自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 84話 ネタバレ ノベル あらすじ 甘美な敗北感

84話 オデットはバスティアンの書類を狙っています。

乱れたバスティアンの息づかいが

急速に高まって行きました。

オデットに触れる手の熱さもまた

同じでした。

豪雨のように吹きつける感覚が

理性を蝕んで行きました。

 

バスティアンは、

最後の自制心さえ捨てて

欲望に身を任せました。

邪魔なスカートを取り除き

ブラウスの下に

手を滑り込ませました。

オデットが爆発させた悲鳴は、

再び貪り始めた唇と共に

飲み込みました。

 

誰と、どこで

何をしているのかを悟ると、

熱い失笑が漏れました。

堅固に築き上げた人生が、

たかが、この女1人によって

崩れ落ちるような気がしました。

空しくも甘美な敗北感でした。

 

バスティアン!」

下着を押し上げた手が胸をとらえると

オデットは、もがき始めました。

 

彼女の態度が

急変したのが気になりましたが

バスティアンは、

躊躇うことなく頭を下げて、

揺れる胸を口に含みました。

先に近づいて来たのはオデットでした。

今さら、

気まぐれだったと言ったところで

変わることはありませんでした。

微かな声と乱れた息が重なり、

雨音を静かに、かき消して行きました。

 

完璧に優位に立ったバスティアンは

飢えた獣のように吸いました。

抜け出そうとすればするほど、

より強い力で

オデットを追い詰めて来ました。

 

鍵。

意識が遠のきそうな瞬間も、

オデットは、目的を忘れないように

必死に耐えました。

そして、オデットが

ジャケットのポケットに向かって

手を伸ばし始めた瞬間、

バスティアンが

硬くなった先を噛みました。

オデットは、

鋭い悲鳴が流れ出た唇を

慌てて塞ぎました。

その暴力的な感覚の余韻が

消え去る前に、

熱い手が反対側の胸を手にしました。

 

本能的な恐怖に襲われたオデットは、

力いっぱい、

バスティアンの肩を押し退けながら

もがき始めました。

微動だにしなかった彼が頭を上げたのは

オデットのうめき声が

泣き声に近づいた頃でした。

 

バスティアンは

雨の夜のように、暗くて深い目で

オデットを見下ろしました。

体を半分露わにして、

息を切らしているオデットとは違い、

彼は最初のままでした。

唇が赤くなって濡れていなければ、

仕事中だと言っても

信じられそうでした。

徐々に収まって行く息遣いと共に

静かな凝視が続きました。

 

ふと、オデットは、

もしかしたら最後のチャンスを

与えてくれているのかもしれないと

思いました。

今、拒否すれば

止められるような気もしました。

 

でも、鍵は?

オデットは泣きたい気持ちで、

まだ取り出せない鍵が入った

ジャケットのポケットを見ました。

このままバスティアンと離れれば、

2度とこのような機会は

訪れないはずでした。

 

もう少しだけ。

オデットは、結局、

その絶望的な希望を

選ぶしかありませんでした。

 

ここは、会社の執務室。

それに、先程まで、

サンドリンがいた場所。

まさか、ここで、

やがて別れるようになる女を怖がるほど

意気地のない男ではない。

その信頼が

オデットを無謀にさせました。

 

無意味な抵抗がなくなると、

息が詰まるような静寂が訪れました。

バスティアンの影の下に

じっと横たわっているオデットは、

ただ体を、

細かく震わせているだけでした。

その姿を見下ろす

バスティアンの目つきは、

頭のてっぺんまでこみ上げてきた

苛立ちと欲望で混濁していました。

まったく理解できない女が

もたらした混乱が、

歪んだ笑いとなってこぼれ出ました。

 

籠絡されているようで

気分が悪いけれど、それでも

離れたくありませんでした。

裏通りの賭博場で得た、

有難くない幸運に直面した瞬間から

今まで、

いつもそうだったということを

バスティアンは、

今になって分かったようでした。

いや、最初から

知っていたのかもしれませんでした。

 

バスティアンは悪口が混じった

荒い息を吐きながら空笑いしました。

オデットが、

その下品な言葉の意味に気づいた時、

バスティアンは、破竹の勢いで

唇を飲み込んできました。

穏やかに流れていた流れが、一瞬で

急流に変わったかのようでした。

 

バスティアンは、

歪ませるかのように握り締めた顔に

絶え間なく口を合わせました。

正気を保つのが難しい状況の中でも、

オデットは必死に鍵を探しました。

 

ようやくジャケットの右ポケットに

指先が触れると、

心臓が破裂しそうに動き出しました。

耳たぶを濡らしたバスティアンは、

オデットの首筋に顔を埋めていました。

 

バレることを恐れたオデットは、

片手で、バスティアンの後頭部を

包み込みました。

それと同時に、もう一方の手を

ポケットの奥深くに入れました。

自分の狡猾さに身震いした途端、

冷たい金属性の物体に触れました。

 

反射的に、それをつかみ取ると同時に

バスティアンが

ジャケットを脱ぎ捨てました。

イライラしながら解いたタイも、

その後に続きました。

 

オデットは、

危うく落としそうになった鍵を

しっかり握りしめ、

バスティアンを押し退けました。

何かがおかしいという予感がしたのは

ベルトを外す音が聞こえた後でした。

 

オデットは「やめて、嫌です」と、

自分の言葉が

届かないことを心配して

声を張り上げました。

しかし、バスティアンは

気にも留めない顔で、

かろうじて羽織っているブラウスと

下着を取り除きました。

 

お願い、どうか・・と、

さらに切実になった哀願を終える前に

最後の一枚の下着までなくなりました。


露わになった肌に触れる冷気と

視線に驚いたオデットは、

死地に追いやられた獣のように

もがき始めました。

かろうじて体をひねって逃げましたが

ソファーから抜け出す前につかまり

元の位置に

投げ返されてしまいました。

 

鍵!

オデットは、

いつの間にか拳の間からこぼれ出た

金色の鍵を慌てて隠しました。

その間にバスティアンは

広げられた両足の間に位置しました。

躊躇うことなく

下を触ったバスティアンは

そっと眉を顰めました。

オデットが拒否する間もなく

起きたことでした。

 

何度も緩んでいく拳に

力を入れたオデットは、

まず鍵を安全に隠す場所を探すために

首を回しました。

下腹をかすめる息遣いが感じられたのは

背もたれとクッションの間の隙間を

発見した瞬間でした。


オデットは恐怖に近い

疑問のこもった目で

当惑する光景を見守りました。

バスティアンは、

大きく開かれた両足の間に

顔を下ろしていました。

行為は認識していたけれど、

その意味を知る術がなく、

オデットは、ただ

ぼんやりしていただけでした。

 

一体なぜ?

途方に暮れそうな羞恥心が

息を詰まらせ始めた瞬間、

バスティアンが

目的を明らかにしました。

腰を抜かすほど驚いたオデットは、

鍵を守らなければならないという

一念さえも捨て去り、もがきました。

しかし、バスティアンは、

さほど大きな力をかけずに

必死の抵抗を制圧しました。

優しく口を合わせる音と

熱い息遣いが次々と続きました。

 

到底、逃れる方法がないという事実を

痛感したオデットは、

むしろ自分の目を覆いました。

枕元に落とした鍵を思い出したのは

鉄の匂いがする荒い息に、

湿っぽい微かな声が

混じり始めた頃でした。

 

やっとの思いで目を開けたオデットは

震え始めた手を伸ばし、

握り締めていた鍵を、

見をつけておいた隙間に

押し込みました。

バスティアンは、事を終えるまで

頭を上げませんでした。

 

良かった。

小さく安堵するオデットの唇から

新たに泣き声のような

微かな声が漏れました。

 

良かったの?

体を売る女のように

振る舞っているという自責の念が

心を踏みつけ始めた瞬間、

バスティアンが頭を上げました。

濡れた唇をなめた彼は、

すぐに、オデットの上に

上がってきました。

 

オデットは最後の希望を込めて

彼を呼びました。

震える手で顔を覆うと、

バスティアンの目が細くなりました。

 

何か言わなければならないことを

分かっていましたが、

口が動きませんでした。

声を上げて泣くことさえできない

オデットにできることは、

恐怖と、罪深さと、

悲惨な気持ちを込めて、

哀願するように、ただひたすら、

バスティアンを

見つめることだけでした。

 

読み取りにくい表情をしていた

バスティアンは、

荒々しい手つきで

オデットの髪をつかみました。

一度も見たことのない

冷たくて乱暴な眼差しが

オデットを圧倒しました。

 

息さえ、まともにできずに

震えているオデットを

じっと見つめていたバスティアンは

抑えつけていたため息を吐きながら

額を合わせて来ました。

痛いほど強く、

髪の毛をかき乱していた手は、

いつのまにかオデットの頬を

優しく包み込んでいました。

 

バスティアンは、

オデットの濡れた目元を

拭ってやると、

「大丈夫。じっとしていて」と

低い声で囁きました。

オデットが

両立難い二つの言葉の意味を

理解しようと努めている間に

バックルを外した彼が

ズボンを下ろしました。

 

じっと、その姿を見守っていた

オデットは、

思わず小さな悲鳴を上げました。

逃げようと努めてみましたが、

バスティアンに勝つには力不足でした。

 

呆れたように笑ったバスティアンは

しっかり立ち上がった下を

包み込みました。

オデットが、

その行動の意味に気づいたのは、

彼が明確な目的を持って

動き始めた後からでした。

 

オデットの上に乗った

バスティアンは、

自分を慰め始めました。

息が荒くなった瞬間も、

両目は依然として

オデットをとらえていました。

獲物を貪るような執拗な凝視が

オデットの羞恥心を

さらに深めました。

 

結局、これ以上、

耐えられなくなったオデットは

慌てて顔を背けました。

しかし、バスティアンは

素直に退きませんでした。

大きな手で顎を握り、

オデットの視線を

元の位置に戻しました。


目が合うとバスティアンは笑いました。

その厚かましい君臨者の顔には、

一抹の羞恥心も

浮かんでいませんでした。

オデットは、

まだ、ソファーの隅に倒れて

横たわっていました。

鏡を通して、

その姿をチラッと見たバスティアンは

洗面台の水を止めました。

タオルで濡れた手を拭き、

乱れた髪型や着こなしも整えました。

最後にもう一度、

服装を点検したバスティアンは、

完璧にきれいになった姿に

戻りました。

ソファーへ向かう足取りも

いつものように、

落ち着いていました。

 

オデットは力なく横になったまま

息を吐いていました。

 

バスティアンは、

手に持った濡れタオルで、

女性の体に残った自分の痕跡を

拭いてやりました。

驚いたオデットの拒絶は

黙殺されました。

 

簡単に制圧した細い体の上を動く

バスティアンの手には、

これ以上、情欲の跡は

残っていませんでした。

極めて淡々とした態度は、

ある程度、事務的でさえありました。

 

胸と下腹を通り過ぎた手が

足の間に触れると、

やめて、お願いだからと、

オデットの抵抗が激しくなりました。

 

やっとの思いで立ち上がった

オデットは、ソファーの隅に座って、

体を小さく丸めました。

今になって大騒ぎする態度が

おかしかったけれど、バスティアンは

そのくらいで退いてくれました。

 

バスティアンが、

ソファーの下に落ちている衣類を

拾って渡すと、オデットは、

しばらく席を外してもらえないかと

とんでもないお願いをしました。

両頬はもちろん、耳たぶまで

赤く染まったままでした。

 

改めて恥ずかしがるオデットを

理解するのが難しかったけれど、

バスティアンは、その頼みも

快く受け入れました。

衣類をソファーのひじ掛けに置いた

バスティアンは、

タバコとライターを持って

執務室を出ました。

 

ドアを閉める前、

バスティアンは肩越しに、

そっとオデットを見ました。

注意深く、

彼の後ろ姿を見ていたオデットは

びっくりして顔を背けました。

慌てて服を抱きしめる仕草が

結構、可愛いと思いました。

あの女から、

そんな面を見られるとは

思ってもいませんでした。

 

クスッと笑ったバスティアンは、

執務室のドアを閉めました。

長い廊下を通って

建物の反対側の端へ行くと

休憩室が現れました。

そこでタバコを吸いながら

談笑をしていた職員たちは

急いで立ち上がって

彼を迎えました。

 

バスティアンは、

大丈夫。休んでいてと告げると

罰でも受けているかのように

たじたじとなっている彼らに

短い黙礼をし、

すぐに窓際の席に行きました。

 

勢いの衰えた雨が、

街を優しく濡らしていました。

看板や街頭。

自動車のヘッドライトが

雨の降る都市の夜に

華やかな色彩を与えていました。

 

いつもと、何ら変わらない夜でした。

自分の狂った行いを

実感させる風景でもありました。

じっくり辺りを見回したバスティアンは

自嘲しながらライターを点けました。

 

深く吸い込んだ煙を吐き出しながら

腕時計を見ると、

いつの間にか9時を過ぎていました。

オデットの支度が終わったら、

一緒に家に帰ればいいはずでした。


5分。いや、10分くらい。

ゆっくりと足を組んで座った

バスティアンは考えました。

身に着ける物が多い

淑女の事情を考えると、

多少の寛容さを施すのも

悪くないだろうと思いました。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

バスティアンを責めるべき?

結婚して、同じベッドを使っていても

一度を除いて、

オデットに手を出さなかった

バスティアンが、

なぜかオデットが、

突然、彼の会社にやって来たり、

一緒に帰ろうと言ったり、

自分の隣に座って欲しいような

仕草をしたので、

今まで抑え込んできた気持ちを

爆発させてしまったのも

無理はないと思います。

ここまでしておいて、

最後の一線を越えなかったのは

このまま、オデットとの結婚を

本物にするかどうか

迷っているからなのだと思います。

 

バスティアンの行為を嫌がりながらも

自分の狡猾さに身震いしても

目的を果たすために

この機会を利用したオデット。

真実を知った時の

バスティアンの怒りと苦しみは

相当なものだと思います。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain