自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち785話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 見つからないクライン

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785話 ラティルを妨害するために、白魔術師はクラインを狙っています。

◇見つからない◇

砂が頭よりも高く

舞い上がりました。

ラティルは口元を覆って

咳き込みました。

そうしているうちに、砂が落ちると

目をこすって、

再びシャベルで砂を掘り始めました。

しかし、まもなく、

再び砂を含んだ風が吹いて来て、

ラティルは、また口を覆って

咳込みました。

 

そんな風に日が昇るまで

砂を掘っていたラティルは、

空が青く変わり始めると、

シャベルを肩に乗せて

とぼとぼと、アドマルの外に出ました。

 

ゲスターは、イライラしながら

境界石付近を

行ったり来たりしていましたが、

ラティルが近づくと

泣きべそをかきながら、そばへ行き、

大丈夫かと尋ねました。

 

ラティルは境界石を越えながら

首を横に振り、

今日も見つけられなかった。

一体、彼はどこにいるのかと

答えました。

 

ラティルは涙が出て来そうになり

手で目元を隠しました。

時間は刻一刻と流れて行きますが、

依然として、クラインの痕跡も

見つけられませんでした。

もし、彼が、

条件付き不死身であることを

知らなかったら、ラティルは

クラインが死んだと思って

耐えられなくなるほどでした。

 

クラインは、意外と怖がりなのにと

呟くラティルを抱きしめ、

ゲスターは彼女の背中を

軽く叩きました。

しかし、優しい行動とは裏腹に

冷たい表情をしていました。

◇やむを得ない◇

ゲスターは、

ラティルを寝室に連れて行った後、

自分の寝室に移動しました。

 

一人になると、ようやくゲスターは

見せかけの表情を崩して、

顔を歪めました。

しかし、化粧台に座っている

グリフィンと目が合った途端、

ゲスターの表情は

さらに、しわが寄りました。

 

ゲスターは、

何を見ているのかと尋ねると、

逆に、グリフィンは、

変態はどうするつもりなのかと

質問をして、舌打ちしました。

 

グリフィンを相手にしたくなかった

ゲスターは「退け」と

冷たく指示しましたが、

グリフィンは屈しませんでした。

そして、ゲスターが

再び「退け」と言っても、

グリフィンは、

バカが消える前に

彼はゲスターと一緒にいたのだから

ロードに恨まれたらどうするのかと

非難しました。

 

ゲスターの顔から

イライラする様子さえ消えると、

グリフィンは、

ようやく慌てて逃げました。

ゲスターは怒って

鏡を拳で打ちました。

 

鏡は、拳を中心に丸く割れて

四方に飛び散りましたが、

ゲスターが手を離すと

再び元に戻ってくっつきました。

 

ゲスターはため息をついて

鏡をじっと見つめると、

やむを得ず再びアドマル付近に

一人で移動しました。

◇異様な恐怖◇

ラティルは服を着替えた後、

素早く執務室へ行きました。

まだ髪は乱れたままでした。

 

執務室に着いてから

ラティルは髪をまとめて

結ぼうとしましたが、

砂漠の砂のせいで

ざらざらした髪の毛は、

櫛さえうまく通りませんでした。

 

それでもヘアゴムを口にくわえて、

髪の毛をできるだけ

まとめようと努力しましたが、

うまくいかず、

腹が立って来たラティルは、

アゴムを下ろし

机に額をもたれました。

そして、そのままの姿勢で

夜の7時から翌朝の6時まで

毎日アドマルに行っているのに

クラインが見つからないと

力なく呟きました。

仮病を使っているのではなく、

本当に全身が、

くたくたになったようでした。

 

サーナット卿は胸の痛む思いで

ラティルの後ろ姿を見つめました。

そうしているうちに

ラティルは呟く気力もないのか

完全に静かになると、

サーナット卿は自分のポケットから

櫛を取り出して、ラティルの髪の毛を

慎重に梳かしてやりました。

 

ラティルが

むやみに梳かしていた時は、

くっ付いて剥がれなかった髪が

サーナット卿の慎重な手にかかると

少しずつ解けていきました。

 

ラティルは目を閉じて

じっとしていました。

サーナット卿は、

ラティルの髪の毛をきれいに整えた後

櫛に付いた砂を

窓枠で叩き落としながら、

皇帝のせいではなく

あまり場所がよくないだけ。

人間ではないロードの仲間たちは

中に入るのが大変だし、

人間のロードの仲間たちは

クライン皇子のようになるのが怖くて

行くのが難しいと話しました。

 

ラティルは

サーナット卿の声を

ぼんやりと聞きながら、

ゆっくりと首を横に回し、

クラインは大丈夫だろうかと

元気なく尋ねました。

サーナット卿は、

無事だろう。少し

泣き過ぎているかもしれないけれどと

答えました。

 

ラティルは意外と涙もろい

クラインを思い出し、

無理やり笑いながら頷きました。

そして、さらに何か言おうとしたところ

外から自分を呼ぶ秘書の声が

聞こえました。

ラティルは、

少し目に溜まっている涙を

素早く拭いながら

入室を許可しました。

 

サーナット卿が後ろに下がると

すぐに秘書が入って来て、

アクシアンがラティルに

会いたがっていると告げました。

 

クラインのことで来たのだと

思ったラティルは

表情を歪めました。

サーナット卿は心配になり

ラティルを見ました。

しかし、ラティルは逃げることなく

アクシアンの入室を許可しました。

 

ラティルは、

両手で目元をきれいに拭き、

腰を伸ばしました。

アクシアンが入ってきた時、

ラティルは5分前まで

落ち込んでいた人のようでは

ありませんでした。

先程まで、

悲しんでいた様子がなさそうに、

ラティルはアクシアンに、

どうしたのかと呑気に尋ねました。

 

入って来た時から、

冷ややかな表情だったアクシアンは

ラティルの穏やかな姿を見ると、

さらに鋭く変わった目で、

クライン皇子の行方について

聞きたくて来たと話しました。

ラティルは、

クラインの行方?と聞き返すと、

アクシアンは、

皇子が突然いなくなってから

すでに数日が経った。

未だに皇子は帰って来ていないと

返事をしました。

 

ラティルは目を丸くした後、

すぐに高笑いをし、

自分も、それは知っているけれど、

それを自分に聞いてみたところで、

自分に分かるはずがないと

主張しました。

しかし、アクシアンは、

皇帝は、それを知っているから

皇子を探していない。

皇帝が皇子の行方について

全く知らなければ、

失踪届でも出しているか、

大騒ぎして探しているのではないかと

指摘しました。

 

適当に言い繕おうとしたラティルは、

意外にもアクシアンが鋭く出てくると

頬杖を突きながら、

彼をじっと見つめました。

 

アクシアンは鋭いけれど、

空気は読めないのか、

タリウムの大臣たちであれば

すぐに口をつぐんだはずの

その視線を受けながらも、

言葉を止めませんでした。

 

アクシアンは、

皇帝はクライン皇子の失踪届も出さず

だからといって、

皇子を探させることもなく、

心配もしていない。

自分やバニルに、

皇子がどこへ行ったのか

聞くこともないと話しました。

彼の声は、

だんだん落ち着いて行きました。

そして、ついにアクシアンは、

うちの皇子はどこへ行ったのかと

尋ねました。

 

しばらく部屋の中に沈黙が漂いました。

ラティルは、

アクシアンをじっと見るのを止めると

クラインが

アクシアンに話さなかったことを

アクシアンの部下でもない自分が

アクシアンに話してもいいのかと

尋ねました。

 

アクシアンは、

皇子は消える前に、

皇帝に腹を立てながら、

ディジェットへ行くと言って

荷物をまとめていた。

それから、

皇帝とゲスターと話をした後、

姿を消したと答えると、ラティルは

自分がクラインを

どこかに捨てたと思うのかと尋ね、

クスクス笑いました。

すると、

ずっと凍りついた湖のようだった

アクシアンの表情に

火のような怒りが浮かんで来ました。

 

彼は、

皇帝には秘密がたくさんあることを

知っている。

一体、自分たちの皇子を連れて

何をしているのか。

自分たちの皇子を、

どこに連れて行ったのかと

怒りを抑えながら尋ねると

皇帝の後ろから殺伐とした気を感じ、

初めて視線を、

皇帝の後ろに向けました。

 

羨望の的の騎士のような姿で

皇帝に付いて回っている

ハンサムな騎士が

彼をじっと見つめていました。

目を合わせる時間が長くなるほど、

サーナット卿の雰囲気が

変わっていきました。

 

アクシアンは、

サーナット卿から感じられる

不気味な雰囲気に、一瞬、思わず

鞘から剣を抜くところでした。

しかし、そんなことをした瞬間、

手の施しようもないほど、

事が大きくなることを知っているので

アクシアンは全力を尽くして

服の裾を掴みました。

 

そうするうちに、皇帝が

突然、笑いを噴き出すと、

アクシアンは彼女を睨み、

何がおかしいのかと尋ねました。

ラティルは、

アクシアンは、クラインの側の

人間ではないと答えました。

アクシアンは、

それはどういうことかと尋ねました。

 

ラティルは、

アクシアンは

ヒュアツィンテの側の人間だ。

アクシアンがディジェットで見つけた

変な文字を書いた手帳のことを

アクシアンは

ヒュアツィンテの側の人間なので

クラインに話してもいないと

答えました。

 

ヒュアツィンテ皇帝の他に

誰も知らないことなのに、

なぜ皇帝が、それを知っているのか。

アクシアンの瞳が揺れました。

 

ラティルは、

それなのに、アクシアンは

クラインを

一番気遣うふりをするなんてと

ニッコリ笑いながら嘲ると、

アクシアンの自尊心が崩れました。

しかし、手帳の話を聞くと、

反論する言葉を

見つけることができませんでした。

 

それに、皇帝のあの表情。

口は笑っているのに

魂が消えるように

気まずく変わっていくあの瞳が

とても変だと思いました。

 

アクシアンは、

皇帝が、怪物たちから

何度もタリウムを救い、

他国のカリセンも助けてくれた

すごい人だということを

知っていました。

しかし、近くで見た皇帝、

クラインという一段階を経て

見る皇帝は、

好色でいたずらが多く、

たまにクラインと

幼稚な争いをしました。

アクシアンは、

クラインが皇帝に振り回されるのを

見ながらも、

クラインにとって皇帝は

初恋だからだと思っていました。

 

しかし、アクシアンは

自分が見ていたた皇帝は

「クラインの視線で見た皇帝」

であることに気づきました。

彼が消えた状態で、

まともに皇帝と単独面談してみると、

皇帝は言葉を交わせば交わすほど、

笑えば笑うほど、

どこかぞっとする人でした。

皇帝と目が合うと、

背筋に異様な恐怖が

じわじわと伝わって来ました。

裸で大きな虎の前に立った時のように、

原始的な、ある種の恐怖が

彼の精神を染め続けているような

感覚でした。

 

一体これは何なのだろうか。

アクシアンは、

自分でも知らないうちに

皇帝を見つめながら思いました。

クライン皇子は、

あの皇帝が怖くないのかと

戸惑いました。

◇騎士だから◇

ラティルはアクシアンが出て行くと

両手で自分の顔を覆い、

身を捩りながら、

訳もなく、八つ当たりしてしまった。

こんなことをしてはいけないのにと

自責しました。

 

サーナット卿は

ラティルの肩を軽く叩き、

長い間、一睡もできずにいるので

神経が尖ってしまうのも当然だと

慰めました。

 

ラティルは、

いつもサーナット卿は、

自分のことを良く言ってくれると

言うと、サーナット卿は

自分は皇帝の騎士だからと

ラティルのしわの寄った額を見ながら

返事をしました。

 

だから、自分は騎士の姿で

ラティルのそばにいようとしている。

側室は、

いくらラティルの役に立っても

このような瞬間、瞬間には

そばにいてやれないから。

例えば・・・と

サーナット卿は考えました。

◇ヘイレンの不満◇

数百枚の書類を前にしている

タッシールは、机の片隅に

小さなすき間を作って座り、

速いスピードで

手を動かしていました。

そして、ヘイレンが茶碗を持って来ると

ようやくタッシールはペンを下ろして

手首を擦りました。

ヘイレンはタッシールに近づき、

代わりに彼の手首を擦りながら、

大丈夫かと尋ねました。

タッシールは、

腕を除けば、自分は大丈夫だ。

皇帝の方が問題だと答えました。

 

ヘイレンは、

皇帝は人間の体ではないけれど

若頭は人間の体だと反論しました。

 

タッシールは、

ヘイレンが掴んでいない方の手で

お茶を飲みながら

くすくす笑いました。

ヘイレンは、

慎重にタッシールの手首を

擦りながら、

若頭が皇帝の2番目の子供の

父親かもしれないという

嬉しいことが起こったのに、

若頭は、それを知らせることもできず

喜ぶこともできないと不平を漏らして

ため息をつきました。

 

タッシールは、

サーナット卿を見てみるように。

誰も知らない方が良いと言うと、

ヘイレンは、

サーナット卿は本当に、

2番目の子供の

父親候補ではないのだろうかと

呟きました。

 

タッシールは、

皇帝が、そうではないと

言っているので違うだろうと、

本気かどうか分からない

笑みを浮かべて、

再び書類を引き寄せました。

 

クライン皇子のせいで、

若頭は皇帝と、

2人で楽しい時間も過ごせない。

しかし、消えた人のことを

こんなふうに考えてはいけないと

ヘイレンは喉元まで上がってきた不満を

理性でぐっと押さえて

飲み込みました。

◇杖の破片◇

その時刻、ゲスターは

いつものように、ラティルが

国政を見ている昼間、

ディジェットとアドマルの近くを

歩き回りながら、

一人でクラインの行方を

探していました。

そうしているうちにゲスターは

アドマルの境界石付近で

何かを発見し、腰を下げました。

 

ゲスターは地面から

鋭い木の破片を拾い上げ、

目を細めました。

それは、

白魔術の力に耐えられず

折れてしまった

白魔術師の杖の破片でした。

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ラティルは怖い存在で、

おそらく実母も、レアンも

彼女を怖がっている。

だから、レアンは、

ラティルを何とかしようと

思っているけれど、

ラティルの本質を知っている人は、

彼女のことを怖い存在だと

思っていないと思います。

 

今回、アクシアンは、

改めてラティルのことを怖いと思い、

クラインがラティルを

怖がっていないことを

不思議に思っているけれど、

クラインは、

一番最初にラティルと会った時に

彼女が泣いているのを見たので、

どんなにラティルに

厳しいこと言われたり

彼女に怒られても、

初めての会った時の印象が

強烈に残っていて、

ラティルがどんなに強がっていても

陰で泣くこともある

可愛い女性であることを

知っているからなのかもしれません。

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