自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 108話 ネタバレ 原作 あらすじ 大公邸の静寂を破るもの

 

108話 エルナの体は、少しずつ落ち着いて来ました。

エルナは、

帽子を造花でごちゃごちゃ飾るのは

滑稽だと思い、

すべての造花を取り除きましたが、

造花が一つも残らないと、

それはそれで見苦しいので

最後に取り除いた造花を

帽子に戻しました。

 

ずっと心配そうな表情で

エルナのそばをうろついていたリサは

ここで休んでいればいいのに、

どうしても、そこに

行かなければならないのかと

尋ねました。

エルナは、

これまで、ゆっくり休み過ぎたからと

答えると、

小さな造花一輪だけを残した帽子を

かぶることで準備を終えました。

 

もう適度な散歩くらいは

楽しんでも大丈夫だと、

昨日、往診に来た主治医が

話してくれました。

エルナは、

そのまま王室の家族が泊まっている

夏の宮殿に人を送りました。

このような迷惑をかけても、

まともな謝罪すら

一度もできていないという罪悪感が

心の奥深くに残っていたので

一番先に、その重荷を

取り除きたいと思っていました。

 

リサは、

テーブルの上に積まれた

コサージュの山を見て、

これをどうするのかと尋ねました。

 

エルナは妙な気分に襲われて、

造花を見下ろしました。

枯れることのない、きれいな造花でも

長く使うと古くなり

色褪せていました。

 

エルナは、

人は、一生、無害で美しい花として

生きていくことができるだろうかと

自分に問いかけましたが、彼女は

すでに知っている答えを打ち消して

帽子の形を整えました。

それから、手袋をはめて

日傘も持って来ました。

 

その姿を

ちらちら見ていたリサは、

何も言わずに、

残った造花を片付けました。

全てエルナが

大切にしている花でした。

 

中央玄関前で待機していた馬車は

エルナを乗せて

夏の宮殿に向かって走り出しました。

夏の宮殿は、

同じシュベリン宮の塀の中にあるけれど

海に面した、そこの雰囲気は

大公邸と全く違っていました。

 

馬車が止まり

先に馬車から降りたリサは

困った様子で

彼らが通ってきた道を指差しました。

予告なしに訪れた

ハイネ公爵一家の派手な馬車が

道を入って来たところでした。

3人の座るティーテーブルは、

海が見える庭の端に設けられました。

去年の夏、

エルナと王妃が初めて出会った

まさにその場所でした。

 

エルナは、

あの日のように

慈愛に満ちた笑みを浮かべている

イザベル・ドナイスタに

向き合いました。

相変わらず自分を大事にしてくれる

王妃がありがたいだけに、

エルナの罪悪感は、より深まりました。

そのそばで、

不満そうな視線を送っている

ルイーゼ姫がいて、

むしろ安心しました。

 

エルナは、

自分のせいで皆さんが・・・

と言い出すと、

王妃はエルナに言い聞かせるように

彼女の名前を呼び、

繰り返されるエルナの謝罪を

中断させました。そして、

その件は、

もう忘れなければならないし

エルナの過ちではないということを

知っている。

一番つらい思いをしたのは

エルナなので、

自分たちに謝る必要は全くないと言うと

ルイーゼに同意を求めました。

 

返事を強要するように見つめる母親と

目が合ったルイーゼは、

ひどく幻滅しているような

ため息をついた後、

一番、苦労をしたのは

兄ではないだろうか。

妻に代わって、

全てのことを解決したのだからと

答えました。

 

その言葉に、王妃は

叱責するようにルイーゼを

呼びました。

すると、彼女は、

大公妃にとっても

実家の家門の問題だったから

気が楽ではなかったはずだと

言いました。

しかし、すぐにルイーゼは

エルナは絶縁をしたので、

もう実家ではなかった。

自分はそれを忘れていたと謝り

頭を少し下げましたが、

エルナを見るルイーゼの目つきは

一様に冷笑的でした。

 

それから、ルイーゼは

事がうまく収まったことに

おめでとうと言い、

挨拶が遅くなったけれど

エルナが妊娠したことについても

おめでとうと言いました。

エルナは、戸惑いながら

お礼を言うと、

かすかな笑みを浮かべながら、

お腹に触れました。

 

ルイーゼは、

つわりがひどいと聞いたけれど

今日は大丈夫そうだと言いました。

エルナは、

最近は大丈夫になったと返事をすると、

ルイーゼは、

その子は本当に良い子のようだ。

困ったことがあると、

つわりを盾にしてくれるし、

それが過ぎると、

また、このように母親を

楽にしてくれると、

大げさに感嘆しました。

その口調は明るく軽快でした。

 

それからルイーゼは、

大公妃は見た目より健康な体質のようで

ほっとしている。

自分はつわりが長引いて

かなり辛かった。

グレディスもそうだったと言うと、

王妃は、

自分の客に、そんなに無礼に

振る舞い続けるつもりなら、

これで帰るようにと、

露骨に大公妃を庇いました。

 

ルイーゼは、

そういう意味ではなかったけれど

妊娠の話をしていたら

無意識のうちに、

つい口にしてしまった。

気をつけるようにすると謝った後、

エルナをちらっと見ました。

 

罪人のように、

戦々恐々とするエルナの態度が

とても自然なので、

父と絶縁しながらも

自分の地位を守った

かましく毒々しい女だという事実を

知らずに見ていたら、

うっかり騙されてしまったかも

しれないと、ルイーゼは思いました。

 

ルイーゼが口をつぐむと、

王妃はエルナの体について尋ねたり

生まれて来る子供に対する期待感など

極めて平凡で優しい話が

静かに交わされました。

 

そのおかげで、

一層、雰囲気が和らいだ頃、

メイドが運んできた大きな果物皿が

エルナの前に置かれました。

驚いているエルナを見た王妃は、

お腹の中の子が果物が好きだと、

フィツ夫人が教えてくれたと言って

優しく微笑みました。

そして、王妃は、

エルナと子供の健康が一番大事なので、

それだけを考えるようにと

言いました。

エルナは、どぎまぎしながら

感謝しますとお礼を伝えました。

 

王妃は、

大公邸にも果物を送っておく。

あちらにも、

いくらでもあると思うけれど、

これは祖母からのプレゼントなので

受け取って欲しいと言いました。

そして、ビョルンには絶対にあげず、

エルナと子供だけで食べるようにと

冗談を付け加えると、

エルナはこの席に座って

初めて笑いました。

プレゼントと言う言葉が

鼻先に漂っている

新鮮な果物の香りのように

甘く感じられました。

 

エルナは食べるのを躊躇っていましたが

王妃に、なぜ食べないのか、

食欲がないのかと聞かれると

それを否定し、フォークを握りました。

 

エルナは、ゆっくりと

一口ずつ果物を食べていきました。

しばらくは顔色を窺いながら

躊躇していましたが、ある瞬間からは

果物がとても美味しく感じられて

他の考えを忘れてしまいました。

 

こんな状況で

食い意地が張っているなんて

自分でも理解できませんでしたが

しきりにお皿に向かう手を

止められませんでした。

 

一切れ残った桃に

フォークの先が触れた瞬間、

ふと鋭い視線を感じたので

頭を上げると

ルイーゼが見えました。

目が合ったけれど

姫は慌てることなく、

全部食べてと言いました。

エルナがたじろいでいると

ルイーゼは小さく首を横に振りました。

 

それからルイーゼは、

よく食べる姿が本当に素敵だと

言いました。

微笑を浮かべたルイーゼの顔は

王妃と非常に似ている感じを

与えましたが、そのせいで、

じっとエルナを見つめる

彼女の視線に込められた、

軽蔑、そしていくらかの同情心という

王妃のものとは全く違う感情が

一層鮮明に浮かび上がって見えました。

 

エルナは

フォークを離すことも、

その桃をフォークで刺すことも

できないまま、息を殺していました。

海辺で水遊びをしている孫たちと

親戚の子供たちを

微笑ましく眺めている王妃は、

そのぎこちない静寂に

気づきませんでした。

 

じっとエルナを見つめながら

「さあ、どうぞ」と言う

ルイーゼの顔の上に、

さらに優しくなった笑みが

浮かんで来ました。

 

ぎこちなく笑ったエルナは

結局その桃一切れを口に入れました。

ルイーゼは静かなため息をついた後、

自分の子供たちが遊んでいる海辺に

視線を移しました。

楽しそうな子供たちの笑い声が

聞こえて来ました。

 

砂浜を走っている途中、

転んでも笑う孫娘を見た王妃は

笑いを噴き出しました。

あの子は父親にそっくりで

とても図太いというルイーゼの顔にも

完璧な母親に似た微笑が

浮かび上がりました。

 

子供たちの話をしている

2人を眺めていたエルナは、

突然、少し恥ずかしくて

寂しい気持ちになり、

視線を落としました。 

エルナは、

大丈夫だと、自分を慰めるように

そっとお腹を撫でてみました。

そこにいる子供の存在感は

まだ微々たるものでしたが、

大きな慰めになってくれました。

 

エルナは子供が好きな桃を

ゆっくり噛んで飲み込みました。

馬車の扉が開くと、フィツ夫人は、

大公妃は夏の宮殿にいると

前もって準備していた

返事をしました。

「エルナは?」と 習慣的に

吐き出そうとした言葉を飲み込むと

ビョルンは軽く頷きました。

 

玄関ホールを通り過ぎ、

階段を上っていたビョルンは、

しばらく踊り場で立ち止まりました。

大きな窓から差し込む日光と

頭上のシャンデリアから

降り注ぐ光のせいで、

明る過ぎるし、熱すぎると思いました。

そして何よりも、

あまりにも静かでした。

 

ビョルンは目を細めて、

すべての音が消えてしまったような

邸宅を見回しました。

これが本来の秩序であり、

あの女性を妻の座に座らせて

守ろうとした、

まさにその平穏な生活でした。

だからエルナは初めて

静かに、無害で美しいという

彼が望んだ通りの姿で

自分の役目を全うしているのでした。

 

そのように結論を下したビョルンは、

残りの階段を上って

書斎に向かいました。

フィツ夫人は、

家族の主要な問題について

報告しながら、

そこまで彼について行きました。

 

時計を確認するビョルンを見た

フィツ夫人は、彼に聞かれなくても

そろそろ帰ってくる時間だと

伝えました。

 

ビョルンは、

フィツ夫人から渡された郵便物を

ペーパーナイフで

一つずつ開け始めると

フィツ夫人は、王妃が大公妃を

とても大事にしているので

楽しい時間を過ごしていると思うと

伝えました。

 

最後の手紙を開き、

ビョルンが葉巻に火をつける間、

フィツ夫人は、

今日の大公妃の体の調子も

とても良かった。

子どもは元気に育っていると、

主治医が確認してくれたと

伝えました。

 

ビョルンはフィツ夫人に

いつから読心術を

するようになったのかと尋ねると

ため息混じりの笑みを浮かべながら

葉巻の煙を吐き出しました。

肩を軽くすくめるフィツ夫人の顔にも、

かすかな笑みが浮かんでいました。

 

深く吸い込んだ煙を吐き出す度に、

ビョルンの目つきが

次第に複雑になっていきました。

ビョルンは、

大きくなったらどうしようと

少し途方に暮れた様子で尋ねました。

フィツ夫人は、

何を言っているのかと聞き返すと

ビョルンは、

育っているという、

お腹の中のあの子だと答えました。

 

主治医の予想通り、

さらに1週間経つと、エルナのお腹に

子供の痕跡が

ちらりと現れ始めました。

ビョルンは今朝、

バルコニーに立って風に当たっている

エルナを見て、

ふとそのことに気がつきました。

薄いドレスが密着して現れた体の線は、

彼がよく知って楽しんできたその体と

微妙に変わっていました。

あの小さな女の子の中で

子供が育っていることを

初めて実感した瞬間でした。

 

ビョルンは、

エルナは小さいのに、

自分は大きいから、

もし自分に似て大きく育ったらと

独り言を言うように呟きました。

 

その言葉の意味を理解した

フィツ夫人は、

口元にそっと笑みを浮かべながら

赤ちゃんは、

元々小さく生まれるものだし

二人の王子は双子なので

他の赤ちゃんよりはるかに小さかった。

今の二人からは

想像できないと言いました。

 

ビョルンは、

くだらないことを言った自分が

ふと、おかしくなって笑いました。

 

そして、ビョルンが

机の前で立ち上がった時、

緊迫した足音と叫び声が

聞こえて来ました。

ノックもなしに、

パッと扉が開いたかと思うと、

驚くべきことに

死人のような顔色のレオニードが

現れました。

 

ビョルンが顔をしかめている間に

レオニードは走るようにして

机の前まで近づいて来て、

力いっぱい握りしめていた一冊の本を

ビョルンの前に置きました。

 

「愛と深淵の名前」

レオニードが読むには、

あまりにもくすぐったいタイトルを

チラッと見たビョルンは

眉をしかめました。

その下に書かれた著者の名前が

尊敬される天才詩人であり

グレディスの恋人だった

ジェラルド・オーエン

だったからでした。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

待ちに待った、

ジェラルドの遺作が

ようやく出版されました。

おかげさまで、

ルイーゼがエルナに

冷たい態度を取ったシーンで

モヤモヤしていたのが

すっきりしました。

親友のグレディスの真実を知った

ルイーゼが、

今後、エルナに対する態度が

どのように変わっていくかが

楽しみです。

 

ビョルンは

エルナが静かになってしまったことに

寂しさを覚えているけれど、

それを認めたくない、あるいは

その感情が認識できなくて、

エルナが

自分が望んだ通りの妻になったと

言い聞かせているような気がします。

 

おそらくビョルンは

妊娠しているグレディスのことを

少しも気遣わなかったと思うので

フィツ夫人は、

彼がエルナのことを

心配しているのを見て、

ビョルンとグレディスの結婚は

何だったのだろうと、

また思っているかもしれませんが

「愛と深淵の名前」が出版されたことで

フィツ夫人の疑問も解けそうですね。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain