自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 17話 ネタバレ 原作 あらすじ マンガ 14話 パーティーに参加する理由

 

17話 ようやくパーベルからの手紙が届きました。

 

エルナが家の中に

閉じこもり始めてから3日後、

使い走りの少年が持って来た手紙を

受け取ったリサは

エルナの部屋へ急ぎましたが

扉を叩いても返事がなかったので、

そっと扉を開けると、

机の前に座っていたエルナが

びっくりして立ち上がりました。

朝から手にしていたバラの花は、

まだ未完成のままでした。

 

リサは、

お待ちかねの

パーベル・ロアーさんからの

手紙が届いたと告げると、

悪いことをしてばれた子供のように

もじもじしながら視線を避ける

エルナの手に、

直接、手紙を握らせました。

エルナに、ようやく明るい笑顔が

戻りました。

 

リサは、

この手紙を持って来た

使い走りの少年が、

ロアーさんから

お嬢さんの返事をもらって来いと

言われたので裏庭で待っている。

早く返事を書いてと催促しました。

 

その言葉に当惑しながら

エルナは手紙を見ました。

今日の夕方、一緒に川辺を

散歩できるかどうかを

尋ねる手紙でした。

 

エルナは急いで返事を書きました。

インクを数滴垂らしてしまいましたが

手紙を書き直す余裕は

ありませんでした。

 

蝋がまだ固まっていない手紙を

受け取ったリサは、

急いで寝室を離れました。

リサの足音が遠のくと、

ようやくエルナは

安堵のため息をつきました。

 

今日の夕方、

パーベルに会うことを考えると

エルナは改めて、

悔しくて悲しくなりました。

 

エルナは

万が一でも誤解を招くことを恐れ、

王子に酷い目に遭わされたことを

誰にも打ち明けることが

できませんでした。

手首をつかまれただけでなく、

その男と体を重ね、さらには、

唇が首筋をかすめました。

祖母が知ったら

失神するかもしれないほど

不道徳なことでした。

 

エルナは、

習慣的に擦ったせいで

赤い跡が残った首筋に

再び手を持って行きました。

 

不規則な呼吸と熱くて湿っぽい息。

脅威的なほど、

大きくて硬い体の重みまで

その記憶を消そうとすればするほど

エルナは全てを、

今、起こったことのように

鮮明に思い出すことができました。

 

「毒キノコ」という

リサの警告を思い出したエルナは

身震いしました。

森の中で目にした、

きれいで華やかな毒キノコが、

あの悪い男の顔の上に重なりました。

 

エルナは、

その巨大な毒キノコの記憶を

消すように、目をギュッと閉じました。

パーベルに会って、

この悔しい気持ちを

打ち明けられるように

早く夕方が来ることだけを祈りました。

今日も執事は、心配そうな目で

ビョルンの背中を見ながら、

やはり主治医を

呼んだ方がいいのではないかと

勧めました。

 

ビョルンは、

この3日間、そうだったように

さりげなくシャツを着ました。

ボタンを一つ留める度に、

ため息のような空笑いが漏れました。

酔いが醒めて、

あざのできた背中を

初めて確認したその瞬間のように

 

かなり強く殴られたという記憶が

ぼんやりと残っていましたが、

まさか、こんなことになるとは

思っていませんでした。

生まれて初めて、

あざができるほど殴られたので、

かなり記念すべきことでは

ありました。

 

あちこちから、

うんざりするほど聞こえてくる

「鹿」というエルナへの称賛を

思い浮かべると、

ビョルンは声を出して

くすくす笑い始めました。

あの猛獣の実体を知っている人が

自分だけだという事実が

ふと残念になりました。

猛獣であるだけでなく

とても大胆な泥棒でもありました。

 

ビョルンは、

彼女の手の中で輝いていた

トロフィーを思い出しながら、

シャツの最後のボタンをかけました。

 

執事はビョルンにタイを渡すと

医師に診てもらうのが負担なら

治療でも・・・と勧めましたが

ビョルンは、

大丈夫。

たかがこの程度殴られたくらい、

大したことではないだろうと

返事をしました。

 

執事は、

飛び出そうなくらい

目を大きく見開き、

誰があえて王子様を叩いたのかと

尋ねました。

 

ビョルンは、

執事が落としそうになった

ジャケットを手に取り、

暴悪な猛獣と答えると、

にっこり笑って

そのジャケットを羽織り、

ドレスルームを出ました。

 

すると待っていたかのように

フィツ夫人が近づいて来て

怪我のことを尋ねましたが

ビョルンは、

先ほどのような笑みを浮かべて

大丈夫。

命が危ないようなら、

真っ先にフィツ夫人に

助けを求めると答えました。

 

厳しい表情を見せる彼女の前でも

ビョルンは眉一つ動かさずに

ニヤリと笑いました。

フィツ夫人は、長年の経験から

これ以上、小言を言っても

無意味であることを知っていたので

ため息をついて引き下がりました。

 

表情を整えたフィツ夫人は、

ビョルンの後を追いながら、

今日中に処理しなければならない

大公邸の業務について

冷静な態度で報告し始めました。

そして、

ビョルンが書斎に到着した後、

ハーバー家から届いた招待状に

返事をしなければならないようだと

困った口調で付け加えました。

 

机の前に座ったばかりのビョルンは、

目を細めて彼女と向き合うと、

ハーバー家というと

大叔母の所かと尋ねました。

フィツ夫人は、

ハーバー公爵夫人が主催する

パーティーが、

2日後に開かれるそうだけれど

遅くとも今日中に、

出席するかどうかを

決めなければならないようだと

答えました。

ビョルンは、大叔母が

交友関係を自慢する季節が来たと言うと

机の上の書類を持ち上げました。

広い人脈を誇る

ハーバー公爵夫人のパーティーは、

その規模が盛大なことで有名でした。

 

フィツ夫人は、

断りの返事を送ると言いました。

ところが、

前回の投資案件の書類に

目を通していたビョルンが、

顔を上げて、

行くと伝えるようにと

予期せぬ返事をしたので、

フィツ夫人は驚いて目を見開きました。

 

彼女は、

王子も知っている通り

ハーバー公爵夫人は・・・と言うと

ビョルンは、

分かっている。

グレディス王女も招待したはずだと

返事をしました。

 

あらゆる雑多な人脈を集めて

繰り広げる騒々しいパーティーと、

そこで生じる様々な事件は

ハーバー公爵夫人にとって

老年の最大の楽しみでした。

そんな彼女が、

今シーズンの最大の関心事である

元皇太子夫妻と、

好事家の噂になっている中では

右に出るものがいない

エルナ・ハルディを

見逃すはずがありませんでした。

 

フィツ夫人は、

グレディス王女と王子に対して

悪意的に騒ぎたいと思う人が多いと

心配そうな顔で言いました。

しかし、ビョルンは、

せっかくなので、

皆が、そんなに期待しているのなら

良いことを一つくらいしてやっても

いいのではないか。

残り少ない大叔母の余生のために

大きな楽しみを1つプレゼントする。

もちろん持病があるので

心臓に負担がかからない線は

守らなければならない。

ハーバー公爵夫人は、地獄に行っても

魔鬼や悪魔まで人脈を広げて

パーティーを開くのではないかと

返事をしました。

 

フィツ夫人は、

いくらなんでも公爵夫人に

地獄だなんてと諫めましたが

ビョルンは、

大叔母は天国で暮らせない。

厄介者たちが

うようよしている地獄こそ

公爵夫人にとって天国だと言うと

ニッコリ笑いながら、

報告書の下段に署名しました。

書類に記された数字と

泥棒を捕まえやすい道を

用意してくれる

大叔母のパーティー

満足の行くものでした。

フィツ夫人は当惑しながらも

命令に従いました。

 

短く目配せをして

話を終えたビョルンは、

葉巻を1本吸ったまま

書斎の窓の前に近づきました。

アヴィト川からは、今日も、

ボートの練習をする一団の

気合の声が聞こえて来ました。

ビョルンは、

「狂った奴ら」と悪口を吐いた後

どうすれば、あの女性が

一番満足のいく数字を

プレゼントしてくれるのか、

彼女との債務関係を

のんびりと考えました。

パーベルは、

大公邸であるシュベリン宮殿と

市街地を結ぶ、大公の橋の前に

約束の時間より早く到着しました。 

 

パーベルは手すりに寄りかかって

エルナが歩いて来るであろう

道の向こうを見ました。

シュベリン宮殿で

行事が開かれる時を除けば、

大抵は人通りが少ないため、

ここを約束の場所に決めました。

 

エルナが父親と一緒に暮らすために

シュベリンに来たという

知らせを聞いたのは、

美術展の開会式がある

1週間前ぐらいでした。

 

最近、社交界で、元皇太子夫妻と共に

最も熱い話題となっている

「ハルディさん」が、

まさかエルナ・ハルディだったとは

思っていませんでした。

 

上流階級の友人から聞く

エルナに関する噂は、

どれも悪意を持って

歪められていました。

結婚商売に目が眩んだ

俗物的な妖婦だなんて、

これほど、エルナに似合わない評判も

なさそうでした。

 

すぐにエルナを訪ねようとして

やめたのも、そのためでした。

間接的ではあるけれど

社交界がどんな所なのか、

パーベルはよく知っていたし、

バフォードでは

気兼ねなく付き合っていたとしても、

ここでは貴族の家の令嬢と画家。

親密な姿を見せるだけでも

大きなスキャンダルを招くことも

知っていました。

 

エルナが連絡をして来なかったのも

そのためだろうと思ったので

適当な時期を見計らって、

連絡をしようとしましたが、

あのように美術展で遭遇するとは

思いもしませんでした。

しかも、たった1年会わないうちに

子供のように見えた田舎の少女が

完璧な淑女に

変貌したという事実も

やはり衝撃的でした。

 

空を見つめていたパーベルは、

遠くから聞こえてくる

自分を呼ぶ聞き慣れた声の方を

向きました。

エルナが彼に向かって

手を振っていました。

メイドと思しき少女も一緒でした。

 

足早に近づいてくるエルナを

見ていたパーベルは、

つい声を出して笑ってしまいました。

あの日の完璧な淑女は

どこへ行ってしまったのか。

エルナは彼が知っている

田舎の少女の姿に戻っていました。

小花柄のドレスと

帽子いっぱいのリボンと花飾り。

そして少しはにかむような

爽やかな笑顔まで。

間違いなくバーデン家のお嬢さんで

彼の友人のエルナでした。

 

エルナは先に手を差し出すと

今日もロアーさんと

呼ばなければならないのかと

尋ねました。

パーベルは「いや」と答えて

首を横に振ると、

力を込めてエルナの手を握りました。

 

パーベルは、

今日はパーベルでいいと答えると

エルナは、

自分の友達のパーベルかと

聞き返しました。

パーベルは快く頷きました。

 

嬉しそうに明るく笑うエルナの顔を

見つめていたパーベルの口元にも

いつのまにかエルナに似た笑いが

浮かんでいました。

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マンガを読んだだけでは、

ハーバー公爵夫人が

どのような大叔母なのか

分かりませんでしたが

私の解釈が間違っていなければ

ビョルンの父方の祖父の

姉あるいは妹のようです。

アルセン公爵夫人と

ハーバー公爵は全然違うので、

彼女と姉妹ではないとは

思いましたが、

本当にそうでないと分かり

ホッとしました。

 

ビョルンは鹿の角のトロフィーを

たくさん持っているのだから、

1つくらいエルナに奪われても

ここまで気にしないと思うのですが、

いつもは不参加のパーティー

出席してまで、

エルナに関わろうとし、

トロフィーの債権を

回収しようとしているあたり、

すでに、彼女のことが

とても気になっているのではないかと

思います。

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いつもたくさんのコメントを

ありがとうございます。

皆様の温かくて優しい言葉に

いつも励まされています。

 

いよいよ待ちに待った年末年始の休み。

この日を、どれだけ待ったことか(笑)

どこにも行く予定はありませんので

家でのんびりと過ごすつもりです。

不意の来客等、

突発的な出来事がなければ、

できるだけ毎日、

「問題な王子様」を

更新したいと思っています。

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