自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 100話 ネタバレ 原作 あらすじ エルナが聞いてしまった話

 

100話 エルナとビョルンはハイネ公爵家の別荘に来ています。

 

ハイネ公爵家の子供たちと

遊んであげていたエルナが

おもちゃを持ったまま

うとうとしているのを見た

ゴシップ好きな人々は、

劇場で恥をかいてから、

いくらか時間が経ったとはいえ、

あれだけ慎重さが足りないのは

恥ずかしいとか、

夜、何をやっているせいで、

昼間、あんなに眠気に襲われるのか

さっぱりわからないなど、

声を精一杯低くして

エルナを嘲弄しました。

その後、 お決まりのように

グレディス王女の健康を

心配していた彼らは、

ハイネ公爵夫人が姿を現すと

一斉に口をつぐみました。

ルイーゼは、誰よりも大公妃に

不満を抱いているけれど

少なくとも対外的には

レチェンの王女としての

責務に徹底していることを

皆、よく知っているためでした。

 

王女と目が合った若い伯爵夫人は

笑いを抑えながら

大公妃がとても疲れているようだと

囁きました。

彼女が指差した所を見た

ルイーゼの表情が

目に見えて硬直しました。 

しかし、

ほのかな期待感を示している彼らを

じっくり見たルイーゼは、

これ見よがしに穏やかな笑みを浮かべて

ただでさえ大公妃の体が弱くて

心配が多いと言いました。

王女と大公妃が対立するのを見たくて、

皆がやきもきしていたことを

よく知っているルイーゼは

何があっても、そのような姿を

見せないつもりでした。

 

その勢いに圧倒された彼らは、

それ以上、何も言えず

話題を変えました。

 

適当に彼らに言葉をかけた後、

ルイーゼは頃合いを見て

エルナのそばに近寄りました。

彼女がエルナを呼ぶのと、ほぼ同時に

ちょうど葉巻を吸って帰ってきた

ビョルンがエルナを呼びました。

その時になって、ようやくエルナは

驚いて目を覚ましました。

握っていた木彫りの人形が落ちて

ティーカップとぶつかる音が

響きました。

 

ビョルンは、

大公邸から連れて来た使用人たちに

いくつかの指示をした後、

途方に暮れながら周囲の顔色を窺う

エルナを、自然に立たせました。

 

ルイーゼは言いたいことが

たくさんある顔をしていましたが

ビョルンは

聞く気がありませんでした。

ビョルンは、客たちが集まっている

野原の日除けテントの下を抜け出し、

森の木陰にエルナを連れて行きました。

そして、あらかじめそこへ行って

席を用意しておいた使用人たちが退くと

涼しい木陰には、

2人だけが残りました。

エルナは心配そうな目で

大部分のお客さんが集まっている

野原を見ながら、

自分たちだけこのように

離れていても大丈夫だろうかと

心配しました。

人目を気にしなくて済むので

息抜きができるけれど、

他の者たちから離れたことで、

何を言われるかを考えると、

エルナは、簡単に安心することが

できませんでした。

しかし、ビョルンは

「どうだっていい」と言うと、

ピクニック マットの上に

横たわりました。 

昼寝でもするかのように

目を閉じた彼は、

自由でリラックスしているように

見えました。

 

迷っていたエルナは

慎重に彼のそばに座って

息を整えました。

今日は、なじられるようなネタを

作らないと心の中で誓ったのに

まぶたの重さ一つに

耐えられませんでした。

そんな自分が情けなくて

ため息をついていたエルナの世界が

突然グルグル回りました。

意識を取り戻した時は、

いつの間にかビョルンの隣に

並んで横たわっていました。

空を眺めていた二人の視線が

互いに相手に向けられました。

 

先にビョルンが片方の口の端を

そっと上げて笑いました。

エルナは、これがビョルンの

本当の笑いだということを

知っていました。

完璧なまでに優しそうだけれど、

真心に欠けた、仮面のような微笑とは

違っていました。

 

ビョルンは、

風で乱れたエルナの髪の毛を

撫でてやりました。

安堵感とともに訪れた眠気に

耐えられなかったエルナは、

自分でも気づかないうちに

目を閉じました。

これではいけないということを

知っているけれど、体が思い通りに

動いてくれませんでした。

けれども、

今日も、自分を救ってくれた

王子様のそばにいるので

大丈夫だと思い、

彼の本当の笑顔をもう一度見たくて

必死で目を開けましたが、

病的に押し寄せて来る眠気に

勝つことは大変でした。

「休みなさい」と言って

くすくす笑う彼の声が

耳元をくすぐりました。

頷いたエルナは、もう何の努力もせず

意識を緩めました。

ビョルンは片腕で頭を抱えたまま

眠っている妻を見つめました。

 

ビョルンは、

他人の視線を気にする

たおやかで美しい淑女が、

こんな場所で、眠気に耐えられず

恥をかくのは、いくら考えても

エルナらしくないと思い、

もしかして

体の調子が悪いのではないかと

不吉な考えが

思い浮かんだりもしました。

 

もともと小柄で細い女だけれど

最近になって、

少しやつれているような気もしました。

しかし、みずみずしく輝く頬と

滑らかな肌は、

病人のようには見えませんでした。

微熱がある額を触ってみた

ビョルンの目つきが細くなった瞬間

侍従が近づいて来ました。

ビョルンは、

静かにするようにを合図をした後、

体を起こして、

目でマットの先を指すと、

侍従は急いで

そこに置いてあった薄い毛布を

持って来ました。

 

ビョルンは、

それをエルナに掛けた後、

静かにその場を去り、

エルナが眠っている木陰と

かなり離れた小川沿いまで

歩いて行きました。

振り向いたビョルンが

顎の先を動かすと、執事は低い声で、

バイル弁護士がハルディ家のことで

会いたいと言っていて、

川辺の見晴台で待っていると

伝えました。

目が覚めた時、

エルナは一人だったので、

まるで見知らぬ世界に

ぽつんと取り残された

迷子になったような気分になりました。

 

ゆっくりと体を起こして

座ったエルナは、

毛布をきちんと畳みました。

その瞬間にも、エルナの目は、

陰がさらに濃くなった森を

見渡していました。

ショールを羽織って、

木の根元に寄りかかり

不快な胃を癒してくれる飴一粒を

口に含んだ時も同じでした。

 

遠くから、

人々の笑い声が混じった騒音が

かすかに伝わって来ました。

もう、あそこに行かなければ

ならない時だということを

知っているけれど、エルナは

一人では帰りたくなかったので

体を小さく丸めて座ったまま

ビョルンを待ちました。 

 

再び胸がむかむかすると、

エルナは飴をもう一粒、

口に入れました。

ビョルンがいないと嫌でした。

しかし、飴の甘さは

不安で苛立たしい気持ちを

癒してくれませんでした。

 

エルナは、

馬鹿みたいだと

自嘲的な独り言を呟くと、

何かに取り憑かれた人のように

立ち上がり、

草原を早足で歩きました。

こんなにも、

子供のように振舞っている自分が

おかしいほど

彼に会いたいと思いました。

大丈夫だと言うビョルンのその一言で

すべてが良くなるようでした。

 

若い紳士たちが集まって

葉巻を吸っている日よけテントに

向かっていたエルナは、

過度に感傷的になっている自分に

違和感を覚えて、足を止めました。

ビョルンが笑うかもしれないという

気がして、背を向けようとする瞬間、

今シーズンは、

どうしてこんなに面白くないのか。

去年は本当に最高だった。

ハルディさんのような

女性がいないからだろうかと

ペーターの声が聞こえて来ました。

彼の言うハルディさんが

誰なのか悟ったエルナの目が

ぼんやりとしました。

 

また賭けをしようとしても、

ハルディさんのように

赤ん坊の鹿のような女性が

いなければならないと

くすくす笑いながら、

ビョルンの友人が返事をしました。

彼らは、昨年の今頃、

贈り物攻勢を繰り広げ、

エルナに求愛をした人たちでも

ありました。

 

渓谷に向かって座って

葉巻を吸っていた彼らは、

まだエルナの存在に

気づいていないのか、

低級な冗談が混じった雑談を

続けました。

エルナは日除けテントから

あまり離れていない木の後ろに

慌てて身を隠しました。

戻らなければいけないと

思いながらも

両足が動きませんでした。

 

天下のビョルン王子が

賭けで2番目の奥さんを

手に入れるなんて、改めて考えても

本当に驚くべきことだ。

あらゆる賭けのトロフィーを

すべて奪って行ったのに、

まさかそのトロフィーまで

手に入れるなんて。

 

今になって考えると、

最初から戦略が緻密だった。

美人が苦境に立つたびに

白馬に乗った

とてもハンサムな王子が現れれば

これに、どうやって

勝つことができるのか。

それにすっかり騙された

ハルディさんを、百回理解できる。

 

大金を持っているくせに、

そんな賭け金を手に入れようと

あんなに念を入れるなんて、

お金に対して、

とても気持ちが悪いほど本気だ。

もっとも、結果的には

ハルディさんと結婚したことで、

その掛け金とは

比べ物にならない大金を

使うようになったので

赤字になったのではないか。

 

ビョルン・ドナイスタは

赤字という言葉の意味が何なのかも

知らないのではないか。

面白半分で始めた賭けで

社交界最高の美人を得て、

その美人に賭けられていた

賭け金も得て、

結局は、二番目の奥さんまで

手に入れた。

 

その二番目の奥さんが

赤字の塊ではないか。

 

お金は、そうかもしれないけれど

再婚してからは、

公共の敵が大公妃になったので

社交界のゴシップ欄から

大公の名前が消えたから、

結果的に

ビョルンが得たものの方が多い。

そんな心強い盾が、

あんなにきれいだなんて、

完璧に得している。

全て計算ずくの結婚だ。

 

ビョルン・ドナイスタが

損をする人ではないことは確かだ。

 

信じられない言葉とともに

伝わってきた煙に咳が出そうになると、

エルナは両手で

力強く口を塞ぎました。

心臓が張り裂けそうになり、

全身がブルブル震え始めました。

ビョルンに会いたくて、

エルナは、いつにも増して

切実な気持ちで

周りを見回しました。

しきりに、視界がぼやけてきました。

涙が流れていることが

分かったけれど、

特別な感情はなく、

ビョルンに来て欲しい。

一言、大丈夫だと言ってくれれば

この悪夢もすべて消えると思いました。

 

その時、

今年開かれるボートレースの夜に

一緒に船遊びをしたい

女性たちの名前を叫んでいた

彼らが、いたずらっぽいブーイングと

歓声を送り始めました。

ぼんやりとした目で

そちらを見回したエルナは、

思わず、木の下に

座り込んでしまいました。

さりげなく笑う彼女の救世主

ビョルンがやって来ました。

彼らは今、

新しい賭けをするつもりで

興奮して騒ぎ始めました。

ビョルンは、

渓谷に向かって置かれた椅子に

深く寄りかかって座り、

葉巻を吸い始めました。

 

ペーターはビョルンを

トロフィーハンターと呼び、

勝者の秘訣を、

少し伝授してくれと頼みました。

ビョルンは、

葉巻の煙をゆっくり吐き出しながら

笑いました。

ペーターは、

自分を無視しているのか。

自分にはできないと思っているのかと

抗議すると、レナードは、

大公殿下の秘法は

ペーターの何の役にも立たない。

ペーターの顔になびく盲目の女性が

どこにいるのかと

くすくす笑いながら、からかいました。

彼らの意地悪な冗談にもかかわらず、

ビョルンは、くすくす笑うと

狂った奴らだと呟きました。

続いて、笑いが噴き出しました。

 

エルナは血の気が消えた手で、

より強く口を塞ぎました。

焦点を失った瞳から

涙がこぼれ落ちました。

 

しばらく笑って騒いでいた

彼らが去っていくと、

渓谷は再び静寂に包まれました。

それを確認して初めて、

ようやくエルナは

押さえつけていた息を吐き出しました。

死にかけている獣のように

息を切らす音の間に、

すすり泣きと吐き気が

混じっていました。 

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いつも、たくさんのコメントを

ありがとうございます。

 

前話の最後に

パーベルが登場したので、

今回は、その続きから始まるかと

思いましたが、

エルナの居眠りシーンが出て来たので

一瞬、一話飛ばしてしまったかと

思いましたが、

そうではありませんでした。

 

ペーターやレナードの話は

あながち嘘ではなく、

ビョルン本人は計算ずくで

エルナと結婚したと思っていても、

ビョルンの行動を見ると

エルナに対する愛が感じらるし、

彼女を別の場所に

連れ出してくれたのも

エルナのことが心配だったからだと

思います。

けれども、それがエルナには伝わらず

彼だけが頼りだったエルナが

賭けのことを知ってしまったことで

エルナはビョルンの

「大丈夫」という言葉にも

慰められることが

なくなってしまうのではないかと

心配です。

ワッフル様が

コメントしてくださったように

エルナが壊れてしまうのではないかと

感じました。

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