776話の要約 ゲスターは、サーナット卿が父親候補であることに気づきました。
ゲスターは、
サーナット卿が父親だったら
どうしたらいいかと悩みました。
考えた末、ラナムンが
いつも姫を訪ねている時間に
彼女に会いに行くことにしました。
姫の部屋に到着すると、
乳母が、いないないばあをして
姫と遊んでいました。
ゲスターは乳母に近づき、
赤ちゃんと遊ばせてほしいと
頼みました。
ゲスターは、
乳母が一番好きな側室なので、
彼の申し出を承諾しました。
乳母が出て行くと、
ゲスターの表情が変わったので
フローラは、
もう自分と遊んでくれないと
駄々をこねました。
そこでゲスターは、
汽車のおもちゃを手に取り、
空中で動かし始めると、
フローラは興奮して
ゲスターを見守りました。
その一方で、
彼は外の様子を気にしていました。
予想通りの音が聞こえると、
ゲスターは汽車を下ろし、
姫のところに戻ると、
2番目の子供が生まれたら
どうなるのだろうと、
話しかけました。
その時、ゲスターは
足音が近づいてくるのを感じ、
それは扉の前で止まりました。
ラナムンが哺乳瓶を手にして
扉の前で立ち止まっていました。
なぜ、姫の部屋の中から
ゲスターの声が聞こるのか。
一体、何を話していたのか。
彼が来た理由もわからぬまま、
ラナムンは扉の前で、
あれこれ考えましたが、
ゲスターが、
皇配である父親を始め、
あなたの兄弟は、
あなたとは違う愛され方をするだろう。
不憫だ。
と言うのが聞こえると、
ラナムンは、ゲスターの頭は
おかしいのではないかと思いました。
怒ったラナムンは、
ドアノブに手をかけましたが、
すぐに下ろしました。
彼の戯言には呆れたけれど、
ゲスターが、
2人目の父親の正体を
知っているような気がして、
もっと話を聞きたくなりました。
もしかして、父親はゲスターなのかと
疑っていると、
サーナット卿が側室と皇配になったら
自分たちは皆、
路頭に迷うことになると
ゲスターが言うのが聞こえました。
サーナット卿と聞いて、
ラナムンは目を見開きました。
お父様が
守ってくれるといいんだけど。
ゲスターは呟き続けていましたが、
ラナムンは、もはや
彼の言葉に注意を払うことが
できませんでした。
ラナムンは反対側の壁に
寄りかからなければ
なりませんでした。
彼はすっかり青ざめていました。
ゲスターは、サーナット卿が
2人目の赤ん坊の父親であることを
明言しませんでした。
しかし、彼の言葉から判断すると
そのような意味であったように
思えました。
その時、ラティルが
楽しそうに廊下を歩いて来ました。
彼女はラナムンの姿を見て、声をかけ
彼に近づくと、
なぜ壁に寄りかかっているのか
尋ねました。
ラナムンは、
彼女が楽しそうにしているのを
見るのが嫌で、
歯ぎしりをしました。
それを見たラティルは
どこか痛むのかと尋ねました。
ラナムンは、
体が痛いのではなく、
心が痛いと答えると、
ラティルのお腹に、
冷たい視線を送りました。
ラティルは、
2人目の赤ちゃんのことで、
心を痛めているのか聞くと、
ラナムンは我慢できなくなり、
彼女に哺乳瓶を渡し、
子供に飲ませて欲しいと頼むと、
早足で立ち去りました。
ラナムンは、
父親が側室なら良かったのにと
思いました。
サーナット卿はロードの騎士で、
運命的に選ばれた
ロードの伴侶とされている上、
サーナット卿とラティルは
幼い頃から仲が良かったので、
彼の子供は、フローラよりも
愛情を受けるのではないかと
心配でした。
ラナムンの反応に驚いたラティルは
立ちすくみましたが、
フローラの部屋を守っていた警備兵が
ゲスターが中にいることを
伝えました。
ラティルは警備兵に、
ラナムンが怒ったような顔をしていた
理由を尋ねると、警備兵は、
サーナット卿が第2子の父親であると
ゲスターが姫に話しているのを
ラナムンが聞いてしまったと
説明しました。
それを聞いたラティルは
哺乳瓶を落としそうになりながら、
サーナット卿とラナムンが、
すでに何度か衝突していたことを
思い出しました。
ラナムンは、
さぞかし憤慨したことだろうと
思ったラティルは、
一体どうやってゲスターは
サーナット卿のことを
知ったのだろうかと、
疑問に思いました。
父親がサーナット卿なのか、
タッシールなのか、
まだはっきりしていないのに。
なぜタッシールのことを考えず、
サーナット卿の名前しか
出さなかったのか。
ラティルは、
それを口にしたのが自分であることを
忘れていました。
ラティルは警備兵に、
サーナット卿が父親ではないことと
すべてはゲスターの誤解であることを
話した後、部屋の中に入りました。
すると、ゲスターが泣いていました。
ラティルは、
そんなゲスターの姿を見て
胸が痛くなり、
自分の手で彼の涙を手で拭いました。
ゲスターは、
ラティルの手で自分の顔を撫でながら
あなたの側にいるだけで、
幸せなはずなのに、
私はとても嫉妬しているのでしょう。
と言いました。
大晦日のパーティで
姫の特殊能力が知られて以来、
ラナムンは、
姫を外の空気に触れさせることが
多くなりました。
今回、ラナムンはフローラを連れて
ハーレムの庭を散歩していると、
突然、サーナット卿に出くわしました。
サーナット卿に、
姫と一緒に来たのかと言われると
ラナムンは赤ん坊の顔を覆い、
彼に背を向けて、無視しましたが、
サーナット卿は、
ラナムンが視線を感じるほど、
2人を見つめました。
視線を感じなくなると、
ラナムンは、
サーナット卿の方を振り向きました。
誰もいなかったので、
そのまま道を進みました。
サーナット卿がその場を離れるや否や
アライグマのランブリーと
クリーミーを連れたゲスターが
その場に現れました。
ゲスターは、
自分が頼んだ相手を襲わなかった
アライグマたちに文句を言いました。
アライグマたちは、
ゲスターの頭の上に乗り、
これからどうするのか。
急いだ方がいいのではないかと
聞きました。
ゲスターは、あまりに早く行動すると
ラティルに疑われてしまうと
説明しました。
そのため、ゲスターは
他の側室たちを使って
攻撃したほうがいいと
考えていました。
ラナムンがやるわけがない。
カルレインは
攻めるのがうまいけれど
彼は子供を持てないから、
サーナット卿を攻撃することは
ないだろう。
それに、2人は仲がいい。
ギルゴールも同じ。
ザイシンは、
とてもおとなしいので無理。
自分を傷つけた人を
許してしまうくらい。
メラディムは?
彼は、このことで、
あまり悩まないだろう。
ゲスターは目を細めました。
いくら考えても、
このような場合、
側室の中で自分の思い通りに
暴れてくれるのは、
1人しかいませんでした。
クラインはこういう時に最適だと
ゲスターは思いました。
クラインが少しでも動揺すれば、
素手でサーナット卿を
放り出すことができることを、
ゲスターは知っていました。
その一方で、ゲスターは、
クラインを呼び戻して
サーナット卿を始末した方がいいのか
とりあえず、
サーナット卿は脇へ置き、
クラインを先に始末した方がいいのか、
悩みました。
ゲスター、ラナムン、
サーナット卿が、
2人目の赤ん坊に集中している間、
ラティルはレアンの結婚を
気にしていました。
兄の意図が分からないラティルは、
罠をかけて失敗し、
自分が疑われるのが嫌だったので、
貴族たちを証人として
カリセンに使節団を
派遣することにしました。
ラティルは、
ヒュアツィンテとティメーナ伯爵への
手紙を書き終えた後、使節団を送り、
その返事を心待ちにしました。
レアンは使節団のことを聞くや否や
側近たちを呼び、
伯爵に縁談を断らせるために
無礼な振る舞いをするよう命じました。
さらに、ラティルが
2人目の子供が生まれる前に
結婚を成立させようと
考えていることを察知し、
一刻も早く、
すべてを終わらせるようにと
命じました。
そして最後に、
ゲスターの件について
調査できたかと尋ねました。
ゲスターは、
子供の実の父親を始末して、
自分が子供の父親に
なろうとしているのでしょうか。
単に、サーナット卿が嫌なだけ?
いずれにしても、
腹黒な事しか考えないゲスターが
本当に嫌ですが、
それでも彼が泣いていると、
同情してしまうラティル。
彼女はランスター伯爵にも
欲情するくらいなので、
ゲスターの本性を知っていても、
彼を嫌いにはなれないのかなと
思います。
ゲスターに意地悪されたラナムンが
可哀そうすぎて、泣けました。
フローラは、
アニャドミスの転生なので、
ただでさえ、ラティルは
彼女から距離を置いているのに
これで、
2番目の子供が生まれたら
そちらが、より愛されることを
ラナムンが心配するのも分かります。
ラナムンは、心から
娘を愛しているのでしょうね。
ラティルは、
ゲスターを慰めるくらいなら
もっとラナムンとフローラを
気にかけてほしいです。