自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 929話 外伝 38話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 皇女ラティルの責任ではない

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929話 外伝38話 皇女ラティルはタッシールに上着を脱いでと指示しましたが・・・

◇嫌ではない◇

タッシールは、簡単に

上着を脱ぎませんでした。

皇女ラティルは、タッシールが

恥ずかしがっていると思って

横を向くと、

「分かった。 こうしている。

恥ずかしがり屋さん」と言いました。

 

タッシールは、

自分が恥ずかしがり屋なのではなく

殿下が恥ずかしがり屋なのだと

呟くと、

片手でボタンを外し始めました。

 

皇女ラティルは地面を見つめたまま、

自分は幼い頃から

騎士たちに付いて回りながら

訓練していたと反論しましたが

あえて、こんな話は

しなくても良かったという考えが

浮かび上がりました。

 

ところでタッシールは、

いくら待っても、

上着を脱ぐことができませんでした。

皇女ラティルの忍耐心が切れたので

横を見てもいいかと尋ねました。

「はい」と許可が下りるや否や、

皇女ラティルは、

タッシールの方を向きました。

彼は片手を怪我して

曲げにくかったため、

片手だけでボタンを外すことが

難しいようでした。

 

皇女ラティルは

タッシールがボタンを掴んで

振っているのを見ると、

自分がやると言って、彼のボタンを

手際よく外し始めました。

その後、

タッシールの上着を後ろに下げるのも

手伝いました。

早く傷を確かめたかったので

気まずさもありませんでした。

 

タッシールの上半身が露わになると

ついに浮腫んだ腕が現れました。

予想通り、

数日前に見た時より、

はるかに傷が深刻になっているようで

腕が2倍、3倍に

腫れているような気がしました。

 

弓は片腕だけで射ることはできない。

皇女ラティルは、

彼の腕がこのようになったのは

自分を救うために弓を射たのが

悪かったのだと思い、

申し訳なくなりました。

そして、自分を背負って移動する時に

自分が重かったのではないかと

自責しながら頭を振りました。

 

ところが、皇女ラティルが

1人で苦しんでいると、

頭の上で笑う声が聞こえました。

頭を上げると、

タッシールの曲がった目尻が

目に入りました。

 

目が合うと、

彼はからかうような口調で、

何をそんなに1人で

呟いているのかと尋ねました。

皇女ラティルは、

自分のせいで腕がこうなったからだと

答えました。

しかしタッシールは、それを否定し

腕は馬車が壊れた時に

このようになった。

殿下は、何でも

自分の責任だと思っているけれど

これは、はっきりさせておくと

主張しました。

 

しかし、皇女ラティルは、

数日前は、

腕がこんなに浮腫んでいなかった。

自分を背負って移動したから

このようになったのではないかと

反論すると、タッシールは、

殿下は全く重くなかったと

返事をしました。

 

皇女ラティルは、

それにしては、自分を降ろす時に

とても安心したようだったと

心の中で考えました。

しかし、自分が

自責し続ける姿を見せれば、

タッシールが

負担に感じるのではないかと思い、

これ以上は言いませんでした。

その代わり彼女は

彼の腕の包帯を外して

しっかりと巻き直しました。

 

タッシールは、

殿下がこんなに親切にしてくれるので

しきりに感動してしまうと

呟きましたが、

皇女ラティルは何も答えず、

黙って彼の服を元に戻し

ボタンを留めるだけでした。

ところが、ボタンを留める手が

タッシールの肌に触れた瞬間、

皇女ラティルは固まってしまい

息を吸い込みました。

ミスだと謝って、また、ボタンを

留めなければならないのに

息をすることができませんでした。

 

皇女ラティルは謝ると

慎重にボタンを留め始めました。

しかし、彼の肌に触れないように

努力していたら、手がぎこちなくなり

雰囲気が、

さらにおかしくなりました。

 

皇女ラティルは頭を上げずに

ボタンをじっと見つめました。

そうしているうちに彼女は

タッシールの腹部が

相変らず身動きもしないことに気がつき

息をするようにと言いました。

 

タッシールは、

息をすると、また触れそうだからと

返事をすると、皇女ラティルは

気をつけるから、

息をするように。

自分がボタンを全部留める間、

息を我慢していて、息が絶えたら

どうするのかと言いました。

 

タッシールは、

殿下が自分に触れたら嫌そうだからと

言うと、皇女ラティルは

大丈夫だと言おうとしました。

タッシールは、皇女ラティルが、

彼の肌に手が触れるのが嫌で

手を遅く動かしていると

誤解しているようでした。

 

皇女ラティルは、

自分は嫌ではないと

素早く説明しましたが、

これは、もっと変に聞こえました。

 

タッシールが

困ったように呟く声を聞くと、

皇女ラティルの顔に

あっという間に熱気が

上がって来ました。

彼女は、変に思わないでと

慌てて付け加えました。

しかし、タッシールは

自分は何も言っていないのにと

言い返して笑うと、

彼の腹部の筋肉が蠢きました。

タッシールのお腹だけを

見ていた皇女ラティルは、

その動きを、はっきりと

見ることができました。

 

皇女ラティルは、

ひどく、きまりが悪くなりました。

あまりにも顔に熱が集中して

耳からブンブンという音が

するほどでした。

 

さっさとボタンを

全部留めた方が良さそうだと

考えるや否や、皇女ラティルは

忙しく手を動かしました。

 

ついにボタンを全て留め終わると、

皇女ラティルは、素早く手を離し、

自分がマントを敷いておいた場所に

逃げました。

そこに座って、チラッと

焚き火の向こうを見ると、

タッシールは包帯を巻き直した腕を

あちこち振っていました。

 

彼は、皇女ラティルの方を

振り返って笑うと。

はるかに動きやすくなったと

お礼を言いました。

皇女ラティルは、

すぐにマントの上に横になりました。

◇消えたタッシール◇

皇女ラティルは、何とか眠らずに

耐えようとしました。

タッシールは

襲撃者よりマシだったけれど、

100%信頼できない人なので、

このような森の中で

眠ることができませんでした。

 

しかし、皇女ラティルは

懸命に目に力を入れていたものの

あまりにも疲れていたので、結局、

うっかり眠ってしまいました。

 

皇女ラティルが眠れば、

その時間は、ラティルの立場では

省略されて消えるのと同じでした。

そのため、皇女ラティルが

驚いて目を覚ました時、

ラティルは、

時間がどれほど過ぎたのか

全く見当がつきませんでした。

 

皇女ラティルが空を見たので

ラティルは、今の時間帯を

ぼんやりと推測しました。

まだ空が暗く、雲の間から

赤い光が少しずつ現れるのを見ると、

早朝のようでした。

 

皇女ラティルは目をこすりながら

焚き火の向こうを見ました。 

ところが、

確かに焚き火の向こう側の木に

腰かけていたタッシールの姿が

見えませんでした。

 

皇女ラティルは、地面に足を突いて

急いで立ち上がろうとしましたが

怪我をした足を使ってしまい

転びそうになりました。

 

どこへ行ったのだろうか。

焚き火は、まだ燃えていましたが

かなり火勢が弱まっていました。

皇女ラティルは、いくつかの木片を

そこに突っ込み、

長い木の枝で火勢を蘇らせました。

それから、小さな声で

タッシールを呼んでみましたが

返事はありませんでした。

 

皇女ラティルは、

「タッシール、どこにいるの?」と

もう一度、彼を呼ぶと、

地面に敷いたマントを拾って着ました。

 

自分を置いて行ったのだろうか。

自分のことが

面倒くさくなったのだろうか。

それとも、もしかして

襲撃されたのだろうか。

 

皇女ラティルは、

そんな中、熟睡してしまった

自分を責めながら、

周りから聞こえてくる音に

熱心に耳を傾けました。

 

もしかしたら急ぎの用事で

他の所へ行ったのかもしれない。

皇女ラティルは焦りましたが、

とりあえず、ここにいることにして

再び地面に座り込みました。

 

彼女は、心の中で数字を数えながら

タッシールが戻ってくるのを

待ちました。

しかし、いくら待っても

タッシールは戻って来なくて

周りまで静かでした。

 

暗い雲の間から、

だんだん、青い空が

チラチラ現れ始めると、

皇女ラティルは我慢できなくなり

立ち上がりました。

 

用事があって、

しばらく立ち去ったなら

とっくに戻って来ただろう。

もう、自分から先に

探さなければなりませんでした。

 

皇女ラティルは

タッシールが横になっていた場所に

行き、足跡がないか調べました。

よく見ると、足跡が残っていて

さらに朝日が昇ると、

足跡を判別することができました。

皇女ラチルは屈んで、

ゆっくりと、その足跡を

辿り始めました。

 

どれくらい移動したのか。

あまりにも、森の奥深くに

入り込み過ぎたのではないかと

心配になる頃、

ついに誰かの人の気配が

感じられました。

 

皇女ラティルは足を止め、

周囲の音に集中しました。 

微かだけれど、

武器と武器がぶつかる音が

相次いで聞こえて来ていました。

 

タッシールが襲撃者たちと

戦っているのだろうか。

皇女ラティルは、

音がする方へ方向を変えましたが

スピードは上げませんでした。

たとえタッシールが

本当に敵と戦っていても、

彼女は存在感を消しながら、現場に

到達しなければなりませんでした。

今のように片足を痛めたままでは、

本来の実力を発揮することが

できないからでした。

 

鉄の音が、ますます近くなり、

ついに現場付近に到達すると、

皇女ラティルは、

木の後ろに身を隠しました。 

 

予想通りタッシールは

覆面5人と戦っていました。

片腕が使えないせいなのか、

彼の動きが、

ぎこちなく見えましたが、

それでも、足が他の人より速いので

敵の攻撃を、

すべて避けられたのは幸いでした。

 

片腕でも、

あんなに戦えるなんてすごい。

彼は本当に商人なのか。

商人たちは、元々

あんなによく戦えるのだろうか。

 

皇女ラティルは、タッシールが、

両側で剣を振り回す人たちを避け

彼らの背中と胸を

一度で切り裂く姿を

ぼんやりと眺めました。

 

自分が

手伝わないといけないけれど、

今、タッシールは

よく戦っているので、

下手をすると、逆に自分が

足を引っ張ってしまうかもしれない。

 

しかし、皇女ラティルは、

彼の素晴らしい実力を

ただ鑑賞しているだけではなく

隙を探していました。

足を怪我した状態なので、

自分が下手に割り込めば、

敵に人質に

取られるかもしれませんでした。

 

幸い、タッシールは、片腕だけでも

次第に勝機をつかんでいきました。

彼の剣で、あちこち少しずつ

斬られた覆面たちは

血をあまりにもたくさん流したのか

次第にふらついて来ました。

 

結局、最も多く傷ついた覆面3人は

耐え切れなくなり逃げました。

タッシールは、

もう1人を蹴って気絶させると

最後の1人を振り返りました。

 

夜中のお客さんは無礼だと

タッシールは、1人残された覆面を

嘲弄しました。

タッシールの剣は

上に上がっていたので、

覆面の男を逃すつもりは

なさそうでした。

 

その気配に気づいたのか。

木に寄りかかって

息を切らしていた覆面は、

突然、全力を尽くして

まっすぐに立ちました。

 

皇女ラティルは、

タッシールがあの覆面を

始末すると思いました。

彼は旅館で隠れて弓を射った時も、

敵の首を正確に狙って

即死させたからでした。

 

最近の商人たちは料理も上手だし

頭も良くなければならないし、

性格も良くなければならないし、

戦いもうまくなければならないし、

弓もうまく射ないといけないようだと

皇女ラティルが考えていると

意外にもタッシールは

覆面のすぐ近くへ行きました。

覆面は血を吐きながら

「裏切り者め」と皮肉を言いました。

 

裏切り者?

皇女ラティルは、突然の言葉に

眉を顰めました。

覆面は何を言っているのかと

思いました。

しかし、タッシールは鼻で笑って

何のことだと返事をすると、

すぐにでも覆面を斬り捨てるように

剣を持ち上げました。

しかし、剣刃は、

覆面の首ではなく、

覆面を切り取りました。

 

皇女ラティルは口を塞ぎました。

覆面の下に現れた顔は

タッシールの乗った馬車と

事故を起こした時の御者でした。

 

あの御者は

タッシールと仲間なのか。

彼を仲間に入れるために

故意に事故を起こしたのかと

疑いました。

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馬車の事故は、故意に

引き起こされたのではないかと

疑っていましたが、

やはり、そうだったようです。

 

タッシールは

皇女ラティルを襲うために

一行に入り込んだのか、

皇女ラティルを守るために

入り込んだのか。

それとも最初は、皇女ラティルを

襲うためだったけれど

改心したのか。

 

黒林のメンバーなら、

タッシールに、

ぞんざいな口の利き方を

しないでしょうから、

おそらく御者は

父帝が手配した暗殺者。

蛇の道は蛇で、御者は

タッシールも暗殺者であることを

知っていたので、

彼も父帝が手配したと思って

裏切者だと言ったのか。

色々と妄想を膨らませながら

次のお話を読みたいと思います。

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