自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 67話 ネタバレ ノベル あらすじ マンガ 53、55話 変だけれど有難い男

67話 ピアノを弾いていたオデットのもとへ、バスティアンがやって来ました。

本当に変な男。

いくら考えても、

オデットが下すことができる結論は

それだけでした。

 

ピアノの前に近づいたバスティアンは

しばらく黙って

楽譜を見つめているだけでした。

もしかして、

音楽に造詣が深かったのかという

疑問が浮かぶほど、

慎重な目つきでした。

 

沈黙の重さに

耐え切れなくなったオデットは、

先に休んでいて欲しいという伝言を

残しておいたけれど、 もしかして、

ドーラに会えなかったのかと

先に尋ねました。

 

バスティアンは、

知っている。聞いたと答えましたが

返事をした瞬間も、彼の視線は

楽譜に向かっていました。

 

オデットは、

「それなのに、なぜ?」と

尋ねました。

ピアノを撫でていたバスティアンは

白く輝く鍵盤をポンと叩くと

「ただ、眠れないから」と

答えました。

 

バスティアンは、

次に黒い鍵盤を叩くと、

やがて顔を上げて

オデットを見ました。

バスティアンの口元には、

微かな笑みが浮かんでいました。

勝手に就寝時間を破ったことを

叱責されるだろうという予想とは

全く違う状況でした。

 

慌てたオデットは、

練習量が足りなかったので

しばらく時間を取ったけれど、

あなたに迷惑をかけるとは

思わなかった。今後、

このようなことがないようにすると

先に謝りました。

 

眉を顰めたバスティアンは、

すぐに、再び

楽譜に視線を向けました。

そして、鍵盤から手を離し、

楽譜の一番上の五線譜の

音符記号がある位置を指差して、

これは何かと尋ねました。

理解できない質問でしたが、

オデットは「トリルです」と

まず落ち着いた返事をしました。

 

「トリル?」

バスティアンは見知らぬ言葉を

繰り返しました。

トリル。音符の横にある

小さな音符の横に付いた

装飾記号の名前を覚えている間に、

オデットが一歩近づいて来ました。

 

バスティアンは目を伏せて、

これが、あの波のような音かと

尋ねると、

ピアノの前に並んで立った

オデットの横顔を見ました。

 

「波ですか?」

丸く大きくなった目で

バスティアンを見ていたオデットは

しばらくして「ああ」と

小さく感嘆しながら笑いました。

 

オデットは、

「この部分のことですね?」と

尋ねると、

トリルを演奏し始めました。

バスティアンの記憶に残っている

あの静かな波のような旋律でした。

 

オデットは、

トリルは装飾音だと説明しました。

そして「装飾音」と呟くバスティアンに

ピアノは音の持続時間が短いと伝えると

その事実を証明するかのように

鍵盤を一つ押しました。

力を入れて押していても、

音はすぐに消えて行きました。

 

「けれども、

この音をずっと続けたい時は

このように」と言うと、オデットは

音が消えたその鍵盤で

再びトリルを弾き始めました。

先ほどの鍵盤とその隣の鍵盤、

そして、その隣の鍵盤を転がすように

素早く弾くのを繰り返す

演奏法でした。

 

オデットは、

隣の音で装飾をして、

この音を持続させると説明すると

鍵盤から手を離し、

ピアノの横に退きました。

そして、一度やってみないかと

提案しました。

「私がですか?」と

呆れたように問い返すバスティアンを

前にしても、オデットは

平然と頷きました。

 

呆れながらも、バスティアンは

鍵盤の上に静かに手を置きました。

オデットを真似るように

指を動かしてみましたが、

彼が作り出す音は、

荒れ狂う波ならまだしも、

穏やかな波とは程遠いものでした。

 

ふと自分が滑稽になったバスティアンが

鍵盤から手を離すと、オデットは

パチパチと形式的な拍手をしました。

彼女は、

これくらいなら悪くない。

自分の射撃の実力と同じくらい

素晴らしいと思うと、

巧みに嘘をつきました。

優しく罵る才能も

ずば抜けた女でした。

 

バスティアンがクスッと笑うと、

オデットの唇も

柔らかな弧を描きました。

さらに穏やかになった視線の中で、

互いを映し合っていた時間は、

マルグレーテの乱入で

幕を閉じました。

 

二人の間を遮るように立った

マルグレーテが

バスティアンに向かって

唸り始めました。

 

困ったオデットは、

「そんなことをしてはダメよ、

マルグレーテ」と

言い聞かせてみましたが、

マルグレーテは退きませんでした。

今は歯まで剥き出して、

バスティアンを警戒していました。

 

オデットは、

メグは、まだあなたを

怖がっているようだと謝ると

急いでマルグレーテを

抱き上げることで

事態を収拾しました。

時間が経てば良くなるだろうという

見解は付け加えませんでした。

マルグレーテとバスティアンが

親しくなる時間は

与えられないだろうし、

実はそうする理由がない

間柄でもありました。

考えがそこまで行き着くと

一日中落ち着かなかった気持ちが

整理されました。

 

なぜバスティアンが

何も言ってくれなかったのか

不思議だった。

 

バスティアンの出征の知らせを聞いた

瞬間から、今までずっと

その疑問を噛み締めていたことを

オデットは今、

分かったような気がしました。

それが、

どれほど馬鹿げたことだったのかも。

 

マルグレーテが落ち着くと、

さらに深い静寂が訪れました。

幸い、バスティアンは

大きな不快感を示しませんでした。

 

安心して

マルグレーテを下ろしたオデットは

楽譜を片付けました。

バスティアンが興味を示した小節の上に

一瞬、視線が留まりましたが、

心に留めることはありませんでした。

 

オデットもトリルが好きでした。

子供の頃は特にそうでした。

美しい瞬間を続けたいという努力が

愛おしいと思ったようでした。

幼い少女らしい感想でした。

 

オデットは、

最後にピアノの蓋を閉めた後、

バスティアンと向き合いました。

 

射撃の指導を受けた翌日、

バスティアンは、

練習で使ったライフルを

プレゼントしてくれました。

オデットの拒絶は

認められませんでした。

必要になるだろうから

受け取っておけという言葉の意味が、

今になって

理解できるような気がしました。

 

もしかしたら、

自分自身を守るための防備策を一つ

用意してくれることが

バスティアンの最後の

プレゼントかもしれませんでした。

それなら、それは

深く感謝すべきことでした。

オデットは、

その気持ちだけを大事にしたまま

良い終わりを迎えたいと思いました。

それは、この世の誰よりも

大きな好意と配慮を与えてくれた

男にあげたい、オデットの

最後の贈り物でもありました。

 

本当に変だけれど、

やはり有難い男を見つめながら、

オデットはゆっくり微笑むと、

「夜が更けました。

そろそろ帰りましょう。」と

告げました。

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その手紙が届いたのは正午過ぎでした。

真昼の太陽が、

アルデン湾を照らしていましたが、

厚いカーテンを閉めている

女主人の寝室には

光が入りませんでした。

時間さえ分からない

その岩窟のような部屋の中で、

テオドラ・クラウヴィッツは、

ゆっくりと

グラスを傾けていました。

もう片方の手の指には、

半分焦げたパイプを

挟んだままでした。

 

一息ついたスーザンは

「奥様!」と急いで口を開きました。

テオドラは、ようやく顔を向けて

メイドを見つめました。

すでに、

かなり酔った状態だということは、

焦点の定まらない瞳を見れば

分かりました。

 

バスティアン・クラウヴィッツ

鉄道敷設権を奪われたという

事実が判明してから、毎日のように、

このような光景が繰り広げられました。

まるで薄氷の上を歩くような

日々でした。

 

スーザンは、

ディセン公爵が娘に

手紙を書いたそうだと、

まず本論から伝えました。

 

介護士として働く妹が

ディセン公爵の様子を知らせるために

訪ねて来ました。

また、くだらない戯言を

聞かされるのではないかと

心配していましたが、

何と、今回は

なかなか使えそうな手紙でした。

 

「手紙?」と聞き返すと、

テオドラは、

長椅子に横たわるように座っていた

体を起こして、手紙を受け取りました。

適当に破った封筒はすぐ、

空のグラスの横に投げられました。

 

紙をめくる音が続く間、スーザンは

罰を受けて立たされているように

椅子の横にいながら、

どうか役に立つ情報が、

一行でも入っていますようにと

祈り続けました。

 

敗北者のような無力な姿は

テオドラ・クラウヴィッツ

似つかわしくありませんでした。

この世で一番愛する友人であり

姉妹である主人が、

あのカーテンをパッと開ける日が

一日も早く来ることを

スーザンは心から願っていました。

 

テオドラは、

愛する男と、この家門のために

全てを捧げました。

その結末が、これほど悲惨で

虚しいものであっては

なりませんでした。

 

読みかけの手紙を

しばらく置いたテオドラは

音楽を消すよう命令しました。

スーザンは、急いで

寝室の反対側の端に駆け寄り、

蓄音機を消しました。

その間に、

椅子から立ち上がったテオドラは

カーテンを開けました。

 

半分はだけていたガウンを

再び羽織ったテオドラは、

テーブルの端に置いた手紙を持って

窓際に近づきました。

スーザンは、どうしても

話しかける勇気がないまま

その姿を見守りました。

 

ディセン公爵の手紙を読む

テオドラの眉間に刻まれたシワが

次第に深くなって行きました。

恐ろしいまでに

手紙に没頭する顔のどこにも

無気力な酔っ払いの痕跡は

残っていませんでした。


しばらくして、

手紙から目を離したテオドラは、

充血した目で、

海の向こうの邸宅を見つめました。

そして、再び顔を背けた時、

テオドラは笑っていました。

スーザンが愛してやまない

勝利者の笑顔でした。

食事が終わる頃、オデットは

今週末に休暇を取ってもいいかと

とんでもない質問をしました。

バスティアンは、

ティーカップを緩く握ったまま

視線を上げました。

オデットは、

きちんとした姿勢で座って

返事を待っていました。

 

バスティアンが

「休暇?」と聞き返すと、オデットは

もし特別な予定がなければ

二日ほど休暇を取りたいと答えました。

オデットの言葉の意味を理解した

バスティアンは目を細めました。

 

彼は、

自分があなたに休暇を取らせる

約束をしたことがあったかと

尋ねました。

オデットは、

そうではないけれど、

普通の雇用契約では

休暇が保証されるものではないか。

自分がメイドを雇う契約を

結んだとしたら、そうすると

答えました。

 

バスティアンは呆れて笑いました。

彼の妻は日増しに、

より有能な使用人へと

変貌を遂げていました。

家庭教師よりは、

執事として成功することを狙ってみても

悪くない才能でした。

 

物思いに耽っていたオデットは、

そういう契約とは違うことは

承知している。

困った頼みだったら申し訳ないと

謝ると、

何事もなかったかのように

再び、食事を続けました。

 

それなら、なぜ、

わざわざ言い出したのか

理解しがたいほど、

超然とした姿でした。

 

一体何が問題なのか。

バスティアンは、

その手がかりを見つけるように

記憶を辿りました。

 

いつもと変わらない朝でした。

同じ時間に目を覚まして、

オデットの寝室を後にしました。

部屋へ行って体を洗い、

髭を剃って、出勤する準備を終えると

ノックの音が聞こえて来ました。

インチキ占い師、オデットでした。

 

いつものように、卵占いは、

今日も、ただただ良いだけでした。

山のように高い意志で

目標を達成する一日。

それなら、バスティアンは、

必ずオデットの本音を

突き止めなければなりませんでした。

 

時間を確認したバスティアンは

「話してごらん、オデット」と

無駄のない本論を伝えました。

残った卵と、

コーヒーを残さず飲んでいた

オデットは、

びっくりして顔を上げました。

 

「何か問題でも起きたのですか?」

バスティアンの、

静かな力のこもった質問が

朝の光の中に染み込みました。

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バスティアンは

オデットに魅かれているけれど、

オデットは、あくまでも契約と

一線を引いている。

けれども、少しずつ二人の関係が

変化しつつあるのに、

不穏な空気が・・・

 

だから、オデット。

隠してはダメだったのと

声を大にして言いたいです。

ティラは

警察に行くと言っていたのだから

そうすれば良かったのです。

ティラは未成年だし、

日頃のディセン公爵の行動を見れば

情状酌量の余地は

十分あったと思います。

それと、

父親の所へ行きたくない気持ちは

十分すぎる程、分かるけれど、

やはり一度は会いに行くべきだったと

思います。

そうすれば、ティラのせいで

怪我をしたのを

ディセン公爵が思い出したことを

知ることができたし、

そんなことを、

手紙に書くこともなかったと思います。

 

ディセン公爵が送るように頼んだ手紙を

横取りするなんて、犯罪ですが

そもそも、ジェフの前妻が邪魔で

命を奪うような人たちが、

たかが手紙を盗むくらい、

何とも思わないのだろうと思います。

テオドラには、

自分が犯した罪の報いを

しっかり受けて欲しいと思います。

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