自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 24話 ネタバレ ノベル あらすじ マンガ 19話 忌まわしい訪問者

24話 結局、オデットはバスティアンに服を買ってもらうことになりました。

ドレスと帽子。靴。

手袋や日傘などの小物まで。

日が暮れる頃には、

かなりの量の注文リストが

完成しました。

何から何まで全て

バスティアン・クラウヴィッツ

選択でした。

オデットがしたことは、

ただ、あちこち引きずられて

寸法を測り、

人形のようにじっと、

彼のそばにいたことだけした。

 

サビネ夫人は、

危うく重要なことを

忘れるところだったと言って

立ち上がろうとする二人を引き留めて

シルクとシフォンの山に埋もれたペンを

探し出して握ると、

仮縫いの日が決まったら連絡したいので

オデット嬢の住所を教えて欲しいと

頼みました。

 

オデットは

「はい」と落ち着いて答えて、

トリエ伯爵夫人の住所を書くと、

全ての連絡は、

自分のシャぺロンを担当している

親戚の住所宛てへお願いしたいと

サビネ夫人に頼みながら、

住所録を返しました。

サビネ夫人は

当惑した表情をしていましたが

それ以上のことは尋ねませんでした。

 

先に立ち上がったバスティアンは

「行きましょう」と言って

手を差し出しました。

心がとても、

みすぼらしくなりましたが、

オデットは、何の素振りも見せずに

その手を握りました。

男は自分の仕事をしたので、

自分も与えられた責務を

果たさなければならない。

それが、

この取引関係のルールなので、

少なくともその部分に関してだけは

借りを作りたくありませんでした。

 

そう決意を固めたオデットは、

バスティアンの腕をつかんで

洋品店を出ました。

すぐに持ち帰れる品物を包装して来た

従業員たちが、

静かにその後に続きました。

注文した物の一部に過ぎませんでしたが

それだけでも、

大きな車のトランクと助手席が

いっぱいになりました。

 

荷物をすべて積み込んだ

洋品店の従業員たちは、

丁寧な挨拶をした後、

店に戻りました。

豪華な贈り物の箱の列を

見物するために集まった通行人たちも

自分の進むべき道を急ぎ始めました。

 

周りが静かになると、バスティアンは

先約があるので、

夕食を共にするのは難しいと

告げました。

オデットは呆れた顔で彼を見ました。

頼んでもいないことを

断られたようなものだからでした。

 

「先約がなかったとしても、

あなたと食事をする気は

全くない」という言葉が

喉元まで上がって来ましたが、

オデットは必至で感情を抑えました。

 

バスティアンは、

この車に乗って帰るように。

ハンスが自宅まで送って行くと

告げました。

 

大尉はどうするのかと

オデットが尋ねると、

バスティアンは、

歩いて行く。

待ち合わせ場所が近くなので、

その方が早いと答えると、

大通りの向こう側に立っている

ラインフェルトホテルを

目で指しました。

彼らが、

あまり良くない最初の出会いをした

まさにその場所でした。

 

オデットが、何か答えようとする前に

待機していた運転手が

後部座席のドアを開けました。

その配慮に気が進みませんでしたが

拒否する道はなさそうでした。

あのたくさんの荷物を

一人で持って行くと意地を張っても、

どうせ無意味だし、

そうすればするほど、

もっと滑稽な有様になりそうでした。

 

オデットは両手をきちんと合わせ

深く頭を下げて、

バスティアンにお礼を言いました。

わずか数時間で、

ディセン家の1年分の生活費より

はるかに大くの金を使った男でした。

彼自身の体面と

品位のためだったとしても、

結果的には、

オデットに与えられたものでした。

頭を下げるべきだと感じたので

そうしました。

なぜか何の返事もしない

バスティアンの気持ちまで

考えたくありませんでした。

そんな感情まで、

求められる仲ではありませんでした。

 

再び姿勢を正したオデットは、

急いで車に乗り込むことで、

気まずい沈黙に終止符を打ちました。

 

運転席に乗った運転手が

エンジンをかけた瞬間、

バスティアンは、

窓ガラスを叩きました。

その音に驚いて目を向けると、

窓ガラスの前に近づいて

体を屈めたバスティアンが見えました。

そして、半分ほど開いている窓から

荷物はトリエ家に置いてから

帰るようにと言う

バスティアンの声が聞こえて来ました。

 

彼は、

これらが公爵の目に触れるのは

良くなさそうだけれど、

令嬢の考えはどうかと尋ねると

当惑したオデットを

まっすぐ見つめながら、

穏やかな笑みを浮かべました。

 

オデットは、

そうでなくても、

大尉が話した通りにするつもりだった。

その点は心配しないでと

感情を押しやった返事で

彼を安心させました。

裸になったように、恥ずかしくて

惨めな気持ちになりましたが、

バスティアンの指摘が

妥当だということを

否定することはできませんでした。

 

バスティアンは、

令嬢が話がよく通じる人で良かった。

それでは、気をつけて帰るようにと

告げると、満足そうに頷き

再び腰を上げました。

 

一歩、後ろに下がったバスティアンは

軽く頷いて出発を指示しました。

指先だけを見ていたオデットは、

車が角を曲がってから、

ようやく目を上げました。

 

週末の夕方の市内は、

数多くの人と馬車、

そして、最近になって、

その数が急激に増え始めた自動車が

入り混じって混雑していました。

 

トリエ家のタウンハウスは

この辺りにありましたが、

中心街の交差点を抜けるには

かなり長い時間が

かかりそうでした。

男が、歩いた方が速いと言ったのは

どうも本当のようでした。

 

ルームミラーを

チラチラ見ていた運転手は、

オペラ劇場の公演がある日なので

渋滞がひどい。

有名な歌手が出演しているせいか

人気が高いそうだと、

そっと話しかけて来ました。

 

オデットは、

微かに笑みを浮かべながら、

自分は大丈夫なので、

気にしないでと返事をすると、

車の窓越しに、

通りの方へ目を向けました。

 

あの男を発見したのは、

のろのろ進んでいた車が、

明かりを灯した

ラインフェルトホテルの前に

着いた時でした。

バスティアンは、車より先に

そこに到着していました。

 

そしてしばらくして、

オデットが乗っているのと同じくらい

高級な黒い車が

ホテルの前に止まりました。

 

バスティアンは、躊躇うことなく

そこに近づきました。

そして、

オデットに対してそうだったように

丁寧な仕草で、

その車から降りた一人の女性を

エスコートしました。

 

オデットは、

とても洗練されて華やかな、

赤毛の貴婦人を

すぐに認識しました。

まだラナト伯爵夫人である

彼の本当の恋人でした。

長い間、沈黙を守っていた

ラビエル公爵は、

サンドリンが、この頃、めっきり

イライラしているようだけれど、

自分は二人が、

最も潔く完全な方法で

結ばれることを願っていると

この上なく、張りのない声で

言いました。

合弁会社の鉄道運営と株式について

議論していた先ほどとは

明確に変わった声でした。

 

バスティアンは、

もちろん、自分の考えも

公爵と同じだと快諾することで

彼を安心させました。

 

夕食を食べている間、

終始焦りを隠せずにいた

ラビエル公爵は、

ようやく豪快に笑いました。

 

自分は君のそういうところが

本当に気に入っている。

どんな場合でも、冷徹で

判断力を失わない。

感情的なサンドリンにとって

頼もしい楯になってくれるような

性格だと褒めました。

 

リラックスしたラビエル公爵は、

娘に対する様々な心配を

打ち明け始めました。

勝手に割り込んで来たサンドリンが

同席していた夕食の席で、

まだ言えなかった言葉でした。

 

バスティアンは、

黙々と耳を傾けました。

徐々に強くなって行く

外国語のイントネーションのため、

理解できない単語が多かったものの

あえて指摘する必要性は

感じられませんでした。

 

ラビエルは、詐欺のような結婚で

娘の人生を台無しにした

あの男色の男を、絶対に

許すつもりはありませんでした。

 

ラビエル公爵は、

最大限の慰謝料で彼に報復する。

再婚は、その後に可能になる。

どうか家門の立場を理解して

待って欲しいと言いました。

バスティアンも概ね共感しました。

その見返りとして得られる

莫大な利益に比べれば、

大したことではない問題でした。

 

長々としゃべり続けるのを終えた

ラビエル公爵は、

娘の名誉を守ってくれてありがとうと

熱い真心のこもったお礼を言いました。

 

名誉。

夫の彼氏を弱みとして握って

離婚を要求しながら、

裏では、公然と

次の男を誘惑している女には

似つかわしくない言葉でした。

 

夕食を終えるや否や

追い出されたサンドリンは、

今頃、恋人のベッドに横になって、

自分の気持ちを分かってくれない

父親と再婚相手の

悪口を言っているはずでした。

 

サンドリンが最近、

夜を一緒に過ごしている男は、

オペラ劇場の代役歌手でした。

昨シーズンは無名の画家。

その前は、おそらく下町の劇場の

ダンサーだっただろうか。

 

概して彼らは、お粗末な才能と

若さしか持っていない

三流芸術家たちなので、

その点で無害でした。

万が一、世間に知られたとしても

大きな問題になることは

ありませんでした。

それは社交界の暗黙の了解を得た

些細な逸脱行為に過ぎないし、

バスティアンの見解も同様でした。

 

サンドリンは、

愛人の意味が何なのか

正確に知っている賢い女性でした。

安っぽい感傷に浸って

問題を引き起こす部類ではないので

バスティアンは、

その点を高く評価しました。

 

彼女の自分への愛は真実であり、

それはベッドを温める男たちと

無関係な領域にある

感情だということも

よく知っていました。

 

バスティアンは、

こちらこそ、

公爵が娘と自分との友情を理解し

尊重してくれることに

深い感謝の念を抱いていると、

適切に挨拶することで、

一人娘への愛が格別な

フェリアの貴族を満足させました。

 

ふと、あの女性の父親のことが

思い浮かんだのは、

ラビエル公爵を見送って

背を向けた瞬間でした。

 

娘のことなど眼中にもなかった

救いようのない父親。

呆れたことを言い出したけれど

値段さえ高くすれば、

誰にでも娘を売り払う者でした。

 

もしも父親がまともだったら、

彼女もサンドリンのような人生を

送っただろうか?

 

バスティアンは、

意味のない仮定をしながら

夜の街を歩きました。

サンドリンのように生きる

オデット嬢。

なかなか、うまく描けませんでした。

 

詐欺のような結婚をしたことを

知ったとしても、

彼女は計略を巡らして

戦うことはなさそうでした。

今、あのゴミのような父親に

耐えているように、愚かにも

ただ我慢し続けたのだろう。

そのくせ、誰よりも、孤高なふりを

うまくやり遂げる女だから

評判だけは最高だったに違いない。

 

考えがそこまで及んだ時、

いつのまにか、

家が見える道に入っていました。

何かおかしいと直感が働いたのは

その時でした。

 

騎馬警官が、

彼のタウンハウスの近くを

うろついていました。

通常のパトロールと見るには

その数が多過ぎるし、何よりも

あまりにも立派な馬と鞍が

目を引きました。

普通の警察に

与えられるようなものでは

ありませんでした。

 

皇室近衛隊。

タウンハウスの出入り口が開いた後

バスティアンは答えを見つけました。

皇女が暴れ回った舞踏会の後も、

度々、不審な人物たちが

この家の周辺をうろついていました。

 

彼らが潜伏中の

皇室近衛隊だと耳打ちしたのは

デメル提督でした。

皇帝が注視しているのだから、

万が一でも、再び皇女と、

関わることがあってはならないという

意味でした。

 

しばらく静かだったのに

急にどうして?

 

バスティアンは

釈然としない思いで

呼び鈴を鳴らしました。

しばらくして、

青ざめた顔の執事のロビスが

ドアを開け、

「大変です、ご主人様!」と

叫びました。

ドアノブを握った彼の手は

痙攣するように震えていました。

 

皇女・・・皇女殿下が

今、ここに・・・

 

ロビスは、まともに言葉を

終えることができませんでしたが

バスティアンは、

説明の続きがなくても、

彼が言おうとした言葉を

理解しました。

 

バスティアン!」と叫びながら

執事の背後から

メイド服姿の一人の少女が

走って来ました。

驚くべきことに、

クソくらえのイザベル、

皇帝の娘でした。

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マンガでは、バスティアンが

オデットにブランケットを渡す

シーンがありましたが、

原作にはありませんでした。

そして、マンガでは描かれていなかった

バスティアンが

サンドリンをエスコートして

ホテルの中に入るシーン。

後に、サンドリンが割り込んだことが

判明しましたが、オデットは

そんなことを知る由もありません。

バスティアンとの婚約はお芝居だと

割り切って、彼のことは、

何とも思っていないでしょうけれど

彼の本当の恋人という言葉から

オデットの複雑な胸中が窺えました。

そして、バスティアンも、

もしも、オデットの父親が

まともだったらと、

かなりオデットのことを

意識していることが窺えました。

 

それにしてもサンドリン。

なかなか、

お盛んな女性だったのですね。

遊びと結婚は別。

サバサバした女性だと思いました。

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