自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 30話 ネタバレ ノベル あらすじ マンガ 24話 傲慢な男

30話 オデットは、二年間、バスティアンと結婚するという書類にサインをしました。

 

トリエ伯爵夫人は、

こんなに急に結婚の準備をしたのは

生まれて初めてだと言うと、

首を横に振りながら失笑しました。

今、二人は宝石店へ結納品を取りに行き

今は完成したウェディングドレスを

確認しに行く途中でした。

その後、

新郎側の結婚の準備を担当している

クロス夫人に会って、

今週末に迫った結婚式の

細かい点について、いくつか、

さらに話し合わなければ

なりませんでした。

 

この一ヵ月間は、毎日がこのように

戦争のような日々の連続でした。

馬車の車輪と馬の蹄の音の合間に、

オデットから伯爵夫人への

笑いのこもったお礼の言葉が

聞こえました。

 

トリエ伯爵夫人は、

改めて驚嘆のまなざしで

向かいの席を見つめました。

ラベンダー色の

モスリンのドレスを着たオデットが

明るい笑みを浮かべていました。

ダイヤモンドと真珠を惜しみなく使った

アクセサリーの輝きが、

彼女の顔色を、さらに明るく華やかに

見せていました。

わずか一か月の間に、オデットは

全く別人のようになっていました。

 

トリエ伯爵夫人は、

そんなお礼は要らない。

おかげで、お金を

湯水のように使う楽しみを

存分に味わっていると言いました。

 

トリエ伯爵夫人は満足そうな目で

バスティアン・クラウヴィッツのお金と

自分の目利きが融合して

作り上げた作品を鑑賞しました。

 

ディセン公爵の見舞いに行った日の夕方

バスティアンは、直接トリエ家を訪れて

彼がオデットにプロポーズをしたことを

伝えました。 

いきなりそのような決定を下したという

事実にも驚きましたが、

勝手に決めて、知らせて来た

結婚式の日付には、

かなり驚愕しました。

衝撃が相次いだにもかかわらず、

年を取って衰えた心臓が

止まらなかったのは、

全面的に神の加護のおかげでした。

 

トリエ夫人に、

新婦の結婚の準備を任せた際、

バスティアンは、

費用のことは気にする必要はない。

最も華やかで美しくして欲しいと

頼みました。

そして彼は、枯れない泉のような金で

自分の言葉を証明して

見せているところでした。

 

トリエ伯爵夫人は、

あなたに初めて会った日、

なぜか、

この縁談を成功させることが

できるかもしれないという

予感がした。

こうなる運命だったんだと言うと

笑顔でオデットの手を握りました。

婚約指輪は、

オデットの細い指には手に余るほど

大きくて華やかな宝石で

飾られていました。

せいぜい一ヵ月余りの婚約期間に

ふさわしくない贅沢でしたが、

くれるものを拒む理由は

ありませんでした。


トリエ伯爵夫人は、

どうやら、あなたの婚約者は

世間の予想よりも

ずっと裕福なようだ。

自分の娘を守ろうとした

皇帝の利己心が、不本意ながら

妹の娘まで守り抜いたと言うと、

オデットの手を放し、

扇子を広げました。

 

オデットは、依然として、

謎めいた笑みを浮かべていました。

美しく静かで気品のある姿でした。

トリエ伯爵夫人は、

縁談が白紙になっても当然の今、

バスティアンがプロポーズしたのも

無理はないと、

彼の破格な選択を再び納得しました。

 

あの古物商が世を去ってから

もう七年が経とうとしていました。

それから今まで、彼が残した遺産は

水面下に静かに沈んでいました。

しばらくは、

色々な推測が飛び交ったけれど、

相続人である外孫が沈黙していると

その噂の炎は、すぐに消えました。


噂で聞いたほどには、

大したことなかったという失望の中

一世を風靡した陰の金融家が

忘れられていく間に、

バスティアン・クラウヴィッツ

予定通り士官学校を卒業した後、

将校に任官しました。

そして、徹底的に

軍人として生きて来ました。

豊かな生活を享受するのに

十分だという暗示は

与えていましたが、

財産の規模が明らかになるほどの

行動は見られませんでした。

少なくとも、この結婚を決めるまでは。

 

バスティアンは、

ちょうどいいタイミングを

待っていたかのように

動いていました。

おそらく、オデットは、

その新たな飛躍を宣伝する

トロフィーに選ばれたのだろう。

それなら彼は、非常に優れた

選択をしたのでした。

 

トリエ伯爵夫人は、

そういえば、まだ結婚式場を

見ていないだろうから、

一緒に行ってみないか。

明日は、少し余裕があるからと

少し浮かれた声で、

それとなく尋ねました。


二人の結婚式場は、色々な面で

大きな波紋を呼ぶことになるだろう。

口がむずむずしても、

じっと我慢しているのは、

その日、驚きのあまり

顔色が変わるのを見物する楽しさを

逃さないためでした。

 

しかし、オデットは、

何日か経てば見られるはずなので

明日はゆっくり休んで欲しいと

トリエ伯爵夫人を労いました。

 

礼儀正しく断るオデットの顔は、

これまでと変わらず穏やかで、

まるで他の人の結婚式の

見物人のような反応でした。

 

そういえば、この子は、

結婚の準備をする間ずっとそうだった。

何でも素直に従って微笑んでいたけれど

それは黄昏期の老人に似合いそうな

平穏さで、どうも結婚式を控えた

花嫁らしくなかったと、

トリエ伯爵夫人は考えましたが

知らないふりをして

無視することにましした。

父親のことを考えれば、

ひたすら喜ぶのも難しいだろう。

いない方がマシな父親だけれど

それでも血がつながっているので

悩みが多そうに見えるのも

当然でした。

 

バスティアン・クラウヴィッツ

お金という最も効率的な手段で

ディセン家の悲劇を解決しました。

 

ディセン公爵は、

ラッツ近郊の施設の良い病院に移され

死なない限り、

そこから出ることができないため

事実上、高級な監獄に閉じ込められたも

同然でした。

 

公爵の私生児も、

姉の結婚式が終わり次第、

カルスバルにある名門女子校に

送られる予定でした。

オデットのそばにいるディセン一家を

すべて片づけるという宣言に

等しいものでした。

 

オデットは妹を遠くへ送ることになり

内心残念に思っていましたが、

トリエ伯爵夫人の考えは違いました。

もう、これくらいで

手に余る荷物をすべて置いて、

彼女自身の人生を

生きる時が来たからでした。

 

そのような点で、彼女は

バスティアン・クラウヴィッツ

決断力を、高く評価しました。

普通なら、

体面と評判を気にして守ろうとする線を

バスティアンは、

それに対する非難なんて

どうでもいいように。

憚ることなく越えました。

よく見ると、成金のやり方も

悪くはありませんでした。

非常に直線的で痛快な面があると

言えそうでした。

 

トリエ伯爵夫人は頷き、

良いプレゼントは、

最後まで取っておくのも悪くないと

言った瞬間に馬車が止まりました。

サビネ洋品店の従業員たちは

大通りまで出て

彼らを待っていました。

 

服を整えたオデットは

遅れることなく馬車から降りました。

古物商の孫が見つけた隠れた宝石は

今日も最も華やかで美しく

輝いていました。

しばらくの間、サンドリンは

言葉を続けることができませんでした。

あまりにも呆れて、

まともに息を吸うことさえ困難でした。

 

二人の間で、

たじたじとなっていたルーカスは

少し庭を散歩して来ると言って

そっと席を立ちました。

 

サンドリンは、

バスティアンだけを見つめていました。

ルーカスは、

結婚式を翌日に控えた男の家を

正当に訪問するために連れて来た

盾に過ぎなかったし、 どうせルーカスは

この会話に割り込む資格が

ありませんでした。

 

やっと怒りを鎮めたサンドリンは、

本当にあなたらしいという点一つは

気に入っていると言うと

辛うじて唇の端を引き上げて

笑いました。

せっせと荷物を運ぶ使用人たちを

見下ろしていたバスティアンは、

ようやく窓から視線をそらしました。

全く平気な顔をしていました。

 

バスティアン・クラウヴィッツ

結婚する。

サンドリンは、その知らせを

父親から聞きました。

 

バスティアンが、

直接、父親を訪ねて話したこと。

皇帝が結婚を条件に良い取引を提案し

それに応じることにしたこと。

さらに呆れたのは、父親がその決定を

尊重しているという事実でした。

 

偽の妻と二年間暮らした代価として

爵位を手に入れるなら、

離婚の一つくらいは

喜んで目をつぶってやる。

そろばんを弾いた末に、

ラビエル公爵が下した結論は、

そのように簡単でした。

どうせその頃に

再婚させるつもりだったから、

彼らが合意した結婚商売には

何の支障も与えないと

考えているようでした。


サンドリンも、

その計算を理解しました。

しかし、自分に何の相談もなく、

このような裏切りをしたバスティアンを

許すことはできませんでした。

少なくとも謝罪はすべきだと

疑っていなかったので、

バカみたいに、

結婚式が目前に迫るまで、

待っていました。

 

つまり、あなたは、

自分に少しも申し訳ないと

思っていないことですねと、

サンドリンはバスティアンを

非難しました。

 

バスティアンは、

この件に関しては、

ラビエル公爵に十分了解を求めたし、

彼も理解してくれたと、

今回も同じ答えを繰り返しました。

 

サンドリンは空笑いすると、

あなたは自分ではなく、自分の父親、

正確には、自分の父親の金と

鉄道を愛する男だということを

しばらく忘れていたと言いました。

 

バスティアンは、

サンドリンを伯爵夫人と呼ぶと

どうせなら鉱山も入れるようにと

ラビエル家が所有している

ダイヤモンド鉱山は、

世界でも指折り数えらえる規模だ。

誇りを持っても良いと、

笑顔も見せずに冗談を言いました。

いや、それが

冗談だったのかどうかさえ

確かではありませんでした。

 

サンドリンは、

父親とあなたは、

人生を数字だけで生きられて

本当にいい。

心を持った人の痛みなどは

一生分からないだろうと

皮肉を言いました。

 

バスティアンは、

もう用は済んだのかと言うと、

握っていたカップを下ろして

呼び鈴を鳴らしました。

しばらくして現れた執事に、

いくつかの指示事項を伝えた

バスティアンは再び笑みを浮かべて

サンドリンに向き合いました。

 

サンドリンは、

引越しの準備で

とても忙しそうだけれど、

新しく用意した邸宅で、

美しい妻と一緒に

新婚生活を楽しむようになったことを

どう思うかと尋ねました。

 

彼女は決して彼に負けないように

ニコニコしながら、

その視線を浴びました。

冷たく固まった両手が怒りで

震えていましたが、

幸い最後のプライドを守れるほどの

自制心は残っていました。

 

バスティアンは、

新婚生活に関しては

まだ分からないので話せることはない。

実際に新婚生活を楽しんだ

伯爵夫人の方が、

よく知っているのではないかと

聞き返しました。

 

サンドリンは、

今、自分を侮辱しているのかと

非難しました。

バスティアンは、

ありのままの事実を伝えているだけ。

すでに結婚している上に、

まだその結婚を終わらせていない

伯爵夫人が、このように干渉することが

少し滑稽に思うという気持ちが

全くないわけではない。

あなたも一度、自分も一度。

それぞれ一度ずつ結婚して

離婚するわけだから

公平ではないかと聞き返すと

首を横に振りました。

その図々しく傲慢な目つきが、

ついにサンドリンの

最後の忍耐心を崩しました。

 

サンドリンは、

あなたは自分に

こんなことをしてはいけない。

残念なのは一体誰の方なのか。

まさか、そこまで考えられないのかと

非難しました。

 

バスティアンはサンドリンを

ラビエル公爵家の令嬢と呼ぶと、

もちろん、欲張りな花嫁候補だ。

だから自分は今あなたと、

こんな情けない話を

しているのではないかと答えました。

 

サンドリンは

「何ですって?」と聞き返すと、

バスティアンは、

自分はあなたの父親が持つ地位と基盤が

必要だったし、あなたの父親は

自分のお金が必要だった。

お互いの利害が一致していたおかげで

今まで、うまく協力して来られた。

自分たちが結婚したら、

これからもこの関係を

安定的に続けていけるだろうし、

そのような面で、あなたは

自分に一番多くのものを

与えることができる女性だけれど、

それで自分が残念な方かと言えば

それは違うと思うと反論しました。

彼の顔から、作り笑いが消えました。


そして、バスティアンは、

自分は皇帝との取引を終えた後、

あなたと再婚する予定だ。

自分が一番必要としている利権を

ラビエル令嬢が持っているから。

でも、あなたが気が向かないなら

二年間、一生懸命に次善の策を考える。

これが自分たちの関係だ。

どうしても受け入れられないのであれば

あなたも

他の再婚相手を探した方がいいと言うと

しばらく外していた仮面をかぶるように

表情を変えて、立ち上がりました。

そして、十分に考えた上で、

理性的な状態で、

また話した方がいいと勧めました。

 

サンドリンは、

そのつもりがなければ、

追い払うつもりなのかと尋ねました。

バスティアンは、

今のところ、最高の花嫁候補である

あなたを冷遇するつもりはない。

ただ、

主人が去った家を守っている姿が、

あまり、見栄えがしないような

気がして話していると言うと、

応接室の暖炉の上に置かれた

置き時計を指すことで、

彼女が帰る時間を知らせました。

サンドリンは、

これ以上我慢ができなくなり

立ち上がりました。

 

彼女は、

このように大きな心遣いを受けたので

自分も恩返しをしなければならない。

明日、あなたの新しい家で

一番大きな拍手を送る

結婚式の招待客になってあげると

言いました。

 

バスティアンは、

気持ちだけ、有難くもらっておく。

自宅でささやかに行う結婚式なので、

招待状を送らなかった客を迎えるのは

難しそうだと、

丁重に了解を求めると、

椅子の背もたれにかけておいた

ジャケットを手にして背を向けました。

 

他の女性と結婚するために

去って行く恋人の後ろ姿を

眺めていたサンドリンは、

ついに、熱い涙を流しました。

 

その事実を

知らないはずがないのに、

バスティアンは、

最後まで振り返りませんでした。

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バスティアン、

本当に本当に冷たくて残酷だと

思います。

自分が一番必要としている利権を

サンドリンが持っているから

結婚するなんて、彼女に対して

少しでも愛情があれば、

絶対に言えない言葉だと思います。

しかも、仮にサンドリンが

結婚を断ったとしても、

次善の策を考えるとまで言い切る

恐ろしさ。

いくら気が強いサンドリンでも

泣いてしまうのは当然かと思います。

それでも、バスティアンのことが

諦められないのは、彼のことを

本当に愛しているからなのだと

思います。

 

一方、サンドリンに対しては、

徹底して冷たいのに

雪の中、オデットが

トラムを待っているのを

ラクションを鳴らされるまで

見守っていたバスティアン。

愛がなければ、こんなことを

しないのではないかと思います。

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