自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 155話 外伝 2話 ネタバレ 原作 あらすじ リサの野望と最新流行のドレス

 

155話 外伝2話 ビョルンとエルナは歴訪に出発しました。

最新のクルーズ船が出航する日の

シュベリン港は、

歴訪に出発する大公夫妻を見物しようと

人々が集まったため

いつもより混雑していました。 

 

前の席を占めようとする騒ぎは、

大公家の馬車が姿を現した後、

ようやく落ち着きました。

 

護衛たちが、

秩序を守ろうとしている間に、

馬車の扉が開くと、

耳をつんざくような歓声が

一瞬にして港を覆いました。

 

リサは誇らしげな顔で

大公妃を見ました。

新しく作った淡いピンク色の

春ドレスを着たエルナは

誰が何と言おうと、

眩しいほどの美しさでした。

 

この淑女は、間違いなく

リサ・ブリルの傑作だと

世界中に大声で叫びたい気持ちを

抑えようと必死になったリサは、

小走りして、

大公夫妻の後を追いました。

 

熱烈に歓呼している人々は

大公妃にかじりつくことができなくて

イライラしていた時代のことは、

すっかり忘れてしまったようでした。

そして、最近、このレチェンで

最も愛されている王族が

シュベリン大公妃だと言っても

過言ではないはずでした。

 

リサは、

皆、本当にずるい。

どうすれば、このように

ずるくなれるのかと、

他の人に聞こえるように

声を張り上げて呟きながら

辺りをを見回しました。

誇りに満ちて

大公妃を称えていたメイドたちは、

ギョッとして口をつぐみました。

 

それで満足したリサは、

これで一歩退くことにしました。

一朝一夕に態度を変えた邪な口が、

けしからんと思いましたが、

何はともあれ、良いことでした。

 

もちろん、一番良い方法は

全員、クビにすることだろうけれど

エルナは、

たとえ自分を排斥したとはいえ、

それは、グレディス王女のことを

ろくに知らなかったことに

起因するものであり、何よりも

長い間、誠心誠意、

王子に仕えて来た人々を

罰したくはないと言いました。

 

フィツ夫人の前で、

その意思を伝えた日、エルナは

とても毅然とし、

穏やかな表情をしていました。

初めてシュベリン宮の

完全な女主人になったような

その姿を、リサは、

長い間、息を殺して見つめました。

 

そのため、リサは、 無条件で

エルナに従うことにしました。

たとえ、それが

間違った選択だとしても、

エルナは正しい。

ハルディ家で、

自分を迎えに来てくれた

エルナの手を握ったその瞬間から

リサにとって、それが真理で、

白髪のお婆さんになっても

その気持ちは変わらないと

確信することができました。

 

だからといって、

エルナのような包容力を

発揮できるわけではありませんでした。

クビにできないなら勝つ。

リサは一層鋭い目つきで

前を歩いているメイド長の後頭部を

睨みつけました。

 

エルナの意に逆らわない線で

復讐する方法について、

激しく悩んだ末、リサは、

野望のはしごを着実に登って、

あの座を奪い取ると誓いました。

そうすることで、

こみ上げてきた怒りも収まりました。

 

鋭い視線を感じたカレンが

振り向くと、リサは、

そっと視線を避けました。

本来、大きな狩りに出た猛獣は、

適切な時が来るまで

身を隠すものでした。

 

リサが、大公邸のメイド長になった

バラ色の未来を描いている間に

使節団の乗船が完了しました。

 

慌てて気を引き締めたリサは、

素早くエルナの後を追いました。

船長と、短く談笑した大公夫婦は、

見送りに出てきた人々に挨拶をするため

甲板の端に立ちました。

エルナは笑顔で、

見物人たちに手を振りました。

 

時々、緊張しながら息を吸う時、

王子は妻の方に体を傾けて

耳打ちしました。

何を話しているのか分からないけれど

エルナが笑うのを見れば、

王子が夫の役割を

立派に果たしていると判断しても

差し支えないようでした。

 

これくらいなら悪くないスタートだと

安心したリサは、

満足そうな笑みを浮かべながら

胸をなでおろしましたが、

よりによって、その時、

後ろを振り返った王子は、

狂人でも見たかのように

リサをチラッと見た後、

悠々と甲板の向こうに

遠ざかって行きました。

 

しかし、その気分の悪い目つきも

リサの満面の笑みを

消すことはできませんでした。

王子は依然として、妻を

壊れやすい宝物のように

扱っていたからでした。

 

リサは、

ピクピクする口元に力を入れて、

大公夫妻の後を追いました。

 

日差しの中で煌めく

王子のステッキを

チラッと見たリサの目は、

自信満々で余裕がありました。

あれくらいのステッキなんて

どうでもいいと思いました。

エルナは悩んだ末に、

もしかして愛ではないかと、

慎重に推測しました。

テーブルの向かいに座っている

ビョルンは、眉を顰めて、

そんなはずがないと返事をしました。

 

しかし、そうでなければ

説明がつかないと、

未練を捨て切れないエルナが

反論している間に、

おおよその荷物の整理を終えた

使用人たちが退きました。

 

ビョルンは、

あの面白くもない王太子が、

愛のために、

こんな反乱を起こしたのかと

尋ねると、習慣的に開けた

葉巻の箱の蓋を閉めて失笑しました。

 

昨夜、レオニードが、何の予告もなく、

突然、シュベリン宮を訪れました。

彼は、使節団を見送りに行く約束を

守ることができなくなったので

事前に挨拶をしに来たと話しました。

 

レオニード・デナイスタは

気が狂った。

急襲するかのように訪ねて来て

慌てて去る彼を見たビョルンが

下すことのできる結論は

それだけでした。

 

しかし、王太子の頭が、

どうかなってしまったのではないかと

真剣に心配する代わりに、

今は理解できるような気がしました。

しかし愛だなんて、ビョルンは、

改めて考え直してみましたが、

そのとんでもない仮定を打ち消して

軽く腕を組みました。

あの真面目一方な彼が

愛の熱病を患い、

間抜けになってしまうなんて

想像すらできませんでした。

 

理由は分からないけれど、

少なくとも愛ではないと、

ビョルンは不機嫌そうな口調で

断言しました。

そして、帰国したら、拷問をしてでも

その理由を突き止めるという

約束をしている間に、

渋々、納得したエルナが席を立ちました。

またクルーズ船に乗ったら、

やってみようと計画した数多くのことを

そろそろ、

始めようとしているようでした。

 

そして、時計を確認したエルナは

ビョルンに、

少し休むように。昨日の夜遅くまで、

銀行の仕事をしていたからと

意外なことを言いました。

 

今回は喜んで、

善意を尽くす覚悟をしていたビョルンは

思わず眉を顰めました。

ビョルンは「あなたは?」と尋ねると、

エルナは、

昼食会に出席するつもりだ。

ロッショー家もこの船に乗っていて

伯爵夫人に昼食を誘われたので

約束したと答えました。

明るく笑うエルナの顔のどこにも

残念がる気配は見られませんでした。

「ああ、ロッショーさん」と

ビョルンは、

聞き慣れた名前を繰り返して

頷きました。

 

エルナは、

シュベリン宮の女主人の役割に

次第に自信がつき始めると、

社交界にも足を広げて行きました。

 

いつも気後れして、怯えていて

すらすら覚えた前世紀の礼法書に

頼っていた、あの未熟な田舎者とは

ずいぶん変わった姿でした。

だからといって、

この内向的な淑女が、一夜にして

社交界の女王に

生まれ変わったわけではないけれど

目を見張るほどの成果であることは

明らかでした。

 

クララ・ロッショーは、

最近、最も親しくしている友人で、

あの気難しいフィツ夫人も喜ぶほど

評判の良い名家の女主人でした。

 

エルナは、「行ってきます」と

手を振りながら、

急いで船室を出ました。

まるで待ちに待った遠足に

出かける子供のような姿でした。

 

応接室の扉が閉まると、

ビョルンはジャケットを脱ぎ、

ソファーにだるい体を横たえると、

失笑しました。

思いもよらなかった状況に

少し呆れたけれど、

とにかく甘い休息を得たので、

それでいい。

これくらいなら、

なかなかいい旅のスタートを切ったと

結論を出して、目を閉じました。

きっとそうでした。

エルナは以前のように夫に頼らず、

そのおかげでビョルンは、

自分の仕事にだけ没頭し、

ゆったりとした航海を

楽しむことができました。

まるで、今日のように、

時には、退屈とさえ思うほどでした。

 

使節団との会議を終えて

帰って来たビョルンは、

「エルナは?」と

習慣になっている質問をして

船室に入りました。

妃殿下は寝室にいると、

息を整えたメイド長は

急いで答えました。

 

予想外の答えに

ビョルンは立ち止まりました。

そろそろ、イライラして来た

ロッショーという名前を

聞かなかっただけでも

海の上の1日が、

2倍は美しくなった気分でした。

 

ビョルンは、

一段と颯爽とした足取りで

エルナの寝室に向かいました。

この船に同乗している

フェリアの実業家を

紹介してもらうことになっている

紳士たちの集会までは、

まだ1時間余り残っていました。

そのため、

妻と甲板を散歩する程度の余裕は

あるはずだし、

それより、もう少し面白いことに

邁進するのも悪くないだろうと

思いました。

 

儀礼的なノックをして扉を開けると

「ビョルン!」と

エルナの嬉しそうな声が

聞こえて来ました。

エルナは化粧台の前に座り、

着飾ったばかりの姿で

化粧台に座っていました。

顔色を窺っていたメイドたちが退くと、

ビョルンは大股で寝室を横切り

妻に近づきました。

 

胸と肩の半分が露出している

華やかなイブニングドレスは、

どう見ても、エルナの好みとは

かけ離れていました。

穴が開くほど、

白い胸と首筋をじっくりと

見つめたビョルンは、穏やかな眼差しで

エルナに向き合いました。

 

最新の流行を取り入れて作った

ドレスだけれど、大丈夫かと

もじもじしながら尋ねるエルナの頬は

ドレスのフリルのような

ピンク色をしていました。

 

ビョルンは特に悩むこともなく

首を傾げました。

あまり喜ばしい流行ではないけれど、

彼の妃は美しかったからでした。

 

パーティーに参加するのかと

尋ねたビョルンは視線を落とし、

エルナの首にかけられた

華麗なネックレスを見ました。

青く輝くダイヤモンドのネックレス。

彼が妻の最初の誕生日にプレゼントした

まさにその宝石でした。

エルナは、

「はい、そうなりました」と

明るい笑顔で頷きました。

 

ビョルンは、

聞いていないことのようだと尋ねると

待機中のリサを一瞥した後、

再び妻に目を向けました。

 

エルナは、

突然、招待を受けることになった。

ビョルンは忙しいので、

自分1人で出席すると

返事を送っておいたと答えました。

 

ビョルンが

「ロッショー伯爵夫人?」と尋ねると、

エルナは、それを否定し、

このパーティーの主催者は

数日前に甲板で会った

ウィンフィールド氏であると、

予定になかったパーティー

参加することになった理由について、

きちんと説明しました。

 

ロッショー家と親交のある

新大陸の家門が縁の船上パーティー

レチェンの王族を

その場に奉りたいという彼らの願い。

その懇請を代わりに伝えた

出しゃばりな伯爵夫人と気弱な大公妃。

 

その退屈な話が終わると6時を知らせる

鐘の音が聞こえて来ました。

「もう行かなければ」と、

エルナは驚いて立ち上がりました。

スツールに置かれている

レースのショールに手を伸ばすと、

素早く近づいてきた地獄の門番が

こんなにきれいなドレスを隠すなんて

ダメだと檄を飛ばすと

後から付いて来たメイドたちも

一言ずつ、口出ししました。

まるで小さな鳥たちが集まって

さえずっているような光景を、

ビョルンは、

一歩退いたところで見守りました。

流行がそうであれば

容認できないことはないけれど

クビにすべき者が

ぐっと増えたような気がしました。

 

エルナは

「行ってきます、ビョルン」と

挨拶をすると、

今日もひらひら、花びらのような手を

振って見せた後、立ち去りました。

 

結局、手に入れられなかった

レースショールと共に残された

ビョルンの唇から

虚しい笑いが漏れました。

まあ、それでも悪いことはないと

明瞭な結論を下し、

妻の寝室を後にしました。

それから、船室付きの甲板に出て、

葉巻を一本吸っている間に

海の向こうの空が

バラ色に染まりました。

 

「ウィンフィールド」

ビョルンは、突然思い出した名前を

煙と共に口から吐きました。

その中年の実業家は

上品な男でしたが、

エルナと挨拶を交わした時には

まるで青二才の少年のような

体たらくでした。

 

本当に美しいと、

真っ赤になった顔で、

どうしていいか分からず、

どもりながら告げた、その賛辞は、

形式的な挨拶のようには

聞こえませんでした。

きちんと覚えていないのに

気分が悪くなりました。

 

ビョルンは葉巻の半分を

灰皿に投げ込んで振り向きました。

ちょうどやって来た侍従が、

集会に出席する準備を

しなければならない時であることを

知らせてくれました。

ビョルンは快く頷くと

足を踏み出しました。

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メイド長になるというリサの野望。

エルナのお気に入りのリサなら

可能かもしれないけれど、

まだ、リサをクビにすることを

ビョルンは諦めていないようなので

前途多難かも。

けれども、リサが

自分とエルナの邪魔をしたり

余計なおせっかいをしなければ

リサをクビにしようとは

思わなくなるかもしれません。

 

面白くもなく、真面目一方の

レオニードが愛の熱病を患い、

間抜けになることが信じられないと

ビョルンは思っているけれど、

レオニードもデナイスタの男なので

その可能性は大ではないかと。

お金を儲けることに勢力を注ぎ、

世の中を皮肉な目で見つめていた

ビョルンでさえ愛に狂って、

以前の彼からは想像もできないような

行動をしたのですから。

エルナは、それを分かっているから

もしかして、レオニードもと

思ったのではないかと思います。

 

以前のようにエルナが

ビョルンべったりでなくなったことに

彼は、絶対にがっかりしていると

思います。

 

アルセンのおばあさまは登場しませんが

恋に狂っている孫たちを見て

ほくそ笑んでいるような気がします。

 

いつも、たくさんのコメントを

ありがとうございます。

また、私の体のことまで

お気遣いいただき、

ありがとうございます。

皆様からのコメントと差し入れを

励みに、頑張ります。

 

それでは、次回は

金曜日に更新いたします。

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