自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 46話 ネタバレ 原作 あらすじ マンガ 33話 結婚式

 

46話 エルナはビョルンと手を繋いで礼拝堂に入りました。

 

王子の二度目の結婚式が

始まりました。

生涯、豪華な世界の中で生きてきた

王族たちの魂もすっかり抜けるほど

光り輝いていた最初の結婚式とは

全く違う雰囲気を醸し出している

むしろ、本質に近づいた儀式でした。

 

直接花嫁を連れて入場したビョルンは

長く伸びた赤いカーペットの道の上を

一歩一歩、

落ち着いて進んで行きました。

コチコチに固まっていたエルナは

幸いにも、

その道の途中を過ぎる頃から

落ち着いて来ました。

 

大司教が待っている祭壇の前に

堂々と立ったビョルンは、

ゆっくり花嫁の方へ体を向けました。

じっとエルナを見下ろしていた

ビョルンの口の端が

そっと曲がりました。

 

繊細で華やかなレースに

幾重にも包まれた彼の花嫁は、

まるで大きな花のように見えました。

可愛らしい物が好きな田舎娘の好みを

古典美に昇華させた洋裁師の腕前に

喜んで拍手を送りたい

ウェディングドレスでした。

 

花嫁のベールを上げる時になると

招待客は一斉に息を殺しました。

しかし、ビョルンは

これといった感興もない顔で、

ベールの先端を握りました。

ただ伝統に従って行う儀式の

一つの過程であるだけで

それ以上の意味はありませんでした。

すでに知っている顔を

あえて隠しておく、このしきたりが

少し滑稽に思えたし、しかも、

初めてではありませんでした。

 

ビョルンは、

淡々とベールを上げました。

そして、

ついに完全に現れた花嫁の顔を

眺めました。

ただそれだけなのに、エルナは

まるで裸にでもなったかのように

恥ずかしがりながら

あちこち視線を避けました。

ついには頬まで真っ赤に染めたので

彼は笑いました。

 

結婚式に、

あえてこのようなことを入れた

先祖たちの意思が、

一気に理解できるようになった

瞬間でした。

 

結婚式は、

静かで敬虔な雰囲気の中で

続いていました。

もっとも退屈な

大司教の説教が始まると

エルナは、

だんだん元気になって行きました。

まるで熱心な学生のように

目を輝かせながら、

大司教の一言一句に集中していました。

学究的な新婦に感動した大司教は、

いつもよりはるかに情熱のこもった

説教をしました。

 

ビョルンは

対岸の火事を見るような遠い目で

理論にだけ明るい者と、

その理論に心酔した者の

熱い交感を見守りました。

 

エルナが小さく頷いて意志を固めると、

大司教の厳粛な顔が、

一瞬、穏やかになりました。

一方、その横に立っている、

全く神の摂理

受け入れられそうにない

新郎を見る目つきは冷酷でした。

 

大司教は、

「一緒に」「長い間」「永遠に」などの

言葉を口にする時は、特に力を入れて

ビョルンをじっと見つめました。

 

私の話を聞いていますか?

私の意図が分かりますか?

 

どうか、この壇上で

再会しないようにという

切なる願いのこもった

大司教の視線にも、ビョルンは

極めて平然としていました。

 

はい。もちろんですと

最初の結婚式でも、

そのような笑顔を見せた彼は、

4年後、

他の花嫁の手を握って現れたので

彼は激しく動揺しました。

 

新しく咲いた花のような

花嫁を見つめていた大司教は、

いつにも増して雄々しく

成婚を告げることで、

新しく誕生した夫婦を祝福しました。

待っていたかのように

鳴り始めた鐘の音と

礼拝堂を埋め尽くした参列者の拍手が

一つとなりました。

 

ビョルンは頭を下げて

エルナにキスをすることで

儀式を終えました。

結婚式で、

花嫁が気絶したという噂まで

広めたくなかったので、

ビョルンは、

軽く唇を合わせる程度で

形式を守りました。

 

ビョルンの唇が離れると、

エルナは慎重に目を開きました。

秋の光が宿った瞳が

宝石のように輝きました。

小さく首を傾げて、

何かをじっくり考えていたエルナは

一貫して硬い目つきで、

ビョルンを見つめました。

そして、明るく微笑みました。 

 

恥ずかしさと、ときめき、

恐怖と期待感が共存する顔が

きれいでした。

 

ビョルンは花嫁を見つめながら

口の端を上げました。

バラ色に染まった

エルナ・デナイスタの頬が

美しく輝きました。

狂ったことをした甲斐のある

情景でした。

結婚の準備をしている間、

数え切れないほど繰り返された

「ダメです」という言葉が

再び繰り返されました。

唯一、変わったのは、

「妃殿下」という呼称が

加わったことでした。

 

エルナは途方に暮れた目で、

断固として自分の意志を断った

フィツ夫人を見つめました。

彼女は、

妥協の余地はないと言うように

頑固な表情をしていました。

 

お風呂ぐらいは一人で入れると

言っただけなのに、

まるで反逆でも図ろうとした

罪人になった気分でした。

 

フィツ夫人は、

今や大公妃は、

このシュベリン宮の女主人なので

それにふさわしい威厳を守るべき

責務を負っている人だという意味だと

話しました。

 

一人でお風呂に入ることが

大公妃の威厳に、そんなに大きな

支障をきたすことなのか

理解しにくかったけれど、

エルナは反論しませんでした。

 

元王子の乳母であるフィツ夫人は

王室の全幅の信頼を受けていて

フィツ夫人が

何でもよく教えてくれるから

信じて従えば良いと、

王妃自ら助言してくれたし、

ビョルンの意見も同じでした。

だから、エルナにとっては

師匠であるわけでした。

 

実際、ここ数ヵ月間、

フィツ夫人は、エルナを

たくさん助けてくれました。

王室の作法を教えるのはもちろん、

ウェディングドレスや

婚礼用品の準備まで、

この結婚に関連した、

ほぼ全てのことを、

フィツ夫人が引き受けてくれたも

同然でした。

 

フィツ夫人は厳格で冷静でしたが

いい人で、賢くて上品な人だと

エルナは考えました。

祖母の考えも同じでした。

 

フィツ夫人は、

是非、レチェンの第一王子妃であり

大公妃という名にふさわしい

貴婦人になって欲しいと

エルナにお願いすることで、

再び、彼女の名前の前に置かれた

爵位の重さを思い出させました。

 

仕方なくエルナは頷くと、

待機中のメイドたちが

近づいて来ました。

 

妃殿下を

丁重にお迎えするようにという

命令を受けたメイドたちは

一糸乱れず動いて

大公妃の入浴の準備をしました。

エルナが気がついた時には、

香油と花びらで満たされた浴槽に

座らされていました。

それでも、羞恥心を感じる余裕さえ

なかったということが、

小さな慰めとなりました。

 

メイドたちの手に身を任せたエルナは

首まですっぽりお湯に浸かり、

湯の上を漂う花びらを見つめました。

祖母の胸に抱かれて、

一日を始めたエルナ・ハルディは

今や、豪華なバスルームに座って

一日を終えるエルナ・デナイスタに

なっていました。

 

裸で、数多くの見知らぬ顔に

囲まれたまま、

人生が完全に逆転してしまった

今日一日を振り返ると、

途方にくれました。

 

「大丈夫です。妃殿下」と

小さく囁くリサの声を聞いて、

魂が抜けかけていたエルナは

我に返りました。

驚いて後ろを振り返った

エルナの口元に、

微かに笑みが浮かびました。

静かにエルナの後ろに近づいて来た

リサが、丸まった肩の上に

お湯を注いでくれました。

 

「私たちの大公妃殿下、最高!」と

リサは熱烈な称賛の言葉を送って

エルナを励ましました。

その雰囲気に、

さらに恥ずかしくなったエルナは、

水面を漂う花びらをいじりながら

この試練が終わるのを待ちました。

 

それよりも

大きな試練が待っていることに

気づいたのは、入浴を終えて

大公妃の寝室に入った時でした。

 

大きい。

この宮に入った後、何度も何度も、

数十回は思い出した、その考えに

エルナは再び圧倒されました。

 

全てが大き過ぎました。

ハルディ家に入った時も

邸宅の規模と豪華さに驚きましたが、

ここは、それとは

比べものになりませんでした。

その価値を、

推し量ることすらできない

華やかで美しいものが、

はるかに広い空間を

埋め尽くしていました。

 

エルナの部屋とはいえ、

実際には、

エルナの物と言えるものは

何もありませんでした。

この部屋の嫁入り道具を用意したのは

フィツ夫人。正確には

フィツ夫人にお金を出した

ビョルンだからでした。

 

自分の身一つで嫁ぐ恥知らずの大公妃。

エルナは、レチェンの国民が

どのように自分を非難しているか

よく知っていました。

残念だけれど、

それは反論の余地のない真実でした。

ビョルンが全てを準備し、

新婦側が用意した持参金は、

一銭もありませんでした。

 

田舎の家一軒すら守る余力のない

バーデン家と、

破産寸前のハルディ家。

両家は大きな借金を抱えていました。

ビョルンは喜んで

両家の面倒を見ました。

 

バーデン家の邸宅はエルナの所有となり

ハルディ家は破産を免れました。

ビョルンのお金のおかげでした。

 

そこに、無一文の新婦の代わりに

準備された、

これら多くのものを加えると、

一体、どれだけ大きな金額に

なるのだろうか。

 

エルナがボーッとしている間、

最初の夜を過ごすための

準備が始まりました。

ベッドを飾る仕事を終えた

メイドたちは、今は、

新婦を丁寧に飾りました。

 

体に甘い香油の香りが漂い、

パジャマとガウンを着せ、

ブラッシングをした髪を

リボンで緩く結びました。

 

ずっと硬い表情をしていた

フィツ夫人は、

「安らかな夜をお過ごしください」

と言うと、

初めて穏やかな笑顔を

見せてくれました。

エルナは、その時になって

他のメイドたちが皆

姿を消したということに

気づきました。

フィツ夫人さえ去ると、

エルナは一人残されました。

 

深呼吸をしながら見回した寝室には

妙な雰囲気が漂っていました。

部屋を明るく照らしていた火が

全て消え、残っているのは、

暖炉と燭台のほのかな光だけでした。

 

ベッドの上には、

花びらが散らばっていましたが、

真っ白な寝具とコントラストを成す

赤い花びらが、エルナには

何だか妙に思えました。

テーブルに置かれている2つのグラスも

やはりそうでした。

 

結婚して、

夫と夜を一緒に過ごすということが

どういう意味なのか、

エルナも大体は知っていました。

ただ、それが、自分とビョルンの間に

あることのようには

感じられないだけでした。

 

神経質に、寝室を歩き回った

エルナは、大きなベッドの端に

慎重に腰を下ろしました。

向かいにある暖炉の光の中に、

とても長かった今日一日の記憶が

一つ二つと浮かび上がり始めました。

 

結婚式を終えた大公夫妻は、

屋根のない馬車に乗って

シュベリンの市街地を行進しました。

この都市のすべての人が

出て来たのではないかと思うくらい

多くの人々が集まっていました。

 

再び息切れがして眩暈がしましたが、

幸いにも、

エルナはよく耐えました。

しばらくは怖くて、

前だけを見ていましたが、

ある程度時間が経つと、

ビョルンが教えてくれた通り、

人々に向かって、

笑って手を振ることも

できるようになりました。

 

人々の鋭い反応に怯えたエルナは

歓呼ではなさそうだと囁きましたが

ビョルンは平然と微笑みながら

これもあれも、

聞き流せば同じようなものだと

答えると、

大したことではないと言うように

悪口が聞こえる方向にも

優雅な笑みと共に手を振って

挨拶をしました。

格式を備えた礼服の装飾が、

真昼の日光の中で

煌びやかに輝きました。

 

エルナは、

時々大公妃の役割を忘れて

彼を見つめました。

鋭い線と繊細な顔立ちが調和し

とても優雅な印象を与えました。

 

すらりとした体型と

がっしりした骨格の調和も

そうでした。

淡い金色の髪は、

まるで日光で染めたようでした。

その風合いが、ふと気になった

まさにその時、

群衆に向かって手を振っていた

ビョルンが首を回しました。

 

彼と目が合ったエルナは、

驚いて視線を落としました

心臓がバクバクしました。

訳もなく、指先がかじかみ、

頬が熱くなりました。

何か悪戯をして、

ばれた子供になった気分でした。

 

シュベリン宮に戻って

披露宴を行っている間も、

エルナは何度も、

そんな不思議な気分に包まれました。

今も、やはりそうでした。

 

ゆっくり息を整えたエルナは、

震える手で服を整えました。

パジャマの上に羽織ったガウンを

しっかりと着付け、

リボンの形もきれいに整えました。

そろそろ、

眠気が押し寄せ始めましたが、

それでも良い姿勢を保って、

ビョルンを待ちました。

 

しかし真夜中近くになっても

寝室のドアは開きませんでした。

どうやらビョルンは、まだ

友達の相手をしているようでした。

 

うとうとしては、

再び目を覚ますことを

繰り返していたエルナは、

ベッドの端で、身体を小さく丸めて

横になりました。

 

ダメです。

 

フィツ夫人の厳しい訓戒が

聞こえてくるようでしたが、

もう限界でした。

 

ちょっと目をつぶる程度は

大丈夫だろうと、エルナは

自分の選択を合理化しようと

努めながら、

そっと目を閉じました。

 

披露宴の余興を楽しんだビョルンは

真夜中をかなり過ぎてから、

宴会場を去りました。

寝室へ行って、寝る準備を終えると

夜は、さらに深まっていました。

 

影のように静かに、

彼の世話をした使用人たちが退くと

大公の寝室は、

深い静寂に包まれました。

 

ゆったりと羽織ったガウンの前を

少しはだけさせたビョルンは、

二つの寝室をつなぐ通路を通って

大公妃の部屋に向かい、

ゆっくりとドアを開けました。

一番最初に、甘い香りが

漂って来ました。

次は、ほのかな明かり。

そして、次は・・・

 

あまりにも静かな部屋の中を

見回していたビョルンの視線が

ベッドの上で止まりました。

大きな花が、

ベッドの端に置かれていました。

レースとフリルに包まれた

彼の妻エルナでした。

 

ビョルンは、そっと歩きながら

ベッドのそばに近づきました。

暖炉の炎に照らされた彼の影が

体を小さく丸めて横になっている

エルナの上に落ちました。

近づいても、起きないのを見ると

ぐっすり眠っているようでした。

 

「エルナ」

ビョルンは笑いを含んだ声で

新しい花嫁を呼びました。

小さく寝返りを打ったエルナは、

ビョルンの手が頬に触れた後に、

ようやく目を覚ましました。

 

驚いたエルナの叫び声が

夜の静けさを破りました。

あまり愉快な反応では

ありませんでした。

 

静かにため息をついたビョルンは、

手を伸ばすと、

慌てているエルナの顔を

包み込みました。

その女の視線を再び戻すのに

それほど大きな力は

必要ありませんでした。

 

「こんばんは、良き妻」と

ビョルンは、

怯えた大きな目を見つめながら

優しく挨拶しました。

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結婚する前に

エルナはビョルンと

何回か会ったことがあるけれど、

それほど、長い時間ではなかったし

ボートに乗った時は、

花火ばかり見ていたので、

まともにビョルンの顔を見たことが

なかったのではないかと思いました。

そして、いつも窮地に陥った時に

助けてくれたので

ビョルンに対する憧れの気持ちは

あったかもしれないけれど、

恋をするまでには

至らなかったのではないかと。

もしくは、

好きになりそうになったことも

あったけれど、彼は王子様だからと

無意識に自分の気持ちにブレーキを

かけていたのではないかと

思いました。

けれども、結婚式を挙げ、

ビョルンの隣で

彼をまじまじと見た瞬間、

エルナはビョルンに

恋したのではないかと思いました。

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