自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 35話 ネタバレ ノベル あらすじ マンガ 27、28話 妻の体面は夫の名誉

35話 晩餐会で、オデットが賭場で父親に売られた話題が持ち上げられました。

 

父親が不適切な賭博を

楽しんだことがある。

足りない掛け金の代わりに

娘を賭けるという失言をし、

それに興味を持った将校たちが

参加した。

その夜、夫に初めて会った。

ここにいる将校たちも一緒だったと

説明するオデットの澄んだ声が、

ひときわ高まった緊張感を破りました。

 

主人公になる機会を逃した

エーリッヒ・ファーバーは、

しかめっ面で

バスティアンの妻を見つめました。

彼女は自らの恥部をさらけ出しても

驚くほど淡々としていました。

なんと見事な演技なのか。

大したことではないことで

大騒ぎした愚か者になったような

気がするほどでした。

 

続けてオデットは、

まさにバスティアンが

そのカードゲームの勝者だった。

名誉を知る軍人らしい方法で

自分を無事に帰してくれた。

もちろん友達も同意してくれたおかげで

可能だったことだ。

今でも、苦境に陥った自分に

示してくれた親切に

深く感謝していると言うことで、

これ以上、付け加える言葉が必要ない

完璧な仕上げをしました。

 

エーリッヒは呆れて失笑しました。

自分に有利な方向へ

巧妙に美化したけれど、考えてみれば

それほど間違った言葉では

ありませんでした。

その点が彼をさらに当惑させました。

見事に逆襲されたようなものでした。

 

グラスを置いたサンドリンは、

本当にロマンチックだ。

恋に落ちるしかない

初めての出会いだったのだろうと

大げさに感嘆しました。

エーリッヒは、

その辺でそっと引き下がることで

体裁を取り繕いました。

 

まず、自分の方へ関心を集めさせた

サンドリンは、鋭い目つきで

オデットを観察しました。

できる限り自分を低くしているけれど

それは決して謙遜から来る

言動ではありませんでした。

むしろ天を突くような傲慢さなら、

分かりませんでしたが。

 

しかし、一方では、

かなり心の弱い女のようにも

見えました。

本当に何でもないことなら、

このように必死に、

平静を装う理由はありませんでした。

 

サンドリンは、

もしもその夜に他の人が勝利していたら

夫が変わっていたかもしれないと

冗談を装った嘲笑を投げかけて、

明るい笑みを浮かべました。

果たして、

いつまで孤高のふりができるのか、

一度確認してみるつもりでした。

 

サンドリンは、

皆、もっと頑張れば良かったのに。

安値で皇帝の姪を手に入れる

絶好の機会だったのに。

そうではないかと、

露骨な嘲弄を込めた質問で

オデットを刺激しました。

 

穏やかだった彼女の眼差しが

揺れ始めた頃、

浮かれてゲラゲラ笑っていた客たちが

一斉に静かになりました。

軽くため息をついたサンドリンは、

皆の耳と目が集まっている方向へ

視線を向けました。

いつの間にかテラスに戻って来た

バスティアンが、

そこに立っていました。

重い静寂は、

それほど長くは続きませんでした。

口角を軽く上げたバスティアンは

何事もなかったかのように

妻に近づき始めました。

 

トーマス・ミラーとの通話は

いつもより早く終わりました。

彼は要点を簡潔にまとめて伝え、

バスティアンも、

やはり簡潔で明確な返事をしました。

 

再びテラスに戻ったのは、

エーリッヒが、爆弾を

爆発させようとした時でした。

まず、状況を見守ることにしたのは

少しの好奇心からでした。

まな板の上に乗せられて

切り刻まれる運命のオデットが

果たして、どんな選択をするのか

バスティアンは気になりました。

一種の試験でした。

 

満足のいく結果ではありませんでした。

戦略は素晴らしかったけれど

オデットは、

それほど熟練していませんでした。

そしてサンドリンは、

その隙を正確に突きました。

バスティアンが必要とする

妻の徳目を備えているのは

やはりサンドリンでした。

 

しかし、現在のクラウヴィッツ夫人は

オデットであり、妻の体面は

夫の名誉と直結していました。

 

バスティアンは、

残念ながら、

そんなことはなかったと思うと言うと

オデットが座っている椅子の後ろに立ち

そっと微笑みました。

これ見よがしに、

妻の肩を包み込むように握る手からは、

見せびらかすような所有欲が

滲み出ていました。

 

バスティアンは、

他の誰かが勝ったとしても、

結果は同じだったはず。

自分が奪ったから。

そうでしょう、オデット?と

尋ねると、腰を深く屈めて

優しく囁きました。

 

ビクッとして、

顔をそちらへ向けたオデットは

思わず小さなため息をつきました。

バスティアンの顔は

すぐ近くまで来ていました。

甘い恋人のふりをする瞬間にも、

オデットを見つめる彼の目は

相変わらず冷ややかでした。

温かい光を放ちながら揺れる炎の中の

青い中心部に

向き合ったような気分でした。

 

突然恥ずかしくなったオデットが

体を離そうとすると、

肩を握った手に力が込められました。

そして、間もなく、

二人の唇が触れ合いました。

 

辛うじて悲鳴を飲み込んだオデットは

硬直したまま、

突然のキスに耐えました。

無礼な客の笑い声と野次に、

今は、ただ感謝するだけでした。

この大騒ぎがなかったら、

爆発しそうな心臓の鼓動が

ばれてしまったはずだからでした。

 

幸いなことに、バスティアンは

適正ラインを越えることなく

退いてくれました。

平然と笑った彼が席に座ると、

晩餐会は、

再び本来の軌道を取り戻しました。

もはや誰も、あの夜のことについて

言及しませんでした。

ただ楽しく笑って騒いで

夏の夜を楽しみました。

明白な悪意を露わにした

エーリッヒ・ファーバーと

ラナト伯爵夫人も同様でした。

 

オデットは、ようやく安心しました。 

その時、手を包み込んで握る

大きくて硬い感触が感じられました。

バスティアンの手でした。

彼は一気に捕らえたオデットの手を

膝の上に持って行きました。

拒否しようと努力してみましたが

無駄でした。

 

その光景を、

じっと注視していたサンドリンは、

あなたが、こんなに優しい夫になるとは

思わなかった。

本当に素敵な新婚夫婦だと

棘のある称賛の言葉を投げかけました。

明るく笑っていましたが、

オデットを見る目つきからは

隠す気のない嫉妬が

滲み出ていました。

 

他の男の妻に、自分の夫の

愛人扱いされる状況だなんて。

自分が、どれほど変な結婚をしたのか

改めて気づいたオデットの頬が

赤くなりました。

しかし、バスティアンは依然として

彼女を放す気がなさそうでした。

サンドリンの気持ちを

知らないはずがないにもかかわらず

そうでした。

 

バスティアンは力を込めて

もがくオデットの手を圧迫しました。

そしてゆっくりと、硬直した指の間に

自分の指を絡めました。

拒否しようと努力しましたが、

力の差は圧倒的でした。

しばらくして、両手は

完璧に一つに絡み合いました。

 

不慣れな感覚に戸惑ったオデットは、

慌てて頭を下げて

真っ赤になった顔を隠しました。

その瞬間にも、バスティアンは

平気で客との会話を続けていました。

 

オデットは、夕食が終わるまで

サンドリンの目を見ることが

できませんでした。

不貞を犯しているような気がしました。

心の奥底に陰を落とす、

薄汚い感情でした。

まだ奥さんの手が必要な部分が

かなり残っていると、

サンドリンの陽気な声が

静かな廊下に響き渡りました。

 

説明を一時中断したオデットは、

振り返って、

後ろから付いて来た女性たちに

向き合いました。

 

晩餐会が終わると、

バスティアンと友人たちは

書斎に席を移しました。

その間、

淑女たちの余興に責任を負うのは

女主人の役目でした。

音楽を流しながら、

お茶とお菓子でもてなす程度が

一般的でしたが、

今日は初めての招待だったので

家の中の見物が、

より適切だと判断しました。

トリエ伯爵夫人の助言を仰いだ上で

下した決定でした。

 

オデットは、

客用寝室と共用スペースは、

まだ室内の装飾が全て終わっていない。

離れは建物の外観だけが

完成している状態に近いと、

優しい笑顔で答えました。

 

頷いたサンドリンは、許可なく

廊下の突き当たりにあるドアを

開けました。

女主人の接客用の小さな書斎でした。

サンドリンは、

まるで自分の家を歩き回るように

堂々とその部屋に入りました。

顔色を窺っていた他の客たちは

その辺で退きました。

 

遠くで待機していたメイドを呼び、

彼女たちを、

再びテラスに案内させたオデットは、

サンドリンの後を追って

小さな書斎に入りました。

まだ空っぽの壁と飾り棚を

几帳面に調べたサンドリンは、

大きな暖炉の前に置かれたソファに

勝手に座りました。

その姿を見守っていたオデットは

静かにドアを閉めました。

どうやら、あまり愉快でない話が

始まろうとしているようでした。

 

自分に近づくオデットを

じっと見つめながら、サンドリンは、

最近流行りの画風が自分は嫌い。

曖昧過ぎるのは自分の好みではない。

それよりは古典的な絵を好む方だ。

しかし、歴史や宗教のような

大げさなテーマは負担になるので、

華やかな風景画くらいがいいと

明確で具体的な要求事項を伝えました。

 

続けてサンドリンは、

暖炉の上には、

絵よりも鏡を飾って欲しい。

マントルピースに置くランプと時計は

どうせならフェリア製でお願いしたい。

どうしてもベルクの品物は、

繊細な美的感覚が足りないから。

フェリアで幼年時代を過ごしのなら

自分の気持ちが分かりますよねと

話しました。

 

ソファーの向かい側に立ったオデットは

もう、これ以上、笑うことなく、

自分は、伯爵夫人が何を言っているのか

よく分からないと言って

サンドリンを見下ろしました。

互いに深く見つめ合う二人の女性の上に

照明の光が静かに降り注ぎました。

 

オデットは、

どうか客らしい礼儀を守って欲しいと

先に沈黙を破りました。

 

これ以上、

遠回しに話す気がなくなった

サンドリンは、

人前では、いくらでもそうしてやる。

あなたのせいで、バスティアンが

馬鹿にされるのは困るから。

しかし、自分たち二人だけの時は

そのような期待をしない方がいい。

自分は二年間の雇用者を、

バスティアンの妻として

認める気がないと、

遠慮なく本論を持ち出しました。

 

続けてサンドリンは、

なぜ、驚いた顔をしているのか。

まさか、その契約が、

あなたとバスティアンの

二人だけの秘密だと思っていたのかと

尋ねると、鋭い目つきで

オデットを睨みつけました。

慌てたように、

ぼんやりとしている瞳が、

代わりに返事をしました。

 

サンドリンは、

確かに、妻の役目を果たしていると、

特別な関係になったという

錯覚をすることもあるだろう。

滑稽ではあるけれど理解してやる。

バスティアンもあなたを利用しているし

何より若い男には

そのような楽しみが必要だと言うと

ゆっくりと下を向いたサンドリンの目が

オデットの

青白い手の上で止まりました。

あの手をしっかり握っていた

バスティアンが思い浮かぶと、

お金で売られてきた女に抱いた

最後の憐憫まで姿を消しました。

 

サンドリンは、

どうか適切な対策を講じて

気をつけてくれることを

願っていると言いました。

オデットは、青ざめた顔で

それはどういう意味かと

聞き返しました。

 

サンドリンは、

もしや妊娠でもして、

自分の場所を取ろうだなんて

思わないで欲しいという意味だ。

自分が我慢できるのはあなたまで。

万が一、

バスティアンの子どもを産んだら、

子どもに申し訳なくて

胸が張り裂けることが

多くなるだろうと脅しました。

 

これまでオデットは、

知らぬ存ぜぬで一貫していましたが

まさか、今自分を脅迫しているのかと

初めて、率直な感情を露にしました。

 

この会話に、

他に何の意味があるのかと答えると、

サンドリンは肩を軽くすくめて

笑いました。

ようやく話が通じ始めたようでした。

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サンドリン様。

オデット様のせいで、

バスティアン様が

馬鹿にされるのは困るからと

オデット様に話されましたけれど、

すでに、その前に、

同じ過ちをされてしまったことを、

もう忘れてしまわれたのでしょうか。

サンドリン様は、

バスティアン様がオデット様の手を

握ったことに嫉妬されましたが

サンドリン様が、オデット様に

余計なことを仰らなければ

あの夜の賭場での話は、

そこで終わっていたでしょうし、

バスティアン様がオデット様に

キスされる場面を、

ご覧にならずに済んだはずです。

おまけに、ご自身が

バスティアン様の妻になった時のために

ご自分の好みを

オデット様に押し付けられるなんて

間違っていると思います。

サンドリン様が、

晴れてバスティアン様の妻になられた時

オデット様の匂いがするものは

全てお捨てになれば

いいのではないでしょうか。

おそらく、サンドリン様は

そうされるでしょうし、

単にオデット様を牽制されるおつもりで

そう言われただけなのかもしれませんが

なぜか、サンドリン様の発言が

虚勢を張られているように

見えてしまいました。

 

何となく、今回は、

サンドリンの言動を見ていた

メイド、あるいは誰かが

サンドリンに、

お節介を焼きたくなったつもりで

考察してみたくなりました。

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