自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

泣いてみろ、乞うてもいい 2話 ネタバレ 原作 あらすじ マンガ 3、4話 公爵との出会い

 

2話 ヘルハルト公爵家のマティアスが帰って来ました。

 

アルビスで夏を過ごす

親戚たちの訪問。 社交会。

来月出航する貿易船の保険問題。

 

窓の外を凝視する

マティアスのそばで、

ヘッセンは家門の懸案を

じっくり報告しました。

マティアスは短い返事と頷くことで

話を聞いていることを示しました。

 

事業に関わる仕事は会社の理事。

家門の仕事は

二人の女主人が管轄していましたが、

決定権はあくまで

ヘルハルト公爵にあり、

マティアスは12歳の時から

すでにその地位に就いていました。

 

領地に続く

プラタナスの道に入る頃になると、

ヘッセンの報告も終わりました。

マティアスは

見慣れた風景を眺めました。

 

領地に入ると、濃い青色の屋根の

白い邸宅が、その姿を現しました。

玄関には家の主人を出迎えるために

母と祖母が立っていました。

 

馬車が止まり、扉が開くと

公爵家の老婦人

カタリナ・フォン・ヘルハルトは

明るい笑顔で孫を迎えました。

マティアスは頭を下げて

祖母のキスを受け入れました。

 

後ろに立っていた

エリーゼ・フォン・ヘルハルトは、

もう少し淡々とした態度を

取りました。

随分、背が伸びたと言うと

彼女は笑いながら、

軽い抱擁で息子を迎えました。

マティアスは

それに見合った笑顔で

返事をしました。

列をなして待機中だった

使用人たちと交わした挨拶も

大きく変わりませんでした。

 

祖母と母の間に立ったマティアスは

先頭に立って

ロビーのホールを横切りました。

階段を上がる前に

ふと頭を上げると、

巨大なシャンデリアと

その向こうの遥かに高い天井を

飾っている、ヘルハルト家の紋章が

目に入りました。

 

彼はヘルハルト。

それは冷徹な知性と優雅な品位、

超然とした性格の

もう一つの名前でもあり、

彼は、そのヘルハルト公爵である

自分の人生に、

不満や疑いを持つことは

ありませんでした。

彼は自分が生きるべき人生の形を

よく知っていて、

喜んでその人生を受け入れました。

それは呼吸をするように当たり前で

簡単なことでした。

視線を落としたマティアスは

階段を上りました。

主人一家が邸宅の中に入ると、

使用人たちは、

初めてまともに息を吐きました。

 

ヘルハルト公爵が帰ってくる日は

末端の使用人も含めて

すべてが完璧でなければならず、

彼らは、義務的に身だしなみを

整えなければなりませんでした。

レイラも例外ではありませんでした。

 

群れの一番端に立っていたレイラは、

もう公爵は入ってしまったのかと

やや、がっかりした声で囁きました。

ビルは、

ヘルハルト公爵なら、森で思う存分

会うことになるだろうから、

許可はその時に

求めなければならないと

つっけんどんに返事をし、

先頭に立って歩き始めました。

 

レイラは、

公爵も森が好きなのかと尋ねました。

ビルは、

狩りが好きだからと答えました。

レイラは目を丸くして、

森で狩りをするのかと尋ねました。

ビルは鼻で笑いながら

あの森は、この家門の猟場だから

当然のことだと答えました。

 

レイラは、

鳥も捕まえるのかと尋ねました。

ビルは、

おそらく公爵は鳥を捕まえるのが

一番好きだと答えましたが、

レイラは真っ青になって

立ち止まりました。

 

後になって、

その理由に気づいたビルは、

きまりが悪くなり咳払いをしました。

適当な嘘で、

なだめてみようかと思いましたが、

どうせ公爵は、数日以内に

猟場に姿を現すし、

やたらと子供を安心させたところで

より大きなショックを

受けるかもしれませんでした。

 

ビルは、

公爵が銃を撃つのを見たら

レイラも驚く。

公爵は年が若いけれど名射手だと

ぶつぶつ言いました。

しかし、レイラは

すでに泣きべそをかいていました。

 

レイラは、

狩りをしなくても

屋敷には食べ物がたくさんあるのに

なぜ鳥を捕まえるのかと尋ねました。

ビルは、

貴族たちにとって

狩りは楽しいだろうし、

鳥はその中でも

一番興味深い標的だと

真剣に話していたところで、

またもや、しまったと思いました。

レイラはショックを受けた顔で

目を瞬かせました。

 

ビルはカッとなって

どうして無駄に鳥が好きなんだと

今にも叫びそうになりました。

なぜ、

このようなことを一つ一つ説明し、

レイラの顔色を

窺かわなければならないのか

分かりませんでしたが、

もう一言、口にしたら、

レイラが泣き出しそうなので

結局、ビルは

何も言えませんでした。

あの子が泣く姿は

見たくありませんでした。

 

ビルが再び歩き出すと

肩を落とした子供は、

力のない足取りで

彼の後を追いました。

 

しばらく黙っていたレイラは

公爵が、狩りを

嫌がるようになったらいい。

もしかしたら、

そうなるかもしれないと

切実な願いを込めた目で

ビルを見上げて、慎重に話しました。

ビルは、何も言えませんでした。

公爵が帰って来てから

1週間が過ぎても、

彼は狩場を訪れませんでした。

多くの客が邸宅に集まっているので、

それも当然のことでしたが

レイラは、自分の祈りが

叶ったのかもしれないと思いました。

 

夏が少し深まると、

親鳥が抱いていた卵から

ヒナが孵化し、

蕾だった野バラが満開になりました。

レイラは、その小さな変化を

嬉しそうに見ながら、

夏の森を歩きました。

 

今日も浮かれて小屋を出る

レイラの背中に向かって、

あまり遠くへ行くなと

ビルは声を張り上げて叫びました。

レイラは、

川まで行って来ると返事をすると

両手を大きく振りました。

 

最初、レイラは

先日、孵化した

シジュウカラの巣がある

木の上を見ました。

小鳥たちが餌を探しに行った

親鳥を待っていました。

 

急いで木から降りたレイラは

今日見た小鳥たちの姿を記録し

絵も描き入れました。 

 

レイラは最近、

森で見たすべてのものを

ノートに書いておきました。

この領地は、今までレイラが

滞在したどんな所より

美しかったので、

全部覚えておきたかったのでした。

ここからも

去らなければならない日が来たら、

ノートを開いてみよう。

そんな考えをすると

悲しみが薄れました。 

 

きれいな色の花びら数枚を

ノートの間に挟んで、

野いちごも摘んで食べました。

川に着いた時は、

太陽が頭上に上っていました。

 

レイラは、

森と川の境界に立っている

木に登りました。

そして、レイラが

ちょうどノートを聞いた時、

かすかな馬の蹄の音が

聞こえ始めました。

レイラは急いでノートを

かばんの奥へ詰め込みました。

その間に、馬の走る音が

さらに近づいて来ました。

 

怯えたレイラは

木を抱きしめたまま

息を殺しました。

しばらくして、一人の男を乗せた

馬1頭が現れましたが、

よりによって、

レイラが登っている木の下に

馬を止めました。

木から降りなければならないと

思いましたが、見知らぬ男が

すでに木に寄りかかっていました。

 

何と言って、彼に了解を

求めなければならないのか分からず

レイラは慌てました。

 

男は帽子を脱ぎました。

それと同時に、

レイラのカバンが、

木の枝にぶつかりました。

反射的に振り返った男が頭を上げ、

レイラは彼を見ました。

青い瞳が、まるで

透明なガラス玉のようだと思った時、

彼はレイラに銃を向けていました。

レイラは、そのまま凍りつき、

木だけをギュッと抱きしめました。

全身がブルブル震えていました。

 

レイラをじっと見ていた男は、

ゆっくりとため息をつきながら

猟銃を下ろしました。

そして「何だ、お前」と

低い声がしました。

レイラは辛うじて声を絞り出し、

泣きそうになりながら

「レイラです」と答えました。

男は「え?」と聞き返しました。

レイラは、指先が痛くなるほど

木を強く抱きしめて、

レイラ・ルウェリンですと

告げました。

息が切れるほど、

ビルを探すレイラの声が

響き渡りました。

ビルは戸惑いながら、

そちらへ顔を向けました。

レイラが真っ赤な顔で、

夢中で彼に向かって

走って来ていました。

どうしたのかと尋ねるビルに

レイラは、

森の中に背の高い男がいたと、

答えました。

ビルは、

狩りに来た公爵に会ったんだと

軽く返事をしました。

 

レイラは、

髪の毛が黒くて瞳は真っ青で、

声がまるで水鳥の羽のようだったと

説明すると、ビルは、

間違いなくヘルハルト公爵だと言って

クスクス笑いました。

レイラは息を切らしながら、

しばらくその場に立っていました。

 

しばらく

レイラをじっと見つめていた

きれいで怖い男は、

何も言わずに背を向けました。

彼が再び馬に乗っている間、

同行者らしき男2人が

さらに現れました。

彼らと合流した男は、

もう少し森の奥へ

遠ざかって行きました。

 

彼らが見えなくなると、

レイラは木から降りて、

この小屋に逃げて来ました。

 

「すると公爵様が・・・」と

レイラが何か言おうとした瞬間、

銃声が鳴り響きました。

 

レイラはびっくりして、

音が聞こえて来た方向に

顔を向けました。

森の向こうから驚いた鳥たちが

一斉に飛び立ち、

そのうちの1羽が

木の間から姿を消しました。

銃声はさらに数発続きました。

 

レイラは凍りついたまま、

ぼんやりと森の向こうだけを

見つめていました。

ビルは震える子供の肩に

そっと手を置きました。

 

レイラは、しばらくして

ようやく顔を上げました。

子供が泣いていたので、

ビルは思わず息を止めました。

 

レイラはヘルハルト公爵を

美しい鳥たちの虐殺者と

名づけることにしました、

あくまで、レイラ一人の見解に

過ぎませんでしたが。

 

この領地の誰もが、ビルでさえ、

彼を完璧な貴族だと称賛しました。

後継者としての卓越した資質と品位。

そして控えめで優雅な態度を備えた

マティアスを、人々は心から大切にし、

愛しているようでした。

 

彼が狩りに行った日以来、

シジュウカラの母鳥が消えました。

母を失った、か弱い小鳥たちも皆

死んでしまいました。

その他にも

無数の鳥が消えました。

 

公爵は、なぜ小さくて

美しい鳥だけを狩るのだろうか?

彼にとって、鳥は生きて動く的。

小さければ小さいほど

狙うのが難しいので興味深い。

その上、彼は命中させた獲物さえ

見向きもしませんでした。

彼が狩りに行った日、

レイラは血まみれになって

冷たくなっている多くの鳥を探して

埋めなければなりませんでした。

そして、遠くから

また銃声が響きました。

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父親が早くに亡くなったために

マティアスは12歳で

爵位を継いだのでしょうけれど

その年で事業の決定権を持つなんて

驚きでした。

おそらく幼い頃から

領主になるための教育を

受けて来たでしょうし、

周りからサポートを受けられたので

領主としての務めを

果たせたのでしょうけれど、

こんなことをしていたら、

血の通わない人間になっても

仕方がないのかなと思います。

死んでしまった鳥たちを埋める

レイラが可哀そうすぎます。

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