自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 102話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ 刑罰のような夕食

102話 オデットとバスティアンは一緒に夕食を取っています。

夕食が終わる頃、オデットは

バスティアンが

約束を守ってくれたことに

お礼を言いました。

 

カトラリーを置いたバスティアンは

ゆっくりと視線を上げて、

食卓の向かい側を見ました。

作り笑いを消したオデットの顔は

無表情でした。

良い妻の真似をしていた時とは、

明らかに変わった態度でした。

 

あなたが示してくれた寛容のおかげで

ティラは無事に

学校を卒業することができたと、

気が狂ったような言葉を

並べ立てた瞬間にも、オデットは

一様に落ち着いていました。

 

寛容。

慈善事業家にでもなったような

気分にさせる

その単語を繰り返していた

バスティアンの口元に

虚しい笑いが浮かびました。

身の程知らずに気取っている女が

情けなかったけれど、とりあえず

放っておくことにしました。

一体どれほど立派な対策を

準備しておいたのか、

一度聞かせてもらおうと思いました。

 

バスティアンは何の反論もなく、

再び食事を続け始めました。

世話をしていた使用人たちが

全員退いた晩餐室には

深い静寂が漂っていました。

食器とぶつかるカトラリーの音が、

掛け時計の秒針の音と

奇妙な拍子を取っていました。

 

残った肉を黙々と噛んで、

飲み込んだバスティアンの皿には、

今や、血の色をした肉汁の痕跡だけが

鮮明に残っていました。

 

オデットは、

罰でも受けているかのように

硬直した姿勢で

その光景を見守りました。

ようやく、

勇気を出せるようになったのは、

彼がワイングラスを

手に取った後からでした。

 

重苦しい沈黙の中、オデットは、

もう、これ以上

欲張らないようにすると

静かに囁きました。

 

バスティアンは眉を顰めて

最後の一口のワインを飲み、

ナプキンで口元を拭った後、

本論を述べなさいと、

冷淡に命令を下しました。

オデットは、

小さくため息をついて肯くと、

イザベル皇女が

無事にベロップ王太子妃の座に就き

第一子を産むまで、

この結婚を維持することが、

皇帝陛下が提示した取引の条件だと

聞いていると話しました。

 

バスティアンは

「それで?」と聞き返しました。

オデットは、

春にベロップ王太子夫妻の間に

第一子が生まれ、その間に

ラナト伯爵夫人の離婚訴訟も

無事に終わったと話しました。

 

バスティアンは、

まさか、自分が、

その知らせを聞いていないとでも

思っているのかと、

あからさまな嘲笑を浮かべながら

聞き返しました。

顔が赤くなるのを感じましたが、

オデットは必死に平静を装いました。

 

オデットは、

自分たちの契約が、

終了する時が来たということを、

よく分かっているという意味だ。

だから、もう離婚を受け入れると

呆れた結論を下すと、俯きました。

 

殉教者にでもなったかのように

振る舞う女を

じっと見つめていたバスティアンは

ハハハと大声で笑いながら

空のグラスを満たしました。

 

贖罪と懺悔の時間を

過ごしていただろうという

期待をしていたわけでは

ありませんでした。

それだけの廉恥心があったなら、

そもそも、あんなことをするはずも

なかっただろう。

しかし、先に離婚要求をするなんて

確かに、予想外の一撃でした。

相変わらず奇襲戦に強い女でした。

 

バスティアンが、

ゆっくりとグラスを傾けている間に

オデットが姿勢を整えました。

礼儀正しい他人のような女の顔の上に、

葬儀場で見た

滑稽な光景が浮かび上がりました。

 

オデットのそばにいた男やもめと

彼の幼い娘。

並んで座っていた彼らは、

もう家族同然のように

仲睦まじそうに見えました。

 

品格あるスキャンダル。

どうやらオデット嬢は、

その離婚理由が

一番気に入っているようでした。

 

バスティアンは

半分空にしたグラスを下げながら

肯きました。

オデットの無鉄砲さが

ようやく理解できました。

次期ジェンダス伯爵夫人の座が

目の前なので、一日も早く、

この偽りの結婚の束縛から

逃れたいだけでした。

 

もちろん、

賢明な決定だという事実を

否定することはできませんでした。

マクシミン・フォン・ジェンダスは

この女が手に入れられる

最高の未来でした。

もし、この契約が正常に満了していたら

バスティアンも、

その選択を支持していたはずでした。

しかし、今は、どうだろう?

 

バスティアンは、

無造作に投げ捨てられた

ナプキンの代わりに、手の甲で

赤く濡れた唇を拭いました。

目が合うと、

オデットはビクッと体を震わせました。

怯えている様子が

ありありと見えましたが、

最後まで、視線を避けませんでした。

 

バスティアンは、

じっとオデットを見つめていた目を

細めると、

あなたは本当に運がいい。

罪を償う日が迫る中、

ちょうど父親が死んでくれた。

まるで娘の監獄生活を防いでくれた

高貴な犠牲のようだと言いました。

 

オデットは、

それは、どういう意味かと尋ねました。

バスティアンは、

遺体が無傷だったことを考えると

同じ手口ではないだろう。

今度は毒でも使ったのかと

聞き返しました。

辛辣に嘲弄する瞬間にも、

バスティアンの口調は

極めて丁寧でした。

 

遅ればせながら、

その言葉の意味に気づいた

オデットの唇の間から

うめき声が漏れました。

耐え難い侮蔑感が喉を締め付けました。

まるで全身の血が

冷たく凍りつくような気分でした。

 

バスティアンは、

とにかく目的を達成したことを

お祝い申し上げると告げると

残ったワインを飲み終えて

頷きました。

オデットにできることは、

息を切らしながら、

涙を堪えることが全てでした。

 

現状での離婚は、あなたにとって、

かなり有利な手札となるだろう。

離婚の責任を

負うことになるだろうけれど、

それは、

元々、決まっていた結末だった。

それに、汚いスキャンダルを

いくつか加えたとしても、

父の命を奪おうとした罪とは

比べ物にならないと言いました。

 

オデットは唇を震わせながら

ただ、約束を守るという意思を

伝えたかっただけだし、

でたらめな考えはしないと

言っているし、

どんな処分を下しても甘んじて受ける。

だから、どうか、

あなたの計画を教えて欲しいと、

何とか口を開きました。

 

もちろん、

ティラを念頭に置いた決定でした。

離婚の事実が知られる前に

あの子の結婚式を

行わなければならないだろうから

そのためには、おおよその時期を

把握する必要がありました。

でも、ただそれだけ。

最も有利な時を選んで

責任を回避しようとする

意図のようなものは決してないと

オデットは断言できました。

もし、その気になっていたら

この男が不在だった2年の間に、

とっくに、どこかへ

逃げていたはずでした。

 

バスティアン、私は・・・」

喉元まで込み上げて来た激情を

飲み込んだオデットは

再び口を開きましたが、

その反論を、最期まで

言い終えることができませんでした。

 

オデットを見つめる氷のような瞳には

何の感情も込められていませんでした。

信義を口にすることすらできない

立場を痛感させる目つきでした。

 

バスティアンは、

このまま離婚したら、

あなたは、一体何を失うのかと

尋ねることで、

先に沈黙を破りました。

 

幸せなジェンダス伯爵一家の誕生。

考えれば考えるほど、ふざけた結末に

バスティアンの眉間のしわが

さらに深くなりました。

 

バスティアンは、

自分は莫大な損害を被ったのに、

あなたは、望んでいた全てを

手に入れると言うのか。

これでは、自分が

完全に損をする商売みたいだけれど

そう思わないかと尋ねました。

 

透明に輝く目を瞬かせていた

オデットは、

それでは、

あなたが望む代価は何なのかと、

何でも差し出せるように、

淡々と聞き返しました。

 

バスティアンは「さあ」と、

気乗りのしない返事をしながら

呼び鈴を鳴らしました。

その瞬間にも、両目は

オデットを見つめていました。

震える唇と冷淡な眼差し。

その乖離が、

とても面白いと思いました。

 

あなたが何を失えば、

この取引は公平になるだろうかと

バスティアンが静かな声で

投げかけた質問が終わるのと同時に、

固く閉ざされていたドアが

開きました。

道に迷った子供のような表情を

見せたのも束の間。

オデットは、すぐに

優雅な女主人の笑顔を取り戻しました。


2年ぶりの再会を祝う晩餐会は

甘いチョコレートで

締めくくられました。

最後の一切れまで

バスティアンは残らず平らげました。

苦しい吐き気が収まると、

トイレの水を流す音が続きました。

 

ようやく体を支えられるようになった

オデットは、よろめきながら

洗面台の前に近づきました。

ゆっくりと口を漱いでいる間に

めまいが治まりました。

 

もう3度目の嘔吐でした。

あまり食べられなかった

食べ物はもちろん、

胃液まで全部吐き出したので、

もうこれ以上、このような苦痛を

経験しなくても良さそうでした。

 

濡れた顔と手を丁寧に拭いたオデットは

毅然とした足取りで浴室を出ました。

待機中だったメイド長は、

慌てて近づいて来ると、

オデットの体を心配し、

クラーモ博士を呼ぶことを

提案しました。

 

オデットは、反射的に微笑みながら

首を横に振ると、

大したことではないと答え、

余計な心配をかけたことを

謝りました。

そして、焦りながら、

足元をうろうろしている

マルグレーテを胸に抱いたオデットは

このくらいで

ドレッサーに向かいました。

その時になって、

ようやく安堵したドーラは

すぐに彼女の後を追いました。

 

メイド長は

オデットの髪を梳かしながら、

ご主人様は書斎にいる。

残りの業務を終えた後、

寝床に入る予定だそうだ。

奥様がゆっくり休めるように

今日は、ご主人様の寝室を使うと

話していたと伝えました。

オデットは、

「そうですか」と返事をしました。

 

本当に優しいですねと言う、

鏡に映ったドーラの顔からは、

主人に対する忠誠心と誇りが

鮮明に滲み出ていました。

オデットができる答えは、

ただ微かな笑みを

浮かべて見せることだけでした。

 

ブラッシングを終えたメイド長は、

脱いでおいたベルベットのドレスを

上手に手入れしました。

外しておいた宝石も、

再び金庫の奥深くに入れました。

 

じっとその姿を見守っていた

オデットは、突然訪れた羞恥心に

頬を赤らめました。

父の葬式を行ってから

1週間も経たないうちに

喪服を脱いで華やかな装いをしたのは

あの男の機嫌を取るための

努力でした。

あまり大きな成果は

得られなかったようだけれど。

 

「おやすみなさい、奥様」

最後の任務を終えたメイド長は

丁寧な挨拶を残して

去って行きました。

 

その足音が

廊下の向こうへ遠ざかると、

オデットは静かに寝室を出ました。

一人残された

マルグレーテの悲痛な鳴き声は、

幸い、それほど長引かすに

収まりました。

 

オデットは、

もう一度周りを確認すると、

急いで小さな書斎に向かいました。

まず、ドアをしっかりと閉めてから

机の引き出しに保管しておいた

金庫を取り出しました。

 

刑罰のようだった夕食を終えた後

できるだけ早くティラの件を

解決しなければならないと、

オデットは決心しました。

 

バスティアンは極めて理性的な態度で

公正な取引について語りました。

オデットはその冷静な算法に

恐怖を覚えました。

 

金銭的な損害を

賠償させる方法がないことを

知らないはずがない男でした。

どんな手を使ってでも、

監獄に入れる策略を使う気も

なさそうでした。

 

ならば、

バスティアンに残された手札は

ただ一つ、ティラだけでした。

まさか、あの子にまで

危害を加えるような人ではないと

信じてきましたが、もはや

何も確信できませんでした。

 

決意を固めたオデットは、

金庫から取り出したお金を

慎重に数えました。

夫と子供。

予想外の人員が加わったため、

ギリギリになるだろうけれど、

それでも、この程度なら、

新大陸に移住して、新たな基盤を

用意できそうでした。

 

そのお金を、

元の場所に戻したオデットは、

机の前に座って

ティラへ送る手紙を書きました。

手紙を入れたばかりの封筒を

密封した頃、

電話機のことを思い出しました。

 

この場所にあった電話機は

故障して修理をしているところなので

残っているのは、

バスティアンの書斎に

あるものだけでした。

 

悩んだ末、オデットは、

結局、寝室ではなく

廊下の反対側の端へ足を向けました。

ドアの隙間から漏れる明かりを

確認したオデットは、

暗闇に包まれた廊下の端に

身を隠しました。

幸いなことに、バスティアンは

すぐに書斎を離れました。

ドアに鍵をかけませんでした。

 

明日の朝までに、ティラへ

電話ができるようになったことに

安堵したのと同時に、

電話のベルが鳴り始めました。

ちょうど廊下の角を曲がっていた

バスティアンは、

軽いため息をつきながら

踵を返しました。

 

オデットは息を殺して、

その姿を見ました。

再び書斎に入ったバスティアンが

電話に出るまで、

それほど時間はかかりませんでした。

 

このくらいで、

無謀な欲を捨てることにした

オデットは、適当な隙を狙って

その場を離れました。

きちんと閉めていない

書斎の扉の前を通る時は、

特に慎重になりました。

 

「お久しぶりですね、ラビエル嬢」

薄暗い光と共に漏れて来た

バスティアンの声から、

愛想の良い笑いが滲み出ていました。

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元々ジェンダス伯爵に

嫉妬していたバスティアン。

バスティアン本人は、

それを自覚していないかも

しれませんが、

オデットと離れていた2年の間に

2人が友達以上の関係に

なっていなかったことに、内心

安心していたのではないかと

思います。

ところが、帰還して初めて見た

オデットは、遺族席で

彼と彼の娘と家族のように座っていた。

絶対に嫉妬の炎が

メラメラ燃えたと思うのです。

でも、今のバスティアンは、

オデットの裏切りに対する

彼女への恨みの方が大きく、

可愛さ余って憎さ100倍状態なので、

ジェンダス伯爵に

オデットを取られたくないという

気持ちを、

彼女が幸せになるのは許せないという

気持ちに、

置き換えているのではないかと

感じました。

 

オデットが貯めていたお金は、

毎月、バスティアンから

もらっていたものなのか

皇室からの年金なのかは

分かりませんが、

ディセン公爵の葬儀が、

あまりにもみすぼらしかったのは

お金を節約するためだったのかも

しれません。

もっとも、娘のお金をくすねる

酷い父親のために

立派な葬式を出す必要はないと、

少しくらい、

考えたかもしれませんが・・・

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