自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 96話 ネタバレ 原作 あらすじ エルナの家族は王子だから

 

96話 エルナからプレゼントを貰ったので、ビョルンは、今度は仲良くなる番だと思いました。

 

エルナは再び気分が悪くなり

目をギュッと閉じました。

数字を10まで数えると、

ようやく胃が落ち着きました。

普段なら、

とっくに散歩に出かけている

時間だけれど今日は起き上がって

座ることさえ大変でした。

 

気の毒そうに

エルナを見つめていたリサの表情が

突然変わり、

もしかしてと呟きましたが、

エルナは恥ずかしそうに、

ただ少し、気分が良くないだけだと

返事をしました。

 

それでもリサは、

念のため診察を受けてみた方がいいと

勧めましたが、

庭で男爵夫人と一緒に

朝食を取っていた王子が

いつの間にか戻って来て、

その必要はない。

エルナは二日酔いで

苦しんでいるだけだからと

説明しました。

 

エルナは当惑して

ビョルンの言葉を遮りましたが

驚いたリサは、顔色を窺った後、

慌てて引き下がりました。

 

ビョルンがベッドに近づくと、

エルナは、

そんなことを言ってどうするのかと

彼を責め、

恨みがましい目で見ました。

ビョルンは、何気ない顔で

エルナのそばに座りました。

 

ビョルンは、

自分が嘘でもついたのかと

尋ねると、エルナは

あんな風に話せば、

リサを見るのが恥ずかしくなると

エルナは抗議しました。

すると、ビョルンは、

恥ずかしさなど、

エルナは知らないと思ったと

言い返しました。

 

エルナは知らんぷりをするように

窓の外へ視線を移し、

何を言っているのか

よく分からないと

嘘をつきましたが、

森の中で見せてしまった

言語道断な醜態。

乱れた姿で、ビョルンの胸に抱かれて

帰ってきた道。

驚いた祖母の顔。

体調が良くないと言い訳をして

早々に寝てしまい目覚めた夜明け。

生まれて初めて感じる複雑な痛みを

全て覚えていたので、

気絶してしまいたいほどでした。

 

ビョルンは、

憎たらしくなるほどのんびりした声で

全部覚えていると、

正直に言えばいいのに促すと

エルナは否定しました。

しかし、ビョルンは、

そうすればそうするほど

さらに苦しくなるだけだと言うと

エルナは、

半分くらいは覚えているようだと

誤魔化しました。

ビョルンは、

それでエルナの心が少し楽になるならと

真剣だけれど、

さらに憎たらしい態度で

頷きました。

反論できなかったエルナは、

恥ずかしさのあまり、

お酒はいいものだと

思っていたけれど、

必ずしもそうではないと

呟くと、ビョルンは笑いました。

 

エルナは、

お酒をたくさん飲むと、

ああなるのかと尋ねると、

ビョルンは、エルナのように飲むと

ああなると答えました。

 

エルナは、

自分よりたくさんお酒を飲んだ

ビョルンは、

どうして平気なのかと尋ねると、

彼は、エルナの微々たる酒量と

自分を比較しないで欲しいと言うと

いたずらっぽい手つきで

エルナの髪を乱しました。

真顔で髪を整える

エルナの姿のどこにも、

昨日の美しい酔客の跡は

残っていませんでした。

 

ビョルンは、

男爵夫人が、自分たちの送別晩餐会の

準備をしているらしいけれど

その様子では、

食卓に座れないのではないかと

尋ねました。

その言葉にエルナは唖然としました。

これではいけないと

分かっていながらも、

明日には、

ここを去らなければならないという

事実が息の根を止めそうでした。

仮病を使ってでも

出発を遅らせたいという気持ちを

消しながら、

もう少し休めばよくなると

落ち着いて答えました。

 

習慣的な微笑と共に

自分は大丈夫だと言いましたが、

実は大丈夫ではないということを

よく知っていました。

一挙手一投足を監視され、評価され、

残忍に貶され、蔑視され、

影のように付きまとう

グレディス王女の名前が

エルナは嫌でした。

嫌われる悪役に戻るのではなく

できれば永遠にバフォードで、

この奇跡のような日々を

過ごしたいと思いました。

しかし、エルナは

あの扉の向こうの世界であり

自分の救いであり、

いつまでも一緒にいて

幸せになりたい自分の

王子様を見ました。

 

エルナは、

ベッドの上に置かれている

ビョルンの手を握りました。

窓の外を見ていた彼の視線が

ゆっくりとエルナに向けられました。

目が合うと、ビョルンは微笑みました。

すると、世の中が美しくなりました。

エルナは、

だから耐えなければならないと

思いました。

 

エルナは気を引き締めると、

心から笑うことが

できるようになりました。

この男と一緒なら大丈夫。

辛くても、

彼を、たくさん愛しているからと

思いました。

 

ビョルンは、

そんな目で見てばかりいないで、

一度話してみるようにと

突然、言い出しました。

エルナは、何を話すのかと

尋ねると、ビョルンは、

自分はどうなのか。

乱暴な表現でも理解すると

答えました。

ハッとしたエルナは、

目をギュッと閉じました。

昨日はペラペラしゃべったのに、

どうして黙っているのかと

ビョルンは尋ねた後、

エルナの鼻を軽く叩きました。

彼女は、

それは思い出せない半分の方に

属しているようだと

気まずそうに答えました。

恥ずかしくて死にそうでしたが、

ビョルンが、

とても楽しく笑ってくれたので、

エルナは嬉しくなりました。

中年の出版業者は、

拒絶の意味が込められた笑顔を

見せました。

キャサリンは、

もう何十回も見て来たので、

見慣れた表情でした。

間違いなく弟の原稿だと言っても

知っていると冷静に答えました。

そして、これらの美しい文章は、

間違いなく

ジェラルド・オーエンのもの。

その事実を

疑っているのではない。

でも、この遺作が

世間に発表されれば、

どんな波紋が起こるか、

考えて欲しいと言いました。

 

キャサリン

それは隠蔽された真実が

明らかになることだと

返事をしましたが、

その真実が弟の名誉を失墜させるとは

考えていないのか。

ラルスの王室は

じっとしていないだろうし、

レチェンまで大騒ぎになる。

夭折した天才詩人は、

一夜にして王女の情婦であり

私生児の父親。

その不道徳な愛のために自殺した

醜い男に転落すると諭しました。

 

キャサリン

それは分かっていると、

淡々とその事実を受け入れました。

衝撃的な事実が記された

遺作を発見した彼女も

このまま真実を葬り、

弟の名誉を守ったほうが

いいのではないかと考えました。

しかし、

他人の苦痛と涙を養分にして、 

孤高に輝いている

グレディス・ハードフォードを

このまま見ていることは

できませんでした。

 

キャサリンは、

弟が望んだのは

見せかけだけの名誉ではなく、

真実だ。

自分にはその意思に従う義務がある。

真実を明らかにする勇気がなければ、

自分はこれで失礼すると言って

出版社を後にしました。

 

これで、ラルスには

訪問する出版社が

なくなってしまったので、

キャサリンは、階段を下りながら

どこがいいだろうかと考えました。

どうやらレチェンがいいようだと

思った瞬間、

急いで彼女の後を追いかけて来た

一人の若い男が

彼女を呼び止めました。

先ほど、あの出版社で

一緒に座っていた出版業者でした。

 

彼は、懐から名刺を取り出し

あたふたと差し出すと、

少し話をしないかと

キャサリンに提案しました。

レチェンの首都にある

出版社の名刺でした。

庭の大きなトネリコの木の下に

置かれたテーブルには、

豪華ではないけれど、

真心のこもった料理が

用意されていました。

ビョルンは、

バラ酒が入ったグラスを持って

夕食のテーブルを見つめました。

もう二日酔いも治ったのか、

エルナはいつもと変わらない様子で

おしゃべりをしていました。

お気に入りの

小花柄のモスリンドレスを着た彼女は

この素朴な美しさが漂う食卓に

とてもよく似合っていました。

バーデン男爵夫人は

温かく愛のこもった眼差しで、

孫娘をじっと見つめ、

おしゃべりを聴いていました。

 

ビョルンは、

夏のシーズン中に

シュベリンに来たらどうかと

多少、衝動的に提案しました。

エルナに対して

むやみに騒ぎたてる人々も、

そのことまで問題視しないだろうと

考えました。

しかし、しばらく考えた後、

男爵夫人は、

自分はここが好きだし、

大都市はあまりにも煩雑で

慌ただしくて、自分には合わない。

いつかもう一度、

エルナと一緒に訪問してくれれば

それで十分だと返事をすると、

彼女はエルナを見て同意を求めました。

 

エルナは、言いたいことを

どうしても口に出せないまま、

ナプキンだけを

ギュッと握っていました。

祖母と一緒に過ごしたい気持ちと

同じくらい、祖母に

自分のみすぼらしい境遇を

直接見せたくない気持ちの方が

大きかったので、

「はい」とエルナは嘘をつきました。

しかし、今年が終わる前に

また遊びに来ると、

急に付け加えた言葉は

嘘ではありませんでした。

夏のシーズンが終われば

余裕ができるので、

遅くても冬の初め頃には

再びバフォードへ来ることが

できるはずだし、

もしビョルンがとても忙しかったら

一人でもエルナは

その約束を守るつもりでした。

バーデン男爵夫人は、

その気持ちが分かると言うように

笑って頷きました。 

大公夫妻は、

翌朝早く、バフォードを去りました。

バーデン男爵夫人は、10日前の夜と

変わらない笑みを浮かべた顔で

二人を見送りました。

幸いにも、

エルナが思っていたより

毅然とした態度でした。

 

馬車に向かうエルナの背中を

じっと見つめていた

バーデン男爵夫人は

思わずエルナに声をかけましたが

いけないと思いました。

彼女は、自分の慰めと励ましが、

エルナの重荷になると思い、

数え切れないほど多くのことを

口にしようとして

誤魔化して来たからでした。

 

自分の所へ戻ろうとするエルナを

手を振って止めた

バーデン男爵夫人は

落ち着いた目でビョルンを

見つめました。

今、彼がエルナの家族で、

エルナが頼るべき人なので、

バーデン男爵夫人は、

切実な願いを込めて

エルナをよろしくと伝えました。

ビョルンは快く頷き、

「はい、そうします」と

力強い声で答えると、

エルナをエスコートして

馬車に乗りました。

 

大公夫妻を乗せた馬車を

先頭にした行列は去って行きました。

窓から手を振るエルナに向かって、

バーデン男爵夫人も手を振りました。

一度くらい、

淑女らしくない行動をしたからといって

天が落ちて来ることはないと

思いました。

 

バーデン男爵夫人は

最後の荷馬車まで見えなくなると

邸宅に戻りました。

寝室まで付いて来たメイドは

バーデン男爵夫人に、

エルナに頼まれた小さな包みを

渡しました。

 

バーデン男爵夫人は、少し驚いた顔で

それを受け取りました。

慎重に包みを開けると

クロスワードの本が出て来たので

バーデン男爵夫人は、

ため息をつくように

笑ってしまいました。 

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

言いたいことは山ほどあるけれど

エルナのことを考えて、

何も言わないおばあ様。

孫娘のことが心配で

仕方がないけれど、

エルナの家族はビョルンなのだからと

線を引くおばあ様の潔さに

思わず、涙ぐんでしまいました。

 

おばあ様に

クロスワードの本を

プレゼントしたのは、

新聞のクロスワード

やろうとしなければ、

自分の悪口を書いた記事を

読まずに済むだろうと

エルナは考えたからなのでしょうね。

そんな孫娘を、おばあ様は

いじらしいと思ったのではないかと

思います。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain