自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 23話 ネタバレ ノベル あらすじ マンガ 18、19話 男の本音を知る方法

23話 バスティアンはオデットをサビネ洋品店に連れて来ました。

 

満面の笑みを浮かべたサビネ夫人は

直接彼らを出迎え、

バスティアンに久しぶりだと

挨拶をすると、彼は、

気兼ねなく彼女を抱きしめました。

 

サビネ夫人は、

バスティアンの叔母から連絡をもらって

どんなに驚いたか分からないと言うと

彼はサビネ夫人が、

頼みを聞いてくれたことに

感謝しました。

 

しかし、サビネ夫人は、

自分たちは、

そんな丁寧な挨拶を交わす

間柄ではない。

マリアの甥なら自分の甥でもあると

言って、バスティアンの頬に

短くキスをすると、

ようやく一歩後ろに立っている

オデットに目を向けました。

 

サビネ夫人は、

高貴な方を迎えることができて

光栄だと言うと、

一瞬、冷たくなった顔の上に

再び華やかな笑みを浮かべ、

ドレスと生地が展示されている

ホールの奥の接客用応接室へ

二人を案内しました。

オデットはそこに入った後で、

この状況を理解しました。

 

サビネ夫人は、

まずは寸法を測ってから、

詳しく打ち合わせをしようと

提案しましたが、オデットは

何か手違いがあったようだと謝り

サビネ夫人に、

了解を求めるように微笑むと

立ち止まりました。

そして、自分は服を誂えに

来たのではない。

大尉の知人を訪問しに来たのだと

思っていた。だから・・・と

話していましたが、バスティアンは

突然、割り込んでオデットの話を遮り

しばらく席を外してもらえないかと

サビネ夫人に頼みました。

彼女は、快く頷き、

話が終わったら知らせて欲しいと

言うと、

バスティアンの肩を軽く叩き、

後から付いて来た従業員たちを

率いて去りました。

 

外からドアが閉まると、

二人だけが残った応接室は

死んだように静かになりました。

 

先にオデットが、

本当に失礼だと口を開きました。

バスティアンは、ふてぶてしい顔で

彼女を見下ろしながら、

これは叱責することではなく

感謝すべきことのようだと

非難しました。

 

オデットは呆れながら、

一体、何に感謝するのかと

聞き返しました。

辛うじて落ち着いた口調を

維持しましたが、

揺れる眼差しまで隠すには

力不足でした。

 

バスティアンは、

すでに来年の春まで、

予約が埋まっている店だ。

自分の叔母とサビネ夫人との

長年の友情がなければ、

このような特別待遇は

受けられなかっただろうと

言い返しました。

 

オデットは、

ここがどんなにすごい所であれ、

自分は、大尉から服をもらって

着たいという気持ちが少しもない。

望まないプレゼントを

このようなやり方で強要するのは・・・

と非難すると、バスティアンは、

自分がプレゼントをあげたくて

こんな苦労をしていると思うのかと

最低限の礼儀すら尽くさない

辛らつな声で反論して嘲笑いました。

 

言葉に詰まったオデットは、

ただ丸く大きくなった目だけを

瞬かせました。

その間に、

バスティアンは背を向けると

再び接客用ソファーに座り、

目で向かいの席を指しました。

オデットは、その場に留まることで

傲慢な命令に従いませんでした。

 

好きにしろとでも言うように

頷いたバスティアンは、

テーブルに置かれているグラスを

手に取りました。

そして、

自分は安物には興味がないと言うと

冷たいウイスキーソーダで唇を潤し

ゆっくりと足を組んで座りました。

照明の光が、

よく磨かれた靴の先に反射し、

焦点のぼやけたオデットの目を

刺しました。

 

バスティアンは、

自分が持つものは、

何でも最高であることを望む。

最も良くて、値段が高くて、

華麗で、まあそういうもの。

オデット嬢も例外ではないと

言いました。

 

オデットは、

どうせ自分は偽物だ。

これら全ては、

イザベル皇女の結婚式と共に終わる

お芝居に過ぎないと言ったのは

大尉だと反論しました。

 

オデットは、

目の前が真っ白になるほど

激しい屈辱を感じましたが、

自制心を失いませんでした。

それは、

あの男とは無関係な心の聖域。

オデットが辛うじて守ってきた

最後の尊厳でした。

あの無頼漢に、

それを冒涜する権利を与えたくは

ありませんでした。

 

オデットは、

この縁談のために生じる噂や

評判が落ちることを承知の上で

下した決定だと理解しているけれど

私の記憶が間違っているのかと

尋ねました。

 

バスティアンは、

もちろん、紳士の名誉と品位は

どうなろうと関係ない。

しかし、お金は違う。

あなたのプライドが、

高貴な血統から来ているのなら

自分にとっては、それがお金だと

答えました。

 

そして、再びウィスキーソーダ

一口飲んだバスティアンは、

ジャケットの胸ポケットから

ハンカチを取り出し、

指を伝って流れる水滴を

拭き取りました。

 

それからバスティアンは、

それなのに、当分の間、

自分の女として知られている

高貴な淑女が、まともな服一着もなく

無視されるようなことがあれば

自分の立場が、

とても困ることになるのではないかと

尋ねました。

 

オデットは、

公式的な行事に参加する時は、

十分、その場にふさわしい服装を

していたと思うし、

これからもそうするつもりだと

答えました。

 

バスティアンは、

最善を尽くして

努力しているということは

分かっている。

その点は高く評価していると言うと

水で濡れたハンカチをきちんと畳んで

テーブルの端に置きました。

 

チラッと目を上げると、

オデットが見えました。

顔は白い紙のように

青白くなっていましたが、

目頭が赤く染まっていました。

厳しい表情とは対照的な色でした。

 

バスティアンは、

でも、結果は

あまり満足のいくものでは

なかったことを知っているはず。

自分は、

あなたに付けられたあだ名を

これ以上我慢する気はない。

だからプレゼントというよりは

業務という表現が適当だと思うと

説明しました。

 

乞食姫のみすぼらしい姿を見た

バスティアンの眉間に

しわが寄りました。

金を巻き上げるために訪ねて来た

女の父親が頭に浮かぶと

幻滅がより一層深まりました。

 

オデット嬢の人生は、

予想以上にめちゃくちゃでした。

自分が引き受けた女が

どのような人物なのかを

改めて実感したバスティアンの顔に

自嘲と慰めの色が浮かびました。

 

むしろ、

皇帝に不忠実な代償を払った方が

良かったという気がしましたが、

後悔はしていませんでした。

自ら選んだことだったし、

それにバスティアンには

自分の品位を損なう汚れを

落とすことができる手段があるので

解決策を見つければ、

それで済むことでした。

 

古い靴の先を見下ろしていたオデットは

頭を上げて、

それは互いに我慢し合って

理解し合うべき部分でないかと

言いました。

目頭が赤くなるほど、

むしろ目つきは乾く女でした。

化粧をしていないので、

より透き通っていて子供っぽい顔と、

その薄暗い雰囲気が調和していないのが

奇妙でした。

 

オデットは、

自分も大尉の価値を貶めるそのあだ名が

あまり気に入っていない。

それでも、

何の感情も表に出さなかったのは

自分が耐えなければならない役割だと

思ったから。

申し訳ないけれど、

大尉にも、その程度の思いやりは

見せて欲しいと、

分別のない子供を教える

母親にでもなったような口調で

バスティアンを叱りました。

その真剣な顔をじっと見つめていた

バスティアンの口元が

わずかに曲がりました。

思いがけず人を笑わせる才能を持った

女でした。

 

しかし、バスティアンは、

古物商の孫という呼び名は、

自分が生まれ変わらなければ

どうにもできないことだけれど

オデット嬢の場合は違うのではないかと

反論すると、肩を軽くすくめました。

そして、自分たちで解決できる問題は

解決しながら生きていこう。

無理に、そんなことまで

抱え込んだところで、

いいことはないと言うと、

席から立ち上がって、

つかつかと近づいて来ました。

高い身長と大きな体格に比べて、

とても静かに素早く動く男でした。

 

バスティアンは、

自分は自分の仕事をするので、

オデット嬢も自分の仕事をするように。

それ以上の意味はないと命令しました。

 

硬直したオデットは、

何の返事もできませんでしたが、

それは大きな問題には

ならなかったようでした。

 

バスティアンは、

頭を下げなければならない時は、

頭を下げるように。

それが本当のプライドだと、

俯いたまま囁くと背を向けました。

 

オデットは、

屈辱感を表に出さないように

懸命に努力しました。

すでにプライドが

無意味になったいうことを

知っているけれど、

すぐにあのドアの外に

逃げてしまわないためには、

無意味なプライドでも、

手放さずにいなければ

なりませんでした。

 

オデットが、

必死に感情を鎮めようとしている間

バスティアンは、

応接室の外で待機中の従業員たちを

再び呼び入れました。

 

大変失礼したと、

丁寧に謝罪したバスティアンは、

再び更衣室の向かいにある

ソファーに向かいました。

 

オデットは、依然として

その場に立ち尽くしたまま、

非現実的な光景を見ていました。

 

椅子に深く座ったバスティアンが

紳士のために用意された

競馬雑誌を広げると、

従業員たちの動きが

慌ただしくなりました。

お人形ごっこの始まりでした。

寸法を測る準備を終えたオデットが

壇に上りました。

唯一の衣類である

モスリンのガウンの上に照明が当たると

半透明の布に包まれた体の輪郭が

くっきりと浮かび上がりました。

 

サビネ夫人は、

少し驚いたように眉を上げました。

メジャーを持った助手たちの表情も

あまり変わりませんでした。

かなり、きれいな体をしていることは

早くから気づいていたけれど、

それでも期待以上でした。

目で助手たちを催促したサビネ夫人は

一歩下がって状況を静観しました。

 

バスティアンのそばにいる時は

気づかなかったけれど、離れてみると、

背がかなり高い淑女でした。

細身でしたが、

男たちを狂わせる所だけは違いました。

きれいな肌と、まっすぐな姿勢が

すらりとした体つきを

さらに引き立たせました。

 

社交界の女王。 有名俳優と歌手。

美貌と引き換えに、

富と身分を手に入れた

権力者たちの愛人まで

この帝国の有名な美人たちを

顧客に抱えているサビネ夫人の目にも

改めて感嘆するほど美しい女性でした。

調和のとれた顔立ちもそうでしたが、

冷ややかな品位が漂う雰囲気が

特に印象的でした。

 

綿密な測定が行われている間、

オデットは静かに、

巧みに協力してくれました。

田舎者で面倒な相手だと

予想していたのとは、

全く違う姿でした。

 

これで全て完了だと裁断士が告げると

オデットは丁寧にお礼を言い、

再び着替えるために

更衣室に向かいました。

サビネ夫人は、

満足そうな笑みを浮かべて頷きました。

優雅な仕草が加わると、

さらに魅惑的なお嬢さんでした。

バスティアンが、

いつもと違う行動をする理由を

初めて納得できそうでした。

 

しばらくしてオデットは、

また粗末な服を着た姿に戻りました。

焦ったサビネ夫人は、

慌ててオデットを連れて

応接室に出ました。

バスティアンは、

最初と同じ姿勢で座ったまま

雑誌を読んでいました。

 

オデットを彼のそばに座らせた

サビネ夫人が手を振ると、

高級な生地を持った従業員たちが

近づいて来ました。

ようやくバスティアンは、

雑誌を閉じて顔を上げました。

サビネ夫人は、

心からの喜びが滲み出た声で、

これから、細かく打合せをしようと

告げました。

 

マリア・クロスは、

甥の本音が全く分からず、

心配だと話していましたが、

サビネ夫人は、

最も正確な答えを数値化して

友人に伝える自信がありました。

 

男が女のために使う金。

彼女は、

それ以上に確かな心の証拠はないと

信じていました。

それは洋品店を運営して来た

数十年の歳月が証明してくれた

明白な真実、 一種の科学でした。

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あくまで私の想像ですが、

バスティアンは、

お金にならないことのために

お金を使ったり、女性のために

服を買ってあげたことなど

なかったように思います。

身分の高い人と付き合うのは、

後に自分の得になるような

人脈を作るため。

打算的に人付き合いをしてきたように

思います。

そんなバスティアンが

オデットのために

服を買ってあげるというのは

彼女に対して、

何らかの気持ちが芽生えていることを

サビネ夫人は見抜いたのだと

思います。

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