自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

泣いてみろ、乞うてもいい 149話 ネタバレ 原作 あらすじ 結婚式の朝

149話 レイラとマティアスは再会しました。

その結婚式は、

夏の終わりに行われる予定でした。

 

戦死したとばかり思っていた

ヘルハルト公爵が生きていて

堂々と帰って来たという驚きは、

その信じ難い結婚が与えた衝撃に

隠され、まもなく薄れました。

 

帝国最高位貴族と

卑賤な孤児との結婚。

しかも、その孤児は、

公爵の領地で働いていた使用人の養女。

 

それだけでは飽き足らず、

一時、主治医の息子と

婚約していた女性だという事実まで

知られた時は、

ヘルハルトと政敵関係にある家門さえ

深刻で真剣な心配をしたほどでした。

 

大怪我をしたと聞いたけれど、頭が

どうかなってしまったのではないか。

戦争の衝撃で、

そのようなことを経験する患者が

多いと言うではないか。

 

もしそうなら、

公爵家が許可したはずがない。

聞いたところによると、

その女性との間に子供がいるそうだ。

ところが、その子が生まれたのが

去年の年末だそうだ。

 

それでは、クロディーヌとの結婚を

堂々と準備していた時から、

彼女と、そんな汚い関係だったと

いうことではないか。

 

つまり、今、

マティアス・フォン・ヘルハルトは

私生児を生んだ愛人と

結婚するということなのか。

何ということだ。

 

嘲弄が混ざっていない懸念と

嘆きの言葉が

至る所から流れ出ていました。

 

この夏は、

どのパーティーに参加しても

その恥ずかしい結婚の話が

主な話題となっていました。

その噂の主人公は、一切、社交界

姿を現していないにも関わらず

そうでした。

 

これは自分たち全員に対する

裏切りであり侮辱だ。

自分はその結婚式に出席しない。

そんな公爵夫人は絶対に認めらない。

 

ある日、誰かが

そのような宣言をした時、

待っていたかのように同調する

貴族たちが現れたのは

不思議なことではありませんでした。

 

激変する時代に立ち向かうために

一丸となっても不十分なのに、

先頭に立って

秩序を破壊する行為を犯すなんて。

それもヘルハルトが。

 

しかし、どんなに馬鹿げていても、

ヘルハルトだ。

あの家門と対立すれば、

このベルクで、

事業を正常に運営することは

難しいだろう。

 

他の誰かの見解も一理ありました。

ヘルハルトが所有するビジネスは

飛躍的な成長を遂げていました。

ただでさえ資本が

旧秩序を蚕食しつつある状況で、

その資本の先兵に立つ家門と

公然の敵になるのは困りました。

しかも、その家門は

旧秩序の象徴でもありました。

 

二つの意見に分かれた貴族たちが

激しい攻防戦を繰り広げている間に

勝利より、さらに熱い話題である

その問題の結婚式の日が

近づいて来ました。

そして皆は虚無感に襲われました。

 

その結婚式は夏の終わりの夕方、

アルビスで行われるそうでした。

ヘルハルトは、

近親者を選別して招待しただけなので

社交界全体が驚愕しました。

出席を拒否することで、

しっかりヘルハルトに

恥をかかせるつもりだった貴族たちは

震えながら、

その傲慢さと無礼を叱咤しましたが

状況が変わることはありませんでした。

その問題の結婚式は

いつの間にか目前に迫っていました。

日が昇ると、

傷が、より鮮明に見えました。

緊張しているせいで、

ほとんど眠れないまま

朝を迎えたレイラは、

ぼんやりとした目で、

向かい合っている

マティアスの体の傷跡を凝視しました。

記憶に残っている腕の銃傷の他にも

たくさんの傷がありました。

 

帰って来たマティアスの姿は、

以前と少しも変わっていませんでした。

外見はもちろん、その表情と仕草、

全てがそうでした。

そのため、

服を脱いだ体に残っている多くの傷に

さらに、大きな戸惑いを覚えました。

 

初めてそれを見た瞬間、

レイラは大声で泣いてしまいました。

見ているだけでも

彼の体が痛そうでした。

 

じっと彼女を見守っていたマティアスは

泣かないで。

君が好きなものは大丈夫ではないかと

言うと、傷一つない顔を指差して、

平然と微笑みました。

 

その言葉に、あまりにも呆れて

言葉が詰まってしまったレイラは

返事の代わりに拳で彼を殴りました。

しかし、

力を入れることはできませんでした。

それが、とても悔しいけれど、

レイラは、結局そうでした。

 

彼女は、あの日のように

マティアスの体に残った傷を

そっと撫でてみました。

時間が経てば薄れるだろうけれど

消えることはない。

そのような傷痕が残っていても

依然として強健で美しい体でしたが

残念な気持ちは、

どうしようもありませんでした。

 

いつの間にか目を覚まして、

自分を見つめているマティアスと

目が合うと、レイラはビクッとして

「痛いですか?」と尋ねました。

マティアスは、

「いいえ、続けて」と答えました。

 

鑑賞するように自分を見つめる視線が

少し恥ずかしくなったレイラは、

慌てて彼に触れていた手を

引っ込めました。

 

彼女は「もう行ってください」と

告げました。

マティアスは

「どこへ?」と尋ねました。

レイラは、

「どこって、あなたの部屋へ」

と答えると、しかめっ面をして、

二つの寝室をつなぐドアのある方向を

指差しました。

 

一緒にラッツで過ごしていた二人は、

結婚式を挙げるために、

先週末、アルビスにやって来ました。

懐かしい風景に出会えた喜びもつかの間

レイラを襲った混乱と負担は

日が経つにつれ

大きくなって行きました。

 

レマーさんちのレイラが

ヘルハルト公爵夫人となって現れると

レイラに対する使用人たちの態度に

隠すことのできない気まずさが

滲み出ていました。

レイラも変わりませんでした。

一朝一夕に、彼らの主人になることは

できませんでした。

実は永遠にそうだと思いましたが、

誰にも、そんな素振りを

見せることはできませんでした。

 

マティアス・フォン・ヘルハルトと

結婚するということが、

単に一人の男の妻になるだけでは

ないということを知らずに

下した決定ではありませんでした。

しかし、目の前に迫って来た現実は、

レイラの覚悟が萎えるほど、

手に余りました。

 

先週が、

どのように過ぎてしまったのか

分かりませんでした。

 

公爵邸で見たアルビスは、

レイラが知っていたものとは

全く違う、見知らぬ世界でした。

レイラは、

全く違う話し方をし、考え、

動かなければなりませんでした。

自分の体の一部のような子供とも、

もはや、いつも

一緒いることはできませんでした。

 

直接、子供の面倒を見たいと

何とか勇気を振り絞って

言ってみたけれど、

その言葉を聞いた

エリーゼ・フォン・ヘルハルトは、

話ができる子犬でも見たかのような目で

じっと嫁を見つめて、

「あなたはもうヘルハルトです」と

返事をしました。

 

彼女の答えは、

たった、その一言でしたが、

レイラは、その裏に込められた

多くの意味を理解しました。

 

途方に暮れていましたが、

それでも最善を尽くしてみました。

子供のように駄々をこねて

迷惑をかける存在になるのは嫌でした。

マティアスと子供のためにも

必ずうまくやり遂げたいと思いました。

しかし、努力すればするほど、

どうしても狭めることのできない

隙間だけが鮮明になりました。

 

レイラは、決して

先代の公爵夫人たちのように

優雅な社交界の女王になれるとは

思えませんでした。

 

慌ただしく過ごした一日が

終わった深夜、

あまりにも広くて華やかで

恐ろしいほどの公爵夫人の寝室に

一人で残されると、その事実が

より一層鮮明に感じられました。

あちこちに掛けられている

肖像画の中の貴婦人たちと目が合うと

必ず、厳しい叱責を

受けているような気がして

心が縮み上がりました。

フェリックスを胸に抱いて、

あの柔らかい匂いと温もりでも

感じることができれば、

まだマシだと思いましたが、

今、子供は他の部屋で、

二人の奥様が厳選した乳母と

一緒に過ごさなければ

なりませんでした。

 

不安で怖くて全く眠れなかった夜に

マティアスが来ました。

この部屋で過ごした最初の夜に、

存在することも知らなかった

ドアが開く音に驚いて、

危うく気絶するところでした。

 

公爵夫妻の寝室をつなぐ通路が

別にあるということは、

その日、突然現れた

マティアスを見て初めて知りました。

しかし、

それは、してはいけないことでした。

 

二人の奥様は、二人を呼び寄せた席で

いくら子供まで産んだ後に行う

結婚式だとしても、

守らなければならない礼法があり、

結婚前までは

互いに距離を置くのが正しいと

はっきり言いました。

確かにその言葉を一緒に聞いて

返事をしたにもかかわらず、

マティアスは遠慮なく

レイラを訪ねて来ました。

そして、レイラは

そんなマティアスを

拒むことができませんでした。

 

彼がそばにいると安心できました。

フェリックスを胸に抱いている時と

同じような気分でしたが、

息子よりずっと大きくて温かく、

何より、

彼女を抱き締めてくれるという点で

もう少し大きな慰めになりました。

 

「早く行って。

見つかったらどうするの?」

日が昇ると、レイラは、

さらに切羽詰った状態になりました。

マティアスは、

片腕で頭を支えて横になったまま

じっと彼女を見下ろしました。

そして片方の口角を上げて

プッと笑いを漏らしました。

 

誰も知らない秘密の愛だと

固く信じている純真な女が

可愛いと思いました。

この姿が、なかなか良いので、

あえて現実を知らせる必要は

なさそうでした。

 

「レイラ」

その名前を囁くマティアスの声から

まだ少し、眠そうな気配が

滲み出ていました。

レイラは何だか恥ずかしくなって

頬を赤らめました。

こんな姿をしていながら、

たかが名前を呼ばれるだけで

顔が真っ赤になるなんて何なのか。

どう考えても可笑しいことなのに、

心は思うように

動いてくれませんでした。

 

「笑ってみて」

指に緩やかに巻きつけた髪の毛を

触っていた彼が

突拍子もないことを言いました。

しばらく物思いに耽っていたレイラは

少し眉を顰めながら、首を振ると

そんな命令は嫌だと反発しました。

 

マティアスは、

そのくらいプレゼントしてくれないかと

要求しました。

レイラが、その理由を尋ねると、

マティアスは、

「まあ、結婚する日だから」と

大したことないように答えましたが

レイラは、突然緊張した表情になって

息を殺しました。

じっと彼を見つめた後、

深刻に部屋のあちこちを見回し、

そして、

再び泣き出しそうな表情になって

彼に向き合いました。

 

レイラは、

少し怖いと訴えました。

マティアスは「何が?」と

答えました。

レイラは、自分が

本当に公爵夫人になれるかどうか

分からない。

一生懸命勉強して努力するけれど

それでもダメだったら

どうすればいいのか。

自分があなたと子供の弱点になったら

どうすればいいのかと尋ねました。

マティアスは、

そんなことはないと答えました。

ひどく萎縮しているレイラとは違って

彼はあまりにも平然としていました。

 

レイラは、

どうして、そのように

確信しているのかと尋ねました。

マティアスは、

自分がそうさせないと答えると

レイラの頬にキスをしました。

一抹の躊躇も恐れもない、

多少厚かましい顔でした。

 

心の中が分からない男を

じっと見つめていたレイラは、

気が抜けて笑ってしまいました。

 

分からない。

本当にこの男が分からない。

約束を守ってくれて、

とても嬉しくて感激したけれど

生きていることを、意図的に、

しかも、二つの季節が過ぎても

隠していたという事実に

大きな裏切り感を覚えました。

しかし、その全てが

「あなた」のためだと

平気で言っていた彼を、レイラは、

とても恨むことができませんでした。

彼女を見るマティアスの顔からは、

いつものように、

どんな後悔や呵責も

見つけることができませんでした。

 

目的を達成するためなら、

憚ることなくトリックを使い、

自分の死さえも手段として

活用できる男を、決して良い人だと

言えないと思いました。

彼のやり方を完全に理解するのは

レイラにとって難しいことでした。

自分に関する事柄や感情については

特にそうでした。

 

それでも大丈夫でした。

帰って来たマティアスの胸に駆け寄り

抱かれた瞬間に、

レイラは過去の傷と悲しみ、

そして、これからの混乱まで

全て力いっぱい引き受けました。

彼を愛している。

今や、その事実より重要なものは

何一つ、ありませんでした。

 

「もう一度」

頬を包み込むマティアスが

低く命令しました。

レイラは諦めたように、もう一度、

今度は彼の両目を見て笑いました。

これくらいのプレゼントなら

いくらでもあげられそうでした。

彼の言う通り、

結婚式を控えた朝だから。

 

甘い微笑みと静かな眼差し。

そして次第に熱を帯びていく

口づけの中で、朝が来ました。

しかし、二人は、

まだ真夜中の恋人たちのように

絡み合っていました。

 

公爵夫人の寝室を離れる前、

ベッドのそばに戻り、

ぐったりと横になったレイラの額に

キスをした彼は、

自分もプレゼントをあげる。

期待してもいいと囁きました。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

マティアスの死の知らせを

号外で見ても、

彼が帰って来るという約束に

縋って、子どもと二人で

生きて来たレイラ。

マティアスが

半年も、生きていることを

隠していたことに

腹が立つのは当然だと思います。

けれども、

マティアスが死んだというのは

誤報だった。

実は生きていると

すぐに分かっていたら、

クロディーヌとの婚約は

破棄できなかったかもしれません。

 

リエットが死に、

マティアスまで死んでしまったら

ブラント伯爵夫妻は、

クロディーヌの結婚適齢期

過ぎないうちに、

彼女の結婚相手を探すために

躍起になるはず。

マティアスは、

そのような彼らの行動を

予測していたのではないかと

思います。

 

また、マティアスが死んだと思い

失意の底に沈んでいた、

カタリナ様とエリーゼは、

彼が生きていると知って

本当に喜んだでしょうから、

再び、彼を手放すことなんて

考えられず、

彼がヘルハルト家を去るくらいなら

レイラとの結婚を許した方が

マシだと思ったのではないかと

思います。

 

マティアスはレイラを長い間

悲しませてしまいましたが、

レイラと結婚するために、

それだけ用意周到に準備する必要が

あった。

これがマティアスの

失敗しないための方法なのだと

思います。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain