自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 17話 ネタバレ ノベル あらすじ マンガ 14、15話 盗み聞き

17話 サンドリンはバスティアンを呼び出しました。

 

オデットの予想以上に

ポロクラブの構造は複雑でした。

 

競技場とつながる

アーチ型の通路を過ぎると、

馬蹄の形をした建物で囲まれた

庭園が現れました。

出入口は、その間を結ぶ道の先に

ありました。

 

オデットは急いで庭を横切りました。

忘れた装備を取りに行った

バスティアンが戻ってくる前に

事を終えるつもりでしたが

一階に入ったのと同時に、

その決意は萎えてしまいました。

 

建物のロビーに入り、そのまま直進。

その先、右側の二つ目のドア。

 

これが、エラが教えてくれた

パウダールームの位置でしたが、

説明と違って、この建物には

直進する通路が存在せず、

オデットの前にあるのは、

左右に伸びた分かれ道だけでした。

 

混乱に陥ったオデットは、

もう一度、じっくりと

記憶を辿りました。

 

身なりを整えるような所があるか

尋ねると、

パウダールームの位置を

知っているというエラが

その場所を説明してくれて、

オデットは、

注意深く、それを聞きました。

 

決して聞き漏らしたり

間違っている部分がないと

確信すると、

下すことができる結論は一つ、

よそ者への歓迎儀式でした。

大したことのないエラの説明に

若い淑女たちが笑い出した理由は

おそらく、これだったようでした。

 

たぶん、単純な遊び心から始まった

いたずらかも知れませんでしたが

いずれにしても

気にするようなことには

なりませんでした。

 

目の前の現実を受け入れたオデットは

まず建物の右側に向かいました。

再び、めまいが始まったため、

思ったほど素早く動くのは

難しかったけれど、

一歩一歩足を運ぶのに、

大きな無理はありませんでした。

 

「天気」という変化要因を

念頭に置かなかったのが問題でした。

先週末に降った雪が、

まだ都市のあちこちに残っているけれど

今日は、

まるで夏の初めのような日差しが

降り注いでいました。

 

オデットは、

自分を息苦しくさせている

コルセットを撫でながら、

もう少し、

余裕を持たせた方がいいという

メイドの助言を聞き入れれば良かったと

深くため息をつきました。

 

紐をもう少し締めて欲しいと

要求したのはオデットでした。

露骨に体をじろじろ見る

バスティアンのせいで、

とても困った舞踏会の夜のことが

思い浮かんだためでした。

 

再びそのようなことを経験するよりは

かえって不便な思いをした方が

マシだと思って下した決定でしたが

まさか、

こんな苦境に陥ることになるとは

夢にも思いませんでした。

 

オデットが

廊下の端に着いたばかりの頃、

 

二人は本当にお似合いだ。

近いうちに結婚式を挙げるという

知らせを聞いても、

全然、驚くことがないような

姿だったと、笑い混じりの女性の声が

聞こえて来ました。

 

そして、

オデット嬢を花嫁候補に選んだのなら

せめて、前もって知らせる親切くらいは

見せて欲しい。

自分たちの友情は、

その程度の価値があると思うけれどと

全く予想できなかった所で、

自分の名前を聞いたため、

背を向けようとしたオデットは

立ち止まりました・。

 

適切な対処方法を悩んでいる間に、

若い男の笑い声が続きました。

バスティアン。

間違いなく、あの男でした。

 

バスティアンは、

自分は、そのような話し方を

あまり好まない。

すでに知っていたのではないかと

思っていたけれど、それは、

自分だけの勘違いだったようだと

返事をしました。

笑いが残っている優しい声とは違い、

バスティアンの口調は、

とても冷静でした。

 

バスティアンは、

本論から言えば、オデット嬢と自分は

それぞれの利益のために協力している

取引関係に過ぎない。

これで十分な答えになったかと

尋ねました。

 

女は、

それを誓うことができるかと

聞き返しました。

その声からは、

隠すことのできない喜びと安堵感が

滲み出ていました。

 

バスティアンは、

自分にとって、

無意味な観念に過ぎないので、

神への誓いなら遠慮すると

答えました。

 

女性は、

あなたのすべての栄光と繁栄へ

誓うのはどうかと尋ねました。

バスティアンは

女性をサンドリンと呼び、

それは少しやり過ぎではないかと

何気なく親密な冗談を言うと

女性は笑い出しました。

 

サンドリンは、

自分が神経質になっていることは

分かっているけれど、たまに不安を

抑えにくい時があると謝りました。

バスティアンは理解を示しました。

 

サンドリンは、

離婚手続きを終わらせるには

当初の約束より、

はるかに長い時間が必要だと思う。

いっそのこと、財産などはすべて諦めて

自由を取り戻したいけれど、

父の意向は違うようだと言うと

深くため息をつきました。

 

そして、サンドリンは、

先日、父から手紙が届いた。

ベルクの皇帝が皇女を守るために

あなたに野蛮なことをしたのを

知っていた。

しかし、むしろ父は

良い機会だと思っているようだ。

まるで離婚するのを

待っていたかのように、

さっさと再婚するよりは、

あなたにも女性がいた方が、

世間の目にずっといいと書いてきたと

話しました。

 

バスティアンは、

自分の考えもラビエル公と変わらないと

返事をすると、サンドリンは、

父親とあなたの体の中には、

冷たい血が流れているに違いないと

不満そうに言いましたが、サンドリンは

それほど角を立てませんでした。

 

ラビエル。

じっと、その名前を繰り返していた

オデットのまなざしが揺れました。

フェリアの名門の家から

嫁いで来たという赤毛の貴婦人の

娘時代の名前は

サンドリン・ドゥ・ラビエル。

離婚を準備しているということを

社交界が知っているけれど、

それでも、まだ確かに夫がいる

ラナト伯爵夫人でした。

 

ますます速くなる

オデットの心臓の鼓動の間から、

慰めが必要な自分のために、

小さな好意を一つだけ

施してもらえないかと尋ねる、

より親密になったサンドリンの声が、

聞こえて来ました。

バスティアンは

話してみるようにと促すと、

再び笑いました。

 

これ以上、

盗み聞きしたくなくなったオデットは

この辺で静かに踵を返しました。

あなたの昼をあの娘に譲る代わりに、

夜は自分に与えて欲しいという

露骨な誘惑の言葉を最後に、

彼らの汚れた会話は

オデットの耳から遠ざかりました。

 

中央玄関のロビーに戻ったオデットは

乱れた息を整えながら、

額にたまった冷や汗を拭い、

今度は建物の左側に向かって

落ち着いた一歩を踏み出し始めた。

 

パウダールームを探して、身なりを整えて

再び取引関係に戻ればいい。

簡単なことでした。

バスティアンは、

自分たちの友情が、

一瞬の欲望で汚されても良いほど

つまらないものではないと思うと

答えました。

 

彼の返事は、

予想と少しも違わなかったけれど

改めて失望する自分が滑稽で、

サンドリンは苦々しく自嘲しました。

 

捕まえられそうなのに

捕まらない男でした。

唯一の慰めは、

他の全ての女性に対しても

同じだということでした。

決して禁欲的ではないと

断言できそうな男なのに、

彼を欲しがっている

社交界の淑女たちに対する

態度だけは、

まさに信実な司祭のようでした。

憎たらしいからこそ、

より魅惑的な面でした。

 

サンドリンは、

本当にとても大切な友情だと答えると

長いため息をつきました。

 

その時、静かに、

じっと見つめ続けていた

バスティアンが近づいて来ました。

未熟な少女のように顔を赤らめた

サンドリンが息を殺している間、

バスティアンは落ち着いて

帽子の飾りを整えてくれました。

今や二人の距離は、

わずか15㎝しかないほど

近くなっていましたが、

その事実を意識しているのは、

サンドリンだけのようでした。

 

バスティアンは、

品位を保つようにと言って、

最後にコサージュの形を整えると

ゆっくりと下がりました。

そして、サンドリンが

咎めるような目で見つめても、

バスティアンは何気なく、

ずっと素敵になったと、

呆れた褒め言葉をかけました。

 

持つ気はないけれど、

手放す気もない計算高い本音が

はっきり見えましたが、

サンドリンは、ただ無力な笑みを

浮かべるだけでした。

 

この男が、

巧みに自分を利用していることは

知っているけれど、そんなことは、

どうでも良いと思いました。

どうせ、

バスティアン・クラウヴィッツ

果てしない野望以外には何も、

甚だしくは自分自身さえも

愛していない男だからでした。

 

何事もなかったように

上品に挨拶したバスティアンは、

物陰にサンドリンを残したまま

背を向けました。

 

遠ざかって行く、その後ろ姿を

眺めていたサンドリンは、

思わず帽子の飾りを触りました。

再び、両頬が熱くなる感じが

それほど嫌ではありませんでした。

あの男が、

卑劣な俗物だという事実に

サンドリンは改めて感謝しました。

 

サンドリンが望んでいるのは

ただの愛などではないし、

どうせ、そんなものは、彼にとって

何の意味もありませんでした。

それなら、バスティアンが

最も必要とする存在になりたかったし

その夢を叶える日が

目前に迫っていました。

その事実が与えた満足感で

胸がいっぱいになった頃、

バスティアンが、

角の向こうに姿を消しました。

 

その後も長い間、サンドリンは

彼が触ってくれた帽子に触れている手を

離すことができませんでした。

オデットが戻って来たのは、

レセプションが

終盤に差し掛かった頃でした。

当惑した表情を見ると、

行事の最後については、

全く分かっていないようでした。

 

何も言わずに消えた女を待っていた

バスティアンは、

形式的な笑みを浮かべた顔で

立ち上がりました。

他の選手たちは、

すでに出陣式を終えたので、

周りの関心は、最後に残った彼らに

集中していました。

いつでもどこでも、

大きな注目を集める才能だけは

生まれつき持っている女でした。

 

息を整えたオデットは、

建物の構造が複雑なので

少し迷ってしまったと謝りました。

 

ふと、クラブハウスでのことが

バスティアンの脳裏をかすめましたが、

彼はあまり気にしませんでした。

たとえオデットが

盗み聞きしたとしても

問題になることはありませんでした。

 

バスティアンは、

まだ、式典前の儀式が

終わっていないので大丈夫だと

告げました。

 

オデットが「儀式?」と聞き返すと

バスティアンは、

些細な物でいいので、

令嬢の心がこもった物を一つ

与えてくれれば勝利で報いると答えると

隣に立っている

将校夫妻を目で指しました。

妻のペンダントを

首にかけている夫を見たオデットは

小さくため息をついて頷きました。

素早く状況を把握した様子でしたが

それでも気軽に応じることは

できませんでした。

 

バスティアンは、もう一度

オデットをじっくり見てから

その理由に気づきました。

他人から借りたもので

辛うじて貴族になっている女なので

完全に自分のものと言えるものを

何一つ持っておらず、気軽に、

渡すこともできないはずでした。

その事実を察知した見物人たちが

くすくす笑いました。

 

「大尉、私は・・・」と

悩んでいたオデットが、

ようやく口を開いたのと同時に

バスティアンは、

オデットの背後に近づき、

躊躇うことなく、リボンを解きました。

ほのかに光沢があるピンク色のリボンは

指先を軽くかすめた女性の首筋のように

ひんやりとして滑らかな感触でした。

 

リボンを手にしたバスティアンは、

再びオデットの前に戻りました。

解けた長い髪が

春風に靡いていました。

あまりにも端正にし過ぎるより

はるかに良い姿でした。

 

バスティアンは、

大切にすると儀礼的な挨拶をした後

背を向けました。

たかが馬に乗って楽しむボール遊びに

騎士道の真似をして見栄を張るなんて

滑稽いだと思い、一度も

従ったことはありませんでしたが、

今年は見守る目が多かったので。

適当に格式を整えた方が得策ならば

そうできない理由はありませんでした。

 

馬の背中に乗ったバスティアンは

スティックの持ち手の下に、

偽の恋人の名札を

しっかりと結びました。

リボンの先には、

小花模様で飾られたオデットの頭文字が

繊細に刺繍されていました。

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リボンにオデットの頭文字が

刺繍されているのを発見して、

リボンがオデットの物であることに

気づいたバスティアン。

皇宮での舞踏会で、

オデットをじろじろ見ていたのも

いやらしい気持ちからではなく、

常日頃から、

口先だけの言葉に騙されることなく

相手の服装や立ち居振る舞いを

じっくり観察することで、

その人の本質を見抜こうと

努めているのではないかと思います。

 

マンガでは、オデットが

パウダールームへ行く前に、

サンドリンがオデットに

ちょっかい出していましたが、

原作では、そのシーンは、

出て来ていませんでした。

エラが、パウダールームの場所を

わざと間違えて教えるシーンも

マンガに描かれていなくて

残念でした。

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