティルは、
ギルゴールのせいで、
彼らを取り逃したと叫びましたが、
ギルゴールは再び返事をせず、
消えてしましました。
クラインは、
真実が明らかになったと言って、
シャツを脱ぎ、
片手で腹部を触って傷を確認した後、
再びシャツを着ました。
そして、ラティルと目が合うと、
ここを刺されたかと思ったと言い、
彼がアドマルに来たのは、
彼女を助けられるものを
探すためだったと説明しました。
ラティルは窓枠に座り、
クラインの思いがけない行動に
感謝しました。
もしギルゴールが、
アイニを救わなかったら、
もっと気分が良くなっていたと
思いました。
クラインは、いつもギルゴールが
自分勝手だと思っていたので、
なぜラティルが驚くのか、
不思議でした。
彼はラティルの毛先をいじりながら、
肩を落としているラティルを見ました。
クラインは、
自分がラティルを助けるために
ここに来たと知れば、
彼女は喜ぶだろうと思いましたが、
その瞬間、ギルゴールが、
その場に暗い影を落としました。
クラインは、
呆然としているバニルの所へ
行きました。
彼は、何度もクラインに呼びかけ、
本当に彼なのかと尋ね、
彼が死んだものと思っていたと
言いました。
そして、ラティルがいるのを見て、
蜃気楼だと思いました。
クラインはバニルに
落ち着くように言うと、
彼を縛っていた紐を解きはじめました。
ラティルは、
ギルゴールに二度も裏切られたと思い
失意のどん底にいましたが、
しばらくして考えを改め、
立ち上がりました。
ギルゴールの裏切りではなく、
クラインの途方もない行動に対して
前向きに考えなければならないと
自分に言い聞かせました。
クラインは、
期待に満ち、輝きを放つ
美しい顔で、
ラティルを見つめました。
彼女はクラインに近づき、
彼の頭を強く抱きしめると、
クラインはその力から
逃れようとしました。
バニルは立ち上がり、
放り投げられた
バッグを取りに行くと、
軟膏、水、食料を取り出し、
その場でランプに油を少し足して
部屋を照らしました。
バニルは、まずラティルに
食べ物と水を差し出しましたが、
彼女は、食べたばかりで
お腹は空いていないと断わりました。
クラインは食べ物と水を受け取ると、
それをバニルに渡し、
彼も食べたり飲んだりしました。
ラティルは、
再び窓枠に座ると、
クラインとバニルに、
彼らだけで来たのかと尋ねました。
クラインは、
「そうです」と答えると、
ラティルにも同じ質問をしました。
ラティルは「そうだ」と答え、
クラインを探しに来たと告げると、
彼の顔は一瞬にして
赤くなりました。
予想外の返事だったのか、
クラインは口を閉じたままだったので
ラティルは困惑した様子で
彼を見つめました。
一方、バニルは、
こんな危険な場所に、
皇帝が一人で来たことが
信じられませんでした。
ラティルはクラインの反応を見て、
どうやら、彼は、
本当に自分のことが好きなのだと、
思いました。
そして、探していたものが
見つかったのかと尋ねると、
クラインは首を振りました。
彼とバニルは、
ここに到着してすぐに
アイニに出くわし、
その後、離れ離れになったと
説明しました。
バニルは、
アイニがどうなったのかと尋ねると、
クラインは、
ラティルに追い出されたと答えました。
沈黙の後、
ラティルはクラインを見て、
彼が探していたものを、
一緒に探してくれないかと頼むと、
クラインは考えもせずに、
すぐに頷きました。
ラティルは、
夜、探しに行くことに
問題はありませんでしたが、
バニルの体調が
思わしくなかったため、
翌日までその場に
留まることになりました。
バニルが寒さに震えていたので、
ラティルは自分のマントを
彼の身体にかけました。
クラインは、それが羨ましくて
唇を噛んでいました。
日が昇ると、
バニルは素早くマントを脱ぎ、
汚れを掃った後、
ラティルに返しました。
3人は飲み食いした後、
外に出てました。
その時、ラティルは、
アクシアンも一緒に来たのかと
尋ねると、
クラインとバニルは、
彼のことを思い出しました。
3時間ほど歩いたところで、
アドマルは広すぎる、
こんなところで、アクシアンを
探すのは大変だということに
気づきましたが、
幸い、アクシアンも彼らを探していて
4時間ほどでお互いを発見しました。
アクシアンは、
ラティルの姿を見て驚きました。
一行はさらに1時間ほど歩き、
アドマルを後にしました。
日が暮れかけていました。
アクシアンは、
アドマルは広すぎる。
クラインが、
あそこで何かを見つけたいのなら、
土地勘のある斥候を連れて
戻る必要があると告げました。
クラインは頷きました。
4人は、
ディジェットの旅館に到着すると、
食事をして酒を飲み、
暖炉の周りで、
汚れた毛布に身を包みました。
バニルはすぐに眠り、
ラティルも眠りそうになりましたが
誰かが、そっと立ち上がり、
外に出て行きました。
すぐにもう一人も出て行ったので、
アクシアンとクラインではないかと
思ったラティルは、
毛布に包まり、
二人の後を追いました。
二人はテラスのような所にたどり着き
ラティルは壁に寄りかかって
二人を見ていました。
アクシアンはクラインに、
なぜ自分を呼んだのか尋ねました。
クラインは、
自分たちと離れ離れになった後、
何があったのかと尋ねました。
アクシアンは躊躇いながら、
なぜ、そんなことを
聞くのかと尋ねると、クラインは、
最初は来るのを拒んだアクシアンが、
ガイドと一緒に、
戻らなければならないと
言ったからだと答えました。
ラティルは、
アクシアンとバニルは、
なぜクラインがアドマルに来たのか
知らないのだと思いました。
アクシアンはため息をつきながら、
クラインとバニルと
離れ離れになった後、
地下の不思議な場所に
行ったことを告げました。
そこは、柱がたくさんあり、
1本の柱には文字が書いてあったと
説明すると、
ラティルは大きく目を見開きました。
たくさんの柱と
文字が刻まれた柱がある場所。
それは、もしかして、
アリタルが予言を見た、
聖なる神殿の地下なのではないかと
思いました。
そこからの出方が
わからなかったと、
アクシアンが言うと、
ラティルは、さらに耳を近づけました。
もし、アドマルの地下に
代替の国があったとしたら。
アイニと戦った時に、
「対抗者がロードを倒す」という
法則が適用されなかったのは、
地理のせいなのかと考えました。
クラインは、
剣で刺され、死んだけれども、
すぐに生き返り、
傷痕も残っていなかったという
ことなのでしょうね。
ギルゴールがアイニを助けたことで
ラティルが、かなり
ショックを受けているということは
それだけ、ラティルの
ギルゴールへの信頼度が
高くなっているのではないかと
思いました。
ギルゴールは、
ラティルを裏切ったのではなく
何か理由があって、
アイニを助けたのだと思いたいです。