自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 958話 外伝 67話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ またもや襲撃

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958話 外伝67話 今度こそ、カルレインとの偽の未来です。

◇諦めの気持ち◇

体中が痛くて、手足は

鉄の塊をぶら下げたように重く

頭がズキズキして、めまいがし、

今にも吐き出しそうなくらい

胸がムカムカしました。

強烈な血の匂いもしました。

 

ラティルは、

一体、これは何なのかと思いましたが

皇女ラティルは、この状況について

知っているようでした。

彼女は頭を空っぽにして

どこかをじっと見つめていました。

 

皇女ラティルは

怪我をしたのだろうか。

どうしてこんなに怪我をしたのか。

 

タッシールとの偽の未来でも

怪我をしたけれど、その時の怪我は

今の怪我とは

比較することもできませんでした。

現実では、

これよりひどい怪我をしたことも

あったけれど、

その時の体は半覚醒していたので

今の体とは違いました。

 

その時、「殿下、大丈夫ですか?」と

横から疲れたような小さな声が

聞こえて来ました。

聞き慣れた声でした。

「大丈夫」と、

皇女ラティルは答えましたが

そちらへ顔を向けませんでした。

 

ラティルは、誰が自分を呼んだのか

すぐには、わかりませんでしたが、

しばらく考えた末、

以前から侍女をしていたけれど

偽の皇帝事件をきっかけに

疎遠になった、

侍女のクエリスの声であることに

気づきました。

 

ラティルは、

なぜ、クエリスが横にいるのかと

考えていると、もう少し後ろで、

自分のせいだ。

訳もなく、この旅館で

休んで行こうと言ったからだと

誰かがすすり泣きながら言いました。

やはり侍女の一人だった

ルイーダの声のようでした。

 

ルイーダのせいではない。

馬車が壊れて、荷物まで

ほとんどなくしてしまったので、

森で野宿するか、旅館に行くか、

どちらかを

選ばなければならなかった。

自分たちも全員、

同意したではないかと、

再び近くから、

別の侍女ベイジの声が

聞こえて来ました。

 

どうして、周りに

侍女たちがいるのだろうか?

ラティルは限られた情報しか

得られないので、

すぐに理由が分かりませんでした。

 

しばらく時間が経ってから、

皇女ラティルは

侍女たちの方を見ました。

驚いたことに、

怪我をしているのは

皇女ラティルだけではなく、

侍女三人とも怪我をしていて

血まで流れていました。

状態が最も深刻に見えるベイジは、

顔の半分が

血で覆われているほどでした。

 

皇女ラティルは、

侍女たちの怪我の状態を

すでに知っているようで、

驚くことはありませんでした。

 

彼女は、

ずっと様子を見ていたけれど

無駄だった。暗殺者たちが、

ずっと歩き回っている。

どこへも行かないと呟きました。

 

ルイーダの目から

涙がこぼれ落ちました。

クエリスは、

泣きはしなかったけれど、

両手で顔を覆い、肩を震わせました。

 

ベイジは、怪我をした顔に

手を当ててみようとしましたが、

皇女ラティルは、

触らない方がいいと言って、

止めました。

 

ベイジは言われた通りに

手を下ろすと、

皇女ラティルの剣術は、

護身が可能な程度かと尋ねました。

 

ペイジの質問からは、

皇女ラティルの剣術の腕前を

それほど高く評価しない様子が

窺えました。

しかし、こんなことは

一度や二度ではないので、

皇女ラティルは気を悪くせずに

攻撃も可能だけれど、

外にいる人数が多過ぎると答えました。

 

すると、クエリスは、

このままここに一緒に隠れていても

皆が危険になるだけだと

ため息をつきながら囁きました。

皇女ラティルも、

そんなことはないとは言えず、

壊れた木の壁の隙間を

眺めるだけでした。

 

黙ったままのラティルに、クエリスは

決断を下さなければならない。

殿下は、

必ず生き残らなければならないし

自分たちも生き残りたいので

生存確率を高めるために、自分たちは

散らばった方がいいと提案しました。

 

皇女ラティルは、

隙間をのぞき込むのを止めて

クエリスを見つめました。

横で、しきりに顔に

手を上げていたベイジが、

慌てた表情で

この危険な状況で散らばったら

もっと危険だと反論しました。

 

しかし、ルイーダ

自分もクエリスの言うことが

正しいと思う。

自分たち三人は、音を立てながら

それぞれ違う方向に走って行くので

殿下は、最後に

一番安全そうな所へ脱出するようにと

言いました。

その言葉に皇女ラティルは驚き

侍女たちを囮にすることはできないと

反対しました。

 

しかし、クエリスは、

自分たちは四人とも怪我をしているので

一緒にいても、互いに足を

引っ張り合うことになる。

自分たちが散らばれば、

敵も散らばって追いかけて来るから

こちらの方がマシなのではないかと

もどかしそうに皇女を説得しました。

 

皇女ラティルは、

口をパクパクさせて閉じました。

確かに、侍女たちは

護身用の剣さえ握ったことがない

貴族の令嬢たちで、

その上、怪我までしていました。

皇女ラティルは

剣術に優れていましたが、

馬車事故が起きた時に大怪我をし、

彼女たちを守ることが難しそうでした。

四人が集まっていれば、

互いの足を引っ張り合うような

状況でした。

 

しばらくして、皇女ラティルは

自分も一緒に最初から散らばる。

そうすれば、

誰か少し運が悪くても、運のいい人を

恨むことはできないだろうと

言いました。

 

しかし、クエリスは首を横に振り、

それはダメだ。

意地を張らないで欲しい。

殿下の安全が最優先だと反対しましたが

皇女ラティルは、

その方がいい。

自分たち四人のうち、

敵と戦えるのは自分だけだからと言って

これ以上、退きませんでした。

 

顔の近くに

手を上げ続けていたペイジは、

すすり泣きながら、

自分は殿下の言うことが

正しいと思うと

ラティルに賛成しました。

 

皆、しばらく沈黙しましたが

どうするか決定したように見えると、

皇女ラティルは、

壁の隙間をのぞき込みながら

床に手で絵を描き、

脱出した後、

自分たちの馬車が壊れた所で

落ち合おうと言いました。

 

皇女ラティルは、

絵を描き終えた後

侍女たちを見回しました。

三人とも、皇女ラティルが

どこを指しているのか

理解しているように頷きました。

 

その後、彼らは扉を挟んで

両方向に二人ずつ座り、

誰かが扉を開けて入ってくるのを

待ちました。

暗殺者の一人が入って来たら、

同時にその者を制圧して外に飛び出し

それぞれ違う方向に

逃げるつもりでした。

 

ラティルは依然として

理解できませんでした。

馬車に乗って旅をしていた時に

このようなことになったのは分かる。

けれども、なぜ外にいる人たちを

暗殺と呼ぶのだろうか。

外にいる人たちが、他の同行者たちを

先に傷つけたのだろうか。

しかし、現実に集中している

皇女ラティルは過去を回想しないので

具体的な事情は分かりませんでした。

 

もしかしてカルレインが

助けに来てくれて、

それで出会うのだろうかと、

ラティルが考えていた時、

扉の近くで

ミシッと木の床を踏む音がして、

誰かが扉の取っ手に手をかけました。

侍女たちと皇女ラティルは

息を潜めました。

そしてゆっくりと扉が開く瞬間。

皇女ラティルは全力を尽くして

一番先に突進してきた人に

頭突きしました。

 

かなり強く突かれたのか

入ろうとした人は悲鳴を上げて

後ろに倒れました。

皇女ラティルは、もう一度

急所を強く蹴りました。

 

それから皇女ラティルが

「走れ!」と叫ぶと、

侍女三人が飛び出して来て

走り出しました。

最初、彼女たちのうち二人が

同じ方向に走りましたが、

すぐに調整して、

互いに違う所へ走って行きました。

皇女ラティルも少し遅れて

別の方向に走り始めました。

 

「捕まえろ!」「逃すな!」

「全員、捕まえろ!」

 

息詰まる追撃戦が繰り広げられました。

皇女ラティルは、

手に取れる物全てを落としながら

前に走って行きました。

途中で人の気配を感じると、

ランプや装飾品やレンガまで全て

音のする方に投げました。

 

矢が頬をかすめると、

皮膚が火傷をしたように

痛くなりました。

それでも皇女ラティルは

止まりませんでした。

 

一走りして立ち止まった

皇女ラティルは、

木にぶつかって倒れて

数回転した後、ようやく止まりました。

 

彼女は、落ち葉をかき分けながら

立ち上がると、

ここが外であることに気がつきました。

脱出に成功したようでした。

追いかけてくる人の気配は

ありませんでした。

 

皇女ラティルは

他の人はどうなったか心配で

周りを見回しました。

隠れている人の気配も

ありませんでした。

 

皇女ラティルは足を引きずりながら

約束の場所に向かいました。

ついに粉々になった馬車が姿を現すと

クエリスが馬車の前にしゃがんで

自分の腕を見ていました。

 

クエリスは足音に驚いて

顔を上げましたが、

皇女ラティルを見つけると立ち上がり

「殿下!」と叫びました。

 

皇女ラティルは近寄って

辺りを見回しました。

聞いては見たものの、

すでに答えは分かりました。

 

クエリスは、

誰もいない。 誰も自分を

追いかけて来なかったので

運が良かったと

絶望的な声で答えました。

皇女ラティルを追いかけて来る者も

多かったので、

彼女は運のいい方でした。

 

二人は馬車の車輪に

もたれかかって座り、

他の侍女たちが来るのを

待ちました。

しかし、いくら待っても

誰も来ませんでした。

 

そうしているうちに、

どこかで何かが爆発する音がすると、

クエリスはブルブル震えながら、

どうやら他の二人は捕まったようなので

自分たち二人だけでも

逃げなければならないのではないか。

すでに二人が捕まっているなら、

自分たちが行けば、

四人やられることになる。

馬車は壊れたけれど、

念のため、敵が、ここへ

確認しにくるかもしれないと言うと、

怪我をした腕で

皇女の腕を切実につかみました。

 

皇女ラティルは考え込んだ後、

念のために行ってみる。

一人でも多く、生きられればいいと

返事をしました。

 

クエリスは、

また、あそこまで

入る気にはなれないと言うと

皇女ラティルは、

クエリスはここにいて、

自分が誰かを助けて近くまで来たら

助けて欲しいと頼みました。

 

クエリスは、

一人で行くのかと尋ねました。

皇女ラティルは、

無理はしない。 状況を見て・・・

と言いかけたところで、

自分は、もう一度中に入ってみるので

クエリスは先に森を出て、

救助を要請するようにと

言い直しました。

 

クエリスは

何か言おうとしましたが、

皇女ラティルは、

彼女の足を指差しながら、

クエリスは腕を怪我したけれど、

足は大丈夫なので、

休まずに走るようにと言いました。

 

足に怪我をしていなかったとしても

クエリスは貴族の令嬢でした。

手に水一滴もつけずに育ってきた

高貴な少女が

野生動物が出て来るかもしれない森を

一人で走って行くのは大変でした。

しかし、

殺人犯たちがいっぱいの旅館に

再び入るのは嫌なのか、

結局、クエリスは頷き、

皇女ラティルに

気をつけるようにと言いました。

 

先ほどは、

皇女が必ず生き残らなければ

ならないと言っていたのに、

二人きりになったら話が変わる。

侍女たちと仲たがいしたラティルは

心の中で皮肉を言いました。

しかし、皇女ラティルは、

偽皇帝事件の前だったためか、

そのような考えをすることなく

壊れた馬車の中から

武器を探し出しました。

皇女ラティルは、

武器をあちこちに隠して

一人で旅館に戻りました。

 

タッシールとの偽の未来の時のように

皇室が暗殺者たちを送り、

今度は、それに

侍女たちも巻き込まれたのだろうか。

タッシールの時も、領主の城自体が

罠だったので、

今回もそうかもしれない。

違うのはタッシールがいないことだと

ラティルは考えました。

 

皇女ラティルは、

かなり要領よく旅館の中に入り、

あちこち隠れながら歩き回りました。

暗殺者の数は多かったけれど、

幸い、旅館の中を埋め尽くすほどでは

ありませんでした。

 

ところが、

しばらく歩き回っていたところ、

階段で言い争う声がしたので

皇女ラティルは、急いで

階段の下の倉庫に入りました。

すると、

皇女をここへ連れてくれば、

自分たちは無事だと言ったのに、

どうして話が違うのかと

文句を言う声が聞こえて来ました。

 

皇女ラティルは息を整えながら

足に縛っておいた短刀を

取り出しましたが、

そのまま固まってしまいました。 

先程、一緒に閉じ込めれていた

侍女たちのうちの

一人の声だったからでした。

 

しかし、それに対する返事が

聞こえて来ない代わりに

侍女の悲鳴が聞こえて来ました。

誰が、侍女に

あのような提案をしたのか

分かりませんでしたが、

皇女を裏切った侍女は

彼女自身も裏切られたようでした。

 

皇女ラティルはショックを受けたまま

しばらく、

ぼんやりと立っていました。

 

一方ラティルは、

自分は、どんな未来に行っても

裏切られたと、

諦めの気持ちになりました。

◇話をしよう◇

ラティルがカルレインとの未来を

見ている深夜、

ゲスターは離れた所で、

そんなラティルを眺めていました。

偽の未来を見せる怪物は、

ゲスターが負担で

視線を逸らしましたが、

帰れとは言えませんでした。

 

その時、

しばらく話をしないかと、

誰かが後ろから

ゲスターを呼びました。

 

ゲスターは無視しようとしましたが、

怪物がゲスターの肩の向こうを見て

首を亀のようにすくめると

好奇心が湧き起こりました。

 

ゲスターは首を後ろに向けました。

百花が近づいていました。

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ラティルは、偽の未来では

襲撃を受けてばかりいるけれど、

現実は、偽皇帝事件の前まで、

襲撃を受けていません。

それは、側室になる前から

カルレインたちが

ラティルを守っていたからで、

とどのつまり、

彼女が皇帝になることができたのも

カルレインたちのおかげ。

ラティルは、

家族に裏切られたことに

焦点を当てないで、側室たちが、

ラティルの知らない所で

どれだけ彼女を助けてくれていたか

考えて欲しいです。

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