自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ミス・ペンドルトンの恋 4話 ネタバレ 原作 あらすじ マンガ 2話 外見も中身も美しい孫娘

4話 ペンドルトン嬢は、フェアファクス氏の頼みを引き受けました。

フェアファクス氏は、これまで以上に

嬉しそうに微笑みました。

彼はペンドルトン嬢の手を握って

力強く握手をすると、

何度もお礼を言いました。

そして、ハイド嬢に、

再び助けが必要かどうか尋ねました。

ハイド嬢は彼を見向きもせずに

首を横に振る無礼を犯しました。

しかし、フェアファクスさんは気にせず

彼女に、

明後日、この前借りた

メアリー・シェリーの小説を

返しに寄ると、

優しく別れの挨拶をしました。

 

ペンドルトン嬢は、

普段からハンサムだと思っていた

フェアファクスさんの顔が

愛の期待に満ちて

キラキラ光るのを見て、

切なさを感じざるを得ませんでした。

 

フェアファクス氏がテーブルを離れると

ハイド嬢は席に座りました。

顔色が青ざめていました。

 

ペンドルトン嬢は彼女のそばに座り

氷のように冷たくなった彼女の手を

ギュッと握って温めてくれました。

ハイド嬢の顔には、

先ほどの不適切な表情はすべて消え

罪悪感だけが満ちていました。

ペンドルトン嬢は、

自分とのいくらかの会話により

彼女の気持ちが

完全に決まってしまったことに

気づきました。

彼女は明後日、

フェアファクス氏のプロポーズを

断るつもりでした。

結婚式のすべての日程が終わり

すぐにイタリアへ旅立つ

モートン夫妻を見送った後、

ペンドルトン嬢は疲れた体で

馬車に乗り込みました。

馬車はゆっくりと出発しました。

 

ペンドルトン嬢は

窓辺に頭をもたせかけて

ぼんやりと窓の外を見ました。

 

式場周辺を囲んでいる

静かな公園を離れると、すぐに

慌ただしいロンドンの夕方の街が

広がりました。

 

平たい帽子をかぶり、

パイプをくわえたまま

どこかへ歩いていく労働者たち。

古びたケープを巻いて、

せかせか歩きながら

家に帰る中年の女性たち。

砲台の中をのぞき込もうと

躍起になっている少年たちと、

ガス灯の火を点けるために

梯子を担いで行く若い労働者たち。

様々な青果物が、

今にも崩れそうなくらい積まれている

露店。

着飾った通行人に花を売るために

近寄る幼い少女たち。

 

いつものように

慌ただしくて騒がしい

ロンドンの姿そのままでした。

 

馬車が目的地に近づくほど、露店は

美しいショーウインドーのある

手作り帽子店とレースを売る店へ。

道行く人たちは、

シルクハットをかぶった紳士たちと

お尻がふくらんだドレスを着た

淑女たちへと

次第に変わって行きました。

 

せかせか歩いている人たちは、

専ら、急ぎの用事を抱えて、

自分が属する邸宅に駆けつける

若いメイドだけでした。

 

ついに、

メイフェアの最も裕福な住宅街である

グロヴナー通りに入ると、

ペンドルトン嬢は

もたれかかっていた体を起こして

頭を一度撫でつけました。

まもなく馬車が止まり、

御者がさっと降りて、

ドアを開けてくれました。

ペンドルトン嬢は御者の手を取って

軽やかに馬車から降りました。

それから御者に挨拶した後、

すぐに自分の家に入りました。

 

ペンドルトン嬢にとって馴染みのある

ペンドルトン家のタウンハウスは、

多くの人に

十分な驚きを与える場所でした。

 

ほとんどの訪問客は、

ドアを開けて入ると、すぐに目につく

巨大な印象派の絵画に凍りつきました。

続いて、

応接室とつながっている廊下の壁に

ずらりと並んだ華麗で挑発的な油絵。

中国から空輸して来た

赤いタペストリーと、

大蛇の絵が描かれた陶磁器の花瓶により

眩暈がするほどでした。

 

しかし、ここで十数年間暮らしている

ペンドルトン嬢にとっては、

こと新しくもない光景に

過ぎませんでした。

彼女は、それら全てを一切見ることなく

まっすぐ二階へ上がって行きました。

そして三つの部屋のうち

真ん中の部屋のドアをノックしました。

 

「ローラ?」と聞かれると

ペンドルトン嬢は、

「はい、ローラです。 入ります」

と答えて、ドアを開け、

部屋の中に入りました。

カーテンが引かれた部屋の中は

少し薄暗く、

ひたすら燃え盛る暖炉のそばからだけ

明るい光が広がっていました。

 

火に向かって座っている

アビゲイル・ペンドルトン夫人は、

膝に猫のアニーを乗せ、

暖炉の火と、そばに置いてある

小さなガスランプを頼りに、

紙の束を

注意深く見ているところでした。

 

ペンドルトン嬢は、

アビゲイル夫人のそばに近づき、

彼女のそばに置かれている

小さなスツールに座りました。

 

ペンドルトン嬢は、祖母に

体の具合を尋ねました。

アビゲイル夫人は、

疲れた目をこすりながら、

先程よりは、だいぶ良くなった。

このうんざりする原稿のせいで、

また寝込んでしまいそうだけれどと

軽く答えました。

 

ペンドルトン嬢は、

ネイズさんの原稿ですか?

五回も書き直したそうだけれど

そんなに、ひどいのかと尋ねました。

アビゲイル夫人は、

一つの段落に、同じ形容詞を

三回以上繰り返すなというアドバイス

一体、なぜ聞かないのか理解できない。

また、主人公が、

幼い頃に腎臓が悪かったという話を

なぜ五ページ毎に繰り返しているのかも

分からない。

二人が追跡しているネックレスが

この人の腎臓の中にでも

隠れているのだろうか。

元気な自分の腎臓まで

ズキズキして来ると嘆くと、

原稿の山をサイドテーブルに放り投げ

ペンドルトン嬢に向かって

好奇の目を輝かせました。

 

彼女は、

今日のエリザベスとエドワードの

結婚式はどうだったか。

最初から最後まで、

順を追って説明してみてと頼みました。

 

ペンドルトン嬢は、この瞬間のために

頭の中に刻み込んで来た

結婚式の甘い一場面一場面を

伝えました。

 

式場の飾りと招待された人々の面々。

新郎新婦の結婚式の衣装と

結婚誓約をする時の声の抑揚。

披露宴会場の規模と

ビュッフェで出された料理の種類。

 

その中で一番甘い部分は

エドワード・モートン氏が

花嫁にキスをした直後の

涙一滴でした。

断然、今回の結婚式の最高の見せ場で

いつまでも語り継がれるほどの

場面でした。

 

それを聞いたアビゲイル夫人は、

式場にいた客に劣らず驚き、

すぐに高らかに笑いました。

あまりにも楽しくて、

いつも彼女を苦しめている痛風と、

先ほど三流小説を読んで感じた

苦い味さえも忘れたようでした。

 

アビゲイル夫人は、

そうだと思った。

エドワード・モートンの心の中は

見かけほど強くはないと、

自分は言っていなかったか。

しかし、涙まで見せるとは

思わなかった。

その場で直接見られなかったのが

残念だ。

ネムーンから戻って来たら

思い切り、からかってやると

言いました。

 

「おばあ様も本当に」と言って

ペンドルトン嬢は大笑いしました。

 

彼女は、ベスが祖母のために

イタリアで楽譜と本を

買って来ると言っていたことを

祖母に伝えました。

それは楽しみだと返事をした

アビゲイル夫人は、

ローラのためには何を買って来ると

言っていたのかと尋ねました。

ペンドルトン嬢は、

真っ白なレースのショールだと

答えました。

 

アビゲイル夫人は、

素晴らしい。

今、あなたが使っているのは

十年以上経っているだろうから

そろそろ一つ買ってあげようかと

思っていた。

ベスは優れた洞察力があると

褒めました。

 

ペンドルトン嬢は、

ベスは小さい頃から賢い子だったと

言うと、アビゲイル夫人は、

だからエドワードのような男と

結ばれたのだろう。

普通の女性だったら、

エドワードの近くに行っても

不安になって、

一言も話せなかったはずだ。

実は、ベスも最初はそうだった。

うちで初めて開いた晩餐会を

覚えているか。

モートンは、

何かの杭のように硬直して

ベスを睨みつけていたので、

あの食用旺盛なベスが、

サラダを何切れかつまんだだけて

頭が痛いと言って逃げてしまった。

どれだけ社交に不慣れだからといって

淑女に、あんな風にふるまう紳士が

どこにいるのかと言って

舌打ちしました。

 

それなのに、二人は

数ヵ月後に結婚することになったので

アビゲイル夫人は、

驚くべきことだ。おそらく、

途中であなたが橋渡しをしなければ

あり得なかっただろうと

ペンドルトン嬢を称えました。

 

彼女は返事をしませんでしたが、

顔が少し赤くなりました。

 

続けてアビゲイル夫人は、

ベスが慌てて逃げ出したので、

呆然として、隅で酒を飲んでいた

エドワードに

あなたが初めて話しかけた。

二時間近く話をしながら、

あなたはモートンという人が

どれだけ良い人なのかを見抜いた。

そして、彼がベスのことを

好きだったということも。

それ以来、あなたは、度々

ベスとエドワードをお茶会に招待し

三人で、よくハイドパークへ

散歩に出かけた。

ベスがしばらくして

エドワードを好きになり、

あの感情がないエドワードが

自分を好きになるはずがないと

苦しむベスに、

あなたは多くの勇気を与えた。

今日の、その傑作のような結婚式は、

結局あなたのおかげだと褒めると

ペンドルトン嬢に、

なぜ、首を横に振るのかと尋ねました。

 

ペンドルトン嬢は

きまり悪そうな笑みを浮かべながら

祖母の手をギュッと握りました。

そして、

そんなことを言われると

恐縮してしまう。

二人の結婚は、

二人が作りあげたもので

自分が介入したことは、ほとんどない。

誰の前でも、

そんなことを言わないで欲しいと

頼みました。

 

しかし、アビゲイル夫人は、

あえて口外する必要なんてない。

モートン家の長男と

デイヤー子爵の金のような一人娘を

あなたが結び付けたことを

すでにロンドン中の人々が

皆、知っている。

あなたが結び付けるのに成功した

幸せなカップルは

これで一体何組目か?

あなたの友達のローズマリー

マクレーン判事。

ロウ男爵家のオリーブと

レイブン子爵家の長男、

それと・・・と言いかけたところで、

ペンドルトン嬢は、

「おばあ様、やめてください!」と

祖母を遮りました。

彼女は顔が真っ赤になり

むやみに祖母の手を振りました。

 

アビゲイル夫人は、いつものように

恥ずかしがり屋の孫娘を

からかうのが楽しくて、

ケラケラ笑いました。

 

アビゲイル夫人は、

あなたは誰かに褒められると、

そのように可愛く顔を赤らめるから、

もっと、からかいたくなる。

今日で、あなたが成功させた結婚は

ちょうど10組目だ。

うちのローラはロンドン最高の仲人だ。

有能なローラ・ペンドルトン!

と褒めると、

ペンドルトン嬢は何も答えず、

顔を赤くして、深く俯きました。

アビゲイル夫人はクスクス笑いながら

ヘアネットに包まれた

ペンドルトン嬢の美しい赤金色の髪を

撫でました。

そして、そっと

孫娘の顎の下に手を添えて

持ち上げました。

燃え盛る暖炉の火の前で

ペンドルトン嬢の顔が現れました。

 

赤くなった頬と

キラキラ輝く濃い灰色の瞳。

整った繊細な顔立ちと白い肌。

 

しばらく、アビゲイル夫人は、

孫娘の顔をのぞき込みました。

面長の顔の中に宿る美しい顔立ちから

彼女はいつものように

自分の娘を見つけることができました。

あまりにも早く逝ってしまった

美しく聡明だった娘

ドロレス・ペンドルトンを。

 

アビゲイル夫人の愉快な微笑みが、

すぐに、ほろ苦いものに

変わっていきました。

彼女は孫娘の顔を撫でました。

ペンドルトン嬢は、

アビゲイル夫人の真剣な顔を

じっと見つめました。

 

アビゲイル夫人は、

自分の質問に率直に答えて欲しい。

まるで時の流れが

逸れて行ったかのように、

ローラは29歳になっても、

こんなに美しい。そして十年前は、

今よりもっと美しかった。

あの時も今も、

あなたは賢くて優しい娘だ。

あなたのように、

外見と中身が両方優れている娘を、

自分は今まで見たことがない。

ところで、なぜ、あなたは

自分が持っている全てのものを

他人のために使うのか。

あなたは、なぜあなたの愛を

見つけなかったのかと尋ねました。

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早くに娘を失くしたアビゲイル夫人は

孫娘の幸せを心から

願っているのでしょう。

二人の優しいやりとりに

心が温まりました。