自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 48話 ネタバレ ノベル あらすじ マンガ 35、36、37話 夫がやって来た

48話 バスティアンは会社にやって来ました。

 

トーマス·ミラーは

深いため息をつきながら、

若い主人を迎えると、週末、

ずっとここにいた彼に、

今日は帰って、

しっかり休むようにと言いました。

 

ニッコリ笑ったバスティアンは

軽快な足取りで執務室に入りました。

海軍省から退勤したばかりの彼は、

依然として制服を着ていました。

月曜日から

激務に苦しんでいる人らしくなく

活力が感じられる姿でした。

 

バスティアンは、

脱いだ帽子を机の端に置いて

振り返ると、

理事こそ休んだ方がいいと

勧めました。

 

トーマスは、

誰かの目が気になって、

そんなことできるわけがないと

返事をしました。

バスティアンは、

トーマス・ミラーが、祖父の顔色も

窺うことがなかったと聞いていると

反論すると、トーマス・ミラーは、

あの方は孫のように

ひどくなかったからと愚痴をこぼし

虚しく笑いました。

 

多血質で、

雄牛のような頑固さを持っていた

カール・イリスも、

決して容易い上司ではなかったけれど、

少なくとも孫よりは

人間味がありました。

それは彼だけでなく、

この家門で働いてきた全員の

共通した見解でした。

 

バスティアンは、

最高の褒め言葉だと言うと、

閉じた目をゆっくりと開けて

呼び鈴を鳴らしました。

しばらくして、

熱くて濃いコーヒーを持った秘書が

現れました。

 

トーマス・ミラーは

もうすぐ完了するので、

ここまで無理をして急ぐ必要はないと

助言しました。

コーヒーを飲んでいる

バスティアンを見る彼の目つきが

深まりました。

 

偽の鉱山。 紙くずとなる株と債券。

金の卵を産むガチョウの仮面を被った

幽霊会社

ジェフ・クラウヴィッツを捕える罠は

今や完成の域に達していました。

残っているのは、適当な場所を探して

餌を置くことぐらいでした。

 

バスティアンは退く気がないのか

できるだけ早く仕上げようと

断固たる返事をしました。

聖職者の服に似ている制服の襟のせいか

一見、厳格な司祭のようにも

見えたりする顔でした。

 

トーマス・ミラーは、

どうせ、この段階で

終わるようなことでもない。

深く引き込むには時間がかかる。

忍耐心を持った方が・・・と

忠告しましたが

バスティアンは礼儀正しい笑顔で

「分かっています」と口を挟み、

彼の言葉を遮りました。

 

バスティアンは、

何年かかっても構わない。

先の分かった結末を待つのは

難しくない。

しかし、このような雑務に

長く時間を費やす必要は

ないのではないかと尋ねました。

 

トーマス・ミラーは、

そうしなければならない理由でも

あるのかと逆に質問しました。

バスティアンは

半分空にしたカップを置きながら、

今週中に、

アルデンに完全に引越す予定なので

その前に急を要することは、大体、

終わらせておかなければならないと

淡々と答えました。

いつの間にか絶頂に達した夕焼けが

執務室を濃い赤色に染めていました。

 

できれば出征の日まで一緒に住むのを

延ばそうとしましたが、

もう、これ以上、その計画に

固執することはできませんでした。

ベロップ皇太子という

予期せぬ変化要因のせいでした。

 

急な呼び出しを受けて

皇宮を訪れた日。

使節団を率いて

ベルクを国賓訪問する予定の

ベロップの皇太子が、

ちょうどその時期に行われる

海軍祭に参加したいという意向を

明らかにしたと、

皇帝自ら伝えて来ました。

 

同盟国視察という

もっともらしい名分を掲げているけれど

真の目的は、

国境の向こうまで広がっている

醜聞の真偽を、

直接、確かめることであるのは

明らかでした。

それはつまり、最も完璧な夫婦を

演じなければならないという

意味でもありました。

もちろん、

皇帝もそれを望んでいました。

 

じっくり考え込んでいた

トーマス・ミラーは、

もちろん結婚したばかりの夫婦が

このように離れて暮らすのは

良くないことだけれど、

このような選択は、

どうもお坊ちゃまらしくないと

疑問を投げかけ、

当分の間は、クラウヴィッツ夫人を

ラッツへ連れて来て、

一緒に暮らした方がいいのではないかと

提案しました。

 

バスティアンは、

上場の件だけ解決しておけば、

アルデンで暮らしながら

業務を処理するのに

大きな支障はないだろう。

自分の範囲内で充分に解決できることを

妻に押し付けるのは気が引けると

答えると、

大したことないというように

肩をすくめました。

 

もちろん、

トーマス・ミラーの指摘は妥当でした。

ベロップ皇太子の訪問まで、

まだ時間が十分に残っているので、

このように急ぐ必要は

ありませんでした。

無理をしない範囲で

会社を安定化させた後に、

一緒に住んでも十分だということを

バスティアンもよく知っていました。

しかし、結局は、

やらなければならないことでした。

 

バスティアンは、

机の端に置かれた電話機を見ました。

衝動的な決心をした日も、

しばらく電話の前に留まりました。

皇宮から戻った夕暮れ時。

今と同じように夕日が沈む頃でした。

 

ただ眺めているだけで、

バスティアンは、

ついに受話器を取りませんでした。

あえて釈明をしたり、

了解を求める理由のない間柄でした。

オデットも、

同じことを考えているということは

夜更けまで鳴らない

電話のベルで証明されました。

 

ただその程度のことに

過ぎないということに気づいた瞬間

バスティアンは決心しました。

どうせ単なる

取引関係に過ぎないのなら、

同じ屋根の下で

暮らせない理由はない。

そのおかげで皇帝の信任が厚くなれば

もっと成功的な取引になるだろうし

オデットにとっても、

得になる選択でした。

 

トーマス・ミラーは

バスティアンが、その縁談に

乗り気でないと思っていたけれど

自分の想像以上に、

ずっと良い夫になったと

皮肉を交えた冗談を言いました。

薄笑いを浮かべた瞬間にも、

バスティアンを見つめる目つきは

非常に鋭いものがありました。

 

バスティアンは、

高貴な花嫁を得たのだから、

当然そうすべきではないかと答えると

平然と、制服のボタンを外しました。

照明の光が作り出した濃い影が

顔の線を、

より鋭く見せていました。

 

トーマス・ミラーは依然として

疑わしそうな表情をしていましたが

確かに美しい人ではあると言って

その辺で退きました。

 

一人残ったバスティアンは、

ジャケットとシャツを脱いで

洗面台の前に近づきました。

冷たい水で顔を洗うと、

より意識がはっきりしました。

蓄積した疲れを取るには力不足でしたが

これで、残りの業務を

処理できる程度にはなりました。

 

服を着替えたバスティアンは、

乱れた髪を整え、脱いだ制服を

きちんと片付けておくことも

忘れませんでした。

これは、長い軍隊生活によって

身についた習慣でした。

 

最後にタイを結んだバスティアンは、

椅子の背もたれに掛けておいた

ジャケットを持って執務室を出ました。

とめどなく自分を待っていた

女の記憶を思い出したのは、

会議室へと続く長い廊下に入った

瞬間でした。

あの日のオデットを、

バスティアンは現在のことように

はっきりと

思い描くことができました。

自分を発見した瞬間の

ぼんやりした目つきと

捨てられた子供のような表情。

何気なく、すれ違った街の風景と

風になびいていた

黄色いドレスの裾まで全てでした。

 

あの瞬間が、

これほど、鮮明に刻まれたのは、

いつも冷静で

優雅な態度を見せていた女が、

あのような感情を露わにしたのが

意外だったからだと思いました。

もしかしたら歪んだ記憶のせいで

錯覚したのかもしれませんでしたが。

 

バスティアンは雑念を振り払い、

日差しが差し込む廊下を

大股で横切って行きました。

どうせ仮定をしても無意味。

それよりは、

一日も早くこの仕事を片付けた後に、

自分の目で確認するのが合理的でした。

 

早ければ三日。バスティアンは

残された時間を数えながら

もう一度、

タイの結び目を触りました。

計画を調整することになったのは、

ちょうど理事たちが待機中の

会議室のドアの前に着いた時でした。

おそらく二日。

そのくらいで、十分だと思いました。

オデットは、

サンルームに置かれているピアノの前で

バスティアンが来たことを

知らされました。

上達しない練習曲と格闘するのに

疲れていた午後の早い時間でした。

 

オデットは戸惑いを隠しながら

今日は何曜日だったかと尋ねました。

メイド長は、水曜日だと

とても困惑した表情で答えました。

 

そう、確かにそうなのに。

自分の記憶が間違っていないことを

確認したオデットは、

さらに深い混乱に陥りました。

約束した週末にも来なかった男が

なぜ、水曜日の午後に

ここに現れたのか、

さっぱり理解できませんでした。

非現実的に晴れて

明るい日差しのためか、

まるで変な夢を見ているような

気分でした。

 

声を整えたドーラは、

早くご主人様の所へ行かれた方が

良いのではないかと

慎重に助言しました。

ようやく我に返ったオデットは、

慌ててピアノの前で

立ち上がりました。

きちんと身支度をしていなかったと

思ったのは、邸宅のロビーの

ホールに入った後でした。

 

幼い少女のように編んだ髪でも

まとめてみようとした瞬間、

「おはようございます、奥様」と

聞き慣れない声が聞こえて来ました。

腰を深く下げてお辞儀をする

老紳士が誰かに気づくまでに、

少しの時間が必要でした。

 

幸いにもオデットは

この家の執事を思い出し

「おはようございます、ロビス。

お久しぶりです。」と挨拶しました。

結婚式を行った週に、

しばらくここに滞在したロビスは、

その後は再びラッツへ戻り、

バスティアンを補佐して来ました。

彼の後ろに並んでいる

使用人たちもそうでした。

 

オデットは、

タウンハウスに残っていた人員が

すべて新しい邸宅に移って来たという

事実が意味するところを

理解しようと努めました。

いいえ、実は正解は

すでに知っていました。

ただ、それを受け入れる準備が

できていないだけでした。

 

ホールを見回すオデットを

眺めていた老執事は、

ご主人様は、もう寝室に上がったと

告げました。

オデットは丸く大きくなった目で

ホール中央の階段を見上げました。

今まで礼儀正しい客のように

行動して来たバスティアンが

自分がこの邸宅の主人である事実を

宣言するかのように変わりました。

 

オデットは、

落ち着いて階段を上がりました。

夫婦の寝室がある三階に近づくと、

胸が落ち着かなくなり始めました。

 

バスティアンの寝室のドアを開けると、

その部屋ではないと、

また別の聞き慣れない声が

聞こえて来ました。

おそらく、ラッツから来た

若い侍従のようでした。

 

彼は、

ご主人様はあちらにいると言いながら

丁寧な身振りで

オデットの寝室を指差しました。

 

一体なぜ?

気が遠くなりそうな気持ちに

捕らわれたオデットは

震える手を伸ばして

自分の部屋のドアを開けました。

 

バスティアンは海に面した窓の前に

立っていました。

白い光の波が彼を包み込んで

揺れていました。


オデットは深く息を吸い込んで

寝室の敷居をまたぎました。

背後でドアが閉まる間に

バスティアンがゆっくりと、

オデットの方を向きました。

後ろで手を組んだまま、

頭を下げて見せる動作からは、

このようなことをした人らしくない

余裕と傲慢が滲み出ていました。

 

突風のように押し寄せる

数多くの感情を抑えたオデットは、

まず、それに相応しい礼儀を尽くして

挨拶を返しました。

 

再び顔を上げて

バスティアンと向き合うと、

初めて現実感が訪れました。

夏と秋の間の水曜日。

夫がやって来ました。

海が眩しくて、

非常に晴れて穏やかな日でした。

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トーマス・ミラーが言うように

夫婦が一緒に暮らすのなら

アルデンではなくラッツでもいいのに

トーマス・ミラーが仕事のことで

不安を抱えているにもかかわらず、

バスティアンが

アルデンへ移り住む理由は

オデットにラッツへ来るよう

言ってみても、グズグズして

すぐに実行に移さなさそうなことと

昼食をすっぽかした時の

オデットの様子の真意を

バスティアンが、

早く知りたいという気持ちが

あるからではないかと思いました。

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