自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ミス・ペンドルトンの恋 20話 ネタバレ 原作 あらすじ マンガ 12話 目の前にチラつく顔

20話 ペンドルトン嬢たちはランス嬢主催のピクニックに来ています。

貴族のピクニックスポットとして

脚光を浴びているこの場所は、

青々とした野原と

静かな川辺に生い茂った森林まで

含まれていました。

 

ダルトン氏は、

まるで本能に導かれるように

森へ向かって歩き、

すぐに森林地帯の入口から

きれいな遊歩道が整備されているのを

確認しました。

 

彼は遊歩道に入りました。

一歩ずつ進むにつれ、

人々の騒々しい声が

遠ざかって行きました。

草の葉がさらさらいう音と鳥の声

そして、

イアン・ダルトン自身の足音以外

何も聞こえませんでした。

 

先ほどから、

ずっとこめかみで感じていた脈拍が

次第に収まって行きました。

彼はふっと、ため息をつきました。

考えを整理する余裕ができたのが

幸いでした。

 

この1か月間は、

彼の予想外の出来事の連続でした。

彼が最初にロンドンに来た目的は、

大学卒業後、

手紙をたまにやり取りするだけの

友人たちの顔を見ること以外に

ありませんでした。

その目的は、10日も経たないうちに

全て達成されました。

そもそも、

彼が計画通りに動いていれば、

今、自分は、

ホワイトフィールドホールの

執務室に座って、賃借人たちと

話をしているはずでした。

 

ところが、自分は

依然としてロンドンにいました。

それに、普段から馬鹿にしていた

貴族のふざけた遊びに加わり、

時間の無駄使いをしていました。

ロンドンへ出発する前には

想像もできなかったことでした。

 

滞在が長引くほど、

彼の心は乱れて行きました。

彼は領地に行って仕事がありました。

農場主間の紛争の調整、

土地の開墾事業に関する議論、

土地賃貸問題など、

解決しなければならない問題が

山積みでした。

また領地内に赴任している

老牧師の健康が悪化し、

彼の遺言状の作成と家族の去就問題も

議論しなければなりませんでした。

 

彼の仕事を代行している

土地管理人はいるものの、

他人の手に任せるには

限界がありました。

彼は一日も早く自分の領地に

戻らなければなりませんでした。

 

しかし、彼は、

目に見えない彼を引き寄せる強い力に

捕まっていました。

その力の持ち主は、この上なく華奢な

ローラ・ペンドルトンでした。

 

ローラ・ペンドルトン。

彼女の名前を思い浮かべると、

彼は自分の指先が

微かに震えて来るのを感じました。

誰もいない森なのに、

ひょっとしてばれるのではないかと

心配になり、

彼は拳を握ったり開いたりしながら

その震えを抑え込みました。

 

しかし、震えと共に始まった

激しい心臓の鼓動は、

手のように握りしめて

抑えられるものでは

ありませんでした。

彼は、

胸の中で脈打つ震えを感じながら

彼女を思い浮かべました。

 

彼女と初めて会った舞踏会、

ワルツを踊りながら見つめた

彼女の灰色の瞳。

 

震えはそこから始まりました。

そして最初の震えの後、彼の心は

限りなく彼女に流れ始めました。

機会がある度に、

彼女の家に出入りするのを

止めることができませんでした。

彼女の周りをグルグル回りながら

一言でも話しかけようとする

卑屈な行動を

止めることができませんでした。

 

彼女との交流が続くにつれ、

彼女はあまりにも簡単に

心の扉を開けてしまいました。

慎ましやかで静かな性格と

素直で気さくな本性が調和した心。

利他的な傾聴と明敏な返事。

飾ることのない、

ありのままの優雅さでした。

 

彼は、

これほどまで気に入った性格に

会ったことがなく、

どんな淑女も、彼をこれほど

魅了したことがなかったので、

このように誰かに魅了されたことも

ありませんでした。

 

 

彼はいつの間にか彼女の前で

自分の人生の話を、

次々と語っていました。

今思えば、本当に余計なことまで

話していました。

甥っ子や小作農たち。

彼にとっては重要でしたが、

彼女にとっては、

全く役に立たないのが明らかな雑談。

人前でこんなに正直になったのは

いつ以来だろうか。

 

ところが、彼が愚か者のように

自分の親戚や領地など、

余計なことをたくさん話している間

肝心の彼女は黙っていました。

彼が時々彼女のことを尋ねても、

例えば彼女の家族や親戚について

聞いても、

彼女は簡潔に答えるだけでした。

特に親に関しては、

子供の頃に亡くなったこと以外

何の返事も聞くことが

できませんでした。

 

ダルトン氏はようやく、

彼女の答えが、

あれほど簡潔にならざるを得なかった

理由を理解することができました。

 

ペンドルトン嬢の出生にまつわる話は

ありふれた物語とも言えました。

そのようなロマンチックな

駆け落ち婚は、どの社交界でも

しばしば起こることでした。

しかし、そのありふれた結婚の結果は

いつもそうであるように、

だらしないものでした。

 

イギリスの古くからの秩序は

20世紀を目前にしたこの時期まで

古い歯車を軋ませながら

勤勉に作動しており、その成果物は

依然として変わらない社会通念として

定着していました。

出生に問題がある人、

特に父親の姓を受け継いでいない人は

いくら優れた資質を持っていても

後ろ指を差される対象になりました。

特に淑女、それも、

お金や当主の保護がない淑女なら

なおさらでした。

 

今日、馬車に乗って来る途中、

意図せず耳にした淑女たちの会話が

その証拠でした。

自分たちより10歳は年上の

伯爵家の淑女に対して、

あれほど平然と

悪口を言えるということは、

ペンドルトン嬢が公然と

無視されている対象だという

意味でした。

 

ダルトン氏は、

先ほどのことを考えながら

奥歯をギュッと噛みました。

あの愚かな淑女たちが吐き出した

言葉を考えると、

怒りがこみ上げてくるほどでした。


彼らの悪口の内容もさることながら

彼らはあまりにも自然に

ペンドルトン嬢を見下していました。

彼女が、非常に公然と

悪口を言われていることは

簡単に予測することができました。

ペンドルトン嬢は、

ロンドンの社交界全体で、

そのような扱いを受けていたに

違いありませんでした。

 

彼はペンドルトン嬢の

あの慎ましやかな態度、

静かで謙遜する性格、

恥ずかしがり屋で、

他人の賛辞に対して過剰すぎるほど

敏感に反応する様子を

改めて思い返しました。

 

自分は、それが単にペンドルトン嬢の

生まれつきの性格によるものだと

片付けて、愛らしく感じていました。

しかし、それは、もしかしたら

ロンドンの社交界

何度も受けて来た蔑視に

慣れてしまった態度なのかも

しれませんでした。

自分を飾らないと後ろ指を差され

親しく接していた人たちが

陰で悪口を言う。

それはイアン自身が

社交界に出入りしていた時代、

人々を観察しながら、数多く

発見することができた姿でした。

 

彼は、もともと軽蔑してやまなかった

社交界に対して、再び吐き気を感じ、

ペンドルトン嬢への憐憫で

胸が痛くなりました。

 

ダルトン氏は、

気持ちを落ち着かせるために

しばらく考えるのを止め、

道なりに歩き続けました。

しかし、

いくら考えを止めようとしても、

目の前にペンドルトン嬢の顔が

ちらつくのを防げませんでした。

 

ペンドルトン嬢。

彼女の灰色の瞳に浮かんでいた

澄んだ表情。

自分にカップを渡す時の、

あの華奢な手首。

 

彼はいつにも増してペンドルトン嬢に

会いたくなりました。

華奢な彼女を自分の胸に抱いて

彼女と目を合わせたいと思いました。

彼女の全ての傷を

打ち明けてもらった後に、

慰めてやりたいと思いました。

彼女の頭を自分の肩にもたせかけ、

彼女の背中を撫でて、

彼女の額に口を合わせて・・・


彼は自分の頭の中に浮かんだ考えに

一瞬、顔が赤くなりました。

どうも彼女に対する切なさが

不純な思いに移り変わっていました。

彼は首を横に振りながら

頭の中の想像を吹き飛ばしました。

道の終わりに到達しました。

彼は森を通り抜け、

川沿いを歩きました。

ところが、川辺の向こうから

クスクス笑う声、叫んで騒ぐ声が

聞こえ始めて来ました、

 

彼は声がする方を見ました。

紳士淑女たちが一緒に

水切りをして遊んでいました。

淑女たちが持っている日傘を見ると

今日一緒に来た

ピクニックの一行の一部でした。

淑女2人と紳士1人。

 

彼は、そのまま通り過ぎようと

踵を返しましたが。

男の叫び声に聞き覚えがありました。

ウィリアム・フェアファクスでした。

彼は首を回し、目を細めて、

彼らを見ました。

ウィリアムは、

今にも倒れそうな姿勢で石を手に持ち

力いっぱい川に向かって、

横に投げました。

そして、そばに立っている淑女たちは

その姿を見守っていましたが

しばらくして、両手を取り合って

ピョンピョン飛び跳ねました。

 

女性たちを注意深く見たダルトン氏は

すぐに淑女の1人が、

ペンドルトン嬢であることに

気づきました。

彼はすぐに彼らに向かって

歩き出しました。

 

次第に彼らに近づくにつれ、

ペンドルトン嬢が

はっきりと見えました。

いつも身に着けている

真っ白なレースのショールと、

髪をしっかり固定している

ヘアネット。 細い腕と首筋。

彼は拳をギュッと握りました。

心臓がいつになく

締め付けられました。

 

彼が彼らに近づいた頃、

ペンドルトン嬢は、

そばに立っている淑女の日傘を

受け取りました。

ペンドルトン嬢に日傘を渡した淑女は

地面にある石1つを拾い上げ、

体を片側に傾けると、

腕を大きく振り回して

川に向かって投げました。

 

ポン、ポン、という音と共に

沈黙が漂いました。

しばらくして、ペンドルトン嬢は

持っていた日傘を投げ捨て、

石を投げた淑女と抱擁し、

キャーキャー叫びました。

そして、それと同時に、

そばに立っていたウィリアムは

頭を抱えてその場に座り込むと

あと5回跳ねたら

自分が勝ったのに。

大きな石を選んではいけなかったと

叫びました。

 

ダルトン氏は、

石のせいではなく、

お前の姿勢のせいだと

フェアファクス氏の悔しがる言葉に

自然に答えました。

3人の紳士淑女は、一斉に

ダルトン氏の方へ顔を向けました。

 

フェアファクス氏は

パッと立ち上がると

いつ来たのかと尋ねると、

ダルトン氏は「今」とうわの空で答え

ペンドルトン嬢を見つめました。

彼女は生き生きとした顔で

彼に向かって微笑んでいました。

 

彼女のキラキラした瞳と

赤くなった頬が目に入りました。

愛らしい姿。

彼は自分の顔に熱が上がるのを

感じながら、

彼女に視線を向けました。

 

ペンドルトン嬢はダルトン氏に

水切り遊びに参加しないか。

自分はハイド嬢に賭けたので、

ダルトン氏は

フェアファックス氏に賭けてと

誘いました。

 

しかし、ダルトン氏は

優しく首を横に振ると、

自分もハイド嬢に賭ける。

親族という理由で、

損をする側に投資したくないと

断りました。

 

フェアファクス氏は

直接見もせずに、

そんなことを言うのか。

先ほどは自分が勝った。

自分の石がハイド嬢の石より

3回も高く跳んだと主張しました。

 

ダルトン氏は、

それは、おそらく

ハイド嬢がミスをしたか

お前が可哀想だから

わざと負けてくれたんだと

言い返しました。

フェアファクス氏はハイド嬢に、

わざと負けてくれたのではないと

早く言って欲しいと頼みました。

 

ハイド嬢は乱れた髪をかき上げると

フェアファクス氏の実力は

素晴らしい。

ハイド家の最高の水切り屋の自分も

緊張させるほどだ。

ただ、自分の牙城を崩すには、

まだ、ほど遠いと言える。

オリンピックに水切りの種目があるなら

きっと自分が、

イギリスの代表になっているはずだと

返事をしました。

 

それを聞いたダルトン氏は、

「ほう、 そうですか」と

興味深そうに言いました。

ハイド嬢は自信満々な表情で

地面から石を1つ拾い、

手の上に投げては受け取る動作を

繰り返すと、

一度、自分と勝負してみないか。

フェアファクス氏に負けず劣らず、

打ちのめすことができると

言いました。

 

ダルトン氏はハハハと笑うと、

自分も子供の頃は、

ヨークシャー地域の

代表的な水切り選手だった。

国家代表に挑戦状をもらうなんて

緊張すると言いました。

 

ハイド嬢は、

自分に負けるのは、

決して恥ずかしいことではないので

緊張することはない。

まあ、

そんなことはないだろうけれど、

もし、

自分に勝つようなことになれば

ダルトン家に長く残る偉業に

なるだろうから、

一度挑戦してみてと、

明らかに挑発しました。

 

ペンドルトン嬢はダルトン氏に

一度やってみるように。

今回のゲームはダルトン氏に賭けると

横から口を挟みました。

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ダルトン氏は、

ダンスをする前に交わした

ペンドルトン嬢との会話で

彼女に魅かれ、

ダンスを踊った時には、

もう彼女に恋してしまったのですね。

今まで、どんな女性にもときめかず、

好みがうるさいダルトン氏が、

初めて会ったその日に愛した女性。

ペンドルトン嬢を逃したら、

彼には2度と、理想の相手に

巡り合える機会は

訪れないかもしれません。