自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 895話 外伝4話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 優しくてハンサムだから

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895話 外伝4話 議長はアリタルに腹を立てました。

◇頼もしい手◇

その夜、ラティルが眠っていた時、

アリタルは議長を

追い回していませんでした。

 

アリタルの目の前に

誰かの頭が飛んでいました。

 

これは何だ!

 

ラティルは、誰にも聞こえていない

悲鳴を上げました。

しかし、ラティルが

悲鳴を上げている間も、

手は自然に動いていました。

アリタルが剣を持った手を

華麗に動かすたびに、誰かの頭が

放物線を描きながら

飛んで行きました。

 

ラティルは、

頭が10個ほど飛んだ後になって、

それらが、ゾンビであることに

気づきました。

 

次第に周りも見回せるようになると

アリタルだけでなく、

神官と兵士たちも、

それぞれ武器を持って

ゾンビの群れと戦っていました。

 

ギルゴールは、

もう少し離れた所にいるのか

姿が見えませんでした。

 

こんなに、たくさん

ゾンビがいるなんて。

 

ラティルは、

四方から舌打ちする音が

聞こえて来るので、

ギョッとしました。

 

しかし、

敵の数が多いにもかかわらず、

意外と神官たちは、しっかり防御を

行っているように見えました。

 

怪物が頻繁に現れるので、

訓練が行き届いている。

鎧が隙間なく体のあちこちを

覆っている。

不便で重そうに見えるけれど、

あのようにすれば、

ゾンビに感染する確率は

確実に低くなりそうだと

ラティルは考えました。

 

そして、

自分より背が1.5倍は高いゾンビを

最後に斬った後、

アリタルは顔に付いた

ベタベタする液体を拭いました。

ラティルは、アリタルの剣先が

地面に向かって下がっているような

気がしました。

 

戦いに勝ったのかな?

議長とは?

あの時、議長が怒って終わりなの?

 

と疑問に思っている最中、

アリタルの視線が、

とてもハンサムだけれど、

生気が全くなく、

頭がぼさぼさな男に固定されました。

歩き方から見て

ゾンビではなかったけれど、

ゾンビたちと戦うことはなく、

だからと言って

ゾンビに襲われもしない男は

一人だけ、異質に見えました。

 

それでもラティルは、あの男が、

ただのハンサムで臆病な

古代のホームレスだと

思っていましたが、アリタルは、

そうではありませんでした。

 

あれがそうだ。

 

アリタルは男を見ると、

何かを思い出したように呟き、

再び力を入れて、

垂らしていた剣を握りました。

 

近寄よろうとした神官に、

どこへ行くのかと聞かれましたが、

アリタルは「シーッ」と言うと

アリタルは、

密かに男の後を追いました。

 

男は争いを避けて

家と家の間の狭い路地に入りましたが

アリタルは

そこまでついて行きました。

アリタルは、角を曲がるや否や、

男が消えるかと思っていましたが

彼は、とても大きな鉄のようなものを

持って振り回しました。

 

アリタルは剣で攻撃を防ぎましたが、

後ろに2、3歩後退しました。

ラティルは、その男の手首に

足枷があることに気づきました。

男は、それを武器のように

振り回していました。

 

足枷?足枷!

あれが追放されたガルムだ!

 

ラティルは、追放されたガルムと戦う

アリタルの動きを

集中して観察しました。

 

会議の時に、ある老神官が

追放されたガルムは、他の怪物ほど

神聖力に影響されないと

言っていましたが、

その言葉が本当のようでした。

アリタルは追放されたガルムを

この前見た神聖力で、

一撃で倒すことができず、

剣で攻撃していました。

 

ところが、怪物とアリタルの攻撃が

大きく一度大きくぶつかった瞬間、

アリタルの視線が

怪物の肩越しに見える光景を

捉えました。

口元に引き裂かれた肉を付けた

恐ろしい姿のゾンビが

逃げる人を捕まえて

口を大きく開けていました。

 

アリタルは、

追放されたガルムの攻撃を

防ぐ代わりに、

そちらに剣を投げました。

剣はゾンビを通り抜けて

壁に突き刺さりました。

 

ゾンビに襲われた人が

無事に逃げたかどうかは

確認できませんでした。

そこまで見るや否や、

アリタルが肩に強い衝撃を受け、

後ろに飛ばされたからでした。

ラティルとアリタルは

同時に悲鳴を上げ、

アリタルの視界は

グラグラと激しく揺れました。

 

ガルムがアリタルに向かって

再び足枷を振る影が

地面に映りました。

その瞬間、

何かがガルムの心臓付近を突き抜けて

アリタルから離れている地面に

突き刺さりました。槍でした。

 

ガルムは獣のような声を上げて

逃げました。

それと同時に「大丈夫?」と

頭の上から

心配に満ちた声が聞こえて来ました。

まもなくアリタルに向かって

大きくて頼もしい手が

差し出されました。

◇距離を置こう◇

画面が変わり、

アリタルは自分の脱いだ上着

握りしめていました。

 

うわぁ!

 

ラティルはびっくりし、

肩に感じるヒリヒリする痛みに

さらに仰天しました。

アリタルも痛そうに眉を顰め、

ギルゴールに優しくしてと言うと、

手を後ろに回して、

彼をパチパチ叩きました。

ギルゴールは、むっとした声で、

神聖力で治療すれば

痛くないはずなのにと抗議しました。

アリタルは怪我をしたけれど、

神聖力の治療を拒否して

ギルゴールに治療を

頼んだようでした。

 

なぜ、あえてそうしたのか。

ラティルは理解できませんでしたが

それ以後の2人の会話を

さらに聞いてみると、ギルゴールも

理解できないようでした。

 

治療が終わると、

アリタルは脱いでおいた上着を羽織り

消毒薬の匂いがきついと言って

鼻をつまみました。

ギルゴールは、

 

はい。だから次からは

自分で治療しましょう大神官様。

 

と言うと、消毒薬に濡れた綿と

鉄製の鉗子を手に取り、

ベッドから立ち上がりました。

 

アリタルは、

全身を投げ出してぶら下がるように

彼の腰を抱きました。

ギルゴールは彼女をつかんで

「危ない」と注意すると、

アリタルはへへへと笑いながら、

ギルゴールのお腹に

頭を擦り付けました。

そして、

 

すねてはいないよね?

 

と尋ねると、ギルゴールは、

そのような姿勢でいれば

背骨が抜けると言いました。

アリタルは、

 

誰の背骨?

 

と尋ねると、ギルゴールは、

二人ともと答えました。

 

アリタルが笑っている間、

ラティルは

虚しさを感じました。

今のギルゴールは

ラティルが腰をつかんで

ぶら下がれば、

逆にラティルを持ち上げて、

何をしているのかと

聞くだろうと思いました。

もちろん落とすことなく

安全に自分を

びっくり返してくれるけれど。

 

治療道具を持って外に出た

ギルゴールは、

その後、果物を入れた皿を

持って来ました。

アリタルは

ベッドにうつ伏せにになって、

ギルゴールが一つ一つ取ってくれる

果物を口を開けて食べながら 

神聖力で治療しなければ

こういうのがあっていい。

仮病を使っても、ギルゴールは

仮病であることが

分からないからと考えました。

 

以後もアリタルとギルゴールは

イチャイチャしながら、

二人きりの楽しい時間を

過ごしましたが、

そのうち、自然に

議長に関する話が出てきました。

 

アリタルは、

自分が出会った、あの善良な怪物が

追放されたガルムだと思い

神聖力を試してみようと思ったけれど

全く違ったと呟きました。

 

ギルゴールは、

そういう時もあると

アリタルを宥めました。

しかし、彼女は、

自分が彼を試そうとしていることに

彼は気づいて誤解したようで、

かなり気分を悪くしたようだ。

普段から、

よく神経質になるけれど、

今回みたいに、

ひどく怒るのを見たのは初めてだと

話しました。

 

ギルゴールは、

うちの大神官様の気分は

大丈夫かと尋ねました。

アリタルは、

とても申し訳ないことをした。

傷ついたように見えたと、

ため息をつきながら話すと

ギルゴールは肩をすくめ、

彼にはすまないことをしたけれど

今回のことがなくても、

彼には怪しいところがあった。

これを機会に距離を置こうと 

助言しました。

アリタルは躊躇いながら

頷きました。

◇怪物ではない◇

しかし、場面が変わった時、

アリタルは

議長の周りをうろついていました。

彼はアリタルが来たことに気づいて

一度、目を上げましたが、

その後は目もくれませんでした。

 

怪我をした動物たちの

世話をしながらも、

どれほど彼は冷たかったことか。

治療を受けていた鹿が

目を見開いて、

議長を警戒するほどでした。

 

議長は、

夜になるまでそうしていて、

アリタルが、あっけなく

彼に背を向ける頃、

後ろから彼女を呼びました。

アリタルは、すぐに議長の前に

走って行きました。

始終無視されていても

寂しがる気配さえありませんでした。

怒ろうとした議長の表情は、

アリタルの浮かれた表情に

怒ることも笑うこともできない

曖昧な状態に変わってしまいました。

 

彼はしばらくその状態で

アリタルを見つめていましたが

目を一度ギュッと閉じて、開きながら

自分に言いたいことでもあるのかと

尋ねました。

 

アリタルは

 

ごめんなさい。

 

と謝りました。

アリタルが謝るとは思わなかったのか

議長は素早く瞬きしました。

すぐに、しかめっ面に戻りましたが、

ラティルの目には1秒間に10回は

瞬きしたように見えました。

 

アリタルは、

本当に申し訳なかった。

自分はあなたが

追放されたガルムだと思った。

今、神殿では、

その問題で頭を痛めているけれど

追放されたガルムが

すごくハンサムだと聞いて、

あなたを思い出した。

決して君を傷つけようとして

親しくなったのではない。

自分はただ、

あなたが優しくてハンサムだから

親しくなりたかった。信じて欲しいと、

少し話を濾過しても

いいのではないかというくらい

アリタルの率直な告白に

議長は目を閉じて

額を手でこすりました。

 

その後、アリタルは、

 

もう行くよ。 ごめんね。

 

と再び謝罪し、背を向けました。

 

しかし、議長は

アリタルが一歩踏み出す前に

ちょっと待ってと

アリタルを呼びました。

彼女が立ち止まると、

議長はそばに近づき、

初めてアリタルと向き合いました。

 

そして、議長は

アリタルと目を合わせながら

その話をしに来たのか。

自分が怒って、大神官を攻撃したら

どうするつもりなのかと尋ねました。

 

アリタルは、

防御すると答えました。

議長は、

自分の命を奪うのかと尋ねました。

アリタルは、否定し、

あなたは優しい怪物だ。

あなたは、いつも

怪我をした動物と魚と植物の

面倒を見ているだけなのに、

あなたを傷つけるわけがないと

答えました。

 

議長はアリタルに

傷つける能力があるのではないかと

言いました。

アリタルは、

試したくないと答えました。

 

議長は顎を少し上げ、目を細めて

アリタルを見下ろしました。

ラティルが見たところ、

議長のアリタルに対する評価が

少し変わったようでした。

 

議長は、

全般的に人間たちは皆、

最低だけれど、身分が高くなるほど

その最低度が急激に上昇する。

しかし、大神官は

頂上近くにいるのに、

最悪ではなさそうだと言いました。

 

アリタルは、

自分の性格がいいという話を

たまに聞いたりする。

たぶん自分が大神官だからだろうと

返事をしました。

議長は、

アリタルが謙遜することについて、

はっきり知らないようだと

皮肉を言いました。

アリタルは

 

何ですって?

 

と聞き返すと、議長は

顎をもう少し高く上げて

アリタルを見るのかと思ったら、

草一本を根こそぎ抜きました。

 

驚くべきことに、彼が抜いた草は

小さな木のように変わり、

すぐに花が咲き乱れました。

議長はその小さな木を

アリタルに渡すと、

人間たちは和解をする時に

贈り物をすると聞いている。

これは大神官への贈り物だ。

素焼きの鉢に植えて、

水さえ、きちんと与えれば

ずっと花を咲かせているはずだと

説明しました。

 

アリタルは

議長と木を交互に見ると、

ニッコリ笑ってお礼を言いました。

 

それから、議長は、

アリタルが自分のことを

怪物と呼ぶけれど、

自分は怪物ではないと否定しました。

アリタルは、

それでは何なのかと尋ねましたが

議長は答えたくないのか、

しばらく躊躇いました。

 

彼が、どれだけの時間、

返事を避けたのか、

その間に風が何度も吹いて来て

髪の毛が乱れました。

彼は、しばらくして

自分はエルフだと教えてくれました。

◇エルフ◇

画面が変わった時、

ギルゴールは湖の畔にいました。

アリタルは、

少し膝を曲げた彼が湖水に手を浸して

水を搔いている間、興奮しながら

その後ろ姿を眺めました。

彼女は誰かを待っていましたが、

ラティルは、

その豊かな感情を感じるだけで、

アリタルが誰を待っているのかは

分かりませんでした。

 

そして、ついに後ろから

「大神官」と声が聞こえて来ると、

ラティルは、

彼女が誰を待っていたのか

分かりました。

これは議長の声でした。

 

聞き慣れない声に

ギルゴールは遊ぶのを止め、

曲げていた膝を伸ばして

振り返りました。

自分の正体を明らかにしたせいか

それともわざと今日に限って

気を使って着たのか、

議長は本当に

エルフのような身なりでした。

 

歩いて来た議長は

アリタルのそばに立って、

ギルゴールを見つめました。

彼は眉を顰めて

議長に近づいて来ました。

 

この人はエルフだって!

 

ギルゴールが近づくと、

アリタルは議長と肩を組み、

自慢するように話しました。

元気だった時代のギルゴールが

初めて不親切で敵対的な目で

議長を上から下まで

ジロジロ見ました。

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ギルゴールに

優しく介抱してもらいたくて

わざと神聖力で怪我の治療をしない

アリタルが可愛いと思いました。

 

ラティルのイケメン好きは、

アリタルの性質を

受け継いでいるのかも。

 

何話だったか覚えていませんが

ギルゴールは、アリタルが

議長を紹介していた時のことを

回想していましたが、

ようやく、ここで

伏線回収となりました。

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