自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 42話 ネタバレ ノベル あらすじ マンガ 32、33話 卑劣な勝者

42話 オデットとバスティアンは、まだデメル提督邸に滞在中です。

 

木を揺らす風の音が高まりました。

悪夢の中を彷徨っていたオデットは

息を切らして目を覚ましました。

ここがどこなのか思い出したのは、

眠気が覚める程の時間が

経った後でした。

 

うっかり、

うとうとしてしまったという事実に

気づいたオデットは

低いため息をつきました。

慎重に首を回すと、

暗闇の向こうに置かれているベッドが

見えました。

バスティアンは最初と変わらず、

姿勢を正して眠っていました。

 

ようやく警戒を解いたオデットは

静かに椅子から立ち上がりました。

カーテンを閉めて振り返ると、

向かいの壁に掛かっている時計が

見えました。

とても長い時間が流れたようでしたが

夜が明けるまで、まだしばらく

待たなければなりませんでした。

 

オデットは心配そうな目で

ベッドの空いている左側を

ぼんやりと見つめました。

バスティアンが空けてくれたけれど

どうしても近づく気になれなくて

空けておいた彼女の場所でした。

 

バスティアンは、

極めて平然と行動しました。

着替えて入浴した後に

ベッドに入りました。

罰を受けたように、

気まずそうに立っている

オデットの方には、

一度もまともに目を向けませんでした。

同じ部屋を使うようになった

偽の妻の存在を

きれいに消してしまったかのように。

 

バスティアンは、そのことを

問題視しないことにしました。

もはや疑わないことにしたオデットは

勇気を出してベッドに近づきました。

真夏でも深い山奥の夜明けは寒く

快適な寝床を保証されているのに、

いつまでも引きずっているのは

愚かでした。

戦々恐々としながら

気を揉んでいるからといって、

すでに犯した恐ろしいミスが

消えるわけではありませんでした。

それなら、かえって

この男、バスティアンみたいに、

図々しくなる方がマシでした。

 

もう全て忘れようと

決意を固めたオデットは、

勇気を出して、

ベッドの端に腰を下ろしました。

幸い、バスティアンは

目を覚ましませんでした。

眠っている姿さえ隙がなく

堅固に見える男でした。

 

額を覆っている金糸のような髪の毛と

長くてまっすぐな睫毛。

鎖骨の下に見える古い傷跡。

バスティアンを注意深く見ていた

オデットの視線は、

胸の下に置かれた大きな手の上に

釘付けになったように止まりました。

シンプルなデザインのプラチナの指輪が

サイドテーブルの明かりを反射して

輝いていました。

オデットと共有した、

この偽の結婚の証でした。

 

彼と同じ指輪をはめている自分の手が

ふと恥ずかしくなったオデットは、

結局逃げるように、

再びベッドから離れました。

急いで後ろに隠した指先が

冷たく感じました。

初めてレースを売るために出かけた

眩しい春の午後のように。

バスティアンは、

薄っすらと夜が明け始めた頃に

目を覚ましました。

いつ眠っても、目を覚ます時間が

大体同じだというのは、

長年繰り返されて

体に染みついた習慣でした。

 

眠気が消えて視界がはっきりすると、

バスティアンは、

すぐに体を起こしました。

オデットがそばにいないことに

気づいたのは、その時でした。

 

バスティアンは眉を顰めて

妻のために空けておいた場所を

調べました。

枕とシーツは、最初のように

きちんと整っていて、

人が横になった形跡は

ありませんでした。

ぐっと閉じた目を開けた

バスティアンは、

急いでベッドから降りました。

昨夜オデットが座っていた椅子も

空いていました。

結局、この部屋を飛び出した女が

やったかもしれないことを考えると

猛烈に怒りが沸き上がりましたが、

それは、すぐに虚しく消え去りました。

 

まず、服を着替えるために

クローゼットに向かっていた

バスティアンは、

暖炉と向かい合った場所に置かれた

長いソファーの上で妻を発見しました。

どこから持って来たのか分からない

家具のカバーを巻きつけたオデットは

体を丸めて横になった姿勢で

眠っていました。

 

バスティアンは呆気にとられた目で

その哀れな姿を見下ろしました。

とても寒そうなのに、

決して嫌な男のそばには

横にならないという、

オデットのすごい自尊心が

失笑を誘いました。

いつもこんな調子の女だから

事新しくもありませんでしたが。

 

オデット。

舌の先でグルグル回っている

その名前を飲み込んだバスティアンは

妻が横になっているソファーに

静かに近づきました。

起こしてベッドに連れて行くのが

最善でしたが、

オデットが素直に従うとは

思いませんでした。

 

低くため息をついたバスティアンは

眠っている妻に向かって、

ゆっくりと腰を下げました。

そして、バスティアンが

家具のカバーを少しめくった時、

オデットが目を覚ましました。

 

バスティアンは、

じっとしているようにと、

冷静に命令を下すと、

冷えた体を抱き抱えました。

眠くてたまらず、ぼんやりとした目で

バスティアンを見ていたオデットは、

まもなく猛烈に抵抗し始めました。

幸い悲鳴を上げるほど

愚かではありませんでしたが、

まるで堪えられないほど汚いものが

付いたかのように、

精一杯もがきながら、

頑として彼を押し退けました。

 

いい加減にしろと、

バスティアンが鋭く警告しても、

オデットは意に介しませんでした。

その並外れた潔癖さが、

突然、癪に触ってイライラした

バスティアンは、

再び下ろした女の体の上に跨りました。

握りしめた両腕を

ソファーの上に押し付けると、

ようやく無意味な抵抗が止まりました。

怯えながらも、オデットは冷たい目で

彼を睨みつけました。

そして、息を切らしながら

「放してください。嫌です」と

軽蔑のこもった口調で命令しました。

 

バスティアンはゆっくりと頭を下げて

自分の下に組み敷かれながらも

相手を戒めようとする女と

目を合わせました。

真っ赤に染まった両頬と

乱れた髪、苦しそうな息に合わせて

揺れる胸は、見るに値しました。

 

バスティアンは「何を?」と尋ねると

必死に体をよじっているオデットを

押さえ付けながら笑いました。

圧倒的な力の優位性がもたらす

恐怖に囚われたオデットは、

気軽に言葉を続けられず、

唇を震わせました。

向き合っている体を通じて感じられる

バスティアンの存在は、

鳥肌が立つほど鮮明でした。

何よりも、

裸にされているような気がする視線が

そうでした。

 

バスティアンは、

自分が何をどうしたというのか

言ってみろと促しました。

オデットは、

押さえつけられている両腕の代わりに

足を動かしてみましたが、

バスティアンは、

それさえも簡単に制圧しました。

しっかり密着した下半身を通して

感じられる馴染みのない感覚に

驚いたオデットは、

必死に首を横に振り始めました。

 

オデットは、

契約と関係のないことは何でも嫌だと

抗議しました。

バスティアンは、オデットが何か

勘違いしているようだけれど

いくら嫌でも自分はあなたの夫だ。

それが自分たちの契約ではないかと

主張しました。

 

オデットは、

この結婚が本物ではないという

条件付きの契約書を突き付けたのは

あなた自身だと言い返しました。

 

オデットの声が、

だんだん高くなって来ました。

まだ三階全体が静かだけれど、

まもなく客たちが

目を覚ますはずでした。

 

バスティアンは、

オデットの両手を重ねて握ると

ソファーの肘掛けの上に

そっと押し下ろしました。

もう一方の手で顎をつかむと、

オデットは鋭い呻き声を上げました。

 

オデットは、

泣き出しそうな顔をしていても

約束を守って欲しいと、

再び小生意気な要求をしました。

バスティアンは眉を顰めて

苦笑いしました。

 

この結婚は契約通りに

履行されなければならない。

その明白な事実を

覆す気はありませんでした。

皇帝との取引を無事に済ませれば、

この女の役目は終わる。

その時が来れば、躊躇なく

次の飛躍のための結婚をするだろう。

 

しかし、それで?

バスティアンは、

熱いため息をつきながら

オデットの顎を握った手に

力を加えました。

 

初めて会った瞬間から、

すでに彼のものだった。

どんな理由であれ、彼が妻にした。

だからこの結婚が終わるまでは、

彼に正当な所有権がある女でした。

知っていながら、手に入れないのは

彼の好意であって、

この女の権利ではありませんでした。

もしも、これ以上、

大目に見る気がなくなれば、

バスティアンはいくらでも

自分の分の権利を

行使することができました。

どうせ好意というものは、

そのように儚く、

薄っぺらなものだからでした。

 

廊下を行き来する足音が聞こえ始めると

オデットは、

今すぐにでも退いてくれなければ

大声を出すと、

唐突に脅迫して来ました。

悪くない戦略ではありましたが

相手がすでに、彼女の能力を

すべて知っているという

計算ができなかったのは

手痛い失策でした。

 

バスティアンは、

少しも慌てた様子がなく、

「どうぞ一度試してみて」と

勧めると、

図々しい笑みを浮かべました。

 

その卑劣な顔を睨みつけていた

オデットが口を開いた瞬間、

二人の間に存在していた

最後の隙間が崩れました。

一気に唇の間をかき分けて入って来た

熱い舌の感触を感じてから、

ようやく、オデットは

何が起こったのかを悟りました。

 

かろうじて残っていた

最後の力さえ失ったオデットは

死力を尽くして、もがき始めました。

契約なんて、

どうでもよくなりました。

どうか自分を助けてくれと、

今は、いくらでも声を張り上げて

叫ぶことができました。

そうしなければなりませんでした。

しかし、オデットは悲鳴どころか、

息もまともに

吐くことができませんでした。

 

大きくて頑丈な体の下に

オデットを閉じ込めたバスティアンは

全てを奪い取るかのように

激しく唇を吸い込み、

舌を絡ませました。まるで

捕食者の狩りのような口づけでした。

 

オデットは、

魂が抜けたように息を切らし、

体をねじりました。

束縛から解放された両手で

バスティアンを押し退け、殴り、

引っ掻きました。

しかし、そのように

激しくぶつかってみても、

オデットはバスティアンの指先一つ

どうすることもできませんでした。

それがあまりにも悔しくて

涙が出そうになった瞬間、

バスティアンの唇が離れました。

オデットは、その隙を逃さず、

思いっきり彼の頬を叩きました。

その音は、二人の荒い息づかいを

圧倒しました。

 

上半身を起こして、

座ったバスティアンは、

ヒリヒリする頬を撫でながら

オデットを見下ろしました。

かなり手が痛いであろう、その女は

少しも後悔している様子は

ありませんでした。

怒りに満ちた両目を輝かせながら

濡れた唇を閉じたのが全てでした。

 

バスティアンは、少し虚しく笑うと

乱れた髪を撫で付けました。

一時、油断したのが災いの元でした。

おかげで、事が

もっと面白くはなったけれど。

 

ようやく、

クラウヴィッツらしくなる方法を

学んだような卑劣な勝者に向かって

バスティアンは、

満足そうな笑みを浮かべました。

 

狂人でも見たような表情をした

オデットは、再び腕を上げましたが

同じ戦略で二度の勝利を収めるのは

無理でした。

一気に奪い取った手首をつかんだ

バスティアンは、

さらに激しくなった勢いで

オデットの唇を飲み込みました。

手強い抵抗が続きましたが、

バスティアンも、これ以上、

手加減する気はありませんでした。

 

すでに腰まで押し上げられた

パジャマの中に、

手を押し込んだバスティアンは、

躊躇わずに胸をつかみました。

オデットの悲鳴と呻き声は、

彼の舌の上で砕け散りました。

 

オデットは、やっとのことで

涙を堪えながら身震いしました。

一体何が起こっているのか、

何をどうすべきなのか、

もう理解できませんでした。

しかし、意識が麻痺したかのように

ぼんやりとした瞬間にも、

バスティアンの存在だけは、

ぞっとするほど、

はっきりと感じられました。

 

なぜか、それが悲しくて

耐えられなくなった瞬間、

バスティアンの手が

下着の中に入って来ました。

そのとんでもないことが

何を意味するのか気づいたのは、

彼が恥ずかしい方法で

下を触り始めた後でした。

 

衝撃に包まれて、

途方に暮れてしまったオデットは、

かえって、目を閉じました。

泣かないでと、自分を叱りました。

考えなければと、切実に願いました。

その間、耐え難い音が、

ますます高まって行きました。

 

彼が再び口づけをすると、

オデットは勇気を出して目を開け

彼の名を呼びました。

バスティアンは、

果てしなく落ち着いている

青い目を見下ろして

オデットを見つめました。

 

バスティアン。

オデットは、すすり泣くように

名前を囁きながら

バスティアンの頬を

両手で包み込みました。

互いをじっと見つめている間に

廊下を行き来し始めた人々の気配を

感じるようになりました。

 

「助けてください」

オデットは、

閉ざされたドアの向こうの他人ではなく

自分を踏みにじっている瞬間にも、

自分の唯一の支えである、その男に

懇願しました。

 

「助けてください、バスティアン。

どうか・・・」と、オデットは、

最後まで伝え切れないまま、

目を閉じました。

喉元まで上がって来た悲しみを

飲み込んでいる間に、

ドアの外の騒音が

ますます大きくなって行きました。

誰かがハハハと愉快に笑いました。

その足音から察するに、

図体の大きい男のようでした。

 

バスティアンは、

悪口混じりの失笑を漏らしながら

体を起こしました。

カーテン越しの日差しが、

めちゃくちゃになった姿で震えている

オデットを照らしました。

 

バスティアンは、床に落ちている

そのクソッたれの家具のカバーを

オデットの上に投げました。

濡れた唇を拭いた手からは

女の体の匂いが濃く漂っていました。

 

腰の下まで垂れ下がったガウンを

再び羽織ったバスティアンは、

振り返らずにソファーを離れました。

完璧に卑劣な勝者となった

妻に捧げる敬意でした。

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オデットは淑女のたしなみとして

母親からレースの編み方を

習ったのではないかと思います。

けれども、それは

いつか皇室に戻った時のための

準備のようなものだったので、

淑女としての教養あるいは趣味を、

生活のために売ることに対して

オデットは罪悪感を覚えたり、

抵抗があったり、

恥ずかしかったのではないかと

思います。

指輪を見て恥ずかしくなったのは

偽の結婚をしていることに対して

オデットは、心のどこかで

罪悪感を覚えているのではないかと

感じました。

 

マンガの32、33話で、オデットは

こんなに激しく抵抗していなかったし

バスティアンの頬を

平手打ちしていませんでした。

そして、バスティアンもここまで、

乱暴ではありませんでした。

WEBTOONで、マンガは

年齢制限されていませんので

作画担当者様は、このシーンを

やんわりと描かれたのではないかと

思います。

ただ、バスティアンが

このような態度を取った後の

オデットの心情が、マンガの時とは

少し変わって来るのではないかなと

勝手に推測しています。

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