自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 325話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ ギルゴールに別れを告げるドミス

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325話 いよいよギルゴールとの誓約式です。

◇皇帝の好み◇

その時、合図を受けた楽士たちが

誓約式で演奏する音楽というには、

あまりにも穏やかで神秘的で、

蝶が飛んでいるような音楽を

演奏し始めました。

 

その音楽に迎えられて、

誰かが姿を現すと、 高位神官は

あまり興味を示さないように

表情管理をしましたが、

すぐに彼の顔に、

当惑と失望感が漂いました。

現れた人が赤いベールを被り、

顔はもちろん、

全身まで隠していたからでした。

驚くほど几帳面に全身を隠すのは、

皇帝の好みなのか、

本人の好みなのか。 

慌てた高位神官は、

ポカンと口を開けていましたが、

皇帝が、近くにすーっと

近づいて来たので、

すぐに口を閉じました。

 

やはり彼女も、

少し困った表情をしていました。

高位神官は、皇帝が

あの大きなベールに

合意したわけではないことに

気づきました。

 

皇帝が額を押さえている間、

自分をしっかり隠した、

話題の平民側室が

前に迫って来ました。

それでも、高位神官は専門家なので

心の混乱はすべて隠し、

厳粛な表情で、

その側室の前に誓約書を出し、

読んで署名をするよう告げました。

しかし、心の中では、

ここに書かれた文字が見えるだろうかと

心配し、見えなければ、

勝手にあのベールを脱ぐだろうと

思いました。

 

しかし、

平民側室はベールを脱ぐことなく、

ベールの間から手を差し出しました。

手は大きかったけれど、

長く伸びて、すらっとした

美しい指をしていました。

 

皇帝がインクを付けた

羽毛ペンを差し出すと、 

側室はペンを受取り、

マスからはみ出すくらい、

大きく名前を書き、その横に

きれいにハートを描きました。

 

高位神官は、ちらっと皇帝を見ました。

他の側室たちは、

平民のタッシールとカルレインでさえ

後ろ盾があるのに、

それが全くない、この平民側室こそ、

皇帝の心をつかんだ側室のはず。

そんな側室がこの格好をしているなら、

これが皇帝の好みなのかと思いました。

◇温室の中で◇

この神官は、

どうして、こんなに変な目で

見ているのだろうか。

横からチクチクする視線を

感じたラティルは、

しかめっ面になりそうなのを、

努めて淡々とした表情になるよう

維持しました。

その間、

名前を書き終えたギルゴールは

誰も見ていない間に、

自分の手を、再びベールの中に

こっそり入れていました。

 

一体何を企んでいるのか、

ラティルは、

ギルゴールの本音が気になりました。

数日前に訪ねた時も

顔を見せてくれなかったし、

今日はベールで全身隠して来た。

恥ずかしいという言葉は、

最初から信じていなかったけれど、

顔を隠して、

一体何をしているのか

気になりました。

 

高位神官はギルゴールに、

皇帝が指輪をはめるので、

もう一度、手を出すようにと

告げました。

その言葉に、

ギルゴールは首を傾げましたが、

すぐに、再び手を出しました。

 

ラティルは、

あらかじめ用意しておいた指輪を

取り出し、

ゆっくりと、彼の指にはめました。

その過程で、

側室と月楼の使節団の殺意に満ちた目が

自分たちに向けられていることが

少し気になりました。

 

まさか、ギルゴールは、

呪いをかけるお客さんだけを招待して

自分だけ、それを防ぐために

ベールをかぶっているのかと、

ラティルが考えた瞬間、

ギルゴールは指輪をはめた手を広げて

ラティルの目の前に突き付けた後、

突然、後ろを向いて

客に、これ見よがしに

手の甲を見せました。

それと同時に、

客がしかめっ面をすると

ベールの内側から

笑い声が聞こえて来ました。

初めは小さかった笑い声は、

すぐに大きな笑い声に変わりました。

クラインは、あからさまに

「あいつは頭がおかしいのか?」

という表情を浮かべていました。

 

ラティルはため息をつき、

高位神官を横目で見ました。

彼は、これは何なのかと思い

目をこすっていました。

ラティルは、

なぜ、こんなに大人しいのかと思い

ため息をつきました。

 

それから、ギルゴールは

ラティルの手を取り、

自慢をするのは終わったので

これから、不純物を全て見送り

二人で遊ぼうと言いました。

そして、その言葉を

言い終えるや否や、ギルゴールは

ラティルの手を握りしめて、

前に走り始めました。

ラティルは、あっという間に

彼の後をついて走りました。

足首まで覆う、

長いベールをかぶっているのに、

キルゴールは驚くほど見事に

バランスを保ちながら

走っていました。

ラティルは、彼と手を取り合って

慌ただしく走ったので、

頭がくらくらしました。 


温室の中は、四方に花が咲いていて

夜のしっとりとした空気と

温室内部の暖かい空気が

入り混じっており、

その間に、ありとあらゆる花の香りが

染み込んでいました。

その濃い花の香りと四方に広がる花畑。

これが夢なのか現実なのか

区別が難しいほどで、

ラティルが夢の中で見る景色より、

もっと夢のような光景でした。

 

そして、キルゴールは

ラティルを軽く持ち上げると、

他の所よりもっと高く、

四方が咲いた花々でいっぱいの場所に

寝かせました。

 

ラティルは、

ギルゴールと繋いでいない方の手を

花の中に入れました。

そこはベッドで、その上に花を

厚く敷き詰めていたので

花畑と区別がつきませんでした。

 

どこもかしこも、花で覆われ

花の香りがいっぱいなので、

ラティルは気が遠くなりました。

その状態で、彼女は彼を見上げ

彼と握っていない手を上に伸ばし、

ベールを掴んで、ゆっくり引っ張ると

ギルゴールの足から腰、 首筋が現れ、

最後に、彼の顔が現われました。

 

白くて長い睫毛の間から

ラティルが好きな花のように

赤く美しい瞳が現われました。

世界で最も扇情的な彼の唇が微笑み、

目が合うと、

「こんにちは、花嫁様」と

静かに挨拶をしました。

 

彼がささやく声に、

ラティルの背筋に鳥肌が立ちました。 

依然として、

彼としっかり繋いでいる指に

自然に力が入り、ずきずきしました。

 

彼の唇は、あっという間に

ラティルの唇を塞ぎました。

ギルゴールは、

ずっと花を食べているので

彼の口からも春の香りがするようで、

ラティルは、

その香りに酔いそうでした。

 

ラティルは、

彼の背中をつかみました。

ベッドを何周したのか

分かりませんでしたが、

気がつくと、

彼の唇が首筋に触れていて、 

彼の鋭い牙が感じられました。

また、ギルゴールのベールは

少し離れた所に転がっていて、 

彼はシャツも着ていませんでした。

 

ギルゴールと目が合うと

彼は、再び口を合わせました。 

とても短かったので、

残念に思っていると、

ギルゴールは額を寄せ、

かすれた声で、

自分がおいしいかと尋ねました。

ラティルが、

文句を言おうとすると、

ギルゴールは、

「花嫁様はおいしい。」と言って

口元を満足そうに上げました。

ラティルは両手で、

彼の目を覆いました。

◇月楼の王子の復讐◇

月楼の王子は、

大声でギルゴールを罵倒し

拳で壁を叩きつけると、

ゼイゼイ息を吐きながら、

彼が自分をからかっていると

呟きました。

そして、先程、ギルゴールが

堂々と指輪を見せていた姿を

見ただろうと叫ぶと、

侍従は何か言おうとしましたが、

王子が目元に涙まで浮かべていたので

口をつぐみました。

 

侍従は王子に、

泣かないようにとなだめ、

どうしてそんな者のために

泣くのかと尋ねると、王子は、

皇帝は自分に関心を示していて、

何度も自分を訪ねて来てくれたし、

教師まで付けてくれたのに、

ギルゴールは皇帝を奪っただけでなく 

わざと誓約式に招待して、

指輪を見せびらかしながら

自分を嘲笑ったと答え、

ソファーを蹴ると、

その上に座りました。

 

護衛は、

どうして、あの狐のような奴を

気にするのか。

興味を持つ必要もない。

どうせ王子は、

タリウム皇帝が好きではなかったと

慰めましたが、王子は、

自分の関心がないから、

もっと腹が立つ。

皇帝に興味もないのに

もて遊ばれたと叫びました。

 

そして、王子は酒瓶を取り出し、

グラスに注いで何杯か飲んだ後、 

ドンと音を立ててグラスを下ろし、

歯ぎしりをしました。

そして、絶対にギルゴールを、

このままにしておかない、

やられたままでいれば、

自分は彼に遊ばれたことになると

言いました。

ギルゴールが、

これ見よがしに皇帝を誘惑して

側室になる姿を見せるために、

わざわざ誓約式に招待し、

指輪を自慢したことなど、

全てに腹が立ちましたが、

ギルゴールをここに連れてきたのが

自分自身だということに

一番腹が立ちました。

 

護衛も王子と同じく怒っていたので

時を見計らって、

彼を害する方法を探すと

冷たく言いました。

しかし、王子の自尊心は、

すでにぼろぼろになっていました。

皇帝と会う度に、

自分の面倒を見てくれるのを見て

自分のことが好きだと

思っていたので、

さらに自尊心が傷つきました。

 

王子は、

ギルゴールに下女と浮気をさせて

皇帝が、直接彼を

放り出すようにすると言いました。

 

それを聞いた侍従は慌てて、

側室は同性の側近しか置けないと

言いました。

しかし、王子は、

少しも躊躇うことなく、

知っていると答え、

使用人たちの服を、

一人一人脱がして

確認しているわけではない。

確か、アペラは足首の調子が悪くて

仕事を辞めようとしていたと

言いました。

 

侍従は乾いた唾を飲み込みました。

アペラは月楼の王室の踊り子の一人で

5秒目を合わせただけで

恋に落ちるという魅惑的な外見と

優れたダンスの腕前で有名で、

月楼には彼女に胸を痛める若者の数が

数え切れないほど多くいました。

王子は、途轍もない金額を提示し

アペラがこの仕事を

引き受けてくれるかどうか、

聞いてみるようにと

侍従に指示しました。

そして、危険度が大きいので、

もし、やると言ったら

男装させて、

自分の使用人に入れるように。

ギルゴールは、

自分が連れてきた人なので、

彼の所に使用人を

三人ほど行かせると言いました。

◇別れを告げるドミス◇

正気に戻ったラティルは、

ギルゴールが、

衝撃を受けた表情で

立っているのを見ました。

 

ラティルは大きく目を見開きました。

ギルゴールは、

間違いなくラティルの隣で

気持ちよさそうに、

目を閉じていたからでした。


途中でラティルが寝ようと言って

ロマンチックなムードを

断ち切ってしまうと、

彼の口元は

拗ねたようになりましたが、

やがて彼は、にやりと笑いました。

それなのに、

どうしてこんなに

悲しそうな顔をしているのか。

しかも、ラティルは森にいて

身体が動きませんでした。

 

なぜ、自分を捨てて行くのかと

ギルゴールが変な質問をすると、

外部の敵より内部の敵の方が怖いと

自然と答えが出て来ました。

 

私はお嬢さんの敵ですか?


その声と会話を聞いて、

ラティルは、

これがドミスの夢であることに

気がつきました。

いつもならすぐに気がつくのに、

隣にギルゴールがいて、

夢の中にも

ギルゴールが立て続けに出て来たため

今回は混乱しました。


現実のラティルは

ギルゴールを見つめていたと

思いましたが、

その間に眠りに落ちたようでした。

短い時間を挟んで、

幸せそうだったギルゴールと

悲しんでいる彼を相次いで見たので

ラティルは、

とても妙な気分になりました。


ギルゴールは、

自分はドミスの味方になることにしたと

主張しました。

彼の瞳孔は、

少しずつ大きくなっていましたが、

ドミスは気づいていないようでした。


ギルゴールは、

カルレインがドミスに

関心を持たなかった時も、

自分はいつも彼女の味方だった。

自分たちは、ずっと

友達でいることにしたのではないかと

訴えました。

すると、ドミスは

だから、ギルゴールを

連れていけない。

カルレインはアニャの味方だったから

アニャに尽くした。

それで、彼は自分を傷つけた 。

ギルゴールは、

意図していなかったかもしれないけれど

自分のことを友達だと言いながら

窮地に追い込んだと答えました。


ドミスの頭の中で、

ギルゴールとの楽しい時間が

次々と通り過ぎて行きました。

しかし、ドミスは

カルレインに話したように、

ギルゴールには、

何のそぶりも見せませんでした。

 

ドミスは、

ギルゴールが自分を傷つけるので、

彼を連れて行けない。

カルレインを連れて行くのは、

彼がハンサムだからではない。

自分は彼を信頼していないし

彼の言葉を信じてもいない。

けれども、少なくとも、彼は

ロードに忠誠を誓っている。

その忠誠心は正しい方向へ

向かっている。

それを利用するために

彼を連れて行くと言いました。


ギルゴールは、

自分も利用して欲しいと訴えましたが

彼女は答える代わりに、

彼に背を向けました。


その前にラティルは、

ギルゴールの表情が

完全におかしくなっていることを

確認しました。

口は笑っているけれど、

目からは涙が流れていました。


少し離れた所で

待っていたカルレインが

ドミスを捕まえようと、

手を伸ばしましたが、

彼女はその手を拒否して

一人で歩いて行きました。

ドミスは覚醒しながらも、

徹底的に誰も信用しないと

決めていることが

よくわかりました。

 

ラティルは、

ドミスが感じている

ひどい孤立感と孤独感に

目頭が熱くなりました。

そして目を開けると、

目の前にギルゴールがいました。

赤い瞳は揺れていませんでした。


それを見ているうちに、

涙が噴き出して来ました。

目元を流れる涙は枕に落ち、

彼は舌で目元を舐めました。

 

ギルゴールは、

ラティルがなぜ泣いているのか

尋ねました。

ラティルは彼の首の後ろに

頭を埋め、目を閉じ、

ギルゴールが泣いていたからだと

答えました。

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結婚式をするのは

初めてだと言っていたギルゴール。

何千年も生きて来た彼は、

この先も語り継がれていくような

強烈な印象を残す結婚式を

挙げたかったのではないかと

思います。

真っ赤なベールで全身を覆い隠すなんて

ギルゴール以外、

誰もやらないと思います。

 

覚醒した時点で

カルレインを信用していなかった

ドミスが、

なぜ、彼を愛するようになったのか

不思議ですが、

元々、彼のことが好きだったし、

カルレインがロードの騎士として

ドミスに尽くしている間に、

2人の間に愛が育まれていったという

ことなのかなと思います。

 

友達のアニャが階段から落ちた時、

ギルゴールが、

義妹のアニャと一緒に

笑っていなければ、

彼を連れて行ったかもしれません。

友達だと信じていた人に

裏切られたことで、

ドミスはギルゴールへの信頼を

失ってしまったのだと思います。

もしも、ドミスが

ギルゴールを連れて行って、

彼と愛し合うようになっていたら

ドミスは死なずに済んだかも

しれません。

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