自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ミス・ペンドルトンの恋 17話 ネタバレ 原作 あらすじ マンガ 10、11話 未来を描く

17話 ペンドルトン嬢はハイド嬢に、タイピングを習う気はあるかと尋ねました。

ハイド嬢は頷き、

これ以外に選択肢はないと答えました。

ペンドルトン嬢は、

かなり厳しく教えるつもりだと

告げました。

 

ハイド嬢はペンドルトン嬢の

優しい眼差しの中にある

温かい灰色の瞳を見て、

彼女から「厳格」という表現を

連想するのが困難でした。

しかし、彼女は自分に

現実的な助けを与えてくれる

唯一の人でした。

自分が捕まえて縋ることができるのは

ペンドルトン嬢だけで、

彼女がどのように自分を扱っても

完全に身を任せてみるつもりでした。

 

ハイド嬢は、

言われたことは何でもするので、

ペンドルトン嬢の好きなように

教えて欲しいと頼みました。

ペンドルトン嬢はそっと微笑み、

そうしてハイド嬢のトレーニングが

始まりました。

 

ペンドルトン嬢は、まず彼女に

アルファベットの配置を覚えるように

指示しました。

ペンドルトン嬢の書斎では、

実際にタイプライターを打たせ、

家に帰ってからも

タイプライターの文字の配列を

そっくり写して描いた紙を

そばに置かせました。

キーを見なくても、

必要なアルファベットを

打てるようにするためでした。

情熱的な教え子のハイド嬢は、

1週間も経たないうちに

目を閉じていても、全てのキーを

打てるようになりました。

 

しかし、本格的なトレーニングは

これからでした。

タイピストの能力とは、紙の上に、

誤字なしで文書を書き写すことでした。

ハイド嬢は、毎日のように

書斎に並んでいる歴史書や小説、

散文集を打ち始めました。

ペンドルトン嬢は、

5時間ずっとハイド嬢のそばに立ち、

細い鞭をもって、

彼女のタイピングを見ていました。

 

ハイド嬢が

アルファベットの位置を間違えた時は

手にしている鞭で、

指を正しい位置に動かしてやり、

文書から目を離そうとする度に

手の甲を叩きました。

少しチクッとする程度の強さでしたが、

ハイド嬢は、

緊張せざるを得ませんでした。

 

最初、ハイド嬢は、

ペンドルトン嬢と、

その手に握られた鞭に戸惑いました。

優しくて感情豊かなペンドルトン嬢に

体罰などあり得ないと

思っていたからでした。

 

しかし、それはペンドルトン嬢が

淑女の時の姿でした。

先生に変わったペンドルトン嬢は

全く別人でした。

ペンドルトン嬢は、

ハイド嬢を教えている間、

いつも浮かべていたほのかな笑みを

一切見せず、 無愛想な表情で、

話し方も極めて冷静でした。

普段よりタイプミスをする率が高い時、

声は大きくなかったけれど、

膝の裏がしびれるほど、

厳しく叱ったりしました。

 

最初の1か月間は、ハイド嬢にとって

確かに厳しい時間でした。

数時間、

ペンドルトン嬢に叱られながら、

タイピングの練習をすると、

全身がぐったりするほど疲れました。

酷使した指は、関節ごとズキズキ痛み

手首が痛くて

夜も眠れないほどでした。

 

母親は毎日、ペンドルトン家を訪れる

ハイド嬢の背後で

心配を装った皮肉を言い、兄のジョンは

妹がタイピストになろうとしていると

聞くと、

彼女が公然と家の恥をさらしていると

非難しました。

 

しかし、

彼女はその全てを無視しました。

彼女は横が見えない競走馬のように

横も後ろも振り向く余裕が

ありませんでした。

彼女の後ろには、刃物を持った

不確実な未来という強盗が

追いかけて来ていました。 

恐ろしいことこの上ない母親と

一緒に暮らすか、さもなければ

貧しさに苦しみながら

雑用係になる未来でした。

 

幸い一ヶ月が過ぎると、

全てが良くなって行きました。

彼女は手首の痛みに慣れ、

彼女の家族は小言を言うのに疲れて

諦めました。

ペンドルトン嬢の、

厳しいトレーニング法にも

慣れて来たので、

かえって刺激になりました。

 

ペンドルトン嬢の指導に従って

集中すればするほど、

彼女のタイピングの実力は、

着実に上がって行きました。

1ヶ月が過ぎた頃、

彼女のタイピングの実力は、

3日以内に、小説1冊程度、

誤字脱字なしに打てるレベルに

達しました。

 

彼女はペンドルトン嬢が予見した

3ヶ月のうち、1ヶ月を残した時点で、

かなり優れたタイピングの能力を

身に付けるようになりました。

そして、腕を上げて行くにつれ、

ハイド嬢は、以前の憂鬱さがなくなり

快活さを取り戻し始めました。

 

彼女は、もはや自分を卑下したり、

未来を悲観したりすることは

なくなりました。

もう世の中に、

自分を無理やり合わせることはなく、

食べていく道を

心配する必要がなくなりました。

彼女は職業を通じて、

自分の衣食住を解決できるという自信を

持つようになったからでした。

 

そして、そうなればなるほど

ハイド嬢は、

自分にこんな機会を与えてくれた

ペンドルトン嬢に感謝しました。

 

5月のある昼下がり、ハイド嬢は、

いつものように、

1日の間で打つことにした、

小説の1章を全て完成させた後、

紙の山を脇に片付け、

ズキズキする指を、

握ったり開いたりしながら、

ペンドルトン嬢を見つめました。

 

ペンドルトン嬢は

ハイド嬢のタイピングの実力が

自分に匹敵するほどになると、

鞭を置きました。

そして、彼女に1人で練習をさせ

ペンドルトン嬢は、

そばにある別の机に座って

自分のすべきことをしました。

 

心に余裕ができたハイド嬢は、

自分の先生が、

そばで何をしているのか

興味を持つようになり、

ペンドルトン嬢に、

何を書いているのかと尋ねました。

 

紙をじっと見ていたペンドルトン嬢は

本をそっと持ち上げて

ハイド嬢に見せました。

彼女は、それが

ラテン語の聖書であることに気づき、

驚きました。

 

ハイド嬢は、

日曜日でもないのに聖書を読むなんて

ペンドルトン嬢の信仰心は

本当に素晴らしいと感嘆しました。

 

鞭を下ろした後、

礼儀正しい優しさを取り戻した

ペンドルトン嬢は、

首を横に振りながら、

自分の信仰心を褒めてはいけない。

聖書を勉強する目的で

見ているわけではないと

優しく答えました。

 

ハイド嬢は、

「それでは?」と尋ねると、

ペンドルトン嬢は、

ラテン語を勉強中だと答えました。

 

ハイド嬢は驚いて

ペンドルトン嬢の机まで行きました。

彼女のそばには本が積まれていました。

 

アエネーイスオデュッセイア

イーリアス

ハイド嬢は本を開いてみました。

すべて原書でした。

ハイド嬢には読めない

ラテン語ギリシャ語が、章ごとに

ぎっしり詰まっていました。

 

ハイド嬢は驚きの目で

ペンドルトン嬢を見ました。

彼女もしばらく休もうとしていたのか

ペンを置きました。

先ほどペンが熱心に動いていた

紙の上には、

ラテン語詩編23編3節が

忠実に翻訳されていました。

 

主は私の魂を生き返らせ、

御名のために私を正しい道に導かれる。

 

ハイド嬢はペンドルトン嬢に

ラテン語ギリシャ語を

知っているのかと尋ねました。

ペンドルトン嬢は肯きました。


ハイド嬢は、

どこで習ったのかと尋ねました。

ペンドルトン嬢は、

女学校時代だと答えました。

 

ハイド嬢は、

女学校では、フランス語とドイツ語しか

習わないではないかと反論しました。

ペンドルトン嬢は、

大体そうだけれど、自分の学校には

ラテン語ギリシャ語の授業があった。

簡単な文法中心だったけれど、

基礎をしっかり身に付けさせてくれた。

おかげさまで、1人でも、

辞書1つさえあれば、

ある程度翻訳ができると説明しました。

 

ハイド嬢は驚きの表情で

ペンドルトン嬢を見つめ、すぐに

彼女のそばに椅子を引き寄せて座り、

こんなに分厚い本を

全部読めるなんてすごい。

男だったら、

オックスフォードに進学しても

余裕だっただろうと感嘆しました。

 

ペンドルトン嬢は微笑みながら

オックスフォードに

進学することはできないけれど、

オックスフォードを目指す学生を

助けるくらいには

なっていなければならない。

そうすれば、13歳以上の男の子たちも

教えることができるだろうと

言いました。

 

ハイド嬢はペンドルトン嬢に

家庭教師になるつもりなのかと

尋ねました。

ペンドルトン嬢は、

ひとまず、そのつもりだと答えました。

 

ハイド嬢は、自分がずっと

タイピングの練習をしている間、

ペンドルトン嬢が

そばで何をしていたのかに

ようやく気がつきました。

今まで、ただ読書をしていただけだと

思っていましたが、実はずっと、

このように家庭教師になる勉強を

していたのでした。

 

ハイド嬢はペンドルトン嬢の顔を

注意深く見ました。

ペンドルトン嬢の白くて美しい顔立ちは

いつ見ても女らしく見えました。

 

ペンドルトン嬢はハイド嬢に対して、

いつも慎ましやかで思慮深い

淑女の姿しか見せていませんでした。

何を言っても優しく返事をし、

何があっても

怒ることはありませんでした。

誰が見ても品のある淑女でした。

そのため、ハイド嬢は、

ペンドルトン嬢が、

これほどまでに戦闘的に

未来を準備していることを知ると、

驚くしかありませんでした。

 

ハイド嬢は、ペンドルトン嬢が

姉のローズマリーと通っていた

学校の首席だったことと、

フランス語もネイティブのように

流暢に話せることを指摘しました。

 

ペンドルトン嬢は、

学校を首席で卒業したし、

フランス語も、そこそこできるけれど

その程度では足りないと

返事をしました。

ハイド嬢は、

娘がいる家なら、どこの家でも

歓迎されるだろうと言いました。

しかし、ペンドルトン嬢は、

どの家も、家計が傾いた時に、

一番先に諦めるのが娘たちの教育だし

男の子のための家庭教師に比べて

処遇が悪く、雇用も不安定だと

話しました。

 

ハイド嬢は、ようやく

ペンドルトン嬢の意図を理解しました。

彼女自身も、

それを、よく分かっていたからでした。

 

ハイド家が傾き始めた後、

自分はすぐに学校を出て、

家に帰らなければならなかったけれど

弟は相変わらず、当たり前のように

イートン校で学んでいました。

 

ハイド嬢は、

確かにラテン語ギリシャ語が分かれば

男の子のいる家庭でも

雇われる機会が増えるだろうし

給料も高くなるだろう。

それでは、ペンドルトン嬢は、一生

家庭教師として働くつもりなのかと

訪ねました。

 

ペンドルトン嬢は、

可能であればそうする。

しかし、家庭教師の需要が減るなら、

学校でも働いてみるつもりだ。

自分が卒業した学校には、

まだ自分を教えた先生たちがいて

校長先生も変わっていない。

彼らに手紙を書いたら、

教師の席を与えてくれると思う。

そこで定年まで働いて、

50歳くらいで、隠居生活に入りたい。

20年間働けば、

郊外に小さな家を1軒くらい

用意するお金はできるだろうと

言うと、静かに、

自分が勉強していた本や筆記用具を

片付けました。

 

ペンドルトン嬢はハイド嬢に、

最近、未来について描いているかと

訪ねました。

ハイド嬢は机に顎を乗せながら、

最近、新聞をよく読み、

タイピストの募集広告を

特に注意深く見ている。

弁護士事務所や税務署、

時には新聞社や出版社。

自分は、なるべく

出版社の席がいいと思う。

給料は少ないけれど、

新しく出る本をたくさん

見ることができるだろうから。

でも、どの席でも入れるなら入る。

それでお金を稼いで下宿を探して

家を出るつもりだと、

言葉を選びながら話しました。

 

ペンドルトン嬢は、

ハイド嬢の母親が、

彼女の考えを知っているかと

尋ねました。

 

ハイド嬢は、

知らないけれど心配はしていない。

母親も自分と同じくらい

自分を我慢できないから。

最初は怒ったり

大騒ぎしたりすると思うけれど

いざ出て行けば、すっきりすると思う。

そして一年くらい経てば、

自分がいたことも覚えていないと思う。

自分が家を出るのは、

母と自分の幸せのため。

道理にかなった話ではないけれど

世の中には、間違って結ばれたような

そんな親子関係もあると話しました。

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このお話の舞台はビクトリア朝だと

思いますが、この時期、

シャーロット・ブロンテが発表した

小説ジェーン・エアの主人公ジェーンは

家庭教師で、シャーロット自身も

教師と家庭教師をやっていました。

この時代、女性が就ける知的な仕事は

教師や家庭教師など種類が少なく

財産もない女性が

結婚せずに1人で生きて行くのは

本当に大変だったと思います。

それでも、ペンドルトン嬢のような

バイタリティ溢れる女性がいたおかげで

女性の地位も

向上していったのではないかと

思います。

自立をするための準備の時間を

削ってまで、

ハイド嬢を助けるペンドルトン嬢は

とても素敵な女性だと思います。