自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

泣いてみろ、乞うてもいい 79話 ネタバレ 原作 あらすじ 大事にしているから

 

79話 レイラ、マティアス、カイルとクロディーヌが一堂に会しました。

マティアスは最初にレイラを見て

次にクロディーヌを。

続いてエトマン父子を

ゆっくりと見て行きました。

状況を把握するためには、

それで十分でした。

 

すぐに笑みを取り戻した

クロディーヌは、マティアスが

思ったより早く帰って来たと言って

薄氷の上の沈黙を破りました。

 

マティアスは、

業務が予定より早く終わったと

返事をすると、

悠々と応接室を横切って

クロディーヌと向かい合いました。

クロディーヌのそばにいたレイラは

窓際まで後ずさりしました。

 

窓の影の中に

閉じ込められたように立っている

レイラを眺めながら、マティアスは

令嬢の客のようだと、

のんびりした口調で指摘しました。

クロディーヌは、しばらく悩みましたが

明らかにばれる嘘の代わりに、

自分のメイドが、

手に大きな怪我をしたので

数日間、レイラが代わりに、

その役割を果たしてくれた。

本当にありがたいことだと

本当のことを話しました。

 

言葉を続けているうちに、

クロディーヌの頭の中は

落ち着いてきました。

ついには、

むしろ良かったという気さえしました。

婚約者の前で、

はたしてヘルハルト公爵が

どのような態度で

愛人と向かい合うかを試す

機会だからでした。

 

「ああ、メイド」と

注意深くレイラに目を通した

マティアスは、特に感情のない顔で

婚約者のそばに立ちました。

クロディーヌは、

自然に彼と腕を組むことで

威信を守りました。

 

マティアスは、

エトマン博士とカイルを見ながら、

それならば令嬢の客は、

エトマン父子かと尋ねました。

クロディーヌは、

自分の客はこの二人だと、

明るく朗らかな声で、

躊躇うことなく答えました。

 

クロディーヌは、

久しぶりに一緒にお茶を飲もうとしたと

伝えた後で、

ようやくレイラとカイルの

気まずい関係が思い浮かんだかのように

突然、困った表情をしました。

そして、自分がその事を考えもせずに

大変無礼をしたと謝りました。

 

エトマン博士は、

大丈夫だと優しい声で答えましたが、

すでに彼の顔は強張っていました。

 

マティアスは、

それでは、一緒にお茶を飲もうと、

この滑稽な組み合わせが、

全く変ではないというように

普通の態度を取りました。

予期せぬ反応に、

クロディーヌの瞳も小さく揺れました。

 

しかし、大きく深呼吸を

繰り返していたカイルは、

自分たちはこれで帰ると

冷ややかに告げ、

往診に行かなければならない

次の患者がいるのを忘れていたと

父親に告げました。

エトマン博士は「そうだったね」と、

急いで、

息子の言葉に調子を合わせました。

頭を深く下げている

レイラを見つめる彼の目からは、

隠すことのできない憐憫が

滲み出ていました。

 

マティアスは、

残念だ。

それでは今度、正式に招待すると

告げました。

 

あの可哀想な子供のために、

一刻も早く去ろうとしたエトマン博士は

それでは、自分たちはこれでと、

急いで挨拶をして背を向けました。

しかしカイルは、まだそこに立って

レイラを見つめていました。

そして、レイラも行こうという言葉が

応接室に響き渡りました。

 

レイラはメイドではないのに、

なぜ、ここで

メイドの役割をするのかと

躊躇うことなく怒りを露わにする

息子の見慣れない姿に

当惑したエトマン博士は、

言葉に詰まり、

ただ、ため息だけを漏らしました。

 

皆の耳と目が、

カイルに注がれている間も、

マティアスは、

ただレイラだけを見ました。

しばらくは、

この状況が理解できない顔で

瞬きしていたレイラは、すぐに

すがるように、懇願するように、

この世にカイルしかいないかのように

切迫した眼差しで

カイルを見つめました。

 

マティアスは、

エトマン家は、もう帰って

エトマン家のことをするように。

アルビスのことは、

アルビスの主人である

自分が引き受けると、

淡々とカイルの一喝を退けました。

 

カイルは、レイラを連れて行くまで

動かないといった勢いで粘りましたが

困って途方に暮れている父親と、

どうかお願いと、

震える唇で懇願するレイラを

どうしても無視できず、

結局、最後まで

意地を張ることはできませんでした。

 

怒りに耐え切れなかったカイルは

怒った顔で背を向けました。

エトマン博士は、

荒々しい足取りで立ち去る息子の後を

急いで追いかけました。

 

マティアスはドアの前で

たじたじとなっている使用人たちに

出て行くよう目で合図しました。

応接室に残ったのは、

レイラとクロディーヌと

彼だけになりました。

 

マティアスは、

それではお茶は、自分たち二人で

飲まなければならないと言って

さりげなく

クロディーヌをエスコートして

ティー・テーブルに近づきました。

クロディーヌの顔は、

今や著しく青ざめていました。

 

自分の席に座る前に、マティアスは

依然として、

窓の前にぽつんと立っている

レイラを見ました。

カイルが去った場所を見つめる

大きな目に悲しみが満ちていました。

 

あの子は来ないという

囁きたい言葉の代わりに、

マティアスは微笑みました。

ちょうど彼を見たレイラは、

そんな彼を睨んで唇を噛みました。

今や美しい瞳は鋭い怒りで輝き、

マティアスの気分は

いっそうよくなりました。

 

普段より長く、

全く終わりそうもなく続く

この平然としたティータイムに

これ以上耐えられなくなった

クロディーヌは、

もうすぐ外出している貴婦人たちが

帰ってくるので、

晩餐の準備をしなければならない。

公爵もそうすべきではないかと

先にプライドを捨てて尋ねました。

しかし、マティアスは、

自分は残ったお茶を全部飲むので、

令嬢は先に行くようにと言いました。

 

それでは、先に失礼すると答えると

クロディーヌは、

降伏したかのように立ち上がりました。

ゆったりと足を組んで座ったまま

お茶を飲むマティアスが、

今ではぞっとするほどでした。

 

マティアスは

晩餐会に出席する準備をするには、

メイドが必要ではないかと尋ねると

冷たいお茶を一口飲み、

レイラの方へ顔を向けました。

彼女は、二人のティータイムが続く間

ずっと窓際で、罰を受けるように

じっと立っていました。

 

レイラとマティアスを

順番に探ったクロディーヌは、

そこまでする必要はないと答えると

彼女らしくない

ぎこちない笑みを浮かべました。

 

ヘルハルト公爵は、

確かに最上の振る舞いをした。

皆の耳と目が集まった席で

婚約者の体面を保ち、

愛人を、まるで影のように扱い

品位を保った。

この上なく理想的な姿で、

クロディーヌが望んだ、

まさにその姿なのに、彼女は

息が詰まって鳥肌が立ちました。

むしろ、マティアスが怒って

暴れてくれた方が

ずっと良かったかもしれないと

思いました。

 

応接室を離れる前、

クロディーヌはレイラを労うことで

最後のプライドを守りました。

そして、彼女が目で合図をすると

待機中のメイドが近づいてきて、

レイラの手にお金を握らせました。

マティアスは、その様子を

眉一つ動かさずに見ていました。

 

クロディーヌとメイドが去ると

応接室の静寂が一層深まりました。

レイラは、

すべての感情を消し去ったかのように

静かにその場に立ち尽くしました。

お金を握った手が

細く震えていなかったら、

人形と言っても良い姿でした。

血の気が失せたせいか、

目元と唇がさらに赤く見えました。

 

マティアスは、

力いっぱい握りしめていたカップ

ソーサーの上に置きながら

立ち上がると、レイラに近づき、

離れで待てと命令しました。

しかし、レイラが

何の返事も気配もないので、

来なければ自分が行くので、

どちらでも、好きな方を選べと

声を低くして囁きました。

 

それでも、レイラは

相変わらず彼を見ませんでした。

ただ、金を握った手の震えだけが

もう少し大きくなりました。

レイラを残したまま、マティアスも

悠然と応接室を離れました。

そして、寝室の代わりに

書斎に向かった彼はヘッセンを呼び

エトマン博士をもう一度呼ぶよう

命令しました。

思いがけない命令に、

ヘッセンは目を見開きました。

 

ヘッセンは、

確かエトマン博士は

今日の午後、往診へ・・・と

言いかけましたが、マティアスは

感情が読み取れない冷淡な声で、

アルビスに非常に重い患者がいるので

厄介だろうけれど、

もう一度来て欲しいと伝えるよう

命令しました。

 

これから起こることが心配でしたが、

ヘッセンが答えられるのは

「はい、ご主人様」だけでした。

クロディーヌはドレスを着替えて

応接室に戻りました。

外出から帰って来た貴婦人と紳士たちは

マティアスとレイラが去った場所を

埋めていました。

おしゃべりをしていた彼らは、

軽やかな足取りで近づいてくる

クロディーヌを見て、

とても、きれいだ。

背が高くてスタイルがいいので

どんな服でもよく似合うと、

やや誇張混じりに褒めました。

 

リンドマン侯爵もいるのに、

そんな軽はずみなことを言うのかと

誰かが言うと、

意地悪そうに笑う貴婦人たちの視線が

ソファーの端に座っている

リエットに向かいました。

 

照れくさそうな笑みを浮かべて

謙遜する様子を示していた

クロディーヌも彼を見ました。

都心の社交クラブを訪れていた

リエットが戻って来ただけでも

クロディーヌは

気分が一層良くなりました。

そんなに悪いことばかりでは

ないかもしれないと

努めて肯定的に考えてみると、

すべてが大丈夫に

感じられたりもしました。

レイラは、自分の立場を知って

おとなしく行動していたし、

マティアスも愛人に対する態度を

見せていたからでした。

 

ところが、

マティアスが応接室に入った瞬間、

晩餐前の歓談を楽しんでいた

応接室の雰囲気が変わりました。

驚くべきことに、彼が

数時間前に訪れた主治医と

一緒にいたからでした。

 

カタリナは驚きを隠せない顔で、

確か、自分たちは、

今日の午後に会っているのにと

言いました。

エトマン博士は、

アルビスに重病人がいると聞いて、

また来たと返事をしました。

 

重病人って、一体、誰が病気なのかと

互いを気遣う貴婦人と紳士たちは皆、

戸惑った表情でした。

たった一人、クロディーヌだけは

青ざめた顔で

マティアスを見つめました。

 

ドレスの裾をギュッと握りしめながら、

まさか、あの男がそんなはずはないと、

クロディーヌは、

祈るように繰り返しました。

しかし、マティアスは、

何食わぬ顔で微笑みながら、

クロディーヌに、

メイドを呼ぶようにと言いました。

彼女が「メイド?」と聞き返すと

マティアスは、

大けがをした令嬢のメイドだと

答えました。

その言葉に、

人々の目が一斉に大きくなりました。

 

エリーゼは眉を顰めながら、

たかがメイドの傷を診てもらうために

エトマン博士を呼び戻したのかと

尋ねました。

マティアスは、

ブラントの令嬢が、

とても大事にしているメイドだと

知っている。

そのメイドが大けがをして、

手を使えないでいるのだから、

ブラントの令嬢も、

心穏やかではないのではないかと

落ち着いて尋ねました。

 

クロディーヌは、

そうではあるけれど、

そんなに気を遣う必要はないと

答えました。

しかし、マティアスは、

令嬢にとって特別なメイドなので、

治療する必要があると言うと、

クロディーヌが返事をする前に、  

ドアの前で待機中の

侍従たちに向かって、

今すぐここへ、令嬢のメイドを

連れて来るよう命令しました。

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以前、クロディーヌは、

マティアスがレイラに興味を持っても

大したことではない。

ただの愛人にすぎないと

母親に話しましたが、

同じ貴族か、

名声のある平民が愛人になるなら

ともかく、

孤児でアルビスの居候のくせに、

意地悪をしても、

孤高の女王のようなレイラが

愛人になったことが、

許せなかったのではないかと

思いました。

だから、レイラをメイド代わりにし、

その姿をカイルに見せるという

残酷なことをすることで、

レイラを、とことん傷つけ

侮辱しようとしたのではないかと

思います。

でも、マティアスは、

クロディーヌが、

まだ婚約者の身でありながら、

自分の愛人に干渉したことが

許せなかった。

けれども、直接クロディーヌを

レイラのことで叱れば、

彼女を愛人にしていることが

他の人たちにも分かってしまう。

だから、マティアスは、

クロディーヌのメイドを使って

レイラに手を出すなと、

遠回しにクロディーヌを

警告するつもりなのだと思います。

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