自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

泣いてみろ、乞うてもいい 16話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ マンガ24、25話 レイラが生意気に思える理由

 

16話 マティアスはレイラを引き止めるために、再び鳥を撃ちました。

 

レイラは焦点が定まらない目で

死んだ鳥を見つめ、マティアスは、

そんなレイラを見つめました。

 

数分間、静寂が続きましたが

マティアスは焦りませんでした。

レイラは自分の目の前にいるので

しばらくは逃げられないだろうと

思ったからでした。

 

レイラは頭を上げました。

彼を見る目には、

闇でも隠すことができない怒りが

込められていました。

生意気で大胆不敵な目つきでしたが

視線を避けるよりは

はるかにマシでした。

 

レイラは、自分が公爵に

どんな過ちを犯したせいで

このような

恐ろしい罰を与えているのか

直接教えて欲しいと頼みました。

 

マティアスは、

罰なんて与えたことがない。

自分は自分の仕事をして、

あなたは

あなたの仕事をしただけだと

かなり真剣に答えました。

それは彼の本心でもありました。

 

マティアスは、

しばらく物思いに耽った後、

先程と変わらない口調で、

レイラが、鳥がそんなに好きな理由を

尋ねました。

 

レイラは、

空を見て、死んだ鳥を見た後

再びマティアスに向き合いました。

肩は震えていましたが、

目つきは依然として

鋭く光っていました。

マティアスは、それが面白くて、

少し、気に障りました。

 

レイラは、

幼い頃から、本当に多くの所を

転々としていたけれど

いつも、鳥は

いつでも、どこでも近い所にいた。

季節が変わり、遠くに旅立つ鳥たちも

待っていれば帰って来てくれた。

鳥のいない季節も

鳥のいない所もなかった。

この世で一番美しくて自由な存在が

いつもそばにいるというのが、

嬉しかった。

公爵には無意味なことだろうけれどと

答えました。

 

今にも泣き出しそうな顔で

虚勢を張る。

マティアスはクスッと笑うと

立ち上がりました。

いつのまにか、

晩餐会の時間が近づいていました。

 

レイラは、

まさか、またこんな狩りをするのかと

急いで尋ねました。

マティアスは「必要なら」と

迷うことなく答えました。

その瞬間、

レイラの目に浮かんだ絶望と恐怖、

それでも捨て切れない怒りが

彼をかなり楽しませました。 

 

マティアスは、

自分の世界の全てのものが

無駄に隠れたり逃げたりしないで

当然あるべき場所にあることを

望んでいると告げました。

 

レイラは、

それはどういう意味かと尋ねました。

マティアスは、

レイラの居場所を守れと答えました。

レイラは、

どのような居場所のことを

言っているのか、よく分からないと

反論しました。

しかし、マティアスは、

一度、よく考えてみるように。

その答えを見つけたら、

かなり優しい狩りをしてやるかもと

言うと、呆然としたレイラを残して

背を向けました。

 

マティアスは、彼女に

特に何かを望んでいるわけでは

ありませんでした。

ただ、レイラは、

彼の森に住む孤児として、

好奇心旺盛な女子学生として、

時間がもう少し経てば、

女教師になって、いつものように、

当然いるべきその場所に

いればいいことでした。

 

馬に乗ったマティアスは

低木の茂みの方を振り返りました。

レイラは死んだ鳥の前に

うずくまっていました。

頬が光っているのを見ると、

おそらく泣いているようでした。

マティアスの瞳に

満足感が宿りました。

 

彼は、

完璧な秩序が支配する世界に生まれ、

すぐにその世界の主人になりました。

その秩序の下では

すべてが単純で明瞭。

与えられた役割と期待に

忠実に生きていくことは

少しも難しくなく、

ある程度、退屈なことでした。

 

祖母と母にとっては誇れる後継者。

使用人には寛大な主人など、

常に誰かの何かであるマティアスは、

それにふさわしい役割を

喜んで果たしました。

彼に接する人々も同じでした。

決められた役割と態度。

その適正線内で洗練された感情が

秩序正しく整然と行き来しました。

それがマティアスが見聞きして

学んだ感情だったけれど、

自分の森に住む

あの卑しい孤児に対しては

どうだろうか?

 

マティアスは、

何でもないと結論を下すと

微笑みました。

何でもない何かを持ったのは

初めてでした。

ヘルハルト公爵の人生のどこにも

不必要な存在が割り込むような

隙間のようなものは

存在しなかったからでした。

何でもなくて、

何かになってくれる必要もないものを

持った気持ちに慣れていないけれど

それほど悪くはありませんでした。

何でもないあの女が見せる

適正線外の感情は、

飛ぶ鳥を一発で

命中させた時のように、

彼をとても

楽しませてくれたりもしました。

何よりも、きれいに泣くレイラを

彼は気に入っていました。

また泣かせたいくらいでした。

 

マティアスは、

いっそう軽くなった気持ちで

森を離れました。

 

邸宅に戻ると、

いつもの日常が繰り返されました。

 

翌朝、マティアスは、

次は優しい狩りをしても

悪くないと思いました。

窓から外を見ると、バラの庭で

いつもと変わらない姿で

黙々と庭師の仕事を手伝う

レイラがいました。

マティアスは微笑みながら

窓に背を向けると、

「簡単でしょう、レイラ」と

呟きました。

クロディーヌは、

レイラに優しくお礼を言い

隣に座っている彼女の友人も、

微かに口元を上げて

感謝の意を表しました。

レイラは丁寧に頭を下げました。

白い指先には

花を折る時に付いた草の汁が

うっすらと残っていて

バラの棘が刺さったのか、

血が滲んでいる傷も

いくつかありました。

 

レイラは、退こうとしましたが

クロディーヌは

赤いバラも一束摘んで来てと

命令しました。

レイラはいつものように

従順に命令を受けました。

 

籠とはさみを持って

再び遠ざかっていくレイラの後ろ姿を

クロディーヌは

しばらく静かに眺めました。

 

クロディーヌは

アルビスを訪れた友人と一緒に

庭を散歩している途中、

しばらく見えなかったレイラが

庭師を手伝って、

せっせと仕事をしているのを

発見しました。

 

クロディーヌは、

お茶を飲む計画を変え、

活け花を提案しました。

エミリアは喜んで承諾し、

つるバラが咲いているパーゴラの下に

活け花の道具が用意されました。 

 

クロディーヌはメイドを送って

当然のように

レイラを呼びつけました。

子供の頃から、

このパーゴラの下で

クロディーヌが活け花をする時、

必要なバラを摘んで来るのは

レイラの役目でした。

 

遊び友達になるには

物足りない子供でしたが、

使い走りはよくやってくれたし、

あまりにも退屈で耐えられない時は

彼女を呼んで、少し言葉を交わすのも

それほど悪くはありませんでした。

 

エミリアは口を尖らせて、

あの子は、自分の境遇を、

よく知っていると言うべきか

知らないと言うべきか、

とても丁寧に振舞っているけれど

それが妙に生意気に感じられると

言いました。

クロディーヌは眉を顰めて

レイラは可哀想な子なので

止めるようにと注意し、

レイラに

そのような欠点があることは

知っているけれど、

自分たちは寛容になろうと

付け加えました。

 

エミリアはニッコリ笑うと、

クロディーヌは使用人たちに

大過ぎると言いました。

クロディーヌは、

自らの役割を誠実に果たす使用人たちは

尊重されなければならないと

言いました。

 

まもなくレイラは

赤いバラを一束摘んで帰って来て、

今回も文句無しに礼儀正しく、

それをテーブルの上に置きました。

 

クロディーヌは、しばらく手を止めて

レイラを見つめました。

彼女の穏やかな態度は、

実は徹底した無関心から

出ているのかもしれないと

思いました。

 

有名な貴族の家の令嬢たちも

友達になりたがるクロディーヌが

そばにいても、

レイラは、少しもウキウキしたり

喜ぶことなく、

自分をよく見せようと努力したり、

愛嬌を振りまくこともなく

ただ黙々と耐えているような

態度を取りました。

 

クロディーヌは、

そのような無関心に慣れておらず

その慣れない感情を呼び起こす存在が

孤児レイラという事実が、

少し侮辱的でした。

 

クロディーヌはニッコリ笑って

レイラを労いました。

レイラは、深く頭を下げて退くと

待機していたメイドが近づきました。

王女のプライドを持つ孤児の手に

金貨一枚を握らせる。

クロディーヌが、

最も待ち望んでいた瞬間でした。

長い歳月が経っても、レイラは

この瞬間の前では

超然としていませんでした。

厄介な金貨を握る手が細く震えると

クロディーヌは満足したりもしました。

今日は、それに加えて、

パーティーの招待状が添えられました。

 

金貨と共に招待状を受け取った

レイラは目を見開きました。

これを私にくれるのかと尋ねた

レイラの顔は、

非常に当惑していました。

クロディーヌは、

自分がお願いをして、

二人の奥様も許可してくれた。

ぜひ来て欲しいと

笑い混じりの声で頼みました。

レイラの顔色は青白くなり、

クロディーヌの笑みは

ますます華やかになりました。

 

まさか自分の招待を

断ることはないと信じていると、

長年の友人に接するように

親しみやすい優しい言葉をかけると

クロディーヌはレイラから

視線を逸らしました。

 

アルビスの女主人になる前に、

あの頑固な子を

きちんと飼い慣らしておかなければ。

クロディーヌは、

完璧に美しくバラを飾りました。

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マティアスとクロディーヌの

傲慢さに、

腹が立って仕方がありません。

レイラが精神的に

自分たちに屈服しないからといって

そこまで、レイラを侮辱しなくても

良いのではないかと思います。

レイラを飼い慣らすという

クロディーヌの発言も酷すぎます。

この2人には、

使用人の尊厳を守るという気持ちなど

微塵もないのだと思いました。

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